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名古屋鉄道の鉄道路線 ウィキペディアから
名古屋本線(なごやほんせん)は、愛知県豊橋市の豊橋駅から岐阜県岐阜市の名鉄岐阜駅までを結ぶ名古屋鉄道(名鉄)の鉄道路線。
名古屋本線 | |||
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神宮前 - 金山間の複々線区間 | |||
概要 | |||
系統 | ■岐阜方面 / ■名古屋方面 / ■豊橋方面 | ||
起終点 |
起点:豊橋駅 終点:名鉄岐阜駅 | ||
駅数 | 60駅 | ||
路線記号 | NH | ||
ウェブサイト | 名古屋鉄道 名古屋本線 | ||
運営 | |||
西部線開業 | 1914年1月23日 | ||
東部線開業 | 1917年3月7日 | ||
東西連絡線開業 | 1944年9月1日 | ||
最終延伸 | 1948年4月18日 | ||
所有者 |
名古屋電気鉄道+ 美濃電気軌道(美濃電)+ 愛知電気鉄道(愛電) ↓ (旧)名古屋鉄道+尾西鉄道+美濃電+愛電 ↓ 名岐鉄道+愛電 ↓ 名古屋鉄道 | ||
路線諸元 | |||
路線総延長 | 99.8 km (62.0 mi) | ||
軌間 | 1,067 mm (3 ft 6 in) | ||
電化 |
直流1,500 V, 架空電車線方式 | ||
運行速度 | 最高120km/h[1] | ||
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名古屋本線は豊橋市 - 名古屋市 - 岐阜市の各都市を結んでいる名鉄の基幹路線であり、唯一「本線」を名乗り、通称「名鉄本線」と称される。全区間で東海旅客鉄道(JR東海)の東海道線と競合しており、特に名古屋(名鉄神宮前駅・JR熱田駅)以北は全て並行している。豊橋駅 - 神宮前駅間では国道1号、神宮前駅 - 名鉄岐阜駅間では国道22号にそれぞれほぼ並行している。
営業距離の99.8kmは、JR・三セクを除く日本の私鉄の路線では東武伊勢崎線、近鉄大阪線に次ぐ第3位、全線が複線以上の路線としてはJR・三セクを除く日本の私鉄では近鉄大阪線に次ぐ第2位の長さである。
名古屋本線は名鉄最大のターミナル駅である名鉄名古屋駅を通る。同駅は私鉄では珍しい通過型ターミナル駅であり[2]、当路線を介して犬山線や常滑線・空港線(中部国際空港方面)など多方面の名鉄の列車が直通運転を行なっている[3]。
運賃計算区分はA(運賃計算は営業キロをそのまま用いる)。すべての駅でmanacaなどの交通系ICカード全国相互利用サービス対応カードが使用できる。
線内運転列車のほか、国府駅で豊川線、新安城駅で西尾線、神宮前駅で常滑線(空港線中部国際空港駅・河和線河和駅・知多新線内海駅方面にも直通あり。線路は金山駅で合流・分岐)、庄内川鉄橋の北側の枇杷島分岐点で犬山線(広見線新可児駅方面にも直通あり)、須ヶ口駅で津島線(尾西線佐屋駅方面にも直通あり[注釈 1])が分岐・合流しており、多くの列車が直通する。これらの列車のほとんどが名鉄名古屋駅・金山駅方面に向けて運転され、枇杷島分岐点(庄内川鉄橋) - 神宮前駅間では、早朝・深夜を除き平均2 - 3分間隔(日中でも1時間に26本)の高頻度で列車が走る状態となっている。このため事故や災害による運行の乱れが複数の路線(名鉄名古屋駅に乗り入れることのない三河線・小牧線などを除く)に及ぶことが多い[注釈 2]。またミュースカイ・特急・快速特急を除いた多くの列車が途中駅で種別変更を行っている。
日中の運行パターンは以下のとおりである。各節において運行本数は特記なければ1時間当たりのもの。
