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青山剛昌の漫画『名探偵コナン』の登場人物 ウィキペディアから
江戸川 コナン(えどがわ コナン)は、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品『名探偵コナン』、およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス作品に登場する架空の人物であり、同作の主人公。本名は工藤 新一(くどう しんいち)。
本来は、帝丹高校に在学中の2年生である。物語開始時点の3年前から両親はアメリカに住んでおり、一人で暮らしている[1]。高校1年の時に、両親の住むロサンゼルスに向かう飛行機の中で発生した殺人事件を解決したことをきっかけに、警察から一目置かれる[2]。その後、数々の事件を解決し[注 1]「日本の警察の救世主」や「平成のシャーロック・ホームズ」と呼称され、世間に「東の高校生探偵」として名を轟かせていた。しかし、トロピカルランドで幼なじみの毛利蘭とのデート[注 2]の帰りに「黒ずくめの組織」の取引現場を目撃したため、口封じのためジンに試作段階の毒薬・APTX4869[注 3]を飲まされ、組織も知らない副作用によって身体が幼児化してしまう[5]。命に別状はなかったものの、組織に生きていることが知られると再び命を狙われて周囲の人間も巻き添えにすることになると隣人・阿笠博士から助言を受けたため[1]、帝丹小学校の1年生・江戸川コナンと名乗り、「黒の組織」の情報をつかむため、蘭と探偵をやっている彼女の父・毛利小五郎が暮らす家に居候することに[注 4]。元の姿に戻るために様々な事件を解決しつつ、阿笠や西の高校生探偵・服部平次、「黒の組織」を裏切った灰原哀らの協力を得て、「黒の組織」の陰謀を追っている。
風邪を引いた状態で中国酒・白乾児(パイカル)を飲む[6][注 5]か、または灰原が白乾児の成分を参考にして作成した解毒薬の試作品(効果は24時間、連続服用の場合は12時間に短縮)を飲む[9]ことで、一時的に元の姿に戻れる[注 6]。だが、解毒薬の効果が切れてコナンの姿に戻るタイムリミットが近づくにつれて呼吸が荒く、目もうつろになり、激しい動悸に襲われて胸を押さえるなど、不自然な細胞の急成長・後退化による身体への負担が大きい。
現在、表向きは阿笠博士の手続きにより江戸川コナンとして帝丹小学校1年B組に在籍[10]。阿笠の遠い親戚の子ということにして[注 7]、現在は毛利家に居候中。幼児化した姿の身長は不明だが、体重は18キログラム[13]。血液型も不明だが、蘭と同じである[14]。
工藤新一としては帝丹高校2年B組に在籍している。年齢は17歳[注 8]、誕生日は5月4日[注 9]。身長は174センチメートル[注 10]。住所は東京都米花市米花区米花町2丁目21番地[注 11]。父親は世界的に有名な推理小説家・工藤優作で、母親は元女優の工藤有希子である。
公式のビジュアルブックでは「母親譲りの整った顔立ち」、「美形」などと紹介されている。また、怪盗キッドの正体である黒羽快斗と顔が瓜二つという公式設定がある。
所持品についてはこちらを参照。
江戸川コナンの名前は、小説家・江戸川乱歩[注 12]とアーサー・コナン・ドイルに由来する。作中では、蘭に名前を尋ねられた際、本棚で偶然目に入ったこの2人の名前を合わせて「江戸川コナン」と名乗ったことから誕生したことになっている[注 13]。
工藤新一の姓はテレビドラマ『探偵物語』の主人公、工藤俊作に由来[15][注 14]。「新一」は作家の星新一に由来し、作者のお気に入りの名前の一つだったという。テレビ時代劇『必殺シリーズ』における工藤栄一の演出が気に入っていたのも影響があるという[16]。
キャラクターのモチーフは、江戸川乱歩の名作「明智小五郎シリーズ」を中心に活躍する少年探偵・小林芳雄と思われ、少年探偵団の団長(実質的)や探偵団バッジの所有、様々な道具を使いこなす等、共通している設定は数多い。同じく明智小五郎が名前のモチーフとなっている毛利小五郎の元で居候している事も共通し、それもあってか原作・アニメ共において「小林君」「小林少年」と評されている[17][18]。
