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日本の漫画雑誌 ウィキペディアから
『コミックボンボン』は、かつて講談社が発行していた日本の月刊児童漫画雑誌。1981年(昭和56年)10月15日創刊、2007年(平成19年)11月15日廃刊(休刊)。略称は「ボンボン」。480円。毎月15日発売。単行本(ボンボンコミックス)として販売されているほか、『ボンボンアーカイブ』にて電子書籍が配信されている。
『月刊コロコロコミック』(小学館)に対抗する形で企画され、1981年10月15日に創刊した。2か月後に2号を発刊し、その後月刊化される。ホビー漫画・お色気漫画(パンチラが中心)・ギャグ漫画、そして『機動戦士ガンダム』を中心に据える。当初は『スパットマンX』をアニメ化させる約束をジョージ秋山と結んでおり、旭通信社(後のADKホールディングス、ADKエモーションズ)とアニメ化の締結まで至ったが実現はしなかった。
1981年後半、ガンプラブームが小学生以下にも火がつき始めたのに注目し、本誌でもガンプラをメインに扱う特集を組むようになる。プラモで戦う『プラモ狂四郎』や既存商品の改造テクニックなどと連動した結果、一大ガンプラブームを巻き起こし、のちにパーフェクトガンダムを始めとした本誌からの発信が元となったガンプラが登場するなど、大きな影響を与えた。MSVの発展にも大きく貢献し、ガンダムの資料としての価値もあるといわれ、『エースパイロット列伝』は特に評価されている。以後本誌はガンダムと密接なつながりを持つようになった。ガンダム以後、影響を受けたリアルロボットアニメが多数作られた中、『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』も本誌に漫画版が連載され、プラモデルも『狂四郎』や特集記事に登場している。幼年向け漫画雑誌としては、これら模型関係の記事が長らく組まれていたことも特徴である。
1984年頃からのファミコンブームでは、『ファミコン風雲児』『ファミ拳リュウ』を連載。シールブームでは、コロコロの『ビックリマン』シールに、『ビックリマン』シールの情報を載せつつ『レスラー軍団』シール、『秘伝忍法帖』シールなどで対抗した。
その後も『トランスフォーマー』『SDガンダム』『ロックマン』『スーパーマリオ』『ゴジラ』などの人気作品を題材とした特集や漫画を連載し、小学生の間にブームを巻き起こした。また、オリジナル漫画に関しても良作を多く輩出、特に『SDガンダム BB戦士』シリーズでの『武者七人衆編』後半や、『地上最強編』などの時期の“武者ガンダム”のブレイク時である1991年から3年間は、部数で『コロコロ』を追い抜いた[1]。
この時期のいずれか数年程度を本誌の黄金期とする読者は多い。具体的にどの年とするかは世代によって分かれるが、「MSVのメディアミックスが行われていた創刊当初」「SDガンダムブームで部数がもっとも多かったと言われる1980年代末期から1990年代前半」「『温泉ガッパドンバ カパランテ伝説』などの対象年齢高めの漫画、『新世紀エヴァンゲリオン』やアメコミ(『ミュータント・タートルズ』、『X-MEN』など)の漫画やフィギュアの記事などマニアックな題材を扱っていた1990年代中盤」などが挙げられる。
1990年代半ば以降、ライバル誌の『コロコロ』は『ポケットモンスター』発売当初からタイアップを打ち出しブームの一因を担い、1996年に発行部数を前年から倍増させた。その他にも『ミニ四駆』『ビーダマン』『ハイパーヨーヨー』『ベイブレード』『デュエル・マスターズ』『昆虫王者ムシキング』など、強力なタイアップを続ける『コロコロ』に発行部数で大きく差をつけられた。加えて、本誌で長年展開していた『ロックマンシリーズ』も、『エグゼシリーズ』以降は『コロコロ』とタイアップするようになった。この移籍の理由を当時編集長だった池田は、「アニメのスポンサー料を渋ってロックマンを手放したミス」と語っている[2]。
なお、任天堂は当初ポケットモンスターのタイアップをコミックボンボンに打診したが、当時はまだ無名であった新規コンテンツとのタイアップにボンボン含め何処も消極的であり断ったため、任天堂はライバルであるコロコロコミックに話を持ちかけ提携が成功したという経緯がある[要出典]。
コロコロでのポケモンのタイアップ開始以降本誌も負けじとタイアップ路線を取り、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』『メダロット』『ロボットポンコッツ』『クラッシュギア』『大貝獣物語 THE MIRACLE OF THE ZONE』『真・女神転生デビルチルドレン』など一定の成功を収めたものもあるが、多くは惨敗に近い結果に終わった。『デラックスボンボン』などの増刊も、1990年代後半頃には全て廃刊した。
