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青山剛昌の漫画『名探偵コナン』の登場人物 ウィキペディアから
阿笠 博士(あがさ ひろし)は、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス『名探偵コナン』の作品に登場する架空の人物。通称「阿笠博士(あがさはかせ)」。
小学校は帝丹小学校出身。小学校6年生のときに初恋をしており、相手は2歳年下で、現在は有名なファッションブランドの社長であるフサエ・キャンベル・木之下。現在も互いを想い合っている[1]。
その後、奥穂中学校に進学し[2]、東都大学工学部博士課程を修了[注 1]。
幼児化した工藤新一が初めて訪ねてきた際に彼から正体を知らされ、他人に正体がばれると黒ずくめの組織に再び命を狙われて周囲にも危険が及ぶだろうと助言し[注 2]、江戸川コナンのことを「親戚の子」として毛利小五郎の家に預け[注 3]、帝丹小学校へ入学するよう勧めて手配もした[6][7]。その後、組織から脱走して新一を頼ってきた灰原哀を保護し[4]、現在では共に暮らす彼女を周囲から怪しまれないようにと、コナン同様に帝丹小に編入させている[注 4]。
江戸川コナンの協力者である科学者・発明家。天才を自称しており、コナンが使用している道具の製作者でもある[8][注 5]。工藤宅の隣人。年齢は52歳前後[注 6]。お尻のホクロには毛が1本生えているらしく、本人以外で知っているのはコナン(新一)のみであることから、彼が自分が新一であると証明するためにこのことを話した[6]。
コナンの正体が小さくなった新一と最初に知った人物で、黒ずくめの組織に知られないように正体を秘密にするよう助言を送る[6][注 7]。コナン、灰原、沖矢昴の正体をいずれも知っている数少ない協力者である[注 8]。
工藤家・毛利家とは新一と蘭が幼少期の頃からの付き合いであり、変な発明品ばかり作るためか若干あきれられてはいるものの、新一や蘭をはじめとする友人たちからはそれなりに信頼されており、毛利小五郎も阿笠に対しては敬語で話す描写もある。また、コナンや灰原と少年探偵団の3人(吉田歩美・円谷光彦・小嶋元太)を遠くへ遊びに連れていくのは大抵、阿笠である。彼らからも若干あきれられたりバカにされたりと振り回されることも多いが、基本的には面倒見がよく穏やかな性格[注 9]ゆえに実祖父同然に慕われ、信頼されている。
コナンに探偵役を任されることもあるが、彼の正体を知っていることから腕時計型麻酔銃は使用されず、口パクで台詞を合わせている。そのため、麻酔銃で眠らされる小五郎や鈴木園子、山村ミサオのような不自然さは軽減されている[注 10]。コナンが腕時計型麻酔銃を持参し忘れたことから生まれたこの方式は[10]、いきなり自分の声を使って推理を開始することが多いコナンには辟易とし、一言相談してから声を使うように度々注意している。その後に小五郎や園子のように警察から名探偵と評されることに調子に乗り始めた節もあり、少年探偵団の前で「工藤新一に探偵術を教えたのはワシじゃ」とホラを吹いたこともある[13]。
名前の由来は推理作家のアガサ・クリスティから[14]。親類に栗介(くりすけ)という伯父と定子(ていこ)という伯母がおり(現在は両人とも故人)[15]、彼ら2人の名を合わせると"くりすけ"と"てぃこ"でクリスティとなる。また、本編には登場していないが、高木刑事と同世代と思われる孫娘を持つ従兄がいる[16]。
周囲からの呼称は、「阿笠(友人である映画監督の三上 大輔(みかみ だいすけ、声 - 山野史人)[17])」、「爺さん(服部平次)」、「阿笠さん(目暮警部などの警察関係者)」、「阿笠博士(あがさはかせ)・博士(はかせ)(それ以外の他人。江戸川コナンや少年探偵団のメンバー、毛利蘭など。)」と呼ばれる。
『コナン』作品の雑誌掲載・アニメ放映初期[注 11]においては当時のパソコンやインターネットの普及率の問題もあり、コナン(新一)からの依頼によってネットサーフィンおよび工藤優作が収集していた事件記事のスクラップファイルによる情報収集という面でも、彼をサポートしていた[18][19]が、インターネットが普及して小学生でもインターネットや携帯電話を用いることが一般的になった近年の作品においては、小学生であるコナンがアクセスすることが不自然な外国・会員制のサイトによる情報収集を依頼されることが多い[20]。
劇場版には鈴木園子と並び、全作品に出演している[注 12]。また、1996年のアニメシリーズ開始時に系列各局で放送された番宣スポットのナレーションも阿笠が担当した[注 13]。
『名探偵コナン40+SDB』のコーナー「勝手に『あの方』大予想!!」で第1位になったが[21]、この説は作者により否定されている[22]。
頭頂は禿げ上がっており残っている髪もすべて白髪で、年齢以上に老けて見られることが多い[注 14]。阿笠自身は「わしは白髪で爺さんのような容貌だがまだ53歳じゃよ」と自称している[24][注 15]。目暮警部と同様に肥満体形であるため、灰原が居候してからは栄養管理の厳しい食事を摂らされている[注 16]。
10年前(42歳)は、まだ髪はフサフサで黒髪だった[2]。劇場版第5作『天国へのカウントダウン』では、10年後(62歳)の顔を予想できる機械を試したが、現在と変わらない顔だった。
住所は東京都米花市米花区米花町2丁目22番地。庭付きの敷地に建つ研究所兼自宅は詳細な間取りこそ不明であるものの、作中の描写から最低でも地上2階、屋上、地下室まで備えた豪邸であることが判明している。