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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豊橋駅 - 名鉄岐阜駅間では、下りは一部特別車の特急が、上りは一部特別車の快速特急が、それぞれ2本ずつ運行されている。そのほかに区間列車として、須ヶ口止まり(平日に豊橋発が2本と吉良吉田発が1本運転)、上りは国府止まり(深夜に名古屋発。休日は岐阜発の1本のみ)や伊奈止まり(平日深夜に1本のみで美合駅にも停車)や東岡崎止まりがある。
基本停車駅での全区間標準所要時分は、名鉄名古屋駅を1分停車として、快速特急が79分(名岐間29分・名豊間49分)、特急が82分(名岐間29分・名豊間52分)である。
快速特急・特急とも、朝や深夜は豊橋駅口で急行を補完するため、標準停車駅のほかに伊奈駅や国府駅に停車する場合がある。
平日朝の岐阜発特急豊橋行きの2本は、鳴海駅にも停車する。2011年3月26日のダイヤ改正で平日のみ豊橋駅8時32分発岐阜行き特急は、改正以前は本線特急は通過だが、津島・佐屋方面特急の停車駅である須ヶ口駅にも停車する。2011年3月26日のダイヤ改正では名鉄名古屋駅23時57分発東岡崎行き全車一般車特急が設定されている。最終の岐阜発快速特急豊橋行き(2021年5月22日のダイヤ改正で特急国府行きから変更)と平日朝の豊橋駅6時51分発快速特急岐阜行きは、新安城駅にも停車する。
2023年3月18日のダイヤ改正では急行が基本的に名鉄一宮駅での折り返しに短縮されたため、日中に名古屋本線を通しで走る列車はこの節に記した快速特急および特急の毎時2本のみとなった。
犬山線へ直通する特急として、豊橋駅 - 新鵜沼駅間に下りは一部特別車の快速特急で、上りは一部特別車の特急で、それぞれ2本ずつ運行している。この運行系統は1996年より豊橋方面から名古屋空港へのアクセスを目的として平日の朝に1本だけ走っており(このために名古屋空港行きバスへの乗り換え駅である西春駅にも特別停車していた)、豊橋方面から犬山線へ唯一直通する一部特別車特急として知られていた。2005年1月の改正で一旦廃止となったが、2007年6月の改正で時刻を多少変更して復活し、2008年12月の改正で大幅に増加している。平日朝には犬山止まりが1本のみ設定されている。使用車両は上記豊橋 - 岐阜の系統と同じ。
中部国際空港への連絡特急として、中部国際空港駅 - 名鉄岐阜駅間に全車特別車のミュースカイを1本(日中以外)、一部特別車の特急を2本運行している。2008年12月のダイヤ改正以前は昼間にも豊橋駅発着の列車が1時間あたり1本運行されていたが、中部国際空港方面より名古屋方面への利用者が圧倒的に多く、乗り換えの不便が目立ったためこれを廃止し、代わりに名鉄岐阜駅発着の列車を増発した(夕方以降にも設定)。中部国際空港駅 - 名鉄岐阜駅間の列車と豊橋駅 - 新鵜沼駅間の列車は、金山駅または神宮前駅で、ともに同じホームにて乗り換えが可能。ただし名古屋本線内のみを通しで乗車する場合以外は、以前のような短時間での接続は考慮されなくなった。総合すれば名古屋本線の一般車(自由席)を連結した快速特急・特急は15分間隔で運行されている。
2011年3月26日のダイヤ改正より、従来運行されていた豊橋発中部国際空港行き一部特別車特急(2005年1月の改正で設定。駅配線の都合上金山駅で折り返していた)と名鉄名古屋駅 - 名鉄岐阜駅間の昼間のミュースカイが廃止され、この時間帯のミュースカイは中部国際空港駅 - 名鉄名古屋駅間の折り返し運転となった。また、深夜には常滑・空港線の上り名古屋方面と名古屋本線の下り一宮方面への最終列車を兼ねた中部国際空港発岐阜行きの全車一般車特急が設定されている。
現在、名岐線 - 常滑線の一部特別車特急は2200系で運転されている。廃車以前の1700系も充当されていた。なお、豊橋発着の列車は登場時が1200系、廃止時点では2200系で運転されていた。
