シャドウ・ギャラクティカ[注釈 1]は、メディアミックス『美少女戦士セーラームーン』第五期に登場する悪の組織。原作漫画、テレビアニメ『セーラースターズ』、劇場版『Cosmos』に登場する。
『美少女戦士セーラームーン』第五期「セーラースターズ」に登場する悪のセーラー戦士の組織。黄金の女王・セーラーギャラクシアに命じられて星の輝きを持つ人間の魂の核「セーラークリスタル(テレビアニメでは真のスターシード)」を集めながら全銀河の征服を目指し、セーラースターライツ(スリーライツ)と火球皇女の母星・キンモク星など数多の惑星を滅ぼしている。ギャラクシア配下のセーラー戦士は忠誠の証に授けられたブレスレットからパワーを得ているが、ブレスレットを通して命も握られている。
- 原作漫画・劇場版『Cosmos』
- ちっぽけな小惑星に生まれたセーラーギャラクシアが『ギャラクシーコルドロン』に寄生する暗黒の生命体・カオスにそそのかされ、滅ぼした星々の人間を支配して誕生させた組織。銀河の中心部「いて座ゼロスター」内に黄金の城ギャラクティカ・パレスを建て、銀河中の星々を滅ぼしてセーラー戦士のセーラークリスタルを奪い取った。
- テレビアニメ
- 銀河を守る英雄だったセーラーギャラクシアが銀河中の人間の悪の心の集合体・カオスに支配され、滅ぼした星々のセーラー戦士を悪のセーラー戦士に変えて誕生させた組織。地球では真のスターシードの持ち主を探す目的で「銀河テレビ局」の局員に化け、スター性を持つ人間たちのスターシードを抜き出した。
担当声優はテレビアニメ『SuperS』『セーラースターズ』 / 劇場アニメ『Cosmos』の順番に表記。演はミュージカル版での俳優。
第5部での反セーラーチーム。動物をイメージした悪のセーラー戦士で、水着風のドレスとロングブーツ、星のヘッドバンドでまとめている。ギャラクシアへの忠誠の印に力の源のブレスレットを与えられている。原作漫画・劇場版『Cosmos』、テレビアニメ、ミュージカル版では構成員の数がそれぞれ異なる(原作・『Cosmos』では5人、テレビアニメではヘヴィメタルパピヨンを除いた4人、ミュージカル版では4人だが公演によって構成員が異なり、オリジナルキャラクターも登場する[注釈 6])。
- 原作漫画・劇場版『Cosmos』
- ギャラクシアに滅ぼされた星の住人の中の力を持つ者がブレスレットで変化した、かりそめのセーラー戦士。功績を挙げればセーラークリスタルを授けられて真のセーラー戦士になれると信じていた。
- テレビアニメ
- 銀河テレビの局員としてスター性を持つ人間を調査し、ブレスレットの宝石から発射する光の玉で人間のスターシードを抜き取った。銀河テレビ局本部のギャラクシアに繋がる電話ボックスをテレポートに使用するほか、命令の伝達に黒電話が使われる。実はギャラクシアに滅ぼされた星を守っていたセーラー戦士が洗脳された姿で[2][注釈 7]、ブレスレットがなければ肉体が消滅するがブレスレットに良心を奪われてもいる。
- セーラーアイアンマウス
- 声 - 原えりこ / 小泉瀬奈
- 演 - 丸山千絵、工藤明希、青木志穏(ミュージカル版)
- ネズミの耳と尻尾を持つ白い巻き毛の愛くるしい少女。黒のリボンを飾った白いビキニワンピースと灰色のレギンス、毛皮の耳当てと手袋、編み上げブーツを着用。イメージカラーは白と灰色。モチーフはネズミ。アイアン(iron)は鉄[注釈 8]の英語名。原作とテレビアニメでは髪型や衣装のデザインが異なる(原作では髪型がお団子、テレビアニメではツインテール等)。
- 原作及び劇場版『Cosmos』ではチュウ星出身のかりそめのセーラー戦士。はるかとみちるとスリーライツ(セーラースターライツ)が行っていたジョインコンサート会場に現れ襲撃するが、セーラースターヒーラーに倒される。
- テレビアニメでは「根津 宙子(ねづ ちゅうこ)」と名乗り、普段は銀河テレビの局員(プロデューサー)として生活している。星野光の正体を突き止めたが、度重なる失敗でギャラクシアにブレスレットをはずされ消滅した。整理整頓は苦手だったらしく机には大量のゴミやダンボール1箱分の私物がぶちまけられたり、飲みかけのマグカップや枯れた花瓶までもが置きっぱなしにされ、死後に机を使用することになったセイレーンを辟易させた。
