江戸川コナン
青山剛昌の漫画『名探偵コナン』の登場人物 ウィキペディアから
江戸川 コナン(えどがわ コナン)は、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品『名探偵コナン』、およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス作品に登場する架空の人物であり、同作の主人公。本名は工藤 新一(くどう しんいち)。
→工藤新一が関わった原作のエピソードについては「名探偵コナンの漫画エピソード一覧 § 工藤新一が関わったエピソード」を参照
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概説
本来は、帝丹高校に在学中の2年生である。物語開始時点の3年前から両親はアメリカに住んでおり、一人で暮らしていた[1]。高校1年の時に、両親の住むロサンゼルスに向かう飛行機の中で発生した殺人事件を解決したことをきっかけに、警察から一目置かれるようになる[2]。その後も数々の事件を解決し[注 1]、「日本の警察の救世主」や「平成のシャーロック・ホームズ」と呼称され、世間に「東の高校生探偵」として名を轟かせていた。しかし、遊園地・トロピカルランドで幼馴染の毛利蘭とのデート[注 2]の帰りに「黒ずくめの組織」の取引現場を目撃したため、口封じのためジンに試作段階の毒薬・APTX4869[注 3]を飲まされ、組織も知らない副作用によって身体が幼児化してしまう[5]。命に別状はなかったものの、組織に生きていることが知られると再び命を狙われて周囲の人間も巻き添えにすることになると隣人・阿笠博士から助言を受けたため[1]、帝丹小学校の1年生・江戸川コナンと名乗り、「黒の組織」の情報をつかむため、蘭に自身の正体を隠した状態で、蘭と探偵である彼女の父・毛利小五郎が暮らす家に居候することになる[注 4]。元の姿に戻るために様々な事件を解決しつつ、阿笠や両親、西の高校生探偵・服部平次、「黒の組織」を裏切った灰原哀など、彼の正体を知る数少ない者の協力を得て、「黒の組織」の陰謀を追っている。
風邪を引いた状態で中国酒・白乾児(パイカル)を飲むか[6][注 5]、灰原が白乾児の成分を参考にして開発した解毒薬の試作品(効果は24時間、連続服用の場合は12時間に短縮)を飲む[9]ことで、一時的に元の姿に戻れる[注 6]。しかし不自然な細胞の急成長による身体への負担は大きく、解毒薬の効果が切れてコナンの姿に戻るタイムリミットが近付くと、激しい動悸などの症状が出てしまう。
現在、表向きは阿笠博士の手続きにより江戸川コナンとして帝丹小学校1年B組に在籍[10]。阿笠の遠い親戚の子ということになっている[注 7]。幼児化した姿の身長は不明だが、体重は18キログラム[13]。血液型も不明だが、蘭と同じである[14]。
工藤新一としては帝丹高校2年B組に在籍している。年齢は17歳[注 8]、誕生日は5月4日[注 9]。身長は174センチメートル[注 10]。住所は東京都米花市米花区米花町2丁目21番地[注 11]。父親は世界的に有名な推理小説家・工藤優作で、母親は元女優の工藤有希子である。
所持品については名探偵コナン#用語解説を参照。
江戸川コナンの由来
江戸川コナンの名前は、小説家・江戸川乱歩[注 12]とアーサー・コナン・ドイルに由来する。作中では、蘭に名前を尋ねられた際、本棚で偶然目に入ったこの2人の名前を合わせて「江戸川コナン」と名乗ったことが始まり[注 13]。
工藤新一の姓はテレビドラマ『探偵物語』の主人公、工藤俊作に由来[15][注 14]。「新一」は作家の星新一に由来し、作者のお気に入りの名前の一つだったという。テレビ時代劇『必殺シリーズ』における工藤栄一の演出が気に入って影響もあるという[16]。
作中では、江戸川乱歩の「明智小五郎シリーズ」を中心に活躍する少年探偵・小林芳雄と重ねられることも多い[17][18]。少年探偵団の実質的リーダーや探偵団バッジの所有、様々な道具を使いこなす等、共通する部分は数多い。明智小五郎が名前のモチーフとなっている毛利小五郎の元で居候している事からも、原作・アニメの両方において「小林君」「小林少年」と評されている。
容姿
青い瞳と、前髪と後ろ髪の右側が寝癖のようにはねているのが特徴。コナンとしては常に大きな眼鏡(犯人追跡メガネ)を掛けているが、これは初めてコナンとして蘭に出会った際、正体がバレないようにと咄嗟に父・優作の眼鏡を掛けたのが始まり[1]。
公式のビジュアルブックでは「母親譲りの整った顔立ち」、「美形」などと紹介されている。また、怪盗キッドの正体である黒羽快斗と顔が瓜二つという公式設定がある。
コナンとしては最初期(アニメでは1996年から1998年頃まで)は青いジャケットに灰色の半ズボン、白いワイシャツに蝶ネクタイ型変声機という服装が非常に多く、夏服としては水色のベストに半袖のワイシャツ、青の半ズボンを着用していたが、物語が進むにつれて様々な服装をするようになった。ただし、現在でも先述の青のジャケット姿をしているエピソードも少なくない。また、各作品のキービジュアルやアニメでのオープニング・エンディング映像でもこの姿が多い。