西尾線系統として、吉良吉田駅から須ヶ口駅までの全車一般車の特急を平日朝1本のみ運行している。かつてこの系統は全車特別車で佐屋駅または吉良吉田駅まで運行されており、1600系や1000系4両編成(以上は2008年まで)や8800系(2005年まで)や7000系(1999年まで)で運転されていた。2008年6月29日のダイヤ改正で、朝の西尾発名古屋行きと夜間の名古屋発西尾行きの各1本が一部特別車化されたほかはすべて、快速急行(現在は急行)に格下げされた(後述)。2023年3月18日のダイヤ改正で、一部特別車の特急が廃止され、全車一般車特急での運用になり、始発駅も西尾駅から吉良吉田駅へ延長された。
平日の朝には、豊川稲荷発岐阜行き快速特急・特急(2200系6両、各1本のみ。本宿駅と美合駅に特別停車)や、河和発岐阜行き(平日は1200系8両、休日は2200系6両)などの列車もある。いずれも一部特別車で運転される。
金山駅 - 東岡崎駅では昼間でも混雑が激しいことがある。これは知立駅以東での最先着列車であることと知立駅での利用客が多いこと(実際三河線からの乗り継ぎ客も相当多い)が大きく影響している。名岐間では快速特急・特急は全列車とも快速急行停車駅の新木曽川駅と笠松駅にも停車し(朝の特別通過は2023年3月の改正で廃止された)、所要時間が29分 - 31分となっている。唯一両駅通過となるミュースカイも、名岐間は遅延余裕を加味し27 - 28分かけて走る。
以上をまとめると、昼間時間帯に名古屋本線内でミュースカイ・快速特急・特急は以下の本数が運行されている(2023年3月18日改正時。ミュースカイのみ全車特別車で他は一部特別車。この記事に記載していない犬山線・常滑線直通列車を含む)。
2008年12月27日のダイヤ改正より、名古屋本線神宮前駅以東で快速急行は設定されなくなった。
豊橋駅 - 名鉄一宮駅間、時間帯によってはこれに加えて豊川稲荷駅 - 名鉄一宮駅間の急行が交互に設定され、合わせて毎時2 - 4本運行される。平日夕方以降の豊川稲荷駅発着列車は、大里駅に特別停車、東岡崎駅 - 豊川稲荷駅間は準急に種別変更され、藤川駅と男川駅にも停車する。平日の朝には、犬山線や津島・尾西線を発着する列車も運転される。また、朝ラッシュ時や夜間には国府行き・伊奈行きも設定されている。
1994年から2000年3月には平日、休日ともに、夕方に豊橋駅 - 新可児駅・御嵩駅間および常滑駅 - 新岐阜駅(現在の名鉄岐阜駅)間の急行が設定されていた。2003年までは朝と夕方以降に、矢作橋駅に特別停車していた。2008年12月のダイヤ改正以降、前後駅(1988年より急行の特別停車を開始。2003年に急行停車駅に昇格)・栄生駅(2005年に急行停車駅に昇格)・大里駅への特別停車はほぼ行われなくなったが、2011年3月ダイヤ改正では、後述の準急削減により、平日の日中に豊川稲荷発着系統で、二ツ杁と有松の両駅で準急削減を補う特別停車が実施された。
2021年5月ダイヤ改正より、平日日中の豊川稲荷発着系統の運行がなくなった。また土休日は後述の準急がほとんど運行されなくなったため、2011年3月ダイヤの平日日中に行われていた二ツ杁と有松の両駅への特別停車が土休日に変更となった。また、東岡崎駅以東での準急への種別変更と大里駅への特別停車は平日夕方以降を除いてほぼ消滅した。
2021年10月ダイヤ改正より、日中は豊川線の本数が普通のみ毎時2本に減便となるため土休日日中の一部急行が豊川線へは入らなくなり国府駅折り返しとなっている。
2023年3月ダイヤ改正より、土休日日中の豊川稲荷駅・国府駅 - 名鉄一宮駅間の急行は豊明駅 - 須ヶ口駅(下り列車は津島線に直通)間に運行区間の短縮および種別格下げが行われた。豊橋駅発着の急行も基本的に名鉄一宮駅での折り返しに短縮され、日中以降基本的に急行は名鉄岐阜駅には行かなくなった。
日中の豊橋駅・豊川稲荷駅・国府駅 - 名鉄岐阜駅・名鉄一宮駅間の急行はそれぞれ以下の駅で優等列車に接続または通過待ちを行う(括弧内は追い越される優等種別の順番)。