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
注意・死亡した人物は(故)を付けている。アニメのOP58「Unraveling Love 〜少しの勇気〜」の冒頭で、「コナンの正体を知る人物」が紹介されている。
その功績から全国区の知名度を得ており、メディアからも「日本警察の救世主」と呼ばれている[5]。警視庁やFBIといった捜査関係者からの信頼が厚く、勤務中の急な電話も快く受け入れられ、ベテランのFBI捜査官・ジェイムズ・ブラックからは「ビュロウ(FBI)にスカウトしたい」と評されている。
また、白馬などの同世代高校生探偵より能力が上で、彼らが間違った推理をしてもそれを是正できるだけの能力がある[45]。「西の服部・東の工藤」と並び称される親友の平次とは、初対面時こそ平次が盲点を見落としていることを新一(コナン)が見破り[6]、その後もコナン(新一)が平次の一歩先を行くこともあったが、逆に平次がコナンの気付かない点を先に見抜くこともあり、何度か意識して推理勝負をした際はすべて引き分けている。蘭・世良・和葉・灰原(宮野志保)など同世代の女子友達にも、「新一と平次は互角」と認識されている。女子高校生探偵の世良とも、コナンとして共同推理をするが、コナン(新一)の方が能力は上である。
違和感に気付かなかったことを父・優作に指摘され、「まだまだ観察力が足りない」と評されることがある[11]。憶測で犯人の心境・動機を決めつけたり[注 33]、早合点の推理で無実の人間を犯罪者と誤解し、攻撃してしまったこともある[48][49][50]。また、「頭は切れるが落ち着いて行動できないのが玉にキズ」(阿笠談)[注 34]である上、頭脳と推理力に
作者の青山剛昌やアニメ版のプロデューサーの諏訪道彦によると「コナン(新一)は、感傷的になって泣いたり、犯人に同情しない」とのルールがあり[77]、事件後の犯人や関係者へのアフターケアも一切しない(作中のほとんどで小五郎や園子などを探偵役にして推理を披露することに加え、コナン自身が常に正体を隠さなければならないという事情もあるため、本編では逮捕後の犯人との面会などは一度も行われていないが、特別編では犯人と面会したことがある)。本人いわく「分かりたいとも思わねーよ。人が人を殺したいと思う気持ちなんてな!」とのこと[78][注 39]。無関係の人物を巻き込んだり、犯罪を軽視・正当化する場合は、動機の質に関わらず、事件の非(責任)が全て犯人にあるような物言いで追い打ちをかけたり[79][80][81]、抵抗すると物を蹴り飛ばしてぶつける[5][82]など、精神的・肉体的にダメージを与えるケースも多い(平次・世良・小五郎・目暮など、作中に登場する自称探偵や現役警察官はほとんどこのスタンスを取っている)。また、心の中で愚痴をこぼしたり[83][84]、追い詰められて興奮した犯人を刺激し、大暴れさせたりする場面が度々ある[85][86]。
しかし、作中では例外も幾つかあり、命の危険に晒された犯人に対しては情状酌量の余地があると訴えたり[注 40]、恋人や家族を殺された怨恨が動機の犯人に対しては冷たく当たらず[注 41]生きる気力を与えたり、殺された者のために罪を償うよう諭す[注 42][注 43][注 44]など非常に切実な事情がある犯人には配慮することもあり、そのような場合は被害者にも非がある証拠を突き付けたりする[注 45]。また、このような事情がある犯人が自身の犯行を正当化しても非難しないこともある[注 46]。
その他、作中では以下のような対応を取ったケースも幾つかある。
罪を償わずに自殺しようとする犯人に対しては、当初は厳しい態度を取っていた[注 48]が、「ピアノソナタ『月光』殺人事件」では、犯人の自殺を阻止できずに死なせてしまう[89]。この事件はコナンの心に暗い影を落とし、以降は「推理で犯人を追い詰めて死なせてしまっては、殺人者と変わらない」と考え、「犯人は絶対に自殺させない」ことを探偵としての信条とするようになった[注 49]。そのため、自分が死と隣り合わせであるという危険な状況下でも、犯人を救い出すことがある他[注 50]、犯人の自殺を推理で事前に察知した際にもこれを阻止している[注 51]。ただし、犯行が自己中心的であった場合は、前述のとおり厳しく非難することがある[注 52]。