なお、幼児化に伴い、新一の幼少期の服がごっそり持ち去られていることが宮野志保(灰原哀)の調査で判明している[19]。
工藤新一に関しては特に服装のこだわりは見られない。
性格
要約
視点
長所
時折口調が荒くなることはあるものの、基本的には仲間思いの非常に心優しい人物であり、また他者の気持ちを慮ることができる性格でもある。『ベイカー街の亡霊』においては命を賭けたゲームに怖がる子供達を鼓舞したり、寒がる歩美に自身のジャケットを貸してあげたりなどしている[20]。
自身よりも蘭や灰原、少年探偵団などの命の安全を優先する傾向が非常に強く、彼らを庇ったり[21]、彼らをできるだけ危険な場所から離し、自分一人でリスクを背負おうとしたりする[19][22]場面もよく見られる。
あらゆる犯罪行為の防止・犯人逮捕、そして人命救助のために日々奮闘する生真面目な正義漢。「犯罪を決して許さない」「救える命は救う」といったポリシーに対しては非常に忠実であり、基本的にこの信念を曲げることはない[注 15]。
自身や周囲の人物が窮地に立たされても決して諦めない強い精神力・行動力を持っている[注 16]。
情熱的な一方で些細なことで動じない冷静さと理性も兼ね揃えており、武器を持った犯人[23][24]や凶悪な犯人にも怖気づかない胆力がある。
自身の正体を知らない人物から罵られる、もしくは失礼な言動をされた場合、不満そうな顔つきをすることはよくあっても逆上して罵倒し返すことは少なめである[20][25]。
推理やサッカーなど、自分の好きなものに対しては周囲に少年探偵団のメンバーがいた場合でも等身大の少年らしい純粋さを見せることもある[21][26]。
少年探偵団内では実質的なリーダーで[注 17]、彼らにその場の状況に応じた的確な指示を出したり[23][27]、メンバー間の喧嘩の仲裁に入ったりと[28]まとめ役としての立場を担っており、他のメンバーからは普段から非常に強く信頼されている。
自分より実年齢が年下の見知らぬ、あるいはあまり親しくない子供への扱いには長けているようであり[29] [30]、彼らに対しては穏やかに接することが多い。
短所
親密な間柄にある人物に対してはやや口調が荒くなることがあり、計算ができない元太に対しては厳しい突っ込みを入れていた[31]。 また、灰原の好きな音楽を決めつけて馬鹿にする[32]などのやや無神経な発言も時々見られる。
事件の犯人に対しては冷酷な態度をとることもある(後述)。
優れた頭脳と推理力に自惚れているナルシスト的側面があり、状況を確認せずに推理や考えを披露し、状況を悪化させることもある[33][注 18]。また、憶測で犯人やその動機を決めつけて誤った推理をしてしまうこともある[41][42][43][44][45]。
いつもは冷静沈着な二枚目を気取る一方、阿笠からは「頭は切れるが落ち着いて行動できないのが玉にキズ」と評されている。 予想外の出来事に対しては動揺が顔に出やすく、時折挙動不審になったり[46][47][48][注 19]、小さくなる前の自分しか知らないことなどを口にしてボロを出したり[50][51]することがある。 また、肝心なときに危機管理能力・状況判断力が働かないこともあり、詰めを誤ったり、無謀な行動に出たりした結果、犯人に逃亡を図られたり[52][53][54]、生命の危険に晒されることもある[55][1][56][26][57][58][59]。
人一倍に自己顕示欲が強く、かつては事件を解決したこと・人気や知名度が上がったことを鼻に掛けたり、探偵を続ける理由に「犯人を追いつめるスリルと快感がたまらない」と語ったりしていたが[5]、物語が進むにつれてそのような言動は減少した。
長所であり短所
歩美・元太・光彦の事件への好奇心の強さにたびたび手を焼いているが、実際には彼自身もその傾向が強く、その結果危機に陥ることも少なくない[5]。 また殺人事件の現場に入ったり物品に触れたりした際、子供の事件への介入に否定的である小五郎から叱られる、または制裁を受けるケースも多い[60]。 普段から推理小説を好み、他のことよりもそれを読むことを優先する場合もある[61]。
幼少の頃から蘭を愛しており、また彼女を非常に大切に思っているが、同時に他の同性が蘭と恋愛的に関わることについてはきわめて否定的であり[62]、たとえその同性が小さな子供であろうと我慢できない[63]。
小五郎や元太の滑稽な言動に普段からよく心の中でツッコミを入れている。
能力と推理スタイル
要約
視点
探偵としての実力
頭脳明晰かつ豊富な知識量と柔軟な思考の持ち主で、観察眼に優れている。さらに、父親譲りの推理力と母親譲りの演技力も兼ね備えている。体が子供になってからも頭脳や技術などは変わっていないため、それらを活用して数々の難事件を解決している。ただし、体力は相応の子供並みに落ちており、探偵としての行動に制限がかかるため、阿笠博士の作ったメカ(「時計型麻酔銃」や「蝶ネクタイ型変声機」「犯人追跡眼鏡[注 20]」「イヤリング型携帯電話[注 21]」「ターボエンジン付きスケートボード」「キック力増強シューズ」など)でそれを補っている。