朝ラッシュなどは特急停車駅間の知立駅 - 神宮前駅で全く抜かれないこともある。急行の運転時分は、待避時間を除くと豊橋駅 - 名鉄名古屋駅間が60分 - 64分、名鉄名古屋駅 - 名鉄岐阜駅間は最速31分だが、大半は余裕時分が加わり35分前後かかるため、名岐間の表定速度はさほど高くない(このためJR東海道本線の普通列車より遅い。1990年代の最短記録でも現在の特急とほぼ同じ29分)。名鉄名古屋駅以東では必ず快速特急・特急待避を行うため、前後駅以東では夕ラッシュでも混雑することは少ない。
6両編成での運行が多かったが、近年は平日、休日とも4両での運転が増えている。また、朝と深夜には8両編成での運転もある。さらに、待避駅で増結または切り離しを行う列車もある。豊橋駅発着の列車は特急の間合い運用を除いて120km/h運転可能な3100・3150・3300・3500・3700・9100・9500系が充当される[注釈 3]。豊川稲荷(国府)発着はこれら7系列に加え6000・6500・6800系(豊川線・尾西線ワンマン車両を含む)での運転もあるほか、2024年3月改正からは5000系での運用も設定されている。朝は特急への送り込み、深夜は特急からの折り返しのため、1200系や2200系での運転も行われている(この場合、特別車は朝の豊橋駅 - 名鉄岐阜駅間の1往復を除いて締め切り)。かつて主流であった2扉SR車(最晩年は少数派である5700系・5300系のみ)による本線急行は、2010年時点では早朝の国府発岐阜行き、深夜の岐阜発伊奈行きなど数本程度残っていたが、2011年3月ダイヤ改正でほとんど消滅し、本線上で見られる急行運用は早朝の名鉄一宮発中部国際空港行き快速急行、深夜に名鉄岐阜発着のごく一部の列車と、後述する西尾線 - 津島線系統一部列車の本線走行区間のみとなった(その後、SR車は2019年に引退した)。
快速急行は朝の数本(神宮前行きと常滑・空港線に直通する一部の列車を除いて名鉄名古屋駅で急行などに種別変更する)のみ走っている。また準急は国府や豊川稲荷発着のほかは、平日朝の伊奈行き1本のみで、他は東岡崎駅 - 豊橋駅間は急行に種別変更して運行している。現在は豊橋駅を発着する快速急行や準急は設定されていない。なお、豊橋駅を23時台に発車する2本の急行(名古屋行き(東岡崎駅から準急)と鳴海行き)は、ともに同駅停車の東海道新幹線下り「ひかり」の接続を取る時刻設定である。2本とも特急の折り返しで、名古屋行きが1200系、鳴海行きが2200系などの共に8両編成(特別車締め切り)を使用する。
吉良吉田駅 - 佐屋駅または弥富駅間に2本運行している。平日夕方以降における列車種別は、下りでは吉良吉田駅 → (急行) → 神宮前駅 → (準急) → 須ヶ口駅 → (普通) → 佐屋駅、上りでは佐屋駅 → (吉良吉田行きのみ準急) → 須ヶ口駅 → (準急) → 名鉄名古屋駅 → (急行) → 吉良吉田駅となる。須ヶ口駅 - 名鉄岐阜駅間は日中準急の設定がない。原則として上下とも豊明駅に特別停車する。夜の上り2本は西尾駅止まりとなる。また、土休日の夜には豊明駅止まりが1本存在する。さらに、津島・尾西線に乗り入れず、須ヶ口駅始発となる列車が数本存在する。日中は後述の準急が種別変更せず、土休日夕方以降は運転されないため、本系統は神宮前駅以西は普通列車となり(上りは名鉄名古屋駅で種別変更)、弥富駅まで直通している(上りは佐屋駅始発)。
1998年までは蒲郡駅まで直通しており(末期は西尾駅 - 蒲郡駅間は普通列車)、現在はその名残で終点の吉良吉田駅で蒲郡線方面発着の普通ワンマン列車に接続する。また、2003年3月ダイヤ改正で前後駅が標準停車駅に加わる(1990年代初期に前後駅に特別停車していたこともある)。これ以前のダイヤでは夜間の西尾行きの一部は有松駅にも特別停車していた(佐屋行きは通過)。呼続駅・桜駅・本笠寺駅・本星崎駅・左京山駅・有松駅・中京競馬場前駅の利用者を考慮して、昔から上下線とも鳴海駅で普通に接続し(上りは2003年3月改正時にも一部が前後駅で別の普通へ接続していた)、さらに知立駅で岡崎・豊橋方面発の特急から乗り換えでき、知立駅で岡崎・豊橋方面行きの特急へ乗り換えることができる。現在のダイヤでは豊明駅でも普通に接続する。