たとえ自分や親しい人物の命を危険にさらすような犯人でも死に追いやらないようにしている[注 53]。なお、被害者があえて犯人に殺される決断をした場合「間違った答え」と非難することもある[111]。ただし、中学校時代の恩師が同様の行為をした際には、コナン(新一)は非難しなかった[112]。
一方、自分が犯した罪に対する姿勢は甘く、作中では未成年飲酒・盗聴などを行っており、黒ずくめの組織絡みでも目くらましのためとは言え、放火や死体遺棄・損壊を行っている。
体が小さくなったことにより声質も小さい頃の声に戻っている[注 54]。コナンの姿では事件の真相を語っても相手にされず[注 55]、正体を知られてはいけないので、事情を知らない人の場合は麻酔銃で眠らせてから、正体を知っている人の場合は本人に口パクをさせ、変声機で他人の声を
上記のほか、小五郎や目暮警部にヒントを与えて自力で解かせたり、蘭や有希子に推理を教え込んで真相を話させたり、推理力の高い面々[注 59]と協力して真相を話したりすることもある。自分で真相を話すこともあり、この場合は犯人と1対1で相対する場合が多い[注 60]。少年探偵団のメンバーがいる時は、彼らにトリックの実演またはヒントとなるキーワードを言わせるなど、協力してもらう。
周囲に自分の推理を話す際、素の状態(新一として)で推理を披露するとそれに慣れていない大人に怪しがられるため、子供のフリをして「あれれ〜? おっかしいぞぉ〜?」のような幼い口調で話す[注 61]。また、大人でも知らないような知識をつい話してしまうことがあり、気付いた後には「(親戚のフリをしている)新一兄ちゃんから聞いた」「(居候先の)小五郎のおじさんから聞いた」「〜ってテレビでやってた」と、慌てて付け加えて誤魔化している[注 62]。
第1話では人一倍目立ちたがり屋で事件を解決したこと・人気や知名度が上がったことを鼻に掛けたり、探偵を続ける理由に犯人を追いつめるスリルと快感がたまらないと道楽的な感覚を持ったりしていた[5]。しかし、体が小さくなってからは周囲の人に正体を怪しまれないよう、自分が活躍したことが漏れないようにしている。「新一からの指示でコナンが動いた」とのスタイルを取ることもあるため、「新一は子供を危険に巻き込むことがある非常識な人間」と劇中人物に解釈されかねない場面も少なくない[118]。
帝丹中学のサッカー部所属時に1年生でミッドフィールダーとしてレギュラーに
コナンの姿になってからは体力が小学生並みに戻ったものの[注 64]、反射神経は衰えておらず、キック力増強シューズやどこでもボール射出ベルトを犯人逮捕時に使用している。キック力増強シューズを用いて犯人に物を蹴り当てて気絶させる際には、男性の場合は顔面や後頭部、女性の場合は胴体や背中を狙う(ただし、女性でも極端に悪辣な犯人の場合には容赦なく顔面を狙うことがある[119])。
利き足は基本は右だが左でも蹴れる両利きで、燃え落ちそうな吊り橋を一気に駆け抜けるスピードもあることからライターの深川峻太郎は指導者からするとサイドアタッカーとして起用したくなるが警察より先に事件解決したがる新一の性格からしてフォワード向きだと見ている[120]。
英語はネイティブの人とも普通に話せるほど堪能だが[注 65]、イタリア語は理解できず、辞書で調べたり[121]、翻訳してもらったりする[22]ことがある。ロシア語もあまり理解できていなかったが[22]、後に流暢な会話ができるレベルまで上達している[122]。関西弁にも難があり、周囲に違和感を覚えさせることもしばしばある[注 66]。点字も理解している。
その他にもさまざまな分野において豊富な知識を持っており、推理の際に役立てている。その一方、後述の音楽知識や流行のテレビゲーム、甲子園球場(アニメでは「甲子園野球場」)の
劇場版では拳銃や多くの乗り物(自動車からパラグライダー、ヘリコプター、ジャンボジェット機まで)を自在に扱っており、本人は「ハワイで親父に教わった」と語っている[注 67]。読唇術を披露したこともある[125][33]。