1990年代後半には、『王ドロボウJING』『おきらく忍伝ハンゾー』『ロックマンX』など、本来の読者層だけでなく高年齢層にも支持が高かった漫画が連載されていたが、編集長の交代(97年、米田浩二郎→池田新八郎の復帰)によって全て打ち切られ、打ち切りに対する読者の不満投書が殺到した『JING』は間をおいて『月刊マガジンZ』へ移籍した[3]。
池田は当時のこうした連載作品の入れ替えについて「雑誌そのものや本来の読者層に影響を与えかねないマニアックな要素を削るために取った方針」と話している[4]。
また、一説では人気がなくなったのではなく、作者を冷遇したことで離反を招いたとも言われている。しかし、上記のように成功したタイアップ漫画などもあり、『メダロット』『真・女神転生デビルチルドレン』『サイボーグクロちゃん』が流行を築いた2000年前後こそ黄金期とする年代層も存在する。
2006年1月号から誌面が大判化され、同時に誌面の刷新と連載陣の大幅リニューアルが決行された。ホビー関係の記事を縮小し、講談社他誌からの作家が増加した。
さらに、同年7月号からはロゴマークが変更され、同時に単行本(コミックスボンボン)の背表紙についていたマスコットキャラの"Bゴン"も"爆弾マーク"に変更された。ただし、一部リニューアル以前から続く作品の単行本や、以前のものと装丁を合わせた『海の大陸NOA』3巻などでは継続してBゴンが用いられた。
増刊に関しては、2006年9月29日にファンタジー専門の『アブラカダブラ』と、2006年10月5日に以前にも発刊していたガンダム専門の『ガンダムマガジン』の2冊を10年ぶりに『ボンボン』増刊として発刊した。
しかし、リニューアル後も部数は伸びず、発行部数は10万部から5万部まで半減した。その後、『デルトラ・クエスト』のヒットにより多少勢いを取り戻し、2007年には同作とテレビアニメ第5シリーズが始まった『ゲゲゲの鬼太郎』を大きくプッシュした。『SDガンダム』は人気が下降し、『武者番長風雲録』『SDガンダム三国伝』の扱いは前記2作品よりも低いという見方もある。また、読み切りや新連載、『トランスフォーマー ギャラクシーフォース』などのようにアニメ人気があったのにもかかわらず打ち切りとなるような作品も増えた。雑誌自体の分厚さは当初は大判前より薄いものだったが、紙質の変更と前述の読み切り掲載などにより次第に『月刊少年ガンガン』や『デラックスボンボン』並みの厚さとなった。
2007年6月下旬、いしかわじゅんがmixiおよび自身のウェブサイトの日記で本誌の休刊を示唆する発言をした。公式な情報でないにもかかわらずニュースサイトや匿名掲示板などで情報が流れ、大きな騒ぎとなった。そして、部数低迷のため同年11月15日発売の12月号をもって休刊することが、同年7月17日に講談社より正式に発表されるに至り、同年11月号の『ボンボン』本誌でも休刊を告知した。最終号となる12月号で連載されていた漫画のほとんどが終了し、『デルトラ・クエスト』などの一部の未完作品の受け皿として『テレビマガジン』の増刊となる漫画誌『テレまんがヒーローズ』を2008年3月15日に発刊、同誌で連載したことのある作家陣もいくらか参加した。また、単行本『ボンボンコミックス』は2009年頃まで引き続き販売された。
『ボンボン』の休刊と合わせ、講談社は中学生向け少年漫画誌『月刊少年ライバル』の2008年春の創刊を発表したが、『ボンボン』のコンセプトとは異なり、『ライバル』の編集長はボンボンの後継誌であることを否定している[5]。
本誌に『爆笑戦士! SDガンダム』などを連載しつつも諸事情から編集部側とは敵対していた佐藤元は、休刊発表と同日に自身のブログでいくつかの苦言に織り交ぜて、編集側のやり方に関する非難とともに無念の意を露にしていた[6]。
休刊から数年後、復刊ドットコムの手で『ボンボン』作品が復刊されるケースが増えてきている。この影響を受けてか、講談社サイドでも2012年から『復活ボンボンシリーズ』と銘打ち、直々に『サイボーグクロちゃん』や『真・女神転生デビルチルドレン』などが復刊されている。
2024年、『化け猫あんずちゃん』がアニメ映画化された。
2015年(平成27年)7月31日、YouTube内にてネット番組『ボンボンTV』のタイトルで復活することが発表され、同日開局した。制作協力に芸能プロダクションのUUUMが担当する。2015年10月15日には児童向けYouTubeチャンネル『キッズボンボン』を開局している。いわゆるYouTuber活動を主体に、ほぼ毎日更新を行っている。
同チャンネルでは、講談社作品が原作となっている一部のアニメ作品の掲載も行っている。
