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『セーラームーン』シリーズの登場人物 ウィキペディアから
月野 うさぎ(つきの うさぎ)は、メディアミックス作品『美少女戦士セーラームーン』の主人公。アニメ他、各媒体における演者は#キャストの節を参照。
美少女戦士セーラームーンのキャラクター | |
登場(最初) | 原作・アニメ共に第1話から |
作者 | 武内直子 |
声優 |
三石琴乃 荒木香恵(一時期代役) |
俳優 | #キャスト 節を参照 |
プロフィール | |
愛称 | うさぎちゃん、お団子頭、うさこ、うさぎ |
別名 |
セーラームーン プリンセス・セレニティ ネオ・クイーン・セレニティ セーラーコスモス |
性別 | 女 |
種類 | 地球人 |
親戚 |
月野謙之(父) 月野育子(母) クイーン・セレニティ(前世の母) 月野進悟(弟) 地場衛(夫) ちびうさ(娘、長女) こうさぎ(次女・番外編) |
第1話から登場。原作版の序章『コードネームはセーラーV』にもゲスト出演している。名前の由来は月の兎。DICエンターテイメントによる北米版ではSerena Tsukino(セリーナ・ツキノ)という名前。
セーラームーンに変身する天真爛漫な少女。「お団子頭」と呼ばれる金髪[注釈 1]のお団子ツインテールとハート型の前髪、青い目[注釈 2]が特徴。ドジで泣き虫でおっちょこちょいだが、友達思いな性格。
港区麻布十番に住み、家族構成は両親と弟との四人暮らし(「月野家」を参照)。第二部まで区立十番中学校の2年生だったが[注釈 3]、第3部で3年生に進級。第4部と第5部(テレビアニメでは『スターズ』)で都立十番高校に進学し、高校1年生となった。
遅刻と朝寝坊は日常茶飯事で、学校の成績もかなり悪く、運動音痴でもある。テストはいつも赤点ばかり(国語52点、英語20点、数学10点、社会32点)で、その度に母親の育子に家から閉め出されている。廊下に立たされながら早弁しようとする図々しさもあるが、根は素直で人見知りをしない。ミーハーで惚れっぽく、当初はゲームセンター・クラウンで働く古幡元基に憧れていた。
ある日人間の言葉を喋る不思議な黒猫・ルナに戦士に選ばれ、行方不明のプリンセスと「幻の銀水晶」を見つけて欲しいと頼まれる。初めは慣れない戦いに苦戦するが、謎の男・タキシード仮面に助けられ、仲間の水野亜美(セーラーマーキュリー)、火野レイ(セーラーマーズ)、木野まこと(セーラージュピター)、愛野美奈子(セーラーヴィーナス)を集めていく。タキシード仮面の正体は腐れ縁の地場衛で、前世で恋人同士だったとも分かり相思相愛となった。
十番中学の制服はエプロンドレス風の青いセーラー服[注釈 4]で、リボンの結び目に変身アイテムのブローチをつけている。十番高校に上がった後は、赤ライン入りの紺セーラー[注釈 5]に着替えた。常に白いピアスを着用するが、校則には違反していないらしい(仲間達も同じくピアスをしている)。
前世は古代の月の王国「シルバー・ミレニアム」の王女プリンセス・セレニティ。月人は「幻の銀水晶」を守りながら地球の生命の進化を見守る不老長寿の種族で、王家は女系で額に三日月の印がある。仲間達の前世は「四守護神」と呼ばれるセレニティの親衛隊だった。
本物の風と緑がある地球に憧れたセレニティは、地球の王子プリンス・エンディミオンと恋に落ちるが、古くからの掟で「月の人間と地球の人間は通じてはならない」と決められていた。まもなく月と地球の戦争で命を落とし、「未来の地球で幸せに暮らして欲しい」と願った母クイーン・セレニティの力で地球の東京に転生する。
うさぎと同じおてんばな性格。クイン・ベリルの攻撃から自分を庇ったエンディミオンの後を追い、伝説の聖剣で自害した。
