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日本のアニメ映画、劇場版『名探偵コナン』シリーズの第2作目 ウィキペディアから
『名探偵コナン 14番目の標的』(めいたんていコナン 14ばんめのターゲット)は、1998年4月18日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの2作目にあたる劇場版アニメである。上映時間は99分。興行収入は18億5000万円[1][2][3][4][5]、配給収入は10億5000万円[6]。キャッチコピーは「次に狙われるのはだれだ!?」。
名探偵コナン 14番目の | |
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Detective Conan The Fourteenth Target | |
監督 | こだま兼嗣 |
脚本 | 古内一成 |
原作 | 青山剛昌 |
出演者 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 山口勝平 茶風林 緒方賢一 岩居由希子 高木渉 大谷育江 |
音楽 | 大野克夫 |
主題歌 |
ZARD 「少女の頃に戻ったみたいに」 |
撮影 | 野村隆 |
編集 | 岡田輝満 |
制作会社 | キョクイチ東京ムービー |
製作会社 |
小学館 よみうりテレビ 小学館プロダクション ポリグラム 東宝 キョクイチ東京ムービー |
配給 | 東宝 |
公開 | 1998年4月18日 |
上映時間 | 99分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 18億5000万円[1][2][3][4][5] |
配給収入 | 10億5000万円[6] |
前作 | 名探偵コナン 時計じかけの摩天楼 |
次作 | 名探偵コナン 世紀末の魔術師 |
劇場版シリーズ第2作目。毛利小五郎とその知人が、名前に入っている数字になぞらえて13から1まで次々と標的になる事件が展開されていく。犯行現場には被害者の数字を表すトランプが残されていく。数字の順番は、目暮十三 (13) → 妃英理 (12) → 阿笠博士 (11) → 辻弘樹 (10) → 旭勝義 (9) → 沢木公平 (8) → 小山内奈々 (7) → 宍戸永明 (6) → 毛利小五郎 (5) → ピーター・フォード (4) → 白鳥任三郎 (3) → 仁科稔 (2) → 工藤新一 (1)[注 1]。犯人は小五郎に恨みを抱いている村上丈(ジョーカー)とされ、物語が進む。そして、映画のサブタイトルである『14番目の標的』とは誰なのか、という謎が本作のメインになっている。なお、名前に数字の付くメインキャラクターが13から番号順に狙われるというストーリーにするにあたり、目暮警部の名前が13=十三(じゅうぞう)、白鳥刑事の名前が3=任三郎(にんさぶろう)と明かされ、原作・アニメシリーズでも共通の公式設定となった。また、「2」の人物は当初は服部平次を予定していたが、テレビシリーズに登場して間もないこともあって断念し、平次の登場は見送られた[注 2][7]。第7作『迷宮の十字路』で、コナンや小五郎が本作について触れている。
物語の別軸として、小五郎が刑事を辞めるきっかけとなった事件と毛利夫婦が別居した理由が描かれている。映画シリーズの設定は、原作者とスタッフで原作・アニメ共に矛盾がないように合わせられている。目暮は刑事時代の小五郎を「数々の難事件を迷宮入りにした」と評していたが、本作で射撃の腕前については本物であることが明かされており、小五郎の有能な部分が垣間見える作品にもなっている(実は原作初期でも阿笠博士が「あれでも昔は敏腕刑事じゃった」とコナンに言っている)。この点については、小五郎は本作以降も原作・アニメ、そして第9作『水平線上の陰謀』などで、コナンを凌ぐ活躍を見せていくことになる。
