福岡市交通局
福岡市が運営する地方公営企業 ウィキペディアから
福岡市が運営する地方公営企業 ウィキペディアから
福岡市交通局(ふくおかしこうつうきょく、英: Fukuoka City Transportation Bureau)は、福岡県福岡市内で公営交通事業を行う福岡市の地方公営企業の一つである。地下鉄事業のみを行い、3路線31.4 kmの地下鉄路線を営業している。
この項目は画像改訂依頼に出されており、路線図(ファイル:Fukuoka city subway map JA.png)を七隈線の博多延伸を反映したものとするよう画像改訂が求められています。(2023年8月) |
Fukuoka City Transportation Bureau | |
福岡市中央区役所と福岡市交通局の合同庁舎 | |
前身 | 福岡市高速鉄道建設局 |
---|---|
種類 | 地方公営企業 |
法的地位 | 地方公営企業法 |
目的 | 第一種鉄道事業 |
所在地 | 福岡県福岡市中央区大名二丁目5番31号 |
座標 | 北緯33度35分20.9秒 東経130度23分33.4秒 |
交通事業管理者 | 小野田勝則[1] |
加盟 | 一般社団法人日本地下鉄協会 |
ウェブサイト | https://subway.city.fukuoka.lg.jp/ |
福岡市の地下鉄事業の正式名称は福岡市高速鉄道といい、JRの座席予約システム「マルス」でもこの正式名称で登録されている。開業後、旅客案内上は「福岡市営地下鉄」と呼称した時期もあったが、現在では「福岡市地下鉄」の呼称が使用されている。また、鉄道愛好家の間では「フクチカ」で呼ばれることもある。
地下鉄開業前の福岡市においては、市内のバス事業や市内中心部を走る路面電車事業は市営ではなく、純民間企業である西日本鉄道(西鉄)が運営していた。そのため、交通局は地下鉄建設に伴い、初めて(開業前は福岡市高速鉄道建設局として)発足した組織である。その経緯から日本の公営交通事業者で唯一、発足当初から一貫して地下鉄のみを運営し、「交通局」と名が付く日本の公営交通事業者で唯一過去も含めて市営バス事業を保有したことがない。交通局は当初、路面電車(西鉄福岡市内線)の廃止で余剰になった西鉄の従業員を採用していたが、その全員が定年退職を迎え、現在の正規職員は一部の技術系職員を除き、ほぼ全員が福岡市で直接採用された職員である。
地下鉄開業後、西鉄バスは、地下鉄が所要時間で圧倒的優位を持つ福岡市中心部と福岡空港を結ぶ空港連絡バス路線を廃止したのをはじめ、並行路線の整理・廃止・減便などを行う一方、地下鉄沿線の郊外部と市中心部を福岡都市高速道路を経由して結び、所要時間で地下鉄に真正面から対抗するバス路線も新設しており、互いに激しい競争を繰り広げている。
福岡市では、地下鉄開業前から市営の交通事業として福岡市営渡船を運航しているが、この事業は港湾空港局(総務部客船事務所)の管轄であり、交通局と直接の関係はない[注釈 1]。
福岡市の地下鉄は年間148,202千人(1日当たり406,035人)(2014年度:365日)が利用している[2]。
2004年度は約14億9600万円の黒字を確保した。黒字を確保したのは2003年度から2期連続のことであるが、七隈線が開業した2005年度以降再び赤字[3]となっている。その後、2011年度の決算においては約7億9700万円の黒字、2012年度は約6億4900万円の黒字[4]、2013年度は約15億4700万円の黒字[5]、2014年度は公営企業会計制度の見直しなどによる特別損失約82億6300万円が生じたため約63億200万円の赤字決算[2]である。なお、福岡市から運営費補助金を受けており、その額は、2012年度から2014年度において、それぞれ、約26億9400万円、約21億2300万円、約18億2000万円である[2][4][5]。
(単位:千人)
以下の3路線で構成されている[11]。空港線と箱崎線は狭軌、七隈線は標準軌の鉄輪式リニアである。電化方式は全路線で直流1,500 Vとなっている。
全線が福岡市内に所在しており、空港線は博多区・中央区・早良区・西区を、箱崎線は博多区・東区を、七隈線は博多区・中央区・城南区・早良区・西区を通る。
博多区には全ての路線が通る一方、南区はいずれの路線も通っていない。
空港線ではJR九州筑肥線との相互直通運転が行われている。福岡市交通局の車両は筑肥線の姪浜駅 - 筑前前原駅間に乗り入れる。過去には一部が同線の筑前深江駅まで乗り入れていたが、2021年9月現在、福岡市交通局の車両で筑前深江駅まで乗り入れる列車はない。JR九州の車両は唐津線西唐津駅から筑肥線を経て空港線全線に乗り入れる。福岡市交通局・JR九州の車両ともに、地下鉄線内はすべてATOによるワンマン運転を行い、筑肥線の姪浜駅 - 筑前前原駅間ではワンマン運転(ATOは不使用)、筑前前原駅 - 唐津駅・西唐津駅間ではJRの車掌が乗務しツーマン運転を行っている。2024年10月より筑前前原駅 - 唐津駅・西唐津駅間において6両編成の列車でもワンマン運転を開始する予定となっている。
箱崎線および七隈線では他社との相互直通運転はない。幾度か箱崎線と接続する西鉄貝塚線との相互直通運転が検討されたが、費用対効果の面から凍結される見込みとなった。