- 必殺技
- ギャラクティカ・クランチ(原作漫画、ミュージカル、劇場版『Cosmos』)
- 破壊効果がある光を放つ技。劇場版『Cosmos』ではネズミ型のドローンが集合して放たれる攻撃。
- セーラー・ギャラクティカ・アタック(ミュージカル)
- ギャラクシア軍団の合体技。
- セーラーアルーミナムセイレーン
- 声 - 井上喜久子 / 村瀬歩
- 演 - 大貫杏里、小林由佳(ミュージカル版)
- ふわふわの水色の長髪と白い肌の上品な女性。マーメイドドレス風の水色のボンテージビキニワンピース、ガーターストッキング風の靴下とヒール、羽根のピアスを着用。歌や氷気を操る力を持つ[3]。イメージカラーは水色、モチーフは魚。アルーミナム(aluminum)はアルミニウム[注釈 9]の米国名で、セイレーンは美しい歌声で船を沈める怪物。
- 原作及び劇場版『Cosmos』ではマーメイド星出身のかりそめのセーラー戦士。星野光の歌を聞いてスリーライツの正体に気づき、ジュピターとマーキュリーのセーラークリスタルを奪うが、セーラースターファイターとメイカーに倒される。
- テレビアニメでは他の3人同様、普段は銀河テレビ局員「彩 れい子(あや れいこ)」と名乗る。クロウとは表裏ともに同僚で、漫才におけるボケのポジション。丁寧な言葉遣いの天然キャラで、緊張すると空腹になるタイプ。母親に「挨拶ができないとロクな大人になれない」と言い聞かせられて育ったため[4]、どんな相手にも初対面なら挨拶[注釈 10]を欠かさないことにしているらしい。また、きれい好きで地球に来て最初にやったことはアイアンマウスが散らかした机と遺品の整理であった。物語の途中でセーラームーンの正体を突き止めるが、度重なる失敗でギャラクシアにブレスレットを外されて消滅した。
- 必殺技
- ギャラクティカ・ツナミ(原作漫画、ミュージカル、劇場版『Cosmos』)
- 津波を起こす技。劇場版『Cosmos』での技名はギャラクティカ・ウェーブ。
- テレビアニメでもやけっぱちでこの技を使う場面があるが、飲料水のペットボトルを手当たり次第に投げつけたりパックジュースの中身をぶちまけるだけで、厳密には技とは言い難い。
- セーラーレッドクロウ
- 声 - 鈴鹿千春 / 日笠陽子
- 演 - 遠藤あど、悠斗イリヤ(ミュージカル版)
- ロングストレートの茶髪と浅黒い肌のクールな女性。カラスの羽の飾りを背負い、黒いファーを飾った臙脂色のボンテージ風ビキニワンピを着用。黒い鞭を武器にし、腐気を操る力を持つ[3]。イメージカラーは暗い赤。モチーフはカラス。レッド(lead)は鉛[注釈 11]の英語名で、クロウはカラスの英語名。原作及び劇場版『Cosmos』では黒い羽が生えているが、テレビアニメでは生えていない。
- 原作及び劇場版『Cosmos』ではセーラーフォボス&セーラーディモスと同じコロニス星出身で、訓練兵時代の同僚でもある。フォボスやディモスを倒してセーラーマーズを人質に取るが、エターナルセーラームーンに倒される[注釈 12]。
- テレビアニメでは銀河テレビの局員「烏丸 あかね(からすま あかね)」と名乗る。セイレーンとは表裏ともに同僚で、漫才におけるツッコミのポジション。実力は確かで、セイレーンとともに銀河の8割の惑星を制圧してアニマメイツ最強の座を争っていたが、地球ではあまりにマイペースなセイレーンを心配して[注釈 13]ともに行動していた。後にセイレーンの遺した手帳からセーラー戦士やスターライツたちの正体を知り、十番高校の学園祭に現れてうさぎたちを襲撃。ブレスレットからブラックホールを生成して学園祭に来た人々の命を盾に取ってうさぎのスターシード(銀水晶)を奪おうとしたが、ティンにゃんこの裏切りでブラックホールが暴走し、最後は暴走したブラックホールに吸い込まれて消滅した。最後の瞬間までセイレーンを気にかけていた。
- 必殺技
- ギャラクティカ・トルネイド(原作漫画、ミュージカル、劇場版『Cosmos』)
- 竜巻を起こす技。
- セーラーティンにゃんこ
- 声 - 大谷育江 / 伊瀬茉莉也
- 演 - 瀬尾智美、細川桃仁、橋垣美佑(ミュージカル版)