テレビシリーズのキャラクターからは妃英理が初登場したほか、彼女の秘書である栗山緑も初登場し、後の劇場版やテレビアニメ、原作にも登場することとなる。
タイトルに「日本語で書いて英語で読む語」が初めて用いられた作品であり、第6作『ベイカー街の亡霊』以降定着している[注 3]。
アメリカでは2007年11月20日にファニメーションから英語吹き替え版のDVDが販売された。英語名は「Case Closed: The Fourteenth Target」。
1997年からテレビシリーズの主題歌は2023年現在もビーイング所属歌手が担当しており、本作以降も2011年の第15作『沈黙の15分』まで14年間はビーイング所属アーティストが担当していた[注 4]。
英理がエピローグに回想ではない形で登場したのは本作が唯ーとなっている[注 5]。また、次作から高木刑事や佐藤刑事などが登場するため、目暮と行動を共にする部下が白鳥のみなのも、本作が最後になっている[注 6]。
湖のほとりで母の妃英理を見付けた蘭は、思わず彼女のそばへ駆け寄ろうとするが、英理は大声で蘭を止める。するとどこからともなく銃声が聞こえ、英理が地面に倒れこんでしまう。そんな夢を見た蘭は、不安から英理に電話をかける。それを笑う英理だったが、蘭が夢の中の母が今より少し若く見えたことを伝えると、表情を曇らせる。
一方、コナンは少年探偵団と航空博物館に向かうことになり、阿笠博士を待つ間に歩美は占いゲームでコナンの恋を占う。表示された「Aの予感」にコナンは困惑する(Aはキスを意味する古い隠語)。
1週間後、公園にてジョギングしていた目暮警部が何者かにボウガンで狙撃される事件が発生。現場には紙で作られた西洋の短剣らしきものが残された。また、英理は自身の法律事務所に送られてきたチョコレートに毒が仕込まれており、命に別状こそなかったものの、入院を余儀なくされる。事務所の郵便受けには紙製の花が入っていた。さらには、阿笠家にて博士がバイク上の何者かにボウガンで狙撃される。コナンは犯人を追うが取り逃してしまい、現場には剣のようなものが残されていた。
コナンは数々の遺留品から、これらの襲撃事件がトランプの札に倣って名前に「十三」から「一」までが入る人間が順に襲われていることと、その犯行が小五郎に関連した人物を狙っていることを突き止める。目暮はその情報から、仮出所したばかりの村上丈を犯人だと考えた。コナンと蘭は白鳥刑事から、かつて取り調べから逃げようとした村上が英理を人質にとり、小五郎が拳銃を発砲したが、その弾丸が英理の足をかすめたことがあったと聞く。村上の確保には成功したものの、人質にかまわず発砲したことが問題となり、ほどなく小五郎は警察を退職したのであった。蘭はこの事件が両親の別居に至った原因であると考え、新一の声で電話をしてきたコナンに小五郎への信頼が揺らいだことを訴えるが、コナンは「小五郎が英理を撃ったのは事実でも、それが真実とは限らないのではないか」と諭す。
目暮は「十」のつくプロゴルファー・辻弘樹に事件のことを知らせ、忠告するが、辻はヘリコプターのフライトを止めようとしない。仕方なく小五郎と目暮も同乗することを条件にフライトの許可を出し、コナンもひそかに同乗する。やがて、米花町上空を飛行中に辻が目の不調を訴え、ヘリは墜落の危機に陥る。コナンの助けを借りての不時着によって惨事こそ免れたものの、辻は次の大会を欠場することとなった。原因は辻がフライト前に使用する目薬が散瞳剤にすり替えられていたことであった。さらにスペードの10のカードが発見される。
小五郎が「九」のつく知人に心当たりがなかったため、「八」の標的たりうる、ソムリエの沢木公平を訪ねる。沢木はレストランを任せてもいいという打診を受け、新たに開業する海洋娯楽施設「アクアクリスタル」に行くのだと語り、コナンたちはそこのオーナーとして、「九」のつく旭勝義の名前を目にする。小五郎は旭とも面識があったものの、些細な依頼を受けた程度に過ぎず、知人ではなかった。しかし、犯人もそう考えるかは不明であり、沢木を護衛する必要もあったことから、コナンたちも同行する。
