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1984年に放送された日本のテレビアニメ ウィキペディアから
『超力ロボ ガラット』(ちょうりきロボ ガラット)は、テレビ朝日系列で放送された名古屋テレビ製作・日本サンライズ制作のロボットアニメ。全25話。製作局の名古屋テレビでは1984年10月6日から1985年4月6日まで、土曜日17:00 - 17:30(JST)に放送[注釈 1]。
1983年10月から1984年9月まで毎日放送・TBS系列で放送されていたリアルロボットアニメ『銀河漂流バイファム』のスタッフが制作した作品である。
「自分たち(クリエイター)はプロだから、バイファムとは違う路線のロボットアニメを作る」という意気込みで当時流行し、フジテレビ系列で放送されたバラエティ番組『オレたちひょうきん族』の番組コンセプトを元に、物語の本筋とは全く無関係のギャグを矢継ぎ早に繰り出すナンセンス路線のロボットコメディアニメとして制作された。
だが商業的には苦戦を強いられたため(ただし、物語のキーアイテムとなった石炭アメは、スタッフが食べ飽きるほど差し入れられたという)、スポンサー側の「もっと強い敵を出してかっこ良く戦わせろ」というオーダーを受け、その梃入れとして冗談が全く通じない新たな敵「ドリアル星人」の登場といったシリアスな内容を伴った展開への路線変更が行われた。その際、本筋とは全く無関係だったどすこい姉妹のドラマを描く事にハマっていたスタッフが彼女たちに感情移入し、その贔屓から物語後半のキーパーソン(重要人物)となっていった。だが第23話の制作の最中に放送の打ち切りが決定し、結果的に全25話で放送が終了した。(LD-BOX封入の解説書より)
主役の声を担当した中川勝彦とヒロインの声を担当した鷹森淑乃の2人は、共に本作が声優デビュー作である。また、スタジオライブの芦田豊雄は『月刊OUT』誌上他で、本格的なギャグアニメの製作に企画から関わったのは本作が初めてで感覚が掴めなかったと告白しているが、本作が『魔神英雄伝ワタル』シリーズや『魔動王グランゾート』といった、後に彼の代表作ともなるギャグアニメの製作をこなして行くきっかけともなった。
地上から戦争が無くなり、一切の兵器の所有が禁じられた未来。地球の地上げをもくろむ悪の宇宙人、宇宙不動産(宇宙シンジケートの一部門)のドーサンが地球に侵略してきた。破壊の限りを尽くすアーモロボイド(巨大ロボット)の前に警察は無力だった。そこへ颯爽と現れた謎のロボット。このロボット(ガラット)は圧倒的な強さで侵略者を蹴散らしていく。
ガラットを操るのは正義の宇宙人であり、彼らに連絡を取って助けを求められるのはキウイ博士ただひとり……、というのはキウイ博士が警察を騙すためについた嘘で、実はガラットはマイケル少年の通学乗用ロボット・ジャンブーを(強引に)改造したものだった。博士は、マイケルには兵器の所有がバレると罰せられると言いくるめて正体を隠すように命じ、一方、宇宙人との仲介役を装うことで警察から金をせしめようと企んでいたのだった。かくしてジャンブーとマイケル、パティーグ(ガラット2号)を駆る少女パティ、カミーグ(ガラット3号)と青年カミルは地球の平和を守るため、そして(本人たちは知らないが)キウイ博士を儲けさせるため、悪の宇宙人たちと今日も戦うのだった。
キウイ博士が製作したAI内蔵人型ロボットで、ジャンブー、パティーグ、カミーグの3体が存在。ジャンブーとパティーグは乗用ロボットである(カミーグは乗用ロボットではない)。2体ともに頭の後ろの座席に人間を乗せ、二足歩行で移動することができる。足の裏に内蔵された車輪である程度高速移動することも可能だが、制限速度遵守のため通常の移動速度は人間と大差なく、ずんぐりしたデザインとも相俟ってお世辞にも格好良いとは言えない。AIを搭載せずに高速で移動する非人型通学用ロボットが主流の中で、このタイプはかなり旧式のようである。
17話ではジャンブーにパティーグ、パティーグにジャンブーが乗ってガラットし、また22話ではジャンブーをパティーグが操縦して戦闘まで行っており、操縦者は固定されているわけではない。
3体がキウイ博士の発明品「膨張超合金」を使用して強引に改造され、巨大化・変形機能を追加された姿。中間形態の「クルット」は、各乗用ロボットがそのまま巨大化したものである。乗用ロボット時と形は変わらないが、正体はバレない。ただし、一部パーツの曲面ディテールは変形機能の都合上、若干多面体化するものもある。機体内部にコックピットはあるが、ロボット自身の意識はあり、自律行動も可能。性格は、巨大化前と比べて荒っぽくなる。しかし、あまり強くはない。