原則として3000系列・6000系列・5000系によって運転されている。3000系列は2008年6月29日より入線し、12月27日よりごくわずかだが1380系や5000系も入線している。新安城駅2番線・米津駅・桜町前駅・福地駅・上横須賀駅・吉良吉田駅のホーム有効長の関係から全列車4両編成となっており、上下線とも基本的に新安城駅から須ヶ口駅まで特急・快速特急を待避しない(ただし平日の昼間と土休日は上下とも須ヶ口駅で本線急行に接続し、二ツ杁駅で快速特急(上り)または空港特急(下り)を待避する。また平日夕方は須ヶ口駅で快速特急とミュースカイの通過を待って発車)ので、豊明駅 - 名鉄名古屋駅間では混雑することが多い。またこの系統は余裕時分が全体的に少なめであり遅れも発生しやすい。
1992年までは西尾線内は普通列車で、1999年までは下りの一部は堀田駅で特急(現在の快速特急に当たる系統で、当時は知立駅も通過していた)を待避していたり金山行きや須ヶ口行き、津島行きなどになっていたこともあった。2005年1月から2008年12月までは快速急行として運転されていた。2008年6月から2019年3月までは、朝夕の列車が西尾線内で準急に種別変更していたこともあったが、南桜井駅が急行停車駅に昇格し、西尾線の準急が廃止された後は行われていない。2008年6月のダイヤ改正以前に多数存在した西尾行きも夜間に2本存在する。2005年までこの系統は6000・6500系または5300・5700系で運転されていた。平日の朝には、名鉄一宮発普通吉良吉田行き(名鉄一宮駅 - 名鉄名古屋駅間は快速急行、鳴海駅 - 吉良吉田駅間は急行。大里駅、豊明駅、北安城駅にも停車)[注釈 4]。と新鵜沼・新可児発急行吉良吉田行き(広見線内と新安城駅から普通)[注釈 5]が各1本(列車種別は名鉄名古屋駅発車時点)運行されている。
2021年5月ダイヤ改正より、土休日は後述の準急がほとんど運転されなくなり、平日夕方以降を除いて2011年3月ダイヤの平日日中とほぼ同様の運行形態となる。ただし、土休日は下りが弥富駅行き、上りが佐屋駅始発と上下で発着駅が異なっていたが、2023年3月ダイヤ改正より平日日中の上りも佐屋駅始発に変更され、日中は平日・土休日とも概ね同様の運行形態となった。
土休日夕方以外の時間帯に豊明駅 - (準急) - 神宮前・名鉄名古屋・須ヶ口駅 - (普通) - 佐屋駅・弥富駅間(ただし、日中の上り列車は津島・尾西線に直通しない)に2本運行しており、東岡崎駅 - 豊明駅間は、朝ラッシュと深夜を除いて準急の設定はない。
かつてこの系統は三河線の猿投・碧南方面の直通列車であった(運転区間は主に碧南駅 - 弥富駅間。三河線内は普通に種別変更し各駅に停車)。三河線に直通していたころは、三河線内の刈谷駅 - 名鉄名古屋駅間で競合するJR東海道本線への対抗策として、特急増結用の1800系や7700系などのSR車による運行が主体で、碧南駅 - 名鉄名古屋駅間で先着するダイヤが組まれていた時期もある。
この系統は昔から二ツ杁駅・栄生駅・有松駅に特別停車しており、2003年より標準停車駅に前後駅、特別停車駅に中京競馬場前駅が追加され、2005年1月のダイヤ改正時より準急と改称されて現在の停車駅となっている。2005年1月ダイヤ改正以前は名古屋方面から前後駅や豊明駅などへの利用者を考慮して、鳴海駅で普通東岡崎行きに接続していた。一時期鳴海駅で普通へは接続しなくなり、その代わりに前後駅で普通東岡崎行きに接続している(終点の豊明駅では同一ホームでの乗り換えができないため)。下りは起点の豊明駅で普通を待たせてから発車するほかはほとんど普通へは接続しない。
