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『バーチャファイター』 (Virtua Fighter) は、セガが開発した世界初の3D対戦型格闘ゲーム。このジャンルの祖となりブームの礎を築いた傑作[4]。日本では1993年にアーケードゲームとして稼働を開始した。アーケード版のシステム基板は「セガ・モデル1」を使用している。
ジャンル | 3D対戦型格闘ゲーム |
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対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
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開発元 | セガ第2AM研究開発部 |
発売元 | セガ |
プロデューサー | 鈴木裕 |
ディレクター | 鈴木裕 |
デザイナー | 石井精一[1] |
プログラマー | 池淵徹 |
音楽 | 中村隆之 |
シリーズ | バーチャファイターシリーズ |
人数 | 1 - 2人(対戦プレイ) |
メディア |
業務用基板 (29.50メガバイト) |
稼働時期 |
1993年10月 1993年11月28日 1993年12月[2] |
デバイス |
8方向レバー 3ボタン |
システム基板 | MODEL1 |
CPU |
V60 (@ 16 MHz) MC68000 (@ 10 MHz) |
サウンド |
YM3438 (@ 8 MHz) MultiPCM (@ 8 MHz)×2 |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 496×384ピクセル 60.00Hz パレット8192色 |
売上本数 |
6519ポイント (1994年度ベストインカム第2位)[3] |
グラフィックにポリゴン描画を使用し、人・ステージを三次元(3D)で表現した対戦型格闘ゲームは本作が世界初である。そのため、それまでのドットピクセル描画を使用した平面的(2D)なグラフィックの対戦型格闘ゲームとは異なる演出が革新的と評された。キャラクター操作も2D対戦格闘ゲームとは異なる仕様となっている(詳しくは#ゲーム内容を参照)。
既存の格闘ゲームとの大きな相違点は、技の中に飛び道具が存在しない。登場するキャラクターは、現代や過去に実在する武術を身に付けていることがゲームのリアリティーを高めている要素と言われている。CPUには学習機能があるので同じ攻撃の繰り返しが通用しないことがある[5]。
本項では翌1995年にリリースされた、モデル1より廉価な基板であるST-Vに移植した上でグラフィックを若干リニューアルするなどした『バーチャファイターリミックス』についても解説する。
セガの『バーチャファイターシリーズ』の第1作である。主人公の結城晶を含む8名のいずれかを選択し、「世界格闘トーナメント」で優勝することを目的としている。
開発は当時セガで大型体感ゲーム機を多く開発していたセクションである「セガ第2AM研究開発部」が担当。プロデューサーおよびディレクターは『ハングオン』(1985年)や『バーチャレーシング』(1992年)を手掛けた鈴木裕、ゲーム・デザインは後にナムコに転社し『鉄拳』(1994年にリリースされた第1作)を手掛けることになる石井精一が担当。音楽(VGM)は『E SWAT』(1989年)を手掛けた中村隆之が担当。
マペットのような粗いポリゴンのキャラクターを画面に表示させ、激突した時に有機生命体らしくない金属音を響かせることで、立体空間においての駆け引きを競うゲーム性が確立した。安くはない料金設定でもコインを投じて対人戦を繰り返し、攻略法を培う為にゲームセンターに赴く人々が増えた。セガサターン版ではゲームパッドが壊れるほど、とも言われている[4]。
アーケード版はゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第8回ゲーメスト大賞」(1994年度)において、大賞3位、ベスト対戦格闘賞3位、ベストグラフィック賞6位を獲得。セガサターン版は、ファミ通クロスレビューで36点(プラチナ殿堂入り)を取るなど高く評価され、また1995年度サタマガグランプリ最優秀作品賞を受賞するなどセガファンの絶大な支持を受け、セガサターン初期のキラーソフトとしての役割を果たした。販売本数はセガサターンマガジンの推計で71万1806本。スーパー32X版はファミ通クロスレビューで30点(シルバー殿堂)を獲得した(より詳細なデータは#評価を参照)。
1994年にセガ社のゲーム機であるセガサターンに移植された他、1995年にスーパー32Xに移植された。1998年4月6日、ワシントンのスミソニアン博物館に、ビル・ゲイツの推薦によって『バーチャファイターシリーズ』の一連のソフトウェアと関連資料が「その年の最も革新的なアプリケーション」として博物館のコレクションの一部に加えられた[6]。セガが家庭用ゲーム機事業から手を引いた後は長らく移植事例が無かったが、2020年セガ フェイブが発売した復刻系テレビゲーム機・アストロシティミニにHDリマスター版が移植された(この他の移植例については#移植版を参照)。
