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日本の漫画 ウィキペディアから
『ウルトラ忍法帖』(ウルトラにんぽうちょう)は、御童カズヒコによる日本の漫画作品。『コミックボンボン』(講談社)にて、1992年8月号から2001年3月号、2002年7月号から2005年12月号まで連載。平成16年度講談社漫画賞受賞。略称は『ウル忍』。
ウルトラシリーズのヒーローや怪獣をモチーフとした忍者たちの活躍を描いたギャグ漫画。1992年から連載されて以来題名を変えつつ長期にわたって連載され、2001年3月号で一端連載は終了したが、2002年7月号から読者の希望で復活し、2005年12月号まで連載した。第99話は100話直前記念で刑事物の番外編が作られた。
タイトルは『疾風ウルトラ忍法帖』『ウルトラ忍法帖寿』『ウルトラ忍法帖超(ウルトラ)』『ウルトラ忍法帖輝(フラッシュ)』と変遷。基本的にはギャグ漫画だが、シリアスなエピソードもあり、寿の荒神流編や超の虓魔王編などギャグ要素がほとんど廃された長編も存在する(一方、これら長編直後はそれまでの雰囲気をぶち壊しにするような荒唐無稽なギャグが展開される)。
コミックスは『疾風』『寿』が全5巻、『超』が全4巻、『輝』が全2巻。『疾風』の本当の最終話は『寿』の第3巻に収録されている「いらっしゃいませ! 「ゾフィール」へようこそ!」である。これは『寿』が始まったときまだ発売されなかった『疾風』の収録話を『寿』として統一したためのズレである。コミックス版では『疾風』の最終話が5巻の『ねずみ小僧レオ吉登場!』になっている。また『超』の102話と最終話はコミックスには未収録である(101話と103話は『輝』に特別編として収録された)。コミックス版では『超』の最終話が4巻の「さがせ! ウル忍埋蔵金」になっている。2012年には『疾風』分の完全版を謳った新装版が「御童ギャグ版ウルトラマン ウルトラ忍法帖シリーズ」として復刊ドットコムより全3巻で刊行されている。
2015年には「コミックス未収録32話を含めた完全版」を謳った電子書籍版がeBookJapanよりリリースされた[1]が、2018年にウルトラシリーズの版権を持つ円谷プロダクションがeBookJapanとの配信契約の更新を打ち切ったため、同年5月28日をもって電子書籍版の配信は一度終了[2]。その後、2024年8月29日にeBookJapanより再配信され、同年9月27日からはAmazon Kindleなど他の配信サービスでも取り扱いが開始された[3]。
平和な鶴亀の国を脅かす朧党の忍獣達と、正義の忍者ウルトラ忍者(ウル忍)が対決する。また、朧党以外の悪の組織との戦いも描かれる。
鶴亀の国を守る正義の忍者組織。ゾフィーを頭領(通称「お頭」)、マンをリーダーとしている。詰所はゾフィーの屋敷(初期はウルトラの里)で、会議や緊急招集などでメンバーが集まる。主な任務は基本的に朧党から、鶴亀の国を守ることだが、これ以外にも市中見回りや犯罪の取り締まり、朧党以外の悪の組織との戦闘を行ったりもしている。また、連載初期では、海外の事件にも出動している。一度マンがネオ朧党の首領となって、ウル忍を裏切った際には他にも裏切り者が続出するほどの事態に発展しているが、基本的にメンバー同士の信頼関係は高い。若いころのゾフィーの夢だった、「自分が才能を認めた者を集め、忍者組織を作る」ことが結成理由となっている。
ウルトラマンナイスをリーダーとする軍団。何もせずに遊び呆けてばかりいたマンたちに怒った将軍が雇った。親切を売りにしており、ニセセブン以外は戦闘はあまり強くない。レオは一時期、「ニセウルトラマンレオ」を名乗って参入していた。将軍に気に入られマンたちの代わりにウル忍となったが、ウル忍の座を賭けてマンたちと勝負するも負け、将軍が惜しがって2軍として雇った。2軍の割に待遇は1軍のマン達より遥かに良い。ニセセブン以外は2回しか登場しない。作中の活躍としては、初登場時にマンとゾフィーが手柄欲しさに朧党に頼んで出現させた忍獣を倒した程度だが、怨霊党との戦いの際は参戦していたらしい。最終回にも登場しない。