西枇杷島駅や五ノ三駅のホーム有効長の関係から主に3500系・5000系・6000系などの4両で運転される。また、平日深夜には2200系での運用が存在する(須ヶ口発豊明行き、前2両特別車は締切)。下りは二ツ杁駅で特急を待避する(2008年12月ダイヤ改正から2019年3月ダイヤ改正までは一部の列車が二ツ杁駅ではなく西枇杷島駅で待避していた)が、上りは終点の豊明駅まで待避しない(ただし須ヶ口駅で急行の発車と特急の通過を待った後発車)ため、この列車も前後駅 - 名古屋駅間で混雑することが多い。2005年1月ダイヤ改正から2006年4月ダイヤ改正のころは上りはほとんど知立行きで知立駅到着後前後駅まで回送されていた。そのため、このころは豊明駅から準急は上りしか利用できず、下りは1時間あたり4本の普通しか利用できなかった。2006年4月ダイヤ改正から2008年12月ダイヤ改正のころは東岡崎駅まで直通しており(さらに列車番号を変えて伊奈駅まで)、前後駅以東は普通列車になっていた。2003年ダイヤ改正以前は知立駅で特急が発車した後に発車しており、一宮方面と分かれる須ヶ口駅まで待避しなかった。昼間を中心に一部の列車が鳴海駅で折り返していた時期もある。
2011年3月ダイヤ改正からは、平日日中の準急運行が削減された。この時間帯は代わりに前述の豊川稲荷発着の急行が有松駅と二ツ杁駅に特別停車し、西尾線直通の急行が神宮前駅(上りは名鉄名古屋駅)以西で普通に種別変更している。
2021年5月ダイヤ改正からは、土休日の運行がほとんど消滅し(2011年3月ダイヤ改正の平日日中と同様になる)、本系統はほとんど平日夕方以降のみの運行となっていた。
2023年3月ダイヤ改正からは、平日日中の名古屋近郊の速達輸送と土休日日中に設定されていた国府駅 - 名鉄一宮駅間の急行の区間短縮・種別格下げにより、日中に準急が豊明駅 - 須ヶ口駅(下りは須ヶ口駅から普通に変更し津島線へ直通。上りは名鉄岐阜駅または弥富駅から来た須ヶ口止まりの普通が種別と行先を変更して運行を継続。列車によって普通列車の発駅は異なる)間に毎時2本設定された。当該準急は途中で種別を変更しない。急行のダイヤを概ね踏襲するために上下線とも鳴海駅で普通と緩急接続し、下りは堀田駅、上りは二ツ杁駅でそれぞれ特急を通過待ちしている。起点の豊明駅では普通が到着する直前に発車し、須ヶ口駅まで逃げ切るため普通から乗り換えることはできない。
早朝(ただし土休日の岐阜行きはない)に新羽島駅 - (普通) - 笠松駅 - (急行) - 名鉄岐阜駅間に2本運行している。2001年までは竹鼻線でも急行運転する列車も存在していた。2両または4両で運転。1800系も特急の間合い運用として使用される。本線・豊川線急行と同じく笠松駅 - 名鉄岐阜駅間は全列車途中無停車で、岐南駅・茶所駅・加納駅には1本も特別停車しない。早朝や深夜には急行のほか、名鉄岐阜駅から竹鼻線に直通する普通列車も数本運転される。
2021年5月ダイヤ改正より竹鼻線の列車はごく少数を除いて笠松駅で折り返しとなって、名古屋本線へは直通しなくなり、本系統も改正により消滅した。
以上をまとめると、昼間時間帯に名古屋本線内で急行、準急は以下の本数が運行されている(2023年3月18日改正時。この記事に記載されていない犬山線、常滑線直通列車を含む)。
全列車各駅に停車し、豊橋駅には乗り入れない。2両・4両が多いが、朝ラッシュ時などには6両や8両(後者は平日上り1本のみ)での運転も見られる。6両以上の場合、ホームが4両分しかない駅ではドアカットが行われる。豊橋駅を発着する列車は線路容量の関係で快速特急・特急・急行のみとなっており、普通列車は伊奈駅までの運行となる。(準急も同じく)待避可能な駅の多くで優等列車と接続または追い越されるため、主要駅間を普通のみで乗り通すとかなり時間がかかる(特急停車駅間の知立駅 - 神宮前駅間を例にすると、快速特急・特急15分程度、急行20分程度に対し普通45 - 50分程度。朝ラッシュ時などは追い越されないこともある)。