レバーと、P(パンチ)・K(キック)・G(ガード)の3ボタンを組み合わせて技のコマンドを入力する。
それまでの格闘ゲームではボタンがパンチとキックを弱・中・強(またはそれに近い形に)に振り分けられていたが、1レバーとパンチ、キック、ガードというシンプルなボタンレイアウトを採用したことが特徴だった[7]。これにより打撃・投げ・ガードのシンプルな三すくみの攻防を確立しつつ、駆け引きの奥深さも両立し評価を得ることができた[7]。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
昭和の時代、軍は清朝最後の皇帝を利用しようと彼に近づくも八極拳を使う彼の親衛隊の前に敗れた。軍は、最強の歩兵部隊を造り出すため、この八極拳の極意を基に究極の武術を完成させたと伝えられている。
それからおよそ半世紀、八極拳を使う1人の若者が、自分の腕を試すべく武者修行の旅へと出る。彼の名は結城晶。これより、世紀末格闘伝説が始まる。
「世界格闘トーナメント」。それは、世界中から集まったあらゆる格闘家が、己の肉体だけで死闘を繰り広げ、世界一の格闘王を決める究極の武闘大会である。果たして最強は誰なのか。
使用可能キャラクターは以下の8人。
これに加え、最終ボス(正確にはボーナスステージ)のデュラルが登場する。セガサターン版は隠しコマンドで使えるようになる[9]。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 | Ref. |
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1 | バーチャファイター | 1994年11月22日 1995年5月11日 1995年7月8日 |
セガサターン | セガ第2AM研究開発部 | セガ | CD-ROM | GS-9001 81005 MK81005-50 |
[2] | |
2 | バーチャファイター | 1995年10月10日 1995年10月20日 1995年11月30日 |
スーパー32X | セガ第2AM研究開発部 | セガ | ロムカセット | 84701 GM-4013 MK84701-50 |
[2] | |
3 | バーチャファイターPC | 1996年7月3日 |
Windows 95 | セガ | セガ | CD-ROM | - | DirectX対応 | [10] |
4 | バーチャファイター | 2020年12月17日 |
アストロシティミニ | 瑞起[11] | セガ フェイブ セガ(販売) |
プリインストール | - |
1993年12月、当時としては最先端であった3DCGアーケード基板「MODEL1」により世界初の3D格闘ゲーム、『バーチャファイター』がリリースされる。3DCGにおいてはまだ人型のスムーズなアクションが珍しかった状況で、2体の人型が格闘をくり広げる映像が公開され話題を呼んだ。
開発トップの鈴木裕も「(グラフィックに関しては)当時は『ストリートファイターII』(1991年)とよく比較された。ノンテクスチャーで、どうやって対抗するの?といろいろな人から言われた覚えがあります」と語る[12]。そして「位置関係やパースの正確さ」、モーションの動きで魅力を引き出すという方法で既存の2D対戦格闘ゲームとの差別化を計ることにしたという[12]。開発段階でどうしても動きが良くならないため「どうも開発者が格闘技をやってないせいではないか」と仮説を立てた鈴木は開発者総出で格闘技を練習した[13]。
リリース当初は、当時の流行の2D対戦格闘ゲームたちの中に埋もれる形で人気が出るまで時間がかかった[7]。パブリシティ戦略によりゲームの情報がメーカー側から明かされることはなく、メディア展開もあまりなく情報が皆無という状況であったが、ニフティサーブなどのパソコン通信や、『ファミコン通信』(後の『週刊ファミ通』)などのゲーム雑誌を介して攻略やその他情報交換が行われるようになり、それらふたつのコミュニティがある日「新宿ジャッキー」(パソコン通信上の架空の強者の存在と現実での『ファミ通』編集者による対戦での98人抜きの記事)という存在をきっかけにひとつに交わり知名度を上げて行く[7]。1994年4月29日、国立代々木競技場周辺で行われていたフジテレビのイベント「LIVE UFO」にて、セガ主催の公式全国大会「バーチャファイター トーナメント大会」も催され[2]、1994年11月22日にはセガサターンへの移植版がローンチタイトルとして発売された[2] 。
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 4.5 | 4.4 | 4.1 | 4.3 | 4.6 | 4.6 | 26.6 |
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 4.0 | 3.9 | 3.8 | 4.1 | 4.3 | 4.2 | 24.3 |
ジャンル | 3D対戦型格闘ゲーム |
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対応機種 |
アーケードゲーム (AC) 対応機種一覧
|
開発元 | セガ第1AM研究開発部[2] |
発売元 | セガ |
プロデューサー | 鈴木裕 |
デザイナー |