アニメでは犬を懐かせることにも
小さくなってから工藤新一の名声は当然意味をなさず、事件解決も「眠りの小五郎」の手柄となっていたが、怪盗キッドとの初対決を顔写真付きで載せた新聞が初めて江戸川コナンの名で世間を賑わせた[127]
それから、少年探偵団としての活躍も子供の力だけで次々凶悪犯を取り押さえたことが話題を広げていき、毛利小五郎や服部平次、時にはアイドルの沖野ヨーコとも親しくする姿や共に事件現場に出くわすのも、名が売れる呼び水となる。
実際にコナンの姿で名推理を披露して警察の信頼も得ていき、自らTVカメラの前に立って全国に名と顔が流れたこともあり、いつしか「少年探偵」や「キッドキラー」[128]、或いは自称した「ホームズの弟子」[37]の肩書きで都外にまでファンが発足する程に及んでいる。
探偵として推理や捜査に直接関係のない、好み・特技について述べる。
シャーロック・ホームズの大ファンで、彼のことを「世界最高の探偵」と評している。1番好きな作品は『四つの署名』[20]で、同作品中でホームズの述べる "When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth." (訳:全ての不可能を消去して、最後に残ったものがいかに奇妙なことであっても、それが真実となる)という彼の推理論を好きな言葉として挙げている[129]。
自分の好みの話題(特にホームズ関連)になると、一方的にその話を続けてしまう。第1話でも、せっかく遊園地に遊びに来たにもかかわらず、話す内容は全てホームズのことばかりだと蘭に呆れられてしまっていた[5]。そのため蘭からは「推理オタク」「大バカ推理之介」などと呼ばれることがある。
「ホームズの黙示録」では、芝の女王ミネルバ・グラスの弟・アポロ(声 - くまいもとこ)に自分の推理能力を信用させるために「ホームズの弟子」だと自称している[37][注 68]。
帝丹中学時代はサッカー部に所属しており、当初は探偵に必要な運動神経をつけるためにやっていただけだが、やっているうちに本心からサッカー好きになった[注 69]。好きなサッカー選手はレイ・カーティス(Ray Curtis、声 - チャールズ・グラバー)で、彼が殺人事件の犯人だと信じられず私情に駆られて否定するという、上記の言葉に反する行為を取ろうとしてしまった[130]。
少年探偵団と遊ぶときは野球をすることも多いが[注 70]、本人はサッカーをしたいため不満そうにしている。
かなりの音痴[注 71]で、音楽の授業は大の苦手[注 72]。さらに変化記号・楽想記号の意味や「G線上のアリア」を知らない[131]など、音楽の基礎知識に乏しい[注 73]。しかし、聞くことに関しては絶対音感を持っている[109][注 74][注 75]。また、ホームズが弾くことができるということでヴァイオリンについては豊富な知識を持ち、弾くこともできるが、蘭によれば特徴的な弾き癖がある様子[109]。
日本音響研究所の所長・鈴木松美は音声科学や音響心理学からして音痴なのに耳はいいことは矛盾ではなく、正しい音程を聞き取れるが声帯をきちんとコントロールできないタイプとみられ、楽器が苦手ながら絶対音感があるのも矛盾せず耳で正しく音を拾えても操作として手を動かすことができていないからであると分析[133]。楽譜に隠された暗号を解読できたのは白鍵と黒鍵にアルファベットを当てはめた単純なものは不協和音になって音楽としては聞き辛くて成立せず、音楽は暗号には向いていないからである[134]。コナンの思考回路は音楽を情緒的な感情としてではなく暗号や数学のような理知的なことに結びつける音楽を楽しむことのできない性格であると見ている[134]。
芸能界にはあまり興味がないらしいが、ある事件をきっかけに知り合ったTWO-MIXの高山みなみからCDをもらってからは、カラオケボックスに行くといつもその歌を歌っているという。
中学時代の先輩によればレモンパイが好物[135][注 76]。キュウリをうまく切れずにつなげてしまう[136]など、料理は苦手な様子[注 77]。