その功績から、工藤新一としては全国区の知名度を得ており、メディアからも「日本警察の救世主」と呼ばれている[5]。コナンとしても警視庁やFBIといった捜査関係者からの信頼が厚く、ベテランのFBI捜査官・ジェイムズ・ブラックからは「ビュロウ(FBI)にスカウトしたい」と評価されている。
また、同世代の探偵である白馬探[65]や、「西の服部・東の工藤」と並び称される服部平次が誤った推理をした場合も正しい推理を導き出したことがある[6]。しかし、平次と推理勝負をした際はすべて引き分けている。蘭・世良・和葉・灰原(宮野志保)など同世代の女性にも、「新一と平次は互角」と認識されている。女子高校生探偵の世良とも、コナンとして共同推理をするが、コナン(新一)の方が能力は上である。同世代の探偵とは伯仲する実力を持つが、父・優作には全く敵わず、「まだまだ観察力が足りない」と指摘されている[11]。
事件や犯罪に対する姿勢と信条
作者の青山剛昌やアニメ版のプロデューサーの諏訪道彦によると「コナン(新一)は、感傷的になって泣いたり、犯人に同情しない」とのルールがあり[66]、新一本人も「分かりたいとも思わねーよ。人が人を殺したいと思う気持ちなんてな」と話している[67]。犯人が無関係の人物を巻き込んだり、犯罪を軽視・正当化する場合は、動機の質に関わらず厳しく追い打ちをかけたり[68][69][70]、抵抗すると物を蹴り飛ばしてぶつけたりと[5][71]、精神的・肉体的にダメージを与えるケースも多い。また、心の中で愚痴をこぼしたり[72][73]、追い詰められた犯人を刺激し、大暴れさせたりする場面が度々ある[74][75]。
しかし、命の危険に晒された犯人に情状酌量の余地があると訴えたり[76]、恋人や家族を殺された怨恨が動機の犯人に対して生きる気力を与えたり[77]、殺された者のために罪を償うよう諭すなど[78][79]、非常に切実な事情がある犯人には配慮することもあり、こうした犯人が自身の犯行を正当化しても非難しないこともある[80][81]。
尊敬する人物が犯人であっても犯行を白日の下に晒す厳格さを持つ一方[82]、殺人に至らない場合は事情を鑑みて犯人を見逃したり[83][84][85]、嘘の供述を勧めることもある[86][87]。
罪を償わずに自殺しようとする犯人に対しては厳しい態度を取っているが[88]、「ピアノソナタ『月光』殺人事件」で、犯人の自殺を阻止できずに死なせてしまう[78]。この事件はコナンの心に暗い影を落とし、以降は「推理で犯人を追い詰めて死なせてしまっては、殺人者と変わらない」と考え、「犯人は絶対に自殺させない」ことを探偵としての信条とするようになった[注 22]。そのため、死と隣り合わせの危険な状況下でも犯人を救い出すことがあるほか[90][91]、犯人の自殺意思を推理で察知して阻止している[92]。
たとえ自分や親しい人物の命を危険に晒すような犯人でも死に追いやらないようにしている[注 23]。なお、被害者があえて犯人に殺される決断をした場合「間違った答え」と非難することもある[94]。ただし、中学校時代の恩師が同様の行為をした際には、コナン(新一)は非難しなかった[95]。
一方、作中では自らも法を犯すことがあり(作中では未成年飲酒[31]・盗聴[32]・窃盗[3]などをしたことがある)、黒ずくめの組織絡みでも目くらましのためとはいえ放火や死体遺棄・損壊を行っている。
推理・捜査のスタイル
体が小さくなったことにより声質も小学生当時に戻っている[96][97]。コナンの姿では事件の真相を語っても小五郎など周囲の大人に相手にされないため[注 24]、自身の正体を知らない者の場合は麻酔銃で眠らせてから、正体を知っている者の場合は本人に口パクをさせ、自身は物陰に隠れながら[注 25]変声機でその対象の声を真似て真相を話すことにしている。基本的に小五郎の引率先で事件が起こるため、小五郎を眠らせ、彼の声を使うことが多い[注 26]。小五郎がいない場合は鈴木園子、阿笠博士、山村警部の声を借りる[注 27]。
このほか、小五郎や目暮警部にヒントを与えて自力で解かせたり、蘭や有希子に推理を教え込んで真相を話させたり、推理力の高い面々[注 28]と協力して真相を話したりすることもある。黒ずくめの組織や怪盗キッドなど、犯人と2人で対峙する場合は、自分で真相を話すこともある。少年探偵団のメンバーがいる時は、彼らにトリックの実演をさせたり、ヒントとなるキーワードを言わせて周囲に解決を促す。
周囲に自分の推理を話す際、素の状態(新一として)で推理を披露すると彼の正体を知らない大人に怪しまれるため、子供のフリをして「あれれ〜? おっかしいぞぉ〜?」のような幼い口調で話す[注 29]。また、大人でも知らないような知識をつい話してしまうことがあり、気付いた後には「(親戚という建前の)新一兄ちゃんから聞いた」「小五郎のおじさんから聞いた」「〜ってテレビでやってた」と、慌てて付け加えて誤魔化している[注 30]。また「新一からの指示で動いた」と話すこともあるため、「新一は子供を危険に巻き込むことがある非常識な人間」だと、彼の正体を知らない人物に誤解されている[103]。このようにして体が小さくなってからは周囲の人に正体を怪しまれないよう、自分が活躍したことが極力漏れないようにしているものの、怪盗キッドとの対決など、江戸川コナンとしての自分の活躍が大衆に広まってしまうこともしばしばある。