伊奈駅 - 東岡崎駅間は毎時2本の運行。ほとんどの列車が東岡崎駅到着後、行き先を犬山線の岩倉駅に変更して名古屋方面へ運行を継続する。平日朝の豊橋方面では、1本のみ豊川線への直通列車がある。また、平日8時台と最終列車は国府駅止まり(土休日の最終は伊奈行き)である。朝ラッシュ時は夜間滞泊駅の伊奈駅から名古屋方面への送り込みを兼ねて3 - 4本運行されるが、この区間の普通列車のみ停車する駅の利用者は名鉄全体で比較してもかなり少なく、ホームも4両対応であるため基本的に2両または4両で運転される。
伊奈駅 - 東岡崎駅間では日中はそれぞれ以下の駅で優等列車に接続または通過待ちを行う(括弧内は追い越される優等種別の順番)。
東岡崎駅では同駅で終点となった普通列車(日中は犬山発、夕方以降は岩倉発)が折り返さずにそのまま列車番号と行き先を変更して同駅発の列車となり、日中は特急、夕方以降は快速特急から接続を受けた後に発車する。
豊橋駅を発着する列車の設定がないために伊奈駅で豊橋発着の急行に接続している。
2021年5月22日改正後は平日日中の上り列車の待避駅が美合駅から本宿駅に変更となっている(2023年3月18日改正後は土休日日中も)。
日中は東岡崎駅 - 岩倉駅間、東岡崎駅 - 犬山駅間の列車が交互に設定され、東岡崎駅 - 神宮前駅間は毎時4本の運行となる。このほか名古屋方向では朝ラッシュ時と夜間には名鉄岐阜(名古屋本線経由)・新鵜沼・佐屋・弥富・金山・須ヶ口行きが少数設定され、豊橋方向では朝7・8時台と夜間に豊明行き、夜間には新安城行きが設定されている。また、平日朝にごく一部、鳴海駅 - 神宮前駅・名鉄名古屋駅間のみ急行に種別変更する列車もある。東岡崎駅では岩倉発着の列車はそのまま名古屋方面へは折り返さず、列車番号と行き先を変えて伊奈駅まで延長運転される(昼間は犬山発)。大半が4両で運行されるが、一部2両、6両の運用がある(一部列車は新安城駅、豊明駅、鳴海駅などで増解結をすることがある)。特急連結用車両である1800系の運用も豊明駅以西で存在している。
東岡崎駅 - 豊明駅間の日中の普通列車は2003年ダイヤ改正以前は基本岩倉発着の毎時2本のみの運行であり、犬山発着の列車は豊明駅発着であった(時間帯により発着駅に変更あり)。2023年3月18日改正後は夜間に豊明行きが増えている。
東岡崎駅 - 神宮前駅間では日中はそれぞれ以下の駅で優等列車に接続または通過待ちを行う(括弧内は追い越される優等種別の順番)。豊川急行は昼間は運行されず、代わりに準急が運行される。
上記のほかに矢作橋駅では名古屋方面のみ待避が可能で、平日朝のごく一部の列車が実施している。急行停車駅の堀田駅では通過待避しかできないため普通列車はほとんど待避しない。
神宮前駅 - 金山駅間は常滑線へ直通する列車(金山駅 - 内海駅・河和駅・知多半田駅・常滑駅・中部国際空港駅)も日中毎時4本運行されているため、下り10本、上り8本になっている。2005年1月のダイヤ改正までの常滑線直通列車の運行系統は上りは岐阜方面から知多半田方面への運転で、下りは常滑方面から津島線(主に佐屋行き)方面だった。構造上、金山駅でも待避が可能であるが、本数が非常に多く、常滑線直通列車は金山駅が起終点であるため名古屋本線豊橋方面を発着する普通列車はごく一部を除いて金山駅では待避しない。
枇杷島分岐点 - 須ヶ口駅間は名古屋市近郊にもかかわらず普通列車の本数が日中毎時2本と少ない。これはこの区間の駅間距離が短く、普通のみの停車駅(西枇杷島駅・新川橋駅)よりも隣接する優等列車停車駅(二ツ杁駅・須ヶ口駅)や、名鉄名古屋方面への有効本数が多い東枇杷島駅に利用客が流れていることによるものであり、また運行形態からこのような現象が起きているととらえることもできる。この区間は前述の豊明駅 - 佐屋駅間の準急(平日日中と土休日は吉良吉田駅 - 弥富駅間の急行)が、下りは神宮前駅以西、上りは名鉄名古屋駅以西でそれぞれ普通列車に種別変更して走っているのみであり、日中に豊橋方面から普通のまま直通する列車や岐阜方面または常滑線から直通する列車は設定されていない。また種別変更する駅の関係上、山王駅では上下線で停車する本数が下り6本、上り4本と異なる。