現地に到着した一行は、他の招待客である小山内奈々、仁科稔、宍戸永明、ピーター・フォードと出会い、彼らもそれぞれ名前に「七」、「二」、「六」、「四」の数字を持っていた。さらに白鳥の名前に「三」が入っていることと、「一」はここにはいない工藤新一ではないかという推測も語られる。招待客に事情を説明して村上との関係を聞いたところ、仁科と宍戸は仕事で村上に取材した経験を語る。奈々は3か月前、接触こそなかったもののバイクの運転手を転倒させる自動車事故を起こして逃走していたが、そのことを黙っていた。
旭が不在の中、奈々が旭から贈られたマニキュアでワインのコルクに落書きをして遊んでいると、フォードが足元に旭名義で沢木宛のメモを見つける。そのメモに従って赴いたワインセラーにはブービートラップが仕掛けられており、ボウガンが発射される。気付いたコナンが叫び、沢木が避けたため命中はしなかったが、村上の存在を確信した一行は脱出を決意する。
しかし、建物は入口も非常口も塞がれていたうえ、一行は海中を漂う旭の遺体を発見する。コナン以外の男性陣が手分けして脱出口を探していると、建物の電気が落とされ、マニキュアに仕込まれていた夜光塗料を目印に奈々が刺殺される。遺体から右利きの人間による犯行と判断したコナンは、博士の襲撃犯も右利きだったが村上は左利きだったことに気付き、一連の事件の犯人が村上ではなく招待客の中にいると確信する。さらに電気が落とされた際、犯人が床に置いたジュース缶を蹴り飛ばしていたことから、衣服の裾についた染みによって犯人を特定する。一行にミネラルウォーターを配ることで犯行の動機を確認したコナンは、犯人を追い詰めるための証拠を探し、発見する。
ところがそこで爆発が起こって海水が流入し、一行のいる海中レストランが水没する。泳げない仁科は小五郎が助けるが、蘭だけが浮上してこない。コナンがペットボトルに空気を入れて潜ると、蘭は展示中の自動車に足を挟まれ、抜け出せずにいた。コナンはペットボトルの空気で蘭の窮地を救うが、自身も足を挟まれてしまう。窒息しかけたところへ蘭が口づけをし、今度はコナンへ直接空気を渡す。それによって息を吹き返したコナンは、なんとか足を引き抜き、改めて蘭を「伸縮サスペンダー」を使って救う(これ以降、コナンの上半身の服装が長袖のYシャツのみになる)。
一行は爆破された箇所から泳いで外へ脱出するが、仁科が溺れてしまう。沢木が人工呼吸を買って出るが、コナンは小五郎の声で白鳥がやるように命じ、小五郎を眠らせて推理ショーを始める。犯行は、自身や標的の名前に数字が入っていると気付いた犯人が村上の経歴などを利用して起こしたもので、目暮たちを襲ったのはカムフラージュであり、真の標的は辻や旭、奈々だったうえ、犯人が仁科に対して海中レストランを爆破することで水死させようとしたことと人工呼吸を装って窒息死させるつもりだったことも明かし、それらの真犯人として沢木を挙げる。証拠として、奈々を襲撃した際に紛れ込んだ彼女の落書き入りのコルクをポケットから出させ、さらに新一のカードであるスペードのエースを持っていることを指摘された沢木はエースを出し、犯行を認める。
動機は味覚障害であり、沢木が唐辛子を味見していたところを目撃していたコナンは、沢木のミネラルウォーターにだけ塩を混ぜてそのことを確かめていた。奈々が誘発した交通事故に遭った沢木はまもなく味覚障害を発症しており、視覚と嗅覚で仕事をこなすも矜持から引退を決意したうえ、医者に事故だけでなくストレスが原因の可能性もあると言われたため、奈々と合わせてストレスの原因となった仁科、旭、辻[注 7]への復讐を決意すると、小五郎と不在で会えなかった村上との遭遇を機に彼の利用を考え、まもなく殺害していた。なお、宍戸とフォードは単なる数合わせに過ぎず、特にフォードにおいては小五郎や村上とも無関係であった。