事件に対する好奇心が一際強いことが災いしてか度々誘拐・監禁されており[104][35][105][106]、両親と阿笠によるドッキリだった[29]、比較的短時間で監禁場所から脱出した[107]等の場合を含めるとその回数は15件以上(原作・アニメオリジナル・特別編などのスピンオフ合わせて)にも及ぶ。
サッカーの能力

帝丹中学のサッカー部所属時に1年生でミッドフィールダーとしてレギュラーに抜擢され、のちにJリーグにスカウトされるほどの技術の持ち主で、蘭には「続けていれば国立のヒーローになっていた」と言われている[5]。あくまで探偵に必要な運動神経を養うためだけに行っていただけらしく、高校1年生のときに探偵として依頼を受けるようになってからは退部している。しかし、反射神経が発達しており、足元にある物を犯人に蹴り飛ばして逃走を防ぐなど、サッカー部時代に鍛えた能力を犯人と対決するための戦闘力として探偵業に活かしていた。
コナンの姿になってからは体力が小学生並みに戻ったものの[注 31]、反射神経は衰えておらず、キック力増強シューズやどこでもボール射出ベルトを犯人逮捕時に使用している。キック力増強シューズを用いて犯人に物を蹴り当てて気絶させる際には、男性の場合は顔面や後頭部、女性の場合は胴体や背中を狙う(ただし、女性でも極端に悪辣な犯人の場合には容赦なく顔面を狙うことがある[108])。
利き足は基本は右だが左でも蹴れる両利きで、燃え落ちそうな吊り橋を一気に駆け抜けるスピードもあることからライターの深川峻太郎は指導者からするとサイドアタッカーとして起用したくなるが警察より先に事件解決したがる新一の性格からしてフォワード向きだと見ている[109]。
その他の能力
英語はネイティブ話者とも普通に話せるほど堪能だが[注 32]、イタリア語は読み聞きできない[23][110]。ロシア語もあまり理解できていなかったが[110]、後に流暢な会話ができるレベルまで上達している[22]。関西弁にも難があり、関西人を怒らせてしまうこともしばしばある[注 33]。点字も理解している。
その他にもさまざまな分野において豊富な知識を持っており、推理の際に役立てている。その一方、音楽や流行のテレビゲーム、野球関連の用語[112]など、自身の興味が薄い事物については知らないことも多い。
劇場版では拳銃や多くの乗り物(自動車からパラグライダー、ヘリコプター、ジャンボジェット機まで)を自在に扱っており、本人は「ハワイで親父に教わった」と語っている[注 34]。読唇術を披露したこともある[113][114]。
アニメでは犬を懐かせることにも長けており、デパート内のペットショップの何匹もの犬を短時間でしつけた後、犯人グループのメンバーの男を攻撃させたことがある[24]。
知名度
小さくなってからの事件解決は「眠りの小五郎」の手柄となっていたが、怪盗キッドとの初対決を顔写真付きの新聞記事で報じられる[115]。これをきっかけに「キッドキラー」[116]として知られるようになる。
加えて、少年探偵団としての活躍も子供の力だけで事件を解決した功績で話題を広げていく。ロンドンでは、自称した「ホームズの弟子」[51]の肩書きで都外にまでファンが発足するまでに及んでいる。
好みと特技
要約
視点
探偵として推理や捜査に直接関係のない、好み・特技について述べる。
シャーロック・ホームズ
シャーロック・ホームズの大ファンで、彼のことを「世界最高の探偵」と評している。1番好きな作品は『四つの署名』[100]で、同作品中でホームズの述べる "When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth." (訳:全ての不可能を消去して、最後に残ったものがいかに奇妙なことであっても、それが真実となる)という彼の推理論を好きな言葉として挙げている[117]。
自分の好みの話題(特にホームズ関連)になると、一方的にその話を続けてしまう。遊園地のデートでも、話す内容は全てホームズのことばかりだと蘭に呆れられてしまっていた[5]。そのため蘭からは「推理オタク」「大バカ推理之介」などと呼ばれることがある。
「ホームズの黙示録」では、芝の女王ミネルバ・グラスの弟・アポロ(声 - くまいもとこ)に自分の推理能力を信用させるために「ホームズの弟子」を自称している[51][注 35]。
スポーツ
帝丹中学時代はサッカー部に所属しており、当初は探偵に必要な運動神経をつけるためにやっていただけだが、やっているうちに本心からサッカー好きになった[注 36]。好きなサッカー選手はレイ・カーティス(Ray Curtis、声 - チャールズ・グラバー)で、彼が殺人事件の犯人だと信じられず私情に駆られて否定するという、ホームズの推理論に反する行為を取ろうとしてしまった[118]。
少年探偵団と遊ぶときは野球をすることも多いが[注 37]、本人はサッカーをしたいため不満そうにしている。サッカー以外のスポーツに関しては特に言及したことはない。
音楽