浅古芳尚 加藤陽仁 油井亮弥 |
プログラマー | 岡安啓司 |
音楽 |
中村隆之 光吉猛修 河内和彦 |
美術 | 寺田克也 |
シリーズ | バーチャファイターシリーズ |
人数 | 1 - 2人(対戦プレイ) |
メディア |
業務用基板 (27.50メガバイト) |
稼働時期 |
1995年6月[2] |
デバイス |
8方向レバー 6ボタン |
システム基板 | ST-V |
CPU |
SH-2 (@ 28.636 MHz) MC68000 (@ 11.455 MHz) |
サウンド | SCSP |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 704×513ピクセル 60.00Hz パレット6144色 |
『バーチャファイターリミックス』 (Virtua Fighter Remix) は、『バーチャファイター (VF1)』のグラフィックをリニューアルしたリメイク版。セガサターン互換アーケード基板「ST-V」で1995年6月[2]にリリースされた。(『ゲームマシン』の記事によると6月16日発売。[43])その後セガサターン版も製作され、同年6月16日に「セガサターン百万台キャンペーンボックス」という名称で本体と同梱で発売された。同年7月14日には単体版も発売された[2]。
この作品は主にST-Vのシェアを拡大すべく開発されたもので、初代のゲーム内容そのままに、キャラクターにテクスチャマッピングを施しグラフィックを強化したものとなっている。セガサターン版『VF1』を基に開発されたが、カメラアングルの調整やリングにBG面を使用するなどし、ポリゴン欠けが解消されている。1996年7月にセガサターン用通信モデムが発売され、この作品の通信対応版が同梱された。XBANDのシステムを使用し、当時としては画期的な通信対戦プレイが可能であった。なお、パッケージとキャラクター選択画面のイラストは、寺田克也によるものである。
セガサターン版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」にてプラチナ殿堂を獲得した。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 | Ref. |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | バーチャファイターリミックス | 1995年6月16日 |
セガサターン | セガ第1AM研究開発部 | セガ | CD-ROM | - | セガサターン百万台キャンペーンボックス同梱版 | |
2 | バーチャファイターリミックス | 1995年7月14日 1996年10月2日 1995年10月6日 |
セガサターン | セガ第1AM研究開発部 | セガ | CD-ROM | GS-9039 81023 MK81083-50 |
[2] | |
3 | バーチャファイターリミックス | 1996年7月27日 |
セガサターン | セガ第1AM研究開発部 | セガ | CD-ROM | GS-7103 | 通信対応版 | |
4 | Virtua Fighter Remix | 1996年 1996年 |
Windows | セガ | セガ | CD-ROM | - |
評価 | ||||||||||||||||||||||||||
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項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.2 | 3.9 | 4.7 | 4.2 | 4.1 | 3.6 | 24.6 |
『バーチャファイター エボリューション』 (Virtua Fighter Evolution) 別名『バーチャファイター 10th Anniversary』 (Virtua Fighter 10th Anniversary) は、『バーチャファイター4 エボリューション』(VF4Evo)を『バーチャファイター』(VF1)のグラフィックと操作感覚でリメイクした作品。端的に言えば『VF4Evo』のデメイク作品であり、『VF1』ではないが、参考として下記に簡単なリリースデータのみ記載する(本作の詳細なリリース経緯は『VF4』の項に記載されているので、そちらを参照)。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 | Ref. |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | バーチャファイター 10th Anniversary | 2003年11月28日 |
PlayStation 2 | セガ第2AM研究開発部 | セガ | CD-ROM | SLPM-68008 | ||
2 | バーチャファイター 10th Anniversary 復刻版 | 2007年2月8日 |
PlayStation 2 | セガ第2AM研究開発部 | セガ | CD-ROM | SLPM-68018 | 『VF5』予約特典 | [51][52] |
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