日本のコンピュータゲームシリーズ ウィキペディアから
ロックマンシリーズ(Rockman series / 英: Mega Man series[注 1])は、カプコンから発売しているアクションゲームのシリーズ作品。長期に渡り続く中で、数多くのシリーズが派生・誕生しており(#派生シリーズを参照)、それらも含んだ全シリーズの総称としても使われる。派生シリーズを含まない場合は、区別のため「ファースト」「クラシック」「無印」「初代」「本家」「元祖」などを頭につける場合がある。
本作の全世界シリーズ累計出荷本数は4100万本を突破している[1]。
本項では派生シリーズを含まない、いわゆる「ファースト」のシリーズを中心に解説する。各派生シリーズの詳細については、それぞれの該当項目を参照。
ジャンプやショットなどの動作を駆使してステージを攻略していく、サイドビューの2Dスクロールアクションゲームである。左右方向は任意スクロール、上下方向は切り替えスクロールを適用。また、左右方向でもステージの要所(シャッターで区切られた箇所など)では切り替えスクロールを用いる[注 2]。
ロックマンは、ライフエネルギーと武器エネルギーの2種類のゲージを持ち、初期装備であり武器エネルギーを消費しない「ロックバスター」と、武器エネルギーを消費するが様々な個性にあふれた「特殊武器」(次項を参照)で攻撃を行う。
ダメージなどでロックマンのライフエネルギーが0になるとミスとなり、残機を1つ消費して少し戻った場所[注 3]から再スタートする(いわゆる戻り復活)。なお、落とし穴や針型のトラップなど、ライフエネルギーと無関係に即ミスとなる仕掛けもステージの随所に存在する。また、ボスキャラクターとの戦いでは、ロックマンと同様にボスのライフエネルギーゲージが表示される[注 4]。
残機が0の場合に(1ではない)ミスをするとゲームオーバーとなり、同じステージを最初から再挑戦するか、ステージが選択可能な時(次項参照)は、ステージを選び直すかを選択する。この選択は無制限に行うことが可能で、プレイヤーが望む限り、何回ゲームオーバーになっても即座に挑戦し直すことができる。
ステージは、自由な順序で選択・攻略することができるものと、一定順序で攻略していくものの2種類がある。選択ステージのボスには、使う能力を記号化した外見と名称[注 5]を持つ、とても個性の強いロボットたちが作品毎に登場し[注 6]、倒すとその能力にちなんだ「特殊武器」を手に入れることができる。
特殊武器には、その武器ごとに、使用することで消費する「武器エネルギー」が存在し、エネルギーが尽きるとその武器を使用することはできない。消費量は武器によって千差万別である。またアイテムの入手など、武器エネルギーを回復できる手段もいくつか存在する。
さらに大抵のボスキャラクターは、ある特定の特殊武器で大ダメージを受けるように設定されており、ステージの選択順序など、ゲームを攻略する上で影響を及ぼす。
この個性的な選択ステージのボスと特殊武器は、本シリーズの特徴の1つとなっており[注 6]、本シリーズで“ボスキャラクター”といえば、選択ステージのそれに限定した意味も持つ。本項および各シリーズ作品の記事でも、特に断りなくその意味で使用されている場合がある。
なお、特殊武器はボスキャラクターの能力にちなんだもの以外のものも入手できる場合がある。それらはロックマンの移動をサポートしたりといった、ボスの能力とはまた違った特徴を持っている。
第2作目『ロックマン2』からは、ボスキャラクターのデザインのアイディアを一般から公募する企画「ボスキャラ募集」が行われるようになった。アイディアが入選し、ゲームに採用された応募者には「ワイリー賞」が、佳作の応募者には「ライト賞」が贈呈され、これは『ロックマン8』まで伝統的に続いた。『ロックマン8』では、大まかな骨組みのみ完成されていたものに肉付けするようなかたちでの募集も、それまでの募集と併せて行われた。
ワイリー賞の賞品にはタイトルごとに様々なものが贈られており、判明しているものでは「オリジナルスタッフジャンパー」「採用ボスキャラクターが描かれた掛け時計」などがある。『ロックマン4』では、ゲーム内容は製品版と同一だがカートリッジが金色の「ロックマン4 ゴールドカートリッジ」が受賞者に贈られている。この賞品は8本しか存在しない。
()内に、初出のプラットフォームを併記する。