かなりの音痴[注 38]で、音楽の授業は大の苦手[注 39]。音楽の基礎知識にも乏しく、音楽記号の意味や「G線上のアリア」を知らない[120][注 40]。一方で、絶対音感の持ち主である[121][注 41]。また、ホームズが得意なヴァイオリンについては豊富な知識を持ち、弾くこともできるが、蘭によれば特徴的な弾き癖がある様子[121]。
日本音響研究所の所長・鈴木松美は音声科学や音響心理学からして音痴なのに耳はいいことは矛盾ではなく、正しい音程を聞き取れるが声帯をきちんとコントロールできないタイプとみられ、楽器が苦手ながら絶対音感があるのも矛盾せず耳で正しく音を拾えても操作として手を動かすことができていないからであると分析[123]。楽譜に隠された暗号を解読できたのは白鍵と黒鍵にアルファベットを当てはめた単純なものは不協和音になって音楽としては聞き辛くて成立せず、音楽は暗号には向いていないからである[124]。コナンの思考回路は音楽を情緒的な感情としてではなく暗号や数学のような理知的なことに結びつける音楽を楽しむことのできない性格であると見ている[124]。
芸能界にはあまり興味がないらしいが、ある事件をきっかけに知り合ったTWO-MIXの高山みなみからCDをもらってからは、カラオケボックスに行くといつもその歌を歌っているという。
食べ物と料理
中学時代の先輩によればレモンパイが好物[125][注 42]。キュウリをうまく切れずにつなげてしまう[126]など、料理は苦手な様子[注 43]。
テレビゲーム
テレビゲームに関しては好んでいる描写[29]があるが、元太たちに負けてしまったり[128]、コナンだけクリアできていないステージがあったりと、あまり得意ではない様子[20]。流行しているゲームの存在も知らないことがある[129]。
人間関係
要約
視点
蘭との関係
蘭とは13年前保育園に転入してきた時からの付き合いであり[96]、なかなか素直になれずにいたが両想いである。ロンドンにて蘭に対して「好きな女」と告げる形で告白することができ[51][注 44]、修学旅行で訪れた清水寺で告白の返事として蘭から頬にキスをされたことで恋人関係になった[131]。また、蘭から「わたし達付き合ってるってことでいいんだよね?」とメールで聞かれると「付き合ってるに決まってるだろ」と返信した[131][132]。
自分を想う蘭の恋心に関しては、平次が呆れ果てるほど鈍感[133]だが、母・有希子から「女」に関しての雑学を吹き込まれている影響から他人の恋愛沙汰には敏感なため、恋愛感情が絡む事件の推理に不自由はない。混浴や風呂場で死体が発見された際に蘭の裸を見て鼻血を出すなど、蘭に対してはウブなところ[134][注 45]もある。
新一が小学1年生の頃は、恥ずかしがって(少なくとも学校では)蘭のことを名字の「毛利」と呼び、自分のことも「工藤くん」と呼ばせようとしていた時期があり、蘭はそうなることを嫌がっていたが、とある出来事がきっかけで、互いに再び下の名前で呼び合うようになった[97]。
新一だった頃の中学時代には、当時生徒会長で男子の注目の的であり、現在は東都大学の一年でミス東都にも輝いた3年生の麻美先輩から告白されたが、蘭への気持ちゆえにそれを断っている[125]。
蘭には「厄介な事件に関わっているから解決するまで帰れない」ことにしている[注 46]が、蘭が心配しないように時々新一の声(蝶ネクタイ型変声機を使用)で電話をかけている[注 47]。
なお、子供時代に蘭の母親の妃英理によく叱られたトラウマから、彼女に対して本能的に恐怖を感じてしまう[140]。
江戸川コナンとして、蘭の事を「蘭姉ちゃん」と呼んでいるが、興奮したときなどによって工藤新一の口調に戻り、「蘭」と呼び捨てしてしまう事もある。
灰原との関係
コナンと灰原の出会いは、コミックス18巻(アニメでは129話)にて灰原が帝丹小学校の転入生として現れた時である[19]。その日の帰り際、突然彼女から「APTX4869は黒ずくめの組織に命じられて自分が開発した薬」「自分もそれを飲んで小さくなった」ことを明かされる。
科学的分野(解毒剤開発など)や黒ずくめの組織に関する情報の提供など、さまざまな面から彼女のサポートを受けており、一方のコナンも時折灰原を気遣っている[注 48]。このように互いに強い信頼関係で結ばれているが、蘭とは異なり、彼女に対して恋愛感情を抱いてはいない。
基本的には良好な間柄でありよく軽口を叩き合ったりするが、蘭のパンツを覗こうとしているところを灰原に指摘・揶揄されて焦る[137]、薬(解毒剤)をもらうために必死に懇願するも無下に断られるなどの描写があり[142]、対等な立場ではあるものの、彼女に対してはやや頭の上がらない面もある模様。
怪盗キッドとの対決
世間を賑わせている怪盗キッドこと黒羽快斗とは、工藤新一であったときから[注 49]、様々な秘宝を巡って何度も対決をしている。父・工藤優作は、初代怪盗キッド(黒羽盗一)とその正体に気付いていた上で宿命のライバル関係にあり、幾度にも渡って対決をしていたが、犯行を阻止したことはあっても、最後まで捕まえることはできなかった[97]。