うさぎと異なるおしとやかな性格。テレビアニメではアイススケートが特技で、クイン・ベリルにエンディミオンと同時に殺されている[注釈 6]。実写版ではエンディミオンを失った悲しみで世界を滅ぼした後、うさぎの別人格「プリンセス・セーラームーン」として蘇った。
未来の東京を「クリスタル・トーキョー」という都市に作り変え、その女王ネオ・クイーン・セレニティになった。夫のキング・エンディミオン(未来の衛)との間に、一人娘の「うさぎ・スモールレディ・セレニティ」(ちびうさ)を授かっている。
優雅で威厳ある大人の女性になったが、過去の自分宛てに送った手紙は悪筆の上に誤字だらけ[注釈 7] など過去と変わらない面もあり、手紙の追伸では「若いうちの勉強はやはり必要だったから頑張ってください」と添えていた。
21世紀初頭の22歳でクリスタル・トーキョーの女王に即位[注釈 8]。銀水晶の力で人類を不老長寿の種族に変えて30世紀まで地球を治めている[注釈 9]。
第五部ではさらに遠い未来の姿・セーラーコスモスも登場した。
20世紀の大変動で地球がコールドスリープ状態となり[注釈 10]、30世紀に銀水晶とクイーンの力で地球を目覚めさせて女王に即位した。30世紀まで眠っていた設定なので不老長寿ではない[注釈 11]。
シリーズを通して精神的に成長し、ドジで泣き虫な性格は見せなくなった。両親にも別人に見えることがあるほど美しくなり、手の届かない場所に行ってしまうかもしれないと予感される。セーラー戦士と主従の絆で結ばれている。タキシード仮面(地場衛)の愛に反応する「幻の銀水晶」の輝きで、闇の力を受け入れて人間の体と心を捨てた者たちや彼らを操る邪悪な闇を倒して世界を救うが、「幻の銀水晶」と自分自身の存在が闇を呼ぶと知って苦悩する。
衛を「あんた」「あいつ」と呼んでいたが、恋人になってから「まもちゃん」の愛称で呼ぶ。衛からの愛称は「お団子頭」(最初は「たんこぶ頭」)、第一部中盤から第二部終盤まで「うさこ」、第三部以降は「うさ」。
第一部序盤でルナと衛に知り合い、ブローチを貰って初めてセーラームーンに変身する。ダーク・キングダムとの戦いで助っ人のタキシード仮面に出会い、水野亜美(セーラーマーキュリー)、火野レイ(セーラーマーズ)、木野まこと(セーラージュピター)を仲間にし、リーダーの証「ムーンスティック」を手に入れた。タキシード仮面のサポートを受けてムーンスティックを覚醒させ、ゾイサイトにエナジーを奪われた街の人々を回復させて失神し、衛の家で介抱を受けて正体を明かされる。
エナジー回復能力を幻の銀水晶の力と怪しんだゾイサイトの攻撃を受け、プリンセス・セレニティを名乗るセーラーV(セーラーヴィーナス)に救出された。ヴィーナスの変身を解いた愛野美奈子の「この姿は仮の姿」を聞き、月野うさぎはセーラームーンの仮の姿なのかと思う。四天王のクンツァイトから自分を庇って倒れた衛への涙から幻の銀水晶を目覚めさせ、プリンセス・セレニティに覚醒して前世の記憶を取り戻し、月の王国の廃墟に飛んで前世の母クイーン・セレニティの思念体に出会う。衛に似ている古幡元基の親友・遠藤に惹かれていくが、遠藤の正体はクイン・ベリルの暗黒の力で蘇ったタキシード仮面だった。クイン・メタリアを倒すには幻の銀水晶の真の力を解放する必要があるが、タキシード仮面の体に吹き込んだ幻の銀水晶の力の一部を取り出すことができず、伝説の聖剣でタキシード仮面を貫いてキスすると自らの胸も貫いた。
クイン・メタリアにタキシード仮面ごと吸収されるが、四守護神の犠牲と衛の懐中時計のおかげで生き残る。四天王の石に救われたタキシード仮面にクイン・メタリアの弱点を教わり、彼の支えとルナの思念体が変身したセレニティとの合体でパワーアップ。銀水晶の真の力を目覚めさせてメタリアを滅ぼし、銀水晶解放の反動で失神して変身能力を失うが、ダメージをルナと折半してタキシード仮面のキスで目を覚ました。廃墟のムーン・キャッスルが元の姿を取り戻すと、クイーン・セレニティの思念体の女王即位の誘いを断って地球に帰り、クイーン・セレニティに授けられた新しい力で倒れた仲間と街の人々を再生させた。