クルット形態およびガラット形態時のコックピット・システムには、「コスミック・スタビライザー・システム」が採用されている。ボディ中央部に球形の空間が存在し、その内部にコックピット・ブロックが浮いた状態で内蔵されている。浮く原理は不明。これにより、ロボットがどのような体勢の時でもパイロットは常に平衡を維持し、さらに外部から受けた衝撃がパイロットに伝わるのを緩和するショックアブソーバーとしての役割も果たす。これは3体共通である。
ロボットアニメの主役メカのような「格好良い」姿になる「ガラット」は、クルット形態から「ひっくり返って」変形したものである。この際に、各パイロットがコクピット内で変形用レバーを引くと同時に「チェンジング・ガラット!!」(ただし、カミルのみカミーグ・クルット/ガラット初登場エピソードとなる第6話を除き、全て「チェンジング・ヒーロー!!」で統一)と叫ぶ。また、変形開始時にジャンブーは「やらいでか〜!!」(江戸っ子言葉で「やらずにいられるか!!」の略語)、パティーグは「ガラットしや〜れ〜」と叫ぶ。ガラットに変形する際、各パイロットはコスチュームがヒーローっぽく変化する(姿はキャラクターの項参照)。その衣装はメカごとに固定されているらしく、巨大化したジャンブーに搭乗したパティーグも、ガラット変形時にはマイケル同様のツナギ風プロテクターに身を包んでいた。
この形態への変形後はロボットの意識は封印され、パイロットの操作のみによって動作する。そのため、ジャンブーたちはガラット形態になった時の記憶は無い(AIを改造すればガラット形態時の記憶を失うことはないが、今まで蓄積された記憶全部を消去しなければならないため、マイケルやパティとの思い出を大切にしたいジャンプーとパティーグはAIの改造を断っている)。ジャンブーとパティーグは腕が脚に、脚が腕になる。カミーグのみパターンが異なり、腕は両形態で共通で、脚は背中に折り畳まれていた脚が伸び、元の脚は入れ違いに背中に畳まれてバックパックとなる。
物語後半、ブラッド星へ転送装置を使って移動した際に超空間を通り抜けた副作用としてガラット形態に時間制限が生じるようになり、ガラットとなって3 - 4分で巨大化が解除されパイロットは放り出されるようになる(カミルはその際ズボンがカミーグの中に引っかかって脱げる)。その後、ガラット形態への変形に時間制限があることに気づいたキウイ博士により、コックピット内に「特殊装備」と称したタイマーが取り付けられたが、見た目はただの砂時計である。
この節の加筆が望まれています。 |
宇宙人たちはガラットを含む巨大ロボットを「アーモロボイド」と呼称する。劇中に登場するのは主に宇宙シンジケートの機体だが、宇宙海賊や軍、民間人も使っている。機能や形態は様々である。
発売元はビクター音楽産業(現:ビクターエンタテインメント)。
オープニング歌詞テロップに「玩具」とすべきところを「頑具」となっているのは誤表記である。当時は手作業でフォントをはめていたのでこうしたミスはたまに見られた。
話数 | 放送日 (テレビ朝日) | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1984年 10月5日 | 悪がはびこりゃガラット参上!! | 星山博之 | 横山裕一郎 | 関田修 | 芦田豊雄 |
第2話 | 10月12日 | 犬が吠えれば | 伊東恒久 | 網野哲郎 | 渡辺浩 | |
第3話 | 10月19日 | 美しきライバル カミル登場! | 平野靖士 | 義野利幸 | 三浦将則 | 松下浩美 |
第4話 | 10月26日 | 笑顔で誕生! わたしはパティーグ!! | 遠藤明吾 | 富沢雄三 | 殿勝秀樹 | 富沢雄三 |
第5話 | 11月2日 | おっと危ない! 晴れ時々粗大ゴミ | 星山博之 | 藤原良二 | 関田修 | 村中博美 |
第6話 | 11月9日 | 海賊キッド キッスはだめよ! | 伊東恒久 | 網野哲郎 | 佐々門信芳 | |
第7話 | 11月16日 | 気分はもう大泥棒 ジャンブーを捜せ!! | 遠藤明吾 | 義野利幸 | 浜津守 | 渡辺浩 |
第8話 | 11月23日 | 空前絶後 天から卵が降ってくる? | 平野靖士 | 網野哲郎 | 松下浩美 | |
第9話 | 11月30日 | 激戦!! 障害レースは殺しの合図 | 並木敏 | どん茂 | 根岸弘 | 石黒めぐむ |
第10話 | 12月7日 | 古代へのロマン? 博士の異常な欲望 | 小山高男 | 貞光紳也 | 殿勝秀樹 | 冨沢雄三 |
第11話 | 12月14日 | さすらいのヒーロー 宇宙編I | 星山博之 | 関田修 | 佐々門信芳 | |
第12話 | 12月21日 | 死闘,恐竜牧場の決闘 宇宙編II | 伊東恒久 | 網野哲郎 | 浜津守 | 村中博美 |
第13話 | 1985年 1月11日 | スタントマンは危険な香り 宇宙編III | 遠藤明吾 | 義野利幸 | 石崎すすむ | 伊東誠 |