新一本人は当初、「泥棒に興味はない」と、黒羽盗一の息子である現代のキッドにほとんど無関心であったが、コナンになって対峙して以降は執念を燃やすようになった[115]。現在は世代を超えた因縁のライバル関係となっており、対決の結果はこれまでのところ互角である。ミステリートレイン(ベルツリー急行)のエピソードでは、黒の組織に狙われている灰原を助けるために、下見に来ていたキッドおよび手下を見逃すことと引き換えに協力を仰いでいる[143]。
コナンの関わったキッドの事件後、コナンはキッドから宝を守ったヒーローとして扱われることが多く、「お手柄小学生」、「キッドキラー」といった形で新聞記事に載っている[116]。劇場版第19作『業火の向日葵』では、キッドキラーの通称が公認となっている。
作者によると、コナンとキッドの対決は『シャーロック・ホームズ対アルセーヌ・ルパン』をイメージして描いており[注 50]、両方に勝たせたくないとのこと。
歩美・元太・光彦との関係
コミックス4巻(アニメでは第4話)から帝丹小学校の同級生である吉田歩美、小嶋元太、円谷光彦に誘われ、否応無しに少年探偵団のメンバーに組み込まれる。彼らのことは幼い子供として見ており、彼らが命の危険に関わる行動を取った場合には怒鳴りつけることもある[26]。また初期のエピソードでは、白乾児で新一に再び戻れると思い込み(実際は抗体ができており戻れなかった)、理由も言わずに3人に別れを告げたこともある[31]。
しかし、共に数々の事件を解決したことに加え、灰原共々3人の純粋さに動かされたりする描写もあり、次第に「仲間」として互いに全幅の信頼を置くようになる。また、はじめは年齢相応の口調で話すことも多かったものの、後に彼らの前では一貫して素の新一に近い口調で話すようになった。
5人揃って登下校する描写も多く、阿笠や蘭の引率で休日に遊びに出かけることも珍しくない。歩美はコナンに異性として明確な好意を寄せている。彼女を助けた際に頬にキスをされたこともあり、光彦と元太からは嫉妬されることもある[23][144]。
FBI・CIAとの関係
FBIのジェイムズ・ブラック、ジョディ・スターリング、アンドレ・キャメル及びCIAの水無怜奈(本堂瑛海)の4人は、コナンの正体こそ知らないが、子供ながら「黒の組織の壊滅」という共通の目的を持つ「探偵」として認識している。コナンも彼らの前では子供口調ではあるが無理な演技は行っておらず、素に比較的近い態度で接している。
言葉遣い
一人称・口癖
一人称は「オレ」もしくは「ボク」。
蘭や小五郎、警察関係者の前では「ボク」を用い、非常に子供らしく無邪気な口調で話す。ただし、自分の正体を知っており、なおかつ自らも明かしている相手[注 51]や歩美・元太・光彦、悪の人物(黒の組織の仲間)の前、またモノローグ内では本来の工藤新一の一人称とほぼ同じく「オレ」[注 52]を使い、クールでシリアスな口調になる。また、推理中[注 53]や切羽詰まった場面にもこのような話し方になることがあるため、普段とのギャップから、彼の正体を知らない者に違和感を覚えられるケースがある。
基本的には標準語を話すが、親しい者との日常会話には、しばしば江戸っ子特有の口調で話すことも多い。工藤新一(コナン)らしい口癖は「バーロ(、んなんじゃねーよ)」[注 54]。他に大人達の前で用いる「あれれ~」などがある。
決め台詞

普段の決め台詞は「江戸川コナン(工藤新一)…探偵さ…[注 55][注 56]」。劇場版での決め台詞は「真実はいつもひとつ!」で、テレビアニメでも19:00枠終了時のクロスプログラムにおいて使用されていた。放映開始初期はこのクロスプログラムや劇場版第1作『時計じかけの摩天楼』のTV用スポットCM等において「犯人はお前だ!」というキャッチコピーも用いられていたが、すぐに使われなくなった。テレビアニメ本編でも、例えば「外交官殺人事件」で似たような言葉が使用されたことはある[6]ものの、多用はされていない。言い回しもその都度異なり、一字一句完全同一の台詞は使用されていない。なお、テレビアニメ第1話「ジェットコースター殺人事件」では原作にはないシーンで新一が完全に同一の台詞を発している。
テレビアニメのオープニングでは毎回コナン自身によるナレーションがあり、シリーズの途中からは「たったひとつの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人、その名は【名探偵コナン】!」が恒例となっている。
劇場版のオープニングのコナンによるナレーションにおいても「小さくなっても頭脳は同じ、迷宮なしの名探偵、真実はいつもひとつ!」が毎回恒例となっており、テレビアニメ第1期オープニングのナレーションでも同様のフレーズが使用されたことがある。
正体を知る人物
要約
視点
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なお、当初阿笠からは「自分(阿笠)以外の他の人に正体を知られてはならない」と忠告されており、コナンもそれに従っていた。また、実際には蘭に何度か正体がバレたことがあるが、阿笠[50]や母・有希子[146]の機転などもあって、同一人物ではないということが彼女に証明され、難を逃れている。
注意・死亡した人物は(故)を付けている。アニメのOP58「Unraveling Love 〜少しの勇気〜」の冒頭で、「コナンの正体を知る人物」が紹介されている。