七隈線では、全体計画として天神南駅から中洲川端駅を経て築港方面を結ぶ計画と、渡辺通1丁目付近(薬院駅東方)で分岐して住吉通り経由で博多駅に乗り入れる計画があった[16]。その後、天神南駅からキャナルシティ博多付近を経由して博多駅に乗り入れる計画[17]も検討された。このうち3番目の計画が採用され、天神南駅から博多駅までの区間の鉄道事業許可を取得[18]、工事が着手された。当初は2020年度に開通する予定であったが、2016年11月8日に本工事に伴う博多駅前2丁目交差点付近での大規模な道路陥没事故が発生し(「博多駅前道路陥没事故」も参照)工事が一時期中断した影響で2022年度に延期され[19]、2023年3月27日に延伸開業した。なお正式に採択されていないが、さらに福岡空港国際線ターミナルへ延伸する構想もある[20]。
空港線でも、福岡空港駅から東平尾公園方面への延伸構想がある[21]。また、福岡空港駅から長者原駅への延伸を目指し、地域住民や飯塚市・篠栗町による活動もあり、福岡県が2021年に検討を始めることになった[22]。
ほかにアイランドシティへの鉄道路線整備構想があるが、事実上凍結されている。
福岡市地下鉄各線の駅には、駅名や駅周辺の観光地、名物、自然にちなんだシンボルマークが制定されている。例えば天神駅のシンボルマークは、地名の由来となった「天神様」にちなみ、菅原道真が愛した梅の花をモチーフにし、天神南駅では通りゃんせをする子供を描いている。
空港線・箱崎線の各駅のシンボルマークは福岡市出身のグラフィックデザイナー、西島伊三雄がデザインしたものである[23]。七隈線各駅のシンボルマークについては伊三雄が2001年に死去したため、それ以前に描かれていた原案を元に、息子で同じくグラフィックデザイナーの西島雅幸が完成させた[24]。
乗客がプラットホームから線路へ転落する、あるいは飛び降りるのを防ぐため、ホームドアを地下鉄全駅に設置している(三菱電機製[25]。空港線は2004年、箱崎線は2005年末に全駅設置完了、七隈線は2005年の開業時から全駅設置)。ホームドアは、ATOを搭載している福岡市交通局の車両とJR九州の303系・305系の場合は車両扉と連動して開閉する。
以下の管区駅が置かれ、各管区駅が複数の駅を管理している。
2020年(令和2年)4月1日付で姪浜管区駅(廃止直前は姪浜駅から藤崎駅を管理[26])が廃止され、天神管区駅に統合された[27]。
福岡市地下鉄の変電所については次の通り[29]。
福岡市交通局では運賃を「料金」と呼んでいる。
大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2019年10月1日改定[30][31]。
区間 | キロ程(km) | 運賃(円) |
---|---|---|
1区 | 1 - 3 | 210 |
2区 | 4 - 7 | 260 |
3区 | 8 - 11 | 300 |
4区 | 12 - 15 | 340 |
5区 | 16 - 19 | 360 |
6区 | 20 - | 380 |
福岡市高速鉄道連絡運輸規程[36]に基づき、九州旅客鉄道(JR九州)及び西日本鉄道(西鉄)の間で以下の連絡運輸(相互連絡運輸)が設定されている。
また、JR各社とは片道・往復・連続乗車券、JR線の乗車区間が100km以内の定期券・団体券において、以下の通過連絡運輸が設定されている。西鉄との通過連絡運輸(天神大牟田線 - 地下鉄 - 貝塚線など)は設定されていない[37]。
2009年3月7日よりICカード乗車券「はやかけん」を導入している。
九州旅客鉄道(JR九州)のICカード「SUGOCA」のほか、西日本鉄道のICカード「nimoca」および、東日本旅客鉄道(JR東日本)のICカード「Suica」とも互換性を持たせる方向で、2008年2月「九州IC乗車券・電子マネー相互利用に関する協議会」を発足させ、2010年3月13日に相互利用を開始した[49][50]。
2013年3月23日には交通系ICカード全国相互利用サービスが開始、北海道旅客鉄道(JR北海道)のKitaca、首都圏私鉄などのPASMO、中京圏私鉄などのmanaca、東海旅客鉄道(JR東海)のTOICA、西日本旅客鉄道(JR西日本)のICOCA、関西私鉄などのPiTaPaとの相互利用が開始された。
他には全日空 (ANA) と提携し、2009年12月16日より「ANAはやかけん」を発行している[51]。
2023年8月1日現在、福岡市地下鉄全線全駅と、JR九州鹿児島本線・香椎線の一部区間[注釈 2]、西鉄天神大牟田線・太宰府線の一部区間[注釈 3]で、クレジットカード等の非接触型決済[注釈 4]による改札乗車の実証実験が行われている。なお、事業者ごとに対応するカードブランドが異なる。また、おサイフケータイ対応スマートフォンにiDまたはQUICPayで登録されたカード等は、この実験用端末では利用できない[52][53][54][55]。
みまもりタッチは、福岡市交通局が2010年7月27日[59]から2021年6月30日まで[60]提供していた、ICカード乗車券「はやかけん」を利用して、通学児童の所在確認を提供するサービス。FeliCaポケットの領域を利用し、端末とシステムは日本信号社製[61]。類似のサービスにあんしんグーパスがあるが、システムが異なる。
事前に登録が必要。各駅のICカード対応改札機および公共施設77ヶ所(2010年10月時点)に設置された読み取り機に、児童がICカード乗車券をかざすと、親権者にメールで連絡が行く。当初は無料で利用できた[62][59]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.