目暮たちは沢木の逮捕に動くが、彼はアクアクリスタルを崩壊させるために仕掛けた爆弾を爆発させ、衰弱によって抵抗できない蘭を人質にとり、ヘリポートへの逃走を図る。建物の全壊が始まり、目を覚ました小五郎、コナン、目暮、白鳥は宍戸たちを避難させ、沢木を追う。崩落の危険と、武器を持って人質を取る沢木の存在からヘリコプターが着陸せず、立ち往生していた沢木のもとへコナンたちが追いつき、白鳥が拳銃を構えるが、腕に自信のない彼は発砲できない。沢木はこれから再度辻の殺害に向かい、その後蘭を道連れにして死ぬと笑い、白鳥の拳銃をコナンを介して自身に渡すよう要求する。窮地の蘭に拳銃を構えたコナンは、かつて小五郎が英理に発砲した真意を悟り、同じ行動を起こす。足を怪我した人質は逃走の障害にしかならないため、小五郎はわざと英理の足を撃ったのだった。コナンの姿に新一の面影を見た蘭、誤解していた白鳥もこの「真実」に思い至った後、小五郎が沢木を捕まえて投げ飛ばす。
目暮が沢木を殺人容疑及び傷害や拉致などの現行犯で逮捕しようとしたところで建物がさらに崩壊し、沢木が海へ落下しかける。目暮の手に支えられた沢木は「離せ!死なせろ!!」と死を望むが、「死なしゃしねぇ!!てめぇに、自分の犯した罪の重さを分からせてやる!!」と小五郎に手を掴まれて責められ、救出を経て目暮に拘束された。救出後、「おじさん、ヘリコプター恐怖症治ったみたいだね!」とコナンに言われた直後に小五郎が完全に怯えて顔が青くなり、「うわああーっ、降ろしてくれーっ!!」と悲鳴を上げた。救急車で搬送される蘭は沢木の持っていたスペードのエースを握りしめ、「新一が守ってくれたのかもしれない」と語るが、それを聞いたコナンは「エース」=「A」=「キス」によって助けられたのは自分であることを実感する。
数日後、英理の家に招かれたコナンと蘭は、かつて小五郎が英理の足を撃った真意を英理自身が知っていた事、怪我を押して作った料理を小五郎が酷評した事が別居の原因である事を英理から聞かされ、英理が極めて料理下手だったことを思い返すのだった。
回数 | 番組名(放送枠名) | 放送形態 | 放送日 | 放送時間(JST) | 放送分数 | 平均世帯視聴率 | 備考 |
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1 | 通常拡大枠 | 1999年3月22日 | 19:00-20:54 | 114分 | |||
2 | 2002年9月1日 | ||||||
3 | 金曜ロードSHOW! | 2014年2月7日 | 21:00-22:54 | 16.0% | デジタルリマスター版を放送。 | ||
「名探偵コナン メイン・テーマ(標的ヴァージョン)」の演奏は、高中正義(リードギター)と、吉田建(ベース)[注 16]、斉藤ノブ(パーカッション)[注 17]が担当している[9]。その他に、T-SQUAREの伊東たけし(「コナンが通る」「アクアクリスタル」「アクアクリスタル内へ」「挫折」)や、カシオペアの桜井哲夫(「アクアクリスタル」「アクアクリスタル内へ」)、柳ジョージ(「KIZUNA(ヴォーカル ヴァージョン)」)が参加している[9]。前作「時計仕掛けの摩天楼」ではTVシリーズの楽曲「対決のテーマ」「捜査開始」「西の名探偵」「昼下がりの天使たち」「想い出」のリアレンジ楽曲が収録されたの逆に今作は新曲が殆どとなっている。
TVシリーズでは9月21日放送の第118話(1時間スペシャル)『浪速の連続殺人事件』から汎用開始。本作以降劇場版劇伴のTVシリーズへの流用は公開から半年過ぎた時期からの汎用となり、収録曲の一つである「スペードのエース」は公開後しばらくの間、一部テレビシリーズのエピソードで劇伴として一時期用いられた。また、「ターゲット サスペンス」シリーズや「犯人の謎」などの楽曲は長期にわたりテレビシリーズの劇伴として使われていた。
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