第14話 | 1月18日 | 正義の使者は賞金稼ぎ? 宇宙編IV | 呉田重穂 | 篠幸裕 | 松下浩美 | |
第15話 | 1月25日 | そんでもってやっとこさ帰ってきた三人 | 星山博之 | 網野哲郎 | 根岸弘 | 石黒めぐむ |
第16話 | 2月1日 | たいしたタマげた念力ボーズ?! | 平野美枝 | 義野利幸 | 関田修 | 富沢雄三 |
第17話 | 2月8日 | 小さな悩み ジャンブー踊れば記憶がガチョ〜ン? | 伊東恒久 | 石崎すすむ | 大貫健一 | |
第18話 | 2月15日 | ツンツンしよう! 博士のオシリ | 小山高男 | 殿勝秀樹 | 佐々門信芳 | |
第19話 | 2月22日 | 出会いはドキドキ!! 美女軍団は雲の上? | 遠藤明吾 | 網野哲郎 | 篠幸裕 | 村中博美 |
第20話 | 3月1日 | どーすりゃ会えるの? 愛しのガラット様 | 星山博之 | 遠藤克己 | 関田修 | 松下浩美 |
第21話 | 3月8日 | なんてこったい! マリアンさらってドーサンぐったり | 伊東恒久 | 網野哲郎 | 伊東誠 | |
第22話 | 3月15日 | ニャンとびっくり! どすこい姉妹のヒ・ミ・ツ | 星山博之 | 石崎すすむ | 冨沢雄三 | |
第23話 | 3月22日 | ぬかるなマイケル、ガラットの危機 | 篠幸裕 | 佐々門信芳 | ||
第24話 | 3月29日 | ネバーギブアップ、逆襲の花火大作戦! | 平野靖士 | 網野哲郎 | 殿勝秀樹 | 村中博美 |
第25話 | 4月5日 | のどちんこ、からして叫べどすこいパワー! | 星山博之 伊東恒久 | 遠藤克己 網野哲郎 | 芦田豊雄 | 松下浩美 |
※放送日時は朝日放送、青森放送、山形放送、テレビ熊本以外は1985年2月時点、放送系列は放送当時のものとする[3]。
放送地域 | 放送局 | 放送日時 | 系列局 | 備考 |
---|---|---|---|---|
中京広域圏 | 名古屋テレビ | 土曜 17:00 - 17:30 | テレビ朝日系列 | 制作局 |
宮城県 | 東日本放送 | |||
広島県 | 広島ホームテレビ | |||
近畿広域圏 | 朝日放送 | 木曜 17:00 - 17:30 | ||
北海道 | 北海道テレビ | 金曜 7:15 - 7:45 | ||
静岡県 | 静岡けんみんテレビ | 金曜 7:30 - 8:00 | ||
福島県 | 福島放送 | 金曜 17:00 - 17:30 | ||
関東広域圏 | テレビ朝日 | |||
新潟県 | 新潟テレビ21 | |||
岡山県・香川県 | 瀬戸内海放送 | |||
福岡県 | 九州朝日放送 | 金曜 17:30 - 18:00 | ||
鹿児島県 | 鹿児島放送 | |||
青森県 | 青森放送 | 土曜 6:00 - 6:30[注釈 2] | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 | |
山形県 | 山形放送 | 火曜 16:30 - 17:00[注釈 3] | ||
長野県 | テレビ信州 | 木曜 17:00 - 17:30 | ||
山口県 | 山口放送 | 火曜 17:15 - 17:45 | ||
熊本県 | テレビ熊本 | 木曜 17:30 - 18:00[注釈 4] | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 | |
秋田県 | 秋田放送 | 月曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 | |
鳥取県・島根県 | 山陰放送 | 金曜 17:30 - 18:00 | TBS系列 | |
愛媛県 | テレビ愛媛 | 金曜 7:30 - 8:00 | フジテレビ系列 |
放映当時、バンダイから主役メカ3体のプラモデルおよび完全変形の玩具「DXハイコンパクトモデル」[4]が発売された(同社の主力ブランド「超合金」としては発売されていない)。
プラモデルはノンスケールで400円ながら、一部差し換えでクルットからガラットへの変形が可能。
2013年8月、メガハウスのヴァリアブルアクション・Hi-SPECシリーズからジャンブー・ガラットが発売された。プラモデルやハイコンパクトモデルと同様、クルットからガラットへの変形が可能。2018年には、リニューアルバージョンが発売された。
原作:神田武幸 / 絵」笑夢ジェイ 講談社コミックボンボンKC、1985年3月刊行 ISBN 4-0610-0456-5
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