テレビゲームに関しては、嫌いではないものの元太たちに負けてしまったり[138]、コナンだけクリアできていない面があることを光彦から指摘されるなど、あまり得意ではない様子[29]。流行しているゲームの存在も知らなかったりする[139]。
蘭とは13年前保育園に転入してきた時からの付き合いであり[113]、なかなか素直になれずにいたが両想いである。とある事件をきっかけに蘭に対して「好きな女」と告げる形で告白することができ[37][注 78]、修学旅行で訪れた清水寺で告白の返事として蘭から頬にキスをされたことで恋人関係になった[39]。また、蘭から「わたし達付き合ってるってことでいいんだよね?」とメールで聞かれ、本人も恋が成就した事を喜びつつも「付き合ってるに決まってるだろ」と返信した[39][140]。
自分を想う蘭の恋心に関しては、平次があきれ果てるほど鈍感[141]だが、母・有希子から「女」に関しての雑学を吹き込まれている影響から他人の恋愛沙汰には敏感なため、恋愛感情が絡む事件の推理に不自由はない。混浴や風呂場で死体が発見された際に蘭の裸を見て鼻血を出すなど、蘭に対してはウブなところ[142][注 79]もある。
小学1年生の頃は、恥ずかしがって(少なくとも学校では)蘭のことを名字の「毛利」と呼び、自分のことも「工藤くん」と呼ばせようとしていた時期があり、蘭はそうなることを嫌がっていたが、とある些細(ささい)な謎解き事件がきっかけで、互いに再び下の名前で呼び合うようになったというエピソード[114]もある。
新一だった頃の中学時代には、当時生徒会長で男子の注目の的であり、現在は東都大学の一年でミス東都にも輝いた3年生の麻美先輩から告白されたが、蘭への気持ちゆえにそれを断っている[135]。
蘭には「厄介な事件に関わっているから解決するまで帰れない」ことにしている[注 80]が、蘭が心配しないように時々新一の声(蝶ネクタイ型変声機を使用)で電話をかけている[注 81]。
なお、子供時代に蘭の母親の妃英理によく叱られたトラウマから、彼女に対して本能的に恐怖を感じてしまう[147]。
江戸川コナンとして、蘭の事を「蘭姉ちゃん」と呼んでいるが、興奮したときなどによって工藤新一の口調にもどり、「蘭」と言ってしまう事もある。
世間を賑わせている怪盗キッドこと黒羽快斗とは、工藤新一であったときから[注 82]、様々な秘宝を巡って何度も対決をしている。父・工藤優作は、初代怪盗キッドである黒羽盗一とは、彼の正体に気付いていた上で宿命のライバル関係になっており、幾度にも渡って対決をしていたが、犯行を阻止したことはあっても、最後まで捕まえることはできなかった[114]。
息子である新一(コナン)は当初、「泥棒に興味はない」と、黒羽盗一の息子である現代のキッドにほとんど無関心であったが、コナンになってからの最初の対決で、挑発された上で逃げられたこと[148]からか、その対峙(たいじ)以降は執念を燃やすようになった。現在は世代を超えた因縁のライバル関係となっていて、対決の結果はこれまでのところ互角である。ミステリートレイン(ベルツリー急行)のエピソードでは、黒の組織狙われている灰原を助けるために、下見に来ていたキッドおよび手下を見逃すことと引き換えに協力を仰いでいる[149]。
コナンの関わったキッドの事件後、コナンはキッドから宝を守ったヒーローとして扱われることが多く、「お手柄小学生」、「キッドキラー」といった形で新聞記事に載っている[128]。劇場版第19作『業火の向日葵』では、キッドキラーの通称が公認となっている。
作者によると、コナンとキッドの対決は『シャーロック・ホームズ対アルセーヌ・ルパン』をイメージして描いていて[注 83]、両方に勝たせたくないとのこと。
コミックス4巻(アニメでは第4話)から帝丹小学校の同級生である吉田歩美、円谷光彦、小嶋元太に誘われ、否応無しに少年探偵団のメンバーに組み込まれる。はじめは年齢相応の口調で話しており、手柄を焦るあまり先走った行動を取る彼らに呆れたり、内心では邪険に扱うこともしばしばあった。また、命に関わる事態の場合は怒鳴りつけることもある。しかし共に数々の事件を解決したことに加えて自分の正体を知る灰原共々3人の純粋さに動かされたりする描写もあり、次第に「仲間」として互いに全幅の信頼を置くようになり彼らの前では普段の口調で話すようになった。 だが新一に戻れたと思った際には阿笠博士に転校したとアリバイを丸投げして別れを言わずに消えようと思っていたりと多少粗暴な対応をした。