第二部では、幻の銀水晶を探してブラック・ムーン一族に追われる謎の少女・ちびうさが登場。あやかしの四姉妹との戦いではタキシード仮面との愛の力で新しい武器の「ムーンロッド」を生み出すが、マーズ、マーキュリー、ジュピターをさらわれてしまう。何も語らないちびうさへの疑いを抑えられず、ちびうさの世話を焼く衛を見て、ちびうさに衛を奪われるかもしれないと感じる。ちびうさの案内でクリスタル・トーキョーに向かい、キング・エンディミオンの思念体にちびうさが未来の娘と聞かされる。ちびうさと衛への疑いによって銀水晶が発動しなくなり、ネオ・クイーン・セレニティに恋焦がれるプリンス・デマンドに暗黒の星ネメシスへと連れ去られて監禁されてしまう。
蒼のサフィールに「幻の銀水晶とおまえの存在が歴史をくるわせるんだ」と指摘されて殺されかけるが、目覚めた銀水晶の力に守られて地下牢のマーズたちを解放する。仲間の言葉で衛とちびうさへの疑いを捨てるが、ちびうさが変身したブラック・レディにタキシード仮面を操られて銀水晶を奪われる。セーラープルートの犠牲を受け、世界の破壊を企んだデマンドをタキシード仮面との愛の力で倒し、ちびうさのセーラーちびムーン覚醒を見届ける。最後は惑星ネメシスを吸収した姿を見せたデス・ファントムに飲み込まれ、タキシード仮面とセーラーちびムーンの力を借りてデス・ファントムをネメシスごと滅ぼした。ネオ・クイーン・セレニティに新しい力を授けられて20世紀に帰り、ちびうさと別れる。
第三部では友達を作る修行をしに来たちびうさと暮らすが、「今の幸せは長く続かないかもしれない」と感じる。衛に接触した海王みちるに嫉妬する一方で男性体の天王はるかと親しくなるが、ちびうさの宿題の「伝説の聖杯」作りを手伝って衛と仲直りした。デス・バスターズを調査するセーラーウラヌス、セーラーネプチューン、冥王せつな(セーラープルート)と出会い、タキシード仮面とちびムーンの力を借りて生み出した伝説の聖杯にセーラー戦士の心を一つにしてスーパー戦士にパワーアップ。セーラーサターンの生まれ変わり・土萠ほたるを殺そうとするウラヌスたちと対立するが、ミストレス9に銀水晶を奪われたちびうさが倒れてしまう。最後は無限三角洲に溢れる負のエネルギーで地球を吸収しようとするファラオ90の中に聖杯と銀水晶を抱えて特攻するが、無限三角洲のエネルギーを破滅の力に変えて目覚めたセーラーサターンに導かれ、ネオ・クイーン・セレニティの姿に変身して破滅の力を浴びた世界を再生させる。世界が救われると、赤子に再生したほたるを見つけたウラヌス、ネプチューン、プルートと別れる。
第四部では十番高校に進学し、皆既日食と同時にアマゾンのデッドムーンサーカスが来日する。デッドムーンに支配された聖地エリュシオンから逃れてきたペガサス(祭司エリオス)に新しい力を授かり、衛に買ってもらったガラスの万華鏡が「カレイドムーンスコープ」に変化した。衛の肺に呪いの黒バラが咲いて地球の守護石「ゴールデン・クリスタル」を探すが、うさぎの肺も黒バラに侵される。エリオスとエリュシオンに残された力に救われると、悪夢の呪いで覆われた地上からエリュシオンに向かう。「闇は光を呼び、光もまた闇を呼ぶ」と月の王国を呪った過去を明かしたネヘレニアに銀水晶を奪われるが、タキシード仮面のキスで戦意を取り戻すと、星の王女に変身した仲間の力を聖杯に注いでエターナル戦士に変身。衛の体の中から目覚めたゴールデン・クリスタルと「シルバームーン・クリスタル」の共鳴によってネヘレニアを滅ぼす。エリュシオンが復活すると、キング・エンディミオンに変身した衛と戴冠式のように並んで地上を浄化し、エリオスの白馬に導かれて地上に帰る。