自らも正体を明かしている人物
- 本編
- 阿笠博士
- 初めてコナンの正体を知った人物。コナン自らの説明で正体を明かした[注 57]。発明品などで協力している。
- 工藤優作・工藤有希子
- 博士による説明で正体を知った[29][注 58]。優作は推理、有希子は変装などで協力している。
- 服部平次
- 持ち前の推理力で半ば正体を知り、小五郎の代わりに眠らせた際に途中で麻酔が切れたことでコナンの推理を聞いて確信に至った。コナンも観念して自ら事情を説明した[100]。互いに推理を出し合うことで協力している。
- 灰原哀 / 宮野志保
- 自身の調査で半ば正体を知り[注 59]、博士による説明で「江戸川コナン」を名乗る事情も知った。科学者として協力している。
- 黒羽快斗 / 怪盗キッド(2代目)
- コナンと博士の通話を盗聴して正体を知った[110]。好敵手同士ながら互いに自分の母親の情報を話すなどのやり取りも交わす[147]。
- ベルモット / シャロン・ヴィンヤード
- 自身の調査で正体を知った[148]。自身の思惑もあり[130]、組織には報告していない。
- 本堂瑛祐
- 蘭への告白を防ぐため、やむを得ずコナン自ら正体を明かした[注 60]が、瑛助には半ば見抜かれてもいた[149]。直後に渡米して去って行った。
- 宮野明美 / 広田雅美(故)
- コナンの状況判断により自ら正体を明かしたが、その時点で既にジンに拳銃で撃たれていたため、直後に死亡した[150][145][注 61]。
- 劇場版
- クロスオーバー作品
- ルパン三世
- 調査で正体を知ったことが示唆されている。また、蘭が小五郎の娘であることも当初は知らなかったが、後の劇場版『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では、そのことも含めて蘭を「新一の彼女」として解説しており、同様に黒ずくめの組織の事や、その具体的なメンバーとしてジンとウォッカの存在についても、新一がコナンになってしまった経緯の解説で把握していることを言及している。。
- 峰不二子
- ルパン同様に調査で正体を知ったことが示唆されている。後の劇場版『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では、組織在籍時の灰原(宮野志保)と既に面識がありコードネームで呼称するなど、コナンの正体を知る以前から黒ずくめの組織の存在を認識していたことが判明した。
- 次元大介・石川五ェ門
- ルパンによる説明で正体を知った[注 63]。次元は後に自身も調査してコナンの口癖(「バーロー」や「江戸川コナン、探偵さ」)なども把握した[114]。
- アラン・スミシー(故)
- 致命傷を負ったアランにコナンが自ら正体を明かしたが、直後に死亡した[114]。
自らは正体を明かしていない人物
- 赤井秀一 / 沖矢昴
- コナンが新一の声で蘭に電話しているところを目撃したことで正体を知り、半ば事情も察した[139]。FBIメンバーとして協力しているが、コナンから「黒の組織を壊滅させて全て解決したら正体を明かす」と告げられたため、既に正体を知っている旨をコナンに伝えていない[注 64][155]。
- 世良真純
- コナンがイギリスへ行った際[51]にテレビ中継で偶然映った姿を見て半ば正体を知り、真相の確かめと幼児化させられたメアリーの体を元に戻す方法を探るために日本に帰国し[156]、コナンと幾つかの事件に共に関わり解決していく中で確信へと至った。修学旅行でコナンが新一の姿へ一時的に戻ったのを境にコナンに直接正体を確認するようになり、コナンは必死で誤魔化し続けている[注 65]。
- メアリー・世良 / 領域外の妹
- 真純同様にコナンがイギリスへ行った[51]際にテレビ中継で偶然映った姿を見て半ば正体を知り、真相の確かめと幼児化させられた自身の体を元に戻す方法を探るために日本に帰国し[156]、コナンたちと共に複数の事件を解決し続けた真純からの報告により確信へと至った[注 66]。ただし、真純には「江戸川コナンに気を許すな…10年前に会ったボウヤ[注 67]とはまるで別人」と伝え、コナンに対し「領域外の妹」と名乗り警戒している[55]。
- 寺井黄之助
- 正体を知った経緯は言及がなく不詳[158]。
キャスト
作者の青山は高山との対談にて、「コナンは最初っから高山さんの声のイメージで描いてた」と語っている[122]。
なお、日本語版では通常時に加え、心の声も高山が担当するが、海外版では新一役のジュエルが担当し、コナンと新一が同一人物であることが強調されている。
実写ドラマ作品では、コナンは藤崎直が演じ、声は高山みなみが吹き替えている。
補足・呼称・解説など
- 第1回キャラクター人気投票での順位はコナンは1位(1028票)、新一は2位(646票)。2011年のTV&劇場版15周年記念キャラクター人気投票では、コナンと新一の投票数を合わせて1位。2012年の連載800回記念キャラクター人気投票ではコナンは1位、新一は4位。『ダ・ヴィンチ』2014年5月号での好きなキャラクターランキングではコナンは1位、新一は2位。2020年5月7日発売の雑誌『ダ・ヴィンチ』2020年6月号で実施された「読者にしあわせを与えてくれたキャラ」ランキングではコナンが7位を、新一が9位を獲得した[159]。
