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福岡市交通局の通勤形電車 ウィキペディアから
福岡市交通局3000系電車(ふくおかしこうつうきょく3000けいでんしゃ)は、福岡市交通局七隈線用の通勤形電車である。
福岡市地下鉄3000系電車 | |
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福岡市交通局3000系 (2015年10月4日・橋本車両基地) | |
基本情報 | |
運用者 | 福岡市交通局 |
製造所 | 日立製作所笠戸事業所 |
製造年 | 2004年(3000系)・2021年(3000A系) |
製造数 | 3000系68両·3000A系16両 |
運用開始 | 2005年2月3日 |
投入先 | 七隈線 |
主要諸元 | |
編成 | 4両編成 |
軌間 | 1,435 mm |
最高運転速度 | 70 km/h |
起動加速度 | 3.2 km/h/s |
減速度(常用) | 4.0 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 378人 |
車両定員 | Mc(制御電動車)89人/M(中間電動車)100人 |
編成重量 | 105.1 t |
全長 |
先頭車 16,750 mm 中間車 16,500 mm |
全幅 | 2,490 mm |
全高 | 3,145 mm |
車体 | アルミニウム合金(A-train) |
主電動機 |
MB-7008-A 三菱電機製三相リニア誘導電動機 |
主電動機出力 | 150 kW(相当) |
駆動方式 | リニア駆動方式 |
制御方式 | IGBT素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 |
日立製作所製 VFI-HL2415B |
制動装置 | 回生ブレーキ(全電気ブレーキ付)併用電気指令式電磁直通空気ブレーキ、応荷重装置付き |
保安装置 | ATC、ATO、SR |
本項では、2021年度より導入されている3000A系についても記述する。
2005年(平成17年)2月3日の七隈線天神南駅 - 橋本駅間の開業時から運転を開始した。従来の空港線・箱崎線とは建設規格や旅客数に差があることなどから、従来の自局車両(1000系・2000系)とは大きく異なる。2005年度のグッドデザイン賞を受賞し[1]、2006年には鉄道友の会 ローレル賞を受賞した。
ドイツの工業デザイナー、アレクサンダー・ノイマイスター(現:N+P Industrial Design GmbH)によりデザインされた。車体はアルミニウム合金製で、片側3箇所に両開き扉が設置されている。扉の間に大型の固定窓が1枚配されている。
車体塗装は地色が白色で、上半の窓周りは油山の稜線とラインカラーを表す緑色に塗装され、前頭部には黄緑色のラインが入っている。また室見川の流れを表す水色の縞模様のラインが車体下部全体にわたって配されている。
鉄輪式リニアモーターを採用し、車両の小断面化を実現している。車両の長さは16,500mm(先頭車16,750mm)、幅2,490mm、高さ3,145mmで、1000系・2000系に比べて長さと高さは75%程、幅は90%程に抑えられている。
地下鉄用車両であるため、先頭部右側には非常用扉が設置されている。
全車電動車の4両編成で、中央に2両(電動車1ユニット)を増結して6両編成にできる。ATOを装備し、全自動運転・無人運転が可能である。ただし、今のところ営業運転においては先頭部に運転士が乗車し、自動運転を監視する運行形態としており、完全な無人運転は行われていない。
制御装置は全電気ブレーキ付IGBT素子によるVVVFインバータ制御、また外部の行先表示器はLED式で、上り方先頭車を除く各車両の上り方車両端部窓上部に配置されている。
小断面による空間の狭さを感じさせないように配慮されたデザインとしている。
座席はすべてロングシートで、座布団と背もたれが1人分ずつ分割されている。通常のロングシートよりも背もたれは高めであり、それに合わせて窓の位置も高い。座席モケットの色はエメラルドグリーンである。液晶ディスプレイ式の車内案内装置・ドア開閉チャイム・車椅子スペースを設置している。網棚および中吊り広告を廃止(広告は液晶画面で代用)したうえ、貫通路は広幅貫通路とし、貫通扉は全面ガラス張りで、車内を奥まで見通せることで、できるだけ空間を広く見せるように工夫されている。
室内空間を広く見せるため、運転室は独立しておらず、胸の高さ程度の仕切り壁とバーにより客室と仕切るようになっている。また七隈線はワンマン運転であり、最後部車となるときには原則として使用しない運転席を二人がけの通常の座席とし、乗客が自由に利用することが可能な構造となっている。このときは乗客が勝手に運転台機器を扱うことができないよう、運転台機器は収納される。運転装置としてはATOでの自動運転装置のほかに、手動制御のための左手ワンハンドルマスコンがある。また、鉄道車両では通常運転台は進行方向に向かって左側に設置されるが、七隈線は全駅が島式ホーム[注釈 1]であるため、運転台は進行方向に向かって右側に設置されている[注釈 2]。
下り側から3100形 - 3200形 - 3500形 - 3600形の4両固定編成である。将来の6両化に備えて、3300形と3400形は欠番となっている。編成ごとに下2桁の数字は揃えられている。2007年(平成19年)現在、日立製作所笠戸事業所で製造された4両編成17本(68両)が橋本車両基地に配属されている。
3000系のマイナーチェンジ仕様車で、七隈線の天神南駅 - 博多駅間延伸のため[2]4編成が導入された[3]。このうち2編成は2021年9月下旬から10月にかけて搬入され、2022年2月9日に運用開始し[4]、残りの2編成は2022年12月までに運用を開始した[3]。Aは『Advance』(アドヴァンス、「進歩」の意の形容詞)の頭文字[4]。また、2027年度までに4編成を増備する予定[5][6]。
車体の形状や黄緑色のラインは3000系と同一であるが、緑色だった太帯はスカイブルーに変更されている。これは福岡市地下鉄の3路線ネットワーク化により、「空の玄関口」である福岡空港へと繋がるイメージと、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック収束後のまちの発展を支える地下鉄を象徴し、「希望の未来を示す、広く澄んだ青空」のイメージが意味されている[2]。
博多駅への延伸を想起できるインテリアとして、博多織の五色献上色「紫」「青」「赤」「黄」「紺」をイメージした配色や、「櫛田の銀杏」で有名なイチョウの木をイメージしたより明るい木目柄が採用されている[2]。
また、乗降しやすさや「3密」の緩和を促進する為、両先頭車のみ座席を7人掛けから5人掛けに変更し、ドア付近のスペースを拡大。加えて、感染症対策として吊革・手すり・座席に抗菌・抗ウイルス素材を使用している[2]。
ユニバーサルデザインへの対応として、両先頭車以外の優先席の一部に立ち座りしやすいシートが導入されている。これは座面が通常座席より60mm高く、座面間に仕切りとなる肘掛けを設けて、立ち座り動作の負担を軽減する工夫がなされている。また、聴覚障害者などがドア開閉のタイミングを確認できるランプが新設されたほか、車内の案内表示器が液晶式に変更され、視認性が向上した[2]。
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