第五部ではハーバード大学に留学する衛に婚約指輪を贈られるが、シャドウ・ギャラクティカのセーラーギャラクシアにゴールデン・クリスタルを奪われた衛が目の前で消滅する。衛の渡米を信じて転入生の少年アイドル・スリーライツに出会うが、ギャラクシアとセーラーアニマメイツの奇襲で仲間を消され、謎の少女・ちびちびとスリーライツが変身したセーラースターライツ、スターライツの主人・火球皇女の導きで銀河の中心・射手座ゼロスター内のギャラクティカ・パレスに向かった。忘却の川の番人・セーラーレテとスターガーデナーとの戦いでちびちび以外の味方とルナたちを失い、ちびムーンとセーラーカルテットの加勢を受けるが、シルバームーン・クリスタルを狙うギャラクシアに操られたタキシード仮面たちが新たな敵になる。
倒したタキシード仮面たちのセーラークリスタルを「ギャラクシーコルドロン」の海に還され、ちびムーンが生まれる未来も消滅してしまった。コルドロンを吸収した闇の星々の支配者・カオスに「コルドロンの光を受け継いだ子」「邪悪な闇の星々を 同じ海から生まれた兄弟を消し去り 返り血で輝きを増した」と名指しされて混乱し、ちびちびの正体である遥かな未来の孤独な自分・セーラーコスモスに出会う。コスモスはカオスとの終わらない戦いに疲れて過去のムーンにコルドロンを滅ぼさせようとしていた。星を生み出すコルドロンの消滅を拒んで天使に変身したムーンは、コルドロンに飛び込んでカオスを内側から包み込み、コルドロンに溶けた衛たちの魂とガーディアン・コスモスに出会う。数年後、ちびうさの妊娠を予感しながら衛と結婚して物語は終わる。
番外編「ぱられるせぇらぁむ~ん」では専業主婦として登場。長女・ちびうさと二女・こうさぎを育てながら、秀才に成長したちびうさにバカにされる。
「ドジで泣き虫でおっちょこちょい」という性格が原作以上に強調されている。年の割に子供っぽく能天気なお調子者で、手先は不器用。海野ぐりおによると「友達づくりの天才」。苦手だった料理は特訓で上達していくが[注釈 12]、テストの点数は下がってしまった[注釈 13]。かなりの食いしん坊で、肉まんを6個も買い食いしたことも。得意料理のカレーは見た目は悪いが味は絶品である。普通の少女らしい生き方を望んで前世のアイデンティティと距離を置き、仲間とは友情で結ばれている。
日常でも戦闘でもギャグパートが多く、火野レイやちびうさとはいつも子供じみた喧嘩をしている。終盤のシリアスパートで成長しても次のシリーズになると元に戻ってしまい、普段の性格は一貫してあまり変わらない(担当声優の三石琴乃は、うさぎを演じるにあたって心がけていることは「成長しないこと」とコメントしている)。
当初は敵を怖がって大泣きしたり、他人任せな面が目立ったが、後述のネフライトの一件後は優しい心があると判断すれば敵でも助けたり、ダーク・キングダムとの戦いでは仲間を一度死なせたトラウマを抱えてしまう。ちびうさ登場後はわがままに手を焼くが、ちびうさの存在を通して「自分がみんなを守らなければ」と思うようになっていった。『劇場版R』によると、非凡な能力などで異端視されてきた水野亜美たちを受け入れて信頼されている。
地場衛を「あんた」「あいつ」と呼んでいたが、恋心を自覚してからは「衛さん」と呼び[1]、恋仲になってからは「まもちゃん」と呼ぶ[2]。衛には「お団子頭」「たんこぶ頭」と呼ばれたが、途中で「うさぎ」に改められ[1]、その後「うさこ」の愛称で呼ばれる[2]。