発明家として知られており、その技術はかなりのもので「バンダイ」という会社[注 17]の関係者たちが阿笠の頭脳を頼りに自宅を訪れており、多額の契約金と引き換えに発明品を共同開発し、発売も決定していた[27]。その一方、発明したメカの技術は秀逸ながら、「弁当箱に市販のFAXを取り付けただけのうえ、おかずが本物」という「弁当型携帯FAX」[28]など、発想を疑わせる[注 18]品もある。
今まで数多くの発明品を生み出してはそのほとんどがコナンたちの手助けになったほか、赤井秀一の死を偽装する際にも役立っていた[29][注 19]。公安警察の降谷零(安室透)からは「MI6も顔負けの発明品」と称賛されており[30]、領域外の妹は阿笠が製作した盗聴器について「見たことのないタイプ。駆動時間は短そうだが、この形状(フォルム)でこの性能(パフォーマンス)、なかなか興味深い。」と評している[31]。また、『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では少年探偵団に持たせていたメカの数々を見たルパン一味がその性能に唸ると共に、それを子供たちに持たせることを非難している。
いつか自分の発明で大儲けすることが夢であるが、コナンによれば「作る物はガラクタばかりでジリ貧」らしい[注 20]が、豪邸住まいで自動車を所有して灰原を同居させていることからも、金銭面に困っている様子は見られない。実際に優れた発明品も多く、物によっては普及すれば有名になれそうなレベルだが、発明品で特許が降りたような言及はしておらず[注 21]、現在も本格的に売り出している描写などはほとんど無い。そのため、発明家としての凄さは阿笠を「博士(はかせ)」と呼ぶ周囲の知り合いぐらいにしか知られていないことが、本編でも示唆されている。
親戚筋には上記の栗介・定子など、豪邸や別荘を持つほど裕福な者がいる。『コナンドリル』では自宅に地下があり、立地も好条件な資産価値はかなり高いとうかがえるうえ、阿笠が買ったのではなく親からの相続で伯父の別荘の整理もしていることから、一族の資産は独占状態にあるとみている。また、少年探偵団とよく出かけているのは、レジャー関連企業の株主として優待券を持っている可能性や、発明品は玩具性が強いうえに実用新案による企業との契約や劇場版第6作『ベイカー街の亡霊』で新型ゲーム機「コクーン」の開発にも関わっていることから、業界では有名なゲーム作家かもしれない説を提唱しており、特許料や開発協力などでも大金を得て悠々自適に暮らしながら生活のためではなく遊び心を持って発明に臨むからこそ、良いアイデアが生まれているとみている[33]。
コナンが身体能力でハンデを負いながらも、探偵として凶悪な犯罪者と対等以上に渡り合えるのは、阿笠の発明したさまざまなアイテムによるところが多々あり、灰原もそう考えている[注 22]。発明品を身近な人だけでなく、近所や遠方(中には温泉旅館も含まれている)にも提供しているが、その大半は発明品がすぐに壊れたとクレームが殺到したこともあり[35]、耐久性に問題が多いことも示唆されている[36]。また、新一だった当時のコナンが目暮警部に「阿笠はいつも妙ちきりんな発明をしている」という旨を漏らしていたことから、目暮と初めて顔を合わせた際にはそのことを聞かされて彼には苦笑いを返し、コナンには怒りを露わにしていた[10]。
コナンたちに提供している一部の発明品(名探偵コナン#道具を参照)には、現実世界での法律に抵触する可能性が非常に高いものがある[注 23]が、作中でそのことについては一切触れられていない[注 24]。
好物はレストラン「コロンボ」のスパゲティ。このことは前述のホクロの件と合わせ、コナンが自分の正体を証明するきっかけになった[6]。
“操縦事(操縦+そういう事)言うの?”[37]や、“とほほ、恐宿題(恐縮+宿題)”[38]などの駄洒落を好む。劇場版では本編で少年探偵団にクイズを出すことが恒例となっているが、その答えのほとんどは駄洒落である。
若干の虫嫌い。写真や映像を見るのは平気であるが、アリの大群など動く実物を直接見るのは苦手である[39]。
自宅にいる時は、好きなワイドショーを見ている[40]。
クマの絵が散りばめられたパジャマを愛用しており、劇場版で過去2回そのパジャマを着た姿が登場している[41]。
愛車は「フォルクスワーゲン・タイプ1」で、作中ではほとんど愛称の「ビートル」で呼ばれる。ナンバープレートは「新宿 500 ひ 164」である[42]。発明品であり、商品展開も行われたボイスレコチェンジャーの売り上げで、同じタイプの新車に買い換えた[注 25]。しかし、話によっては故障で止まっていることがあるほか、テレビスペシャル『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』では走行中に犯人一味の大型トラックの体当たりで壁に挟まれてフレームが原形をとどめないほど損傷したうえ、助手席の灰原が破壊された扉から眼下の森へ落下するという惨事にも遭っている。
少年探偵団の引率役として、彼らをビートルに乗せてさまざまな所に出かけている[注 26]。小五郎は「毎回毎回、よく飽きずにキャンプへ行けるな」という趣旨の発言をしているため、かなり頻繁に出かけていることがうかがえる[43]。
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