鶴亀国にある小学校。教師は80先生だけ。近年の少子化と学歴社会の影響で生徒が減り、新入生が1人もいない入学式を行ったことがある。最後はタロウたち全校生徒合わせて10人1クラスだけの複式学級状態になり、生徒を増やそうと努力したものの騒動を起こして廃校になってしまった。跡地は忍者幼稚園となった。
忍獣を使って鶴亀征服を狙う悪の組織。目的が低レベルで陰湿的なこと(饅頭やテレビゲームを盗んだりする)が多いが、本気になるとウル忍が全滅の危機に陥るほど強い。冥府羅州が若いころにあちこちの悪の組織を潰して吸収して大きくなった。連載初期のころは貧乏に苦しみ、野宿生活に陥ったこともある。基地は初期では木製だったが、ある物で再建に成功して以降は鉄板製に変わった。一度、冥府羅州が過去に潰した組織「怨霊党」の策略によりたくさんの裏切り者が出たことがある。冥府羅州が行方不明になった際はマンを首領とするネオ朧党を立ち上げたが、マンのやり方に反発した忍獣たちが元祖朧党、本家朧党、怪夢瑠党といった派閥を組んで離反したこともあった。虓魔王編で共闘したせいもあり、虓魔衆打倒後は悪の組織でありながら善人化した上にウル忍と仲良くなってしまったが、冥府羅州が山ごもりの修行で悪の心を思い出させて元に戻った。
朧党の党員で冥府羅州の部下。その名の通り、忍者の怪獣である。ほとんどバカな者ばかりだが、中にはものすごく強い者もいる。超の4巻によると全部で76種類いるらしい。冥府羅州のセリフから、動物などを改造されて作られる場合もある模様。怨霊党編で複数の忍獣が怨霊党に寝返った。正確の数は不明だが、2つの支部の党員は、全員が寝返ったらしい。
なお、彼が登場した回は冥府羅州をはじめとした朧党メンバーが登場しないことに加え、あまりのシリアスさや冥府羅州たちでさえやらなさそうな残虐な手口でマンの処刑を慣行しようとしたせいか読者のから「本当にコイツ朧党の忍獣か?」と疑問の声も少なくなかったとか。
鶴亀湾の海底にある支部。恐ろしいと噂されている。毎日、海の底で海藻や貝などの魚介類を採取して朧党の資金源にしている。何一つ楽しいことがなく、毎日延々と同じことを繰り返すばかりで、そんなところに行きたくないという理由で恐れられている。
磨紅魔乱童が、自身の財力と落ちぶれ貧乏になった朧党を乗取って作り上げた組織。党員は朧党を裏切った怪夢瑠十人衆・愚鈍と純金のキング・ジョー。
かつてダイナが所属していた「戦う姿、荒ぶる神の如し」と恐れられる伝説の格闘技の流派。シャドーが総帥となったことで邪悪な空手集団となり、ダイナが持つ流派の極意書を狙う。くずみの国を支配した。当初は鶴亀の国に刺客を差し向ける程度の暗躍だったが、やがて本拠地に乗り込んできたウル忍やダイナとの全面対決となっていった。最終的にはウル忍とダイナの活躍で壊滅した。本殿は碎を持った手の形をしており、力の象徴・拳の塔「シャドーの塔」である。
シャドーが倒された後は、ダイナが「真・荒神流」を旗揚げし、正しい形で再建した。
なお、荒神流壊滅の事実は後に新聞で報道されていたため、壊滅の知らせは朧党にも届いていた。
虓魔王が率いる異世界の侵略者集団で、ガイアの故郷を破壊しつくした後、時空を超えてウル忍たちの住む世界へ襲来、その際に鶴亀の国の国土をまるごと時空の狭間に放り込んでしまう。前線には幹部格の四鬼やその配下の虓魔忍獣、戦闘員フォーガスを送り込む。
かつて、冥府羅州が潰して吸収した組織。朧党を乗っ取り、闇の陰陽五行邪法の力で世界を支配することをもくろむ悪の集団。怪夢瑠十郎を利用して金邪符を復活させた。
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