ルナにもらったブローチでセーラームーンに初めて変身し[3]、ダーク・キングダムとの戦いでタキシード仮面と出会い、水野亜美(セーラーマーキュリー)、火野レイ(セーラーマーズ)、木野まこと(セーラージュピター)、愛野美奈子(セーラーヴィーナス)を仲間にする。親友の大阪なるが恋したダーク・キングダム四天王のネフライトを警戒するが[4]、最終的になるを愛したネフライトはゾイサイトに暗殺され[5]、心に傷を負ったなるを心配して海野ぐりおに引き合わせた[6]。ルナに責任感を求められてリーダーの証のムーンスティックを渡されるが、貯金箱の破壊に使う場面もある[5]。レイとは喧嘩ばかりだが信頼し合い、作戦の一環でムーンスティックを託している[7]。
地場衛を嫌っている口ぶりだったが、レイと衛が何度かデートすると複雑な感情を見せた[8]。思い詰めた様子の衛を心配してスターライトタワーまでついて行き、ゾイサイトの攻撃を受けて正体を明かし合うが、自分を庇い倒れたタキシード仮面を見てプリンセス・セレニティに覚醒し、幻の銀水晶を手にする[9]。過去の記憶を取り戻したルナとアルテミスに前世からの使命を教わるが、前世や戦いを嫌がってマーズに叱られ、仲間のピンチを前に銀水晶の力を目覚めさせる[10]。敵になったタキシード仮面に混乱するが思い直して無事を喜んだ[11]。クンツァイトに飛ばされた多次元世界の先で前世の母クイーン・セレニティの残留思念に出会う[12]。
クンツァイトを倒してダーク・キングダムのアジトを突き止めるが、DDガールズとの戦いでジュピターが戦死し、仲間の反対を押し切って降伏しようとするが失敗する。マーキュリー、ヴィーナス、マーズも戦死して絶望するが、仲間の幻に励まされてダーク・キングダムのアジトに単身乗り込んだ[13]。銀水晶を使いこなせず、洗脳された衛の浄化に失敗するが、二人の思い出が詰まった星のオルゴールで衛を救出した。しかしクイン・ベリルの攻撃から自分を庇った衛も死んでしまい、好きな人とキスもできなかったレイ達のために最後のキスを諦め、代わりに見守って欲しいと伝える。
地球を支配しようとするスーパー・ベリルにプリンセス・セレニティの姿で最後の戦いを挑み、「世界は醜く汚れきっている」と語るベリルの力に圧倒される。仲間が守ろうとした世界を信じるうさぎは仲間の幻を呼び、仲間と一緒に銀水晶に力を込めてパワーアップ。ベリルを倒して絶命するが、「普通の生活に戻りたい」という想いが銀水晶の奇跡を起こし、生まれ変わった世界に全てを忘れて衛や仲間達と転生する[14][注釈 14]。
第二期『R』の魔界樹編では一般人として暮らし、衛とも元の腐れ縁に戻った。同じく記憶のない仲間と偶然出会い、「初めて会った気がしない」と友達付き合いを始める。しかし、新たな敵のカーディアンに襲われてルナに記憶を返され、普通の生活を諦めてセーラームーンとの二重生活に戻る[15]。
「みんなには普通の女の子でいてほしい」と望んでいたが、ルナに記憶を戻された仲間達とセーラーチームを再結成[16]。月影の騎士の助けを借りて戦うが、「普通の生活に戻りたい」という潜在意識によってティアラが動かなくなり[17]、カーディアンに負けてクイーン・セレニティの思念体に新しい力を授かった[18]。何も知らない衛には片想いを続け、前世から結ばれる運命だと訴えようとしては失敗してしまう。アンが変身したクラスメイトの銀河夏美とは恋のライバルだった。終盤では記憶を取り戻した衛と結ばれ、改心して宇宙に旅立つエイルとアンを見送った[19]。
魔界樹編のサイドストーリー『カセットコレクション3』第二幕では、クイン・ベリルに殺される数年前のプリンス・エンディミオンが20世紀に現れ、歴史を変えないためには元の時代に返さねばならず苦悩するが、最終的に運命を受け入れたエンディミオンを帰還させる。
魔界樹編とブラック・ムーン編の間に位置するPCエンジン版では、ダーク・キングダムが復活した夢を見る。海野ぐりおの相談で大阪なるとネフライトの再会を知り、仲間の反対を押し切ってネフライトを庇う。過去の記憶を取り戻したネフライトにダーク・キングダムの正体を聞き、クイン・ベリルの最期を看取った後で銀水晶に仲間と四天王の力を集め、クイン・ベリルと四天王を普通の人間に転生させた。