- 江戸川コナンとしての呼称は「コナン君(周囲からの大抵[注 68])」、「コナン(小嶋元太)」、「(メガネの)ガキンチョ(鈴木園子[注 69])」、「江戸川君(灰原哀)」、「(メガネの)ボウズ・ガキ・小僧等(新一としての会話時・服部平次[注 70]・毛利小五郎[注 71]・大和警部など)、「名探偵(怪盗キッド(2代目)[注 72])」、「ボウヤ(赤井秀一[注 73])」、「クールキッド(ジョディ・スターリング)」。
- 工藤新一としての呼称は、「新一兄ちゃん(コナンとしての会話時)」、「新一(毛利蘭[注 74]・自分の両親・阿笠博士[注 75]・毛利小五郎[注 76])」、「新一君(阿笠博士[注 75]・妃英理)」、「工藤君(灰原哀・鈴木園子[注 77]・遠山和葉[注 78]・目暮警部などの警察関係者)」、「工藤(服部平次・帝丹高校の男子同級生など)」、「新ちゃん(工藤有希子)」、「クールガイ(ベルモット)」と呼ばれている。
- 劇場版での新一としての登場は、解毒薬で一時的に元の姿に戻った場合[7]を除き、冒頭の前説・回想・変声機による会話・モノローグのみだが、黒羽快斗(怪盗キッド)の変装で登場したことも複数回ある。新一の声を担当する声優の山口勝平も、新一としての出番が少ないことを毎回パンフレットで語っている。
- 「江戸川コナン」名義のパスポートは所持していない(正確には無戸籍者であるため、パスポートを取得できない[注 79])ため、事件の舞台は日本国内に限定されている。長い連載の中での例外は、新一として事件を解いたNY編と、解毒薬で一時的に新一に戻ることによって出入国を果たしたロンドン編の2例のみである。アニメや劇場版では現実世界のシンガポール[142]劇場版第23作『紺青の拳』</ref>[注 80]、バーチャルゲーム内のロンドン[20]や、架空の国家(ヴェスパニア王国)[153][注 81]が舞台になったことはある。『名探偵コナン 特別編』では海外へも何度かコナンの姿で蘭たちと一緒に旅行しているが、これらは原作やアニメとはパラレルワールドであると見なされている。
- 阿笠博士の手配で転入という形で帝丹小学校に入学したが、戸籍がない状態のまま小学校に通っていることについては、引き続き小五郎が保護者となる(「江戸川コナンの母親」は、コナンの正体である新一の母・有希子の変装で「江戸川文代」として養育費も毛利家へ預けている)ことへの事務的な継続処理の経過描写が作中になく、その詳細は不明である[注 82]。
- 全キャラクターの中で唯一、アニメシリーズ全話に登場している[160]。ただし、アニメ第1話はコナンの姿としてはエンディング後のエピローグの1カットのみでセリフは感嘆詞のみであったり、アニメ782話「緋色の帰還」でのコナンは姿のみの登場で、オープニングの本編説明と次回予告を除いて一言も話していない。また、劇場版第23作『紺青の拳』のスピンオフであるアニメ第936話「フードコートの陰謀」では、少年探偵団の各イメージとして登場するのみで、コナン本人は直接には完全に未登場で、その回に起きた事件ともまったく関わっておらず、わずかにラストで劇場版との繋がりを示すコナンのナレーションが一言だけ入るのみであった。他にOVA作品では、これ以前にも「ロンドンからのマル秘[注 83]指令!」[161]や「工藤新一 謎の壁と黒ラブ事件」[162][注 84]のように、コナンが冒頭やラストのモノローグを除いて本編にほぼ未登場のエピソードがある。アニメは、以上のようにコナンが本編で台詞なしだったり姿を直接見せない回もあるが、担当声優の高山みなみは全話に出演している。一方原作では、新一に戻ったり新一としての回想など、そのエピソードの中間において「江戸川コナン」として登場しない回が稀にある。
- 黒羽快斗と顔がそっくりな理由はスター・システムを採用しているという点が大きいが、快斗と新一は2人とも父親似である。
- キャラクター作成時に参考にした絵柄や特徴について各所で語られており、笑った時の口や足首の細さなどはルパン三世の影響を受けていることが、『ルパン三世』原作者のモンキー・パンチとの対談にて語られ[163]、小さくてもシルエットで誰か判別できる特徴として[164]、頭のヘタのようなものは『虹色とうがらし』の「七味」から、後ろ髪のハネは『魔法使いサリー』の「カブ」から、目は「あだち充」作品から、口は前述にあるように「モンキー・パンチ」作品から、鼻は「ちばてつや」作品からの影響があった[165]。なお、同様のことを島本和彦に話したところ、「ならねーって! 断じてならねーっ!」と否定されているとい[165]。
- 1999年から2001年にかけてのテレビアニメの高視聴率を受け、読売テレビの2代目社屋(ytv京橋ビル)の正面入口前にはコナンの銅像が建てられていた。詳細は名探偵コナン (アニメ)#反響・評価を参照。
脚注
参考文献
外部リンク
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