また、北米などでは "Mega Man"[注 1]、台湾などでは「洛克人(拼音:Luòkèrén)」という名称で作品がリリースされ、それぞれカプコンのライセンス許諾のもと、独自の作品も作成されている。それらは日本語のタイトルが存在しないため、原題をそのまま表記する。
1987 | ロックマン |
---|---|
1988 | ロックマン2 |
1989 | |
1990 | ロックマン3 |
1991 | ロックマン4 |
1992 | ロックマン5 |
1993 | ロックマン6 |
1994 | |
1995 | ロックマン7 |
1996 | ロックマン8 |
1997 | |
1998 | ロックマン&フォルテ |
1999 | |
2000 | |
2001 | |
2002 | |
2003 | |
2004 | |
2005 | |
2006 | |
2007 | |
2008 | ロックマン9 |
2009 | |
2010 | ロックマン10 |
2011 | |
2012 | |
2013 | |
2014 | |
2015 | |
2016 | |
2017 | |
2018 | ロックマン11 |
ゲームボーイで展開した作品群。5作目を除き、ナンバリング作品の隣接した2作(例えば『ロックマンワールド』は『ロックマン』と『ロックマン2』)からボスキャラクターとそのステージを選出して構成されている。ナンバリング作品と比べ以下の相違点が見られる。
なお、「(ロックマン)ワールドシリーズ」と呼ばれることもあるが[5][6][7][8]、派生シリーズ作品とは異なりキャラクターや世界観は初代シリーズと同一の作品群である。本項および関連項目では派生シリーズなどとの混同を避けるため、「ゲームボーイ作品」の呼称で統一する。
アーケードゲームとして登場した作品群。1990年代に稼働したビデオゲーム2作と、2020年に稼働したVRアトラクションとがある。
前者はナンバリング作品などと同様の2Dアクションゲーム(ステージ選択や特殊武器のシステムも存在)だが、いわゆる「ステージ」の部分がなく、ボス戦のみとなっているのが特徴。また、それらのボスは『ロックマン』〜『ロックマン7』のボスキャラクターから選出されて登場する。詳細は該当項目を参照。
シリーズに登場するキャラクターを活かした、アクション以外のゲーム作品も存在する。
このほか、カプコンの配信していた携帯アプリのミニゲームで、ロックマンのキャラクターが登場するものが制作された。
彼らの名前の多くは、音楽に関する用語に因んでいる。日本国外版では一部のキャラクターが改称されている。
以下ではゲーム内の設定を記す。漫画・アニメなど他メディア独自の設定については各作品の項目を参照。
また、キャラクターではないが定番となっている仕掛け(トラップ)も存在し、例として一定の周期と順番で出現・消滅を繰り返す「出現ブロック[注 11]」といったものがある。
派生シリーズ(およびそのキャラクター)については、各シリーズの該当記事を参照。
以下に記述するものは、本シリーズから新たに派生・誕生していったシリーズを、第1作が発売された順に列記したものである。これらは、本シリーズのゲームシステムをほぼそのまま継承するもの(X、ゼロ、ゼクス、Xover)と新たなアイデアやゲームシステムを取り入れて展開するもの(DASH、エグゼ、流星、アビリティ)に大別できる。各シリーズの詳細は、シリーズ名のリンク先を参照。
公式発表では、2019年3月31日時点の全シリーズの総作品数は152作、累計販売実績は3,500万本に及ぶ[40]。
時系列は「ロボット工学が発達した世界」と「ネットワーク工学が発達した世界」で大きく2つに分かれており、カプコンが公式に繋がりを明言しているのは、
である。
『ゼロ』およびその数百年後の世界とされる『ゼクス』に関しては、両シリーズの製作会社インティ・クリエイツのスタッフが「自分たちの勝手な解釈」という前置きの上で、「シリーズの結末は『DASH』という考えの基でゼクスを制作している」と述べているが、公式な設定となったかは明示されていない[注 15]。
上記以外では、『ロックマンXover』は全てのロックマンシリーズの世界が一つに融合した世界、『ロックマンアビリティ』はどの作品とも繋がりがない独自の世界、『ロックマンX DiVE』はシリーズ諸作をゲーム作品と認識しているメタフィクションの世界となっている。
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