『R』ブラック・ムーン編では銀水晶を探す謎の少女・ちびうさに家族を洗脳されて家に居座られ、「うさぎと衛が結ばれると世界は滅びてうさぎも死ぬかもしれない」という予知夢を見た衛には絶交される[20]。永遠に衛を追いかけるドロイドの悪夢に囚われて衰弱するが、衛に救われて事情があると確信する[21]。衛に構ってもらえるちびうさに悔しがるが、ブラック・ムーンに命を狙われたちびうさを守りながら母性のようなものに目覚める。あやかしの四姉妹が改心すると銀水晶の力で普通の人間に戻していくが、ちびうさに銀水晶入りの変身ブローチを持ち去られ、助けに行ったレイ達を紅のルベウスのUFOにさらわれてしまう[22]。ちびうさがいなければ平和だったと思う反面、小さな子供のちびうさを責め切れずにUFOに乗り込み、責任を感じて来たちびうさと協力してルベウスを倒した[23]。衛と同じ予知夢を見て事情を打ち明けられ、「例え地球が壊れたってあたしが死んじゃったってまもちゃんと一緒にいたい」と説得して拒まれたが、仲間の応援で追いかけてきた衛と復縁する[24]。
ちびうさの母親を助けに向かった30世紀の未来で、キング・エンディミオンとセーラープルートに出会って30世紀の真実を聞く。ネオ・クイーン・セレニティに執着するプリンス・デマンドにさらわれ、無理やり妃にされかけるがタキシード仮面に救出された[25]。ワイズマンの正体を知ってあやかしの四姉妹に匿われた蒼のサフィールと和解。プリンス・デマンドの説得に成功するが、ワイズマンの攻撃から自分を庇って倒れたデマンドに一族の未来を託される。ワイズマンに洗脳されたちびうさ(ブラック・レディ)に襲われ、最終的にはネオ・クイーン・セレニティの姿を借り、タキシード仮面との愛の力で洗脳を解いた。仲間の力を受けたちびうさとのダブル銀水晶攻撃で、デス・ファントムと邪黒水晶を倒して力を使い切るが、本物のネオ・クイーン・セレニティに救出された。
『劇場版R』ではキセニアンに操られたフィオレに衛をさらわれ、ちびうさとレイたちの励ましで衛がいる小惑星に向かう。フィオレにセーラー戦士を人質にされてエナジーを吸い取られ、衛の投げたバラに救われた。小惑星ごと地球に激突しかけたが、胸の中に銀水晶の花を見たフィオレの説得には成功する。地球に帰るために衛の支えと仲間達の力を受けた銀水晶で小惑星を押し返し、力を使い切った上に銀水晶も砕けてしまうが、フィオレに譲られたエナジーの蜜を衛の口移しで受けて目を覚ます。
第三期『S』では、セーラーちびムーンの力を手に入れたちびうさと再び暮らし始める。タキシード仮面との愛の力で生まれた「ハート・ムーン・ロッド」を手に入れた。不思議な魅力を持った天王はるか(セーラーウラヌス)と海王みちる(セーラーネプチューン)に出会って憧れを抱く。
被害者を救える浄化能力を持つこともあり、「ピュアな心」の結晶の持ち主を見殺しにしてもタリスマンを求めるセーラーウラヌスとネーラーネプチューンとは対立。ピュアな心の持ち主の救助を最優先に行動した。さらにちびうさの親友の土萠ほたるが一度目覚めたら最後、世界を破壊するとされるセーラーサターンの正体と分かり、その抹殺に動いたウラヌス、ネプチューン、プルートと対立する。世界を救う力を持つ「メシア」が使う「伝説の聖杯」でスーパーセーラームーンに二段変身するが、力を使うと疲れてスーパー変身が解けてしまい、ウラヌスたちに真のメシアではないと判断される。