- 猫耳付きの黒頭巾[注釈 14]を被り、猫の尻尾を持つ三つ編みの勝ち気な少女。金の鈴を飾った黒いワンピース、ガーターストッキング、長い手袋を着用。磁気を操り、分身の術や9つの命を持つ[3]。地球での名は「鈴 にゃん子(すず にゃんこ)」。イメージカラーは黒。モチーフはネコ。ティン(tin)はスズ(錫)[注釈 15]の英語読み。原作とテレビアニメでは、衣装のデザインが異なる(原作では網目タイツ、テレビアニメではタイツは無し)。
- 原作及び劇場版『Cosmos』ではルナやアルテミスと同じマウ星出身で、かりそめのセーラー戦士。母星をシャドウ・ギャラクティカに滅ぼされ、ルナやアルテミスを裏切り者扱いする。女子高生(リビアからの帰国子女という設定)としてうさぎのクラスに潜入し、普段はネコのような口調で話す。男嫌いでクラスメイトの男子にはツンとした態度を取る。うさぎへの接近をルナとアルテミスに阻止されて正体を明かしたが、セーラースターファイターの助太刀で退却。ギャラクシアにチャンスを求めるが、ブレスレットを外されて消滅した。
- テレビアニメでの普段の姿は他の3人同様、銀河テレビ局員。腹黒く意地悪で、セイレーンやクロウを小馬鹿にし、レッドクロウ消滅の原因を作った。女子高生に変装して十番高校に潜入し、うさぎを襲ったがセーラームーンの攻撃で右腕のブレスレットが外れて良心が戻り、善悪2つの心に分裂して葛藤、コスチュームの右半分は白に変色した。最後はギャラクシアに残った左腕のブレスレットを外されて消滅してしまった。テレビアニメにおけるアニマメイツ最後の戦士でもある。
- 必殺技
- ギャラクティカ・パペット(原作漫画、ミュージカル、劇場版『Cosmos』)
- 光の糸を放つ技。
- セーラー・ギャラクティカ・アタック(ミュージカル)
- ギャラクシア軍団の合体技。
- ギャラクティカ・ツイスター(ミュージカル)
- ピューターフォックスとチタンケロッコとの合体技。
- セーラーヘヴィメタルパピヨン
- 声 - 工藤晴香(Cosmos)
- 演 - 遠藤恵子(ミュージカル版)
- ギャラクティカ・パレス内の星の墓場の守護者で、自称「魂の狩人」。蝶の羽の飾りを背負った紫の巻き毛の女性で、グラデーションカラーのビキニと指ぬき手袋を着用。情にもろく、火を操る力を持つ。実は子持ち[3]。イメージカラーは青と紫。モチーフは蝶。テレビアニメでは登場しない。ヘヴィメタルは重金属の英語名で、パピヨンは蝶の仏語名。
- 無数の蝶々を従えている。原作及び劇場版『Cosmos』でのセーラーアニマメイツ最後の戦士であり、ギャラクティカ・パレスに侵入したセーラームーン、セーラーちびちびと火球皇女を捕えて火刑に処したが、セーラームーンたちの危機を感知して駆けつけたセーラーちびムーンとセーラーカルテットの合体技で倒された。
- 必殺技
- ギャラクティカ・スケイルズ(ミュージカル)
- 設定資料集には記載してあるが本編で使われず、ミュージカルで初めて使用された。
テレビアニメ版に登場するザコ敵の総称。第一期後半の妖魔のように人間が変身した魔物だが、こちらはセーラー戦士のなり損ないである。デッド・ムーンの使役するレムレス同様、男女問わずターゲットにされるため男性の雑魚敵が多い。「真のスターシード」を探しているセーラーアニマメイツのブレスレットの光を人間が浴びると、額の元から出現した金色の花が開いてスターシードが露出する。しかし、「真のスターシード」以外のスターシードは外気に晒されると輝きが失われ、持ち主も蔦のような黒い光に包まれてファージに変身する。皆コミカルながらも凶暴さを持ち合わせており、彼らを正気に戻すか否かでセーラームーンら内部戦士とセーラースターライツが揉めることもあった。セーラームーンの浄化の光を浴びると「ビューティフォー!!」(第184話のセーラーソムリエのみ「ごちそうさまでした」)と叫び、スターシードを包んだ花が額の元に吸い込まれて元の人間の姿に戻る。
- セーラーブリ
- 第173話に登場。アイドルタレント・五木アリス(声 - 伊藤美紀)がアイアンマウスにスターシードを抜かれて変身した姿。
- セーラーガッツ
- 第174話に登場。十番高校アメリカンフットボール部のキャプテンの加山雄二(声 - 鈴置洋孝)が、アイアンマウスにスターシードを抜かれた姿。エターナルセーラームーンのコスプレ風のマッチョなビキニパンツの男で、青春の汗を飛ばす攻撃を持つ。セーラー戦士とルナをドン引きさせた。