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2017年(平成29年)7月21日にpixivコミック内で、『ボンボン』で掲載されていた漫画の再連載を開始することが報道された[7]。また再連載の他、『今日のこねこのチー』や『くつだる。』などの新作も掲載を行う。ボンボンTVとの連携で、それらに関する活動漫画(ボンボンTVのユーチューバーな日常、他)も掲載される。更新日は毎週金曜日。
これに合わせてyoutubeにて、『サイボーグクロちゃん』と『くつだる。』のアニメ版が期間限定で全話公開された。
廃刊から数年後、連載されていた作品を新装版として復刊したものである。書き下ろしや修正ページなども多い。復刊の告知についてはTwitterでの専用アカウントから報告される。制作は講談社の子会社である講談社コミッククリエイトが主導となっている。2021年9月1日に講談社が引き継ぐ形で継続している。
2017年7月には「コミクリ!」内で特設コーナーが開設されている。「コミクリ!」内のコーナーとしては刊行書籍紹介、試し読み(期間限定無料開放あり)、作者インタビューの「突撃ボンボン」(漫画:坂本憲司郎、インタビュアー:坂本憲司郎、K田(復活ボンボン担当)、藤異秀明)、広告漫画「復活ボンボンの煩子ちゃん」(漫画:むっく)が存在する。後にコミックプラス内の企画「今日の思い出」に関連する形で、当時の読者だった現在の作家にインタビューした「思い出ボンボン」の掲載が始まる。
2022年からは電子書籍のみで展開する「コミックボンボンアーカイブ」が始動した。
ライバル誌の『コロコロ』同様にゲームメーカーや玩具メーカーとのタイアップ作品が多かったが、刊行末期は少なくなっていった。
雑誌の方針としては児童・幼年向けを対象としているが、「プラモの改造などの少々マニアックなもの」「暴力的な要素が強いもの」「哲学的なもの」「お色気要素の強いもの」など濃い内容かつインパクトが強めといった対象年齢が高めの漫画が載せられることもあり、その特殊性も読者に広く知れわたっている。想定読者年齢より背伸びした(あるいは、ませた)物の中でも少し極端な物でもあったため、「ボンボンを読むとオタク趣味に走るようになる」といった俗説が流布することもあった。
最終回を含んだ単行本が出されていない場合が多い。また、未単行本化作品もいくつかある。発刊される単行本についても冊数が少ない。そのため、単行本自体の入手が困難な場合があり、復刊が望まれ、2010年代からは講談社により「復活ボンボンシリーズ」としていくつかの作品が復刊されている。それ以前にも、一部に復刊ドットコムの協力で復刊されたものもある。当然、それらはほかの雑誌にも言えることであるが、『ボンボン』の場合は「営業部側の売上の見込み判断」によるものだという。中には『おれのサーキット』のように連載後30年以上経った作品でも復刊にあたり、加筆修正されたものもある。『海の大陸NOA』や『ロックマンX』などが打ち切り・放置されたり、また『トップス』が「第1部完・次々号より再開」と予告をしておきながら結局再開されないまま、といったケースがある。
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上記のとおりガンダムシリーズと関わりがあり、本誌がガンダムシリーズに影響を与えた要素がいくつかある。たとえばフルアーマーガンダムは元々『プラモ狂四郎』に登場したパーフェクトガンダムをリファインしたものである。「モビルスーツバリエーション」についても参照。SDガンダムについても、SDガンダムを中心としたMSV「SDV」を展開し、SDガンダムを一つの「キャラクター」として認知させ独自の路線を築いた。
また、「MSV90」や「エースパイロット列伝」などの本誌掲載特集は別の書籍でまとめられることが少ないため、それらの情報を閲覧するにはその特集が書かれた月のボンボンを参照するしかない。アニメのコミカライズも『機動戦士Ζガンダム』から『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』まで、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』を除くすべての作品で行われていた。
しかし、『ガンダムエース』(角川書店)の創刊以降は完全なガンダム専門誌である同誌に押され、『機動戦士ガンダムSEED』以降は完全に主導権を奪われている。
CS放送では、専門番組として『ボンボンチャンネル』が放送されていたこともあった。
また、創刊25周年として『チャンネル北野eX』(フジテレビ721)では特集も組まれ、2006年8月31日から2006年9月6日まで放送された。ほか、『CONTINUE』36 - 37号では元編集長の池田新八郎が、同誌38号ではほしの竜一が、同誌40号はやまと虹一がインタビューに応じている。
再掲載は斜体で記述
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