デス・バスターズの幹部ミストレス9にピュアな心の結晶を抜かれて仮死状態になったちびムーンを救うため、デス・バスターズのアジトの無限学園に向かうが、ほたるの肉体を支配したミストレス9にさらわれ、ウラヌス・ネプチューンを人質にされて聖杯を渡せと迫られる。土萠教授の愛情に反応したミストレス9にほたるの心が残っていると感じ、身を挺して土萠教授とミストレス9を守り続けたが、土萠教授のほたるを思う心につけ込んだミストレス9に騙されて聖杯を譲ってしまい、聖杯の力でパワーアップしたファラオ90が地球を飲み込む事態を招いてしまった。
ついにセーラーサターンに覚醒したほたるはセーラームーンに守られた恩を返そうとファラオ90の消滅に動く。サターンの力が命と引き換えに使われると知ったムーンは躍起になってスーパー変身の呪文を唱え続け、戦士達の力を受けたピュアな心の結晶でスーパー変身を果たし、ファラオ90の内部に飛び込んで赤子に再生させたほたるを連れ帰った。戦いが終わるとウラヌス・ネプチューンに「甘い考えで世界を滅ぼしかけた」と責められて攻撃を受けるが、反撃せずに変身解除を命じながら攻撃を相殺する力を発し、ウラヌスとネプチューンに「真のメシアであり未来のネオ・クイーン・セレニティ」と認められる。
第四期『SuperS』では、ちびうさの夢に入り込んだペガサスの力で完全なスーパー変身を果たす。今作ではちびうさとのダブル主人公で、ちびうさとのダブル変身が特徴。
人間の姿で衛に恋をしたデッド・ムーンの幹部フィッシュ・アイと交流し、ひょんなことから正体を知られて助けてもらった。
ネヘレニアが作り出した蜘蛛の糸に触れた衛が倒れ、蜘蛛の糸の闇の中に街を覆われてデッドムーンサーカスへと乗り込んだ。ちびムーンと美しい夢を持つ人々の祈りに反応したゴールデン・クリスタルの力で勝利したが、女王ネヘレニアに哀れみをかけて逆上され、ちびムーンを地上に突き落とされてしまう。ちびムーンを追いかけながらプリンセス・セレニティの姿に変身し、「一緒に大人になろう」という想いに反応したゴールデン・クリスタルの力で天使の翼を生やして生還する。
第五期『セーラースターズ』の前半にあたるネヘレニア復活編では、ちびムーンの生存を知ったネヘレニアに衛をさらわれて助けに行く。ネヘレニアの罠で仲間達と引き離されて幻覚に囚われるが、ジュピターのバラのピアスを見て正気に返った。若く愛されるうさぎを妬んだネヘレニアは衛の精神を支配してセーラー戦士を鏡に捕らえ、ちびムーンが生まれる未来も消えてしまう。うさぎは愛をこめたエナジーを発して呪いを打ち消し、衛と戦士達の共鳴を受けてエターナルセーラームーンにパワーアップ。孤独に絶望するネヘレニアを救うべく、遠い過去の子供時代に転生させた。
シャドウ・ギャラクティカ編では、ハーバード大学に留学した衛と連絡が取れなくなる。ちびうさと同じように月野家に入り込んだちびちびと暮らしながら、毎日衛に手紙を書いて返事を待っていた。転入生の美少年アイドル・スリーライツの星野光(セーラースターファイター)と腐れ縁になり、地球人を好まないキンモク星のセーラー戦士・セーラースターライツと対立しながらファージにされた人々を救っていく。自分を守ろうとする星野の求愛に心を揺さぶられていくが、星野の赤いバラに衛を思い出してしまう。スリーライツの正体がスターライツと知ると一時険悪になるが、スターライツの主人・火球皇女の願いで和解した。
最終決戦では衛がギャラクシアにスターシードを奪われていたと知り、スターライツを除く仲間達のスターシードも奪われていく。希望の光でギャラクシアを怯ませたちびちびはギャラクシアのスターシードを名乗り、銀河中の邪悪な心の集合体・カオスを体の中に封じて暴走した本体の封印をセーラームーンに託した。ギャラクシアを攻撃できなくなったセーラームーンは封印の聖剣を捨て、天使に変身してギャラクシアの精神世界の中に残された優しい心を引っ張り出す。心を取り戻したギャラクシアにスターシードを返されて衛達に再会し、カオスも人々の心の中に還る。故郷に帰るスターライツと別れ、うさぎと衛がデートする場面で物語は終わる。