- セーラーゲキシャ
- 第175話に登場。美奈子とうさぎが出会った女性カメラマンの板橋サキ(声 - 片石千春)が、アイアンマウスにスターシードを抜かれた姿。右腕のカメラからビームを発射する技を持ち、セーラーヴィーナスを倒した。
- セーラーディレクター
- 第176話に登場。演出家の具志堅あかね(声 - 島本須美)がアイアンマウスにスターシードを抜かれた姿。両腕がカチンコとメガホンになっている。
- セーラーティーチャー
- 第177話に登場。十番高校理科教師の天野川ワタル(声 - 田中秀幸)がアイアンマウスにスターシードを抜かれた姿。パンクロッカーのように逆立った髪を持つ。
- セーラーオジョウ
- 第178話に登場。女優の岡町ノリ子(声 - 高田由美)がアイアンマウスにスターシードを抜かれた姿。武器は鞭。
- セーラーシェフ
- 第179話に登場。まこととうさぎが出会った料理番組のシェフの吉野川哲郎(声 - 石塚運昇)が、アイアンマウスにスターシードを抜かれた姿。甘い物好きのセーラームーンに負けたふりをし、ケーキを差し出した隙に殺そうとした。
- セーラーコンダクター
- 声 - 志賀克也
- 第180話に登場。みちるとスリーライツのジョイントコンサートに招かれた指揮者のMr.ガラヤン(声 - 石森達幸)が、アイアンマウスにスターシードを抜かれた姿。人間時はぽっちゃり体型だが、ファージに変身するとスリムな体格になる。
- セーラーコップ
- 第182話に登場。うさぎとせつなが出会った十番警察の署長(声 - 松尾銀三)がアルーミナムセイレーンにスターシードを抜かれた姿。ロボコップをイメージした容姿を持つ。
- セーラーアーティスト
- 第183話に登場。レイの知り合いの陶芸家・伊吹ケンゴ(声 - 麻生智久)がアルーミナムセイレーンにスターシードを抜かれた姿。
- セーラーソムリエ
- 第184話に登場。月野家を訪れたTV番組の司会者・五代潤(声 - 辻谷耕史)が、レッドクロウとアルーミナムセイレーンにスターシードを抜かれた姿。所持するワインボトルでセーラーネプチューンのディープサブマージを吸収する。
- セーラードクター
- 第185話に登場。大気と知り合った重病の少女ミサの手術に来日したアメリカ人医師Dr.ギア(声 - 河合義雄)が、ナースに化けたアルーミナムセイレーンにスターシードを抜かれた姿。右腕が大きな注射器になっている。「注射しましょう」が口癖。
- セーラーアンティーク
- 第186話に登場。ちびちびにお菓子をあげた大財閥会長の桐山丈太郎(声 - 渡部猛)が、アルーミナムセイレーンにスターシードを抜かれた姿。騎士のような鎧を着用し、武器は剣。情緒不安定気味の性格だが、おちゃらけた一面もある。
- セーラーリーガー
- 第187話に登場。スリーライツファンクラブ会員番号1番のソフトボール部のキャプテン伊集院園子(声 - ならはしみき)が、レッドクロウにスターシードを抜かれた姿。
- レッドクロウに同行したアルーミナムセイレーンがセーラームーンの正体を知った。
- セーラースチュワーデス
- 第188話に登場。スリーライツとうさぎたちを乗せた飛行機の客室乗務員(声 - 大塚瑞恵、宇和川恵美)が、アルーミナムセイレーンにスターシードを抜かれた姿。全部で3人いる。
- セーラーDJ
- 第189話に登場。DJのジャック(声 - 金丸淳一)がレッドクロウにスターシードを抜かれた姿。ディスクで攻撃する。
- セーラーアミューズ
- 第190話に登場。遊園地支配人の篠竹雄(声 - 石井康嗣)がレッドクロウによって変身した姿。爆発する風船を操る。
- セーラーゲーマー
- 第191話に登場。ゲームアイドルの神奈川麗子(声 - 平松晶子)がレッドクロウにスターシードを抜かれて変身した姿。セーラーマーキュリーとセーラージュピターの技が通用せず、素早い攻撃でマーキュリーとジュピターを圧倒した。
- セーラーミュージシャン
- 第192話に登場。美奈子がアイドルオーディション会場で出会った作曲家の諸星卓也(声 - 速水奨)が、ティンにゃんこにスターシードを抜かれた姿。テレビアニメ最後のザコ敵である。