5人揃って登下校する描写も多く、阿笠や蘭の引率で休日に遊びに出かけることも珍しくない。歩美はコナンに異性として明確な好意を寄せている。助けてもらった際に頬にキスをしたこともあり、光彦と元太からは嫉妬されることもある[121][150]。
FBIのジェイムズ・ブラック、ジョディ・スターリング、アンドレ・キャメル及びCIAの水無怜奈(本堂瑛海)の4人は、コナンの正体こそ知らないが、子供ながら「黒の組織の壊滅」という共通の目的を持つ「探偵」として認識している。コナンも彼らの前では子供口調ではあるが無理は演技は行っておらず、素に近い態度で接している。
江戸川コナンとしては、青いジャケットに灰色の半ズボン、白いワイシャツに蝶ネクタイ型変声機という服装が多く、夏服としては水色のベストに半袖のワイシャツ、青の半ズボンを着用していたが、物語が進むにつれて様々な服装をするようになった。なお、幼児化に伴い、新一の幼少期の服がごっそり持ち去られていることが宮野志保(灰原哀)の調査で判明している[21]。各作品のキービジュアルやアニメでのオープニング•エンディング映像では現在でも先述のジャケット姿が多い。
工藤新一に関しては特に服装のこだわりは見られない。
江戸川コナンとしての一人称は「ボク」で、蘭や警察関係者の前では子供らしい口調で話す。ただし、自分の正体を知られて尚且つ自らも明かしている相手[注 84]や少年探偵団のメンバー[注 85]や悪の人物(黒の組織の仲間[注 86])の前では、本来の工藤新一の一人称とほぼ同じく「オレ」[注 87]を使う。
しかし、稀に正体を知らない人物にも無意識のうちに新一の素の口調で話してしまう場合もあり、蘭や他の人物に怪しまれることがある。また、推理中にはクールでシリアスな口調[注 88]になる。このギャップから、蘭や小五郎、歩美らにも違和感を覚えられることがある。
基本的には標準語を話すが、親しい者との日常会話には、しばしば江戸っ子特有の口調で話すことも多い。工藤新一(コナン)らしい口癖は「バーロ(、んなんじゃねーよ)」[注 89]。他に大人達の前で用いる「あれれ~」などがある。
普段の決め台詞は「江戸川コナン(工藤新一)…探偵さ…[注 90][注 91]」。劇場版での決め台詞は「真実はいつもひとつ!」で、テレビアニメでも19:00枠終了時のクロスプログラムにおいて使用されていた。放映開始初期はこのクロスプログラムや劇場版第1作『時計じかけの摩天楼』のTV用スポットCM等において「犯人はお前だ!」というキャッチコピーも用いられていたが、すぐに使われなくなった。テレビアニメ本編でも、例えば「外交官殺人事件」で似たような言葉が使用されたことはある[6]ものの、多用はされていない。言い回しもその都度異なり、一字一句完全同一の台詞は使用されていない。なお、テレビアニメ第1話「ジェットコースター殺人事件」では原作にはないシーンで新一が一字一句完全同一の台詞を発している様子が確認できる。
テレビアニメのオープニングでは毎回ナレーションがあり、シリーズの途中からは「たったひとつの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人、その名は【名探偵コナン】!」が恒例となっている。
劇場版のオープニングのナレーションにおいても「小さくなっても頭脳は同じ、迷宮なしの名探偵、真実はいつもひとつ!」が毎回恒例となっており、テレビアニメ第1期オープニングのナレーションでも同様のフレーズが使用されたことがある。
作者の青山は高山との対談にて、「コナンは最初っから高山さんの声のイメージで描いてた」と語っている[132]。
なお、コナンによるモノローグ(頭の中で思考している時など)は日本語版ではコナン役の高山が担当するが、海外版では新一役のジュエルが担当し、コナンと新一が同一人物であることが強調されている。
実写ドラマ作品では、コナンは藤崎直が演じ、声は高山みなみが吹き替えている。
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