普段は普通の黒い髪で、セーラームーンに変身しておなじみの金髪になる。明るく天真爛漫で「バカ」呼ばわりされることもあるが、特にドジで泣き虫でもなく、原作やテレビアニメに比べるとおしとやかで真面目な頑張り屋。
同年代の間で異端視されていた亜美達に接してみると「普通の子と変わらない」と感じ、少しずつ友情で結ばれていく。衛とは呼び捨てで呼び合い、衛に婚約者がいると知りながら好きな気持ちには嘘をつきたくない、という健気さも持つ。衛とは恋人同士となってからも、テレビアニメ初期のように口喧嘩をする。
前世の記憶を持たない代わりに、強い負の感情を感じると前世の人格が支配する「プリンセス・セーラームーン」に変身する。前世の世界を滅ぼしたのはエンディミオンを失った悲しみに支配されたプリンセスで、クイン・メタリアの正体も銀水晶に増幅されたプリンセスの負の心という設定である。
メタリアを体に閉じ込めて暴走した衛を倒し、プリンセスに世界を滅ぼされてしまうが、衛の魂の助言を聞いて命と引き換えに世界を再生させた。新しい世界には存在しなかったが仲間の記憶とプリンセスに与えられた命で蘇り、衛と仲間に再会する。
『Special act』では花嫁修業で母の育子に料理を教わり、最後に衛と結婚式を挙げた。
バンダイ版ではテレビアニメに近い性格(特に初代の大山アンザが演じるバージョン)になっている。
月を守護星に持つ、愛と正義のセーラー服戦士。決め台詞は「月に代わって、おしおきよ!」。現代で初めて誕生したセーラー戦士で、月の王国のプリンセスにして「幻の銀水晶」の守護者。「幻の銀水晶」の浄化の光を操るが、銀水晶を収納したブローチの力で変身するため、ブローチか銀水晶を失うと変身が解けてしまう[注釈 15]。
コスチュームの色は青(ロイヤルブルー)だが、ティアラの宝石は赤。ブローチを飾ったマゼンタピンクのリボン、三日月の飾り付きのロングブーツ、三日月のチェーンピアス[注釈 16]とチョーカー、超音波増幅バレッタ、羽型ヘアピンの羽ピンを着用。
原作第三部の決め台詞は「愛と正義の星! 月を守護にもつ神秘の戦士! セーラームーン参上!」。セーラーカラーのラインは3本。ネオ・クイーン・セレニティとキング・エンディミオンによると「無敵の力を持つ神秘の戦士」。『Crystal』と『Eternal』の名乗りシーンの背景は三日月と薔薇の花(色は1期・2期がクリーム色、3期・『Eternal』が赤とピンク)。原作漫画第1話のみ白いゴーグルとマントをつけた銀髪の姿だが、諸事情で没となった。
決め台詞は「愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーン!月に代わって、おしおきよ!」。羽ピンは着用せず、リボンの色は赤。セーラーカラーのラインは2本。白い光を背景に敵に口上を述べ、決め台詞と同時に両手(中指と薬指だけ握る)を交差するポーズを取る。戦闘では逃げ専門[注釈 17]だが、仲間の攻撃で敵の動きを止めてもらいトドメの必殺技で倒すのが基本。仲間が敗れると一人で妖魔を倒すこともある[26]。決め台詞の背景は『無印』では三日月の夜空にピンクのレース模様を重ねていたが、『R』からは満月の夜空に各モチーフ(『R』はプリズムの反射、『S』はピンクのハート、『SuperS』はオーロラと水晶の森)を重ねた背景に変わった。テレビアニメ版第56話では歌舞伎風の決め台詞で登場[27]。
原作とテレビアニメの間を取り、仲間との協力で果敢に戦う。ジュピターとマーズにパワーは劣るが浄化技は強力で、オーソドックスな格闘技を使う。ただし強敵には歯が立たない[注釈 18]。戦士の力に目覚めてはいくが成長度ではヴィーナスに敵わず、最後まで真の才能を開花させることはなかった。
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