2021年5月22日のダイヤ改正より平日日中に豊川急行が削減されたため、補完のために常滑線からの普通列車が金山駅から須ヶ口駅・津島線方面へ毎時2本区間延長されており(下りは知多半田発佐屋行き、上りは須ヶ口発河和・内海行き)、山王駅・東枇杷島駅・西枇杷島駅・新川橋駅における普通列車の停車本数が増加している。上りに関しては名鉄岐阜駅から来た須ヶ口止まりの列車が終点到着後に列車番号と行き先を変えて運行を継続しているもので、急行を補完するため津島線列車からの接続を受けて発車し、常滑線大江駅まで先着(但し二ツ杁駅で特急を通過待ちする)するダイヤが組まれている。
2023年3月18日の改正で平日日中に前述の準急が設定されたために金山駅 - 須ヶ口駅での普通列車の区間延長はなくなり、当該時間帯の常滑線からの普通列車は金山駅折り返しに戻された。
神宮前駅 - 須ヶ口駅間では日中はそれぞれ以下の駅で優等列車に接続または通過待ちを行う(括弧内は追い越される優等種別の順番)。
平日14時台まで、土休日(金山発の常滑線直通列車は除く)
平日15時台から
この区間では須ヶ口発着列車が名鉄岐阜駅との間で毎時4本運行される。区間列車として須ヶ口駅 - 名鉄一宮駅間および名鉄一宮駅 - 名鉄岐阜駅間のみの列車が少数設定されている。また、平日早朝と夜間には竹鼻線・羽島線直通列車も運行される。名鉄一宮駅 - 名鉄岐阜駅間の普通停車駅に4両ホームの駅が存在する[注釈 6]ため、この区間は基本的に2両または4両で運転される。普通列車のみ停車する駅では利用者がそれほど多くないが、特急の間合い運行の1800系による2両または4両での運転が他の区間に比べてやや多くなっている。2200系が運転を開始した2005年以降は、3100・3150・9100系による2両単独運行も多い。2021年5月22日のダイヤ改正より、平日日中に限り2本目と4本目の上り列車は終点の須ヶ口駅で行き先を河和線の河和駅または知多新線の内海駅に変更して運行を継続している(前述の列車。2005年1月ダイヤ改正以前の運行形態に近い)。2023年3月のダイヤ改正で前述の通り須ヶ口駅から先へ運行を継続する場合の行き先は河和線方面から豊明駅に、種別も準急へと変更されている。このため以前より4両での運転が増えている。この区間の列車も2021年10月30日のダイヤ改正で21時台以降は一部削減されており、毎時2本程度の運行となっている。
須ヶ口駅 - 名鉄岐阜駅間では日中はそれぞれ以下の駅で優等列車に接続または通過待ちを行う(括弧内は追い越される優等種別の順番)。
1本目と3本目
2本目と4本目
このほかに一部の列車は岐南駅でも優等列車の通過待ちをしている(ただし日中は通過待ちがない)。
以上をまとめると、昼間時間帯に名古屋本線内では以下の本数の普通が運行されている。
歴史で後述するとおり、名古屋本線では成立時より東海道本線という競合線が存在し、優等列車主体の都市間連絡ダイヤを構成するため、伝統的に高速運転が行われてきた。
戦後では認可速度95km/hから始まり、1953年に100km/h、1959年には105km/h、1961年からは特急で110km/h運転が認可された。1990年以降は線形の良い一部区間で120km/h(増圧ブレーキ・ABS装備車両のみ)となり、軌間が1067mmである在来私鉄の路線としては高速の部類に入る。なお120km/h運転開始に当たっては、車両以外の面でも下記のような改良、準備が行われている。
優等列車(豊橋発着の急行を含む)の最高速度120km/h運転は、伊奈駅 - 名電長沢駅(上りは実質名電赤坂以東)、矢作橋駅 - 知立駅(実質は牛田以東)、新清洲駅 - 木曽川堤駅(妙興寺 - 名鉄一宮のみ実質115km/h)の各区間で、対応車種により実施されている。なお豊橋発着の急行については、ダイヤは7000系の走行性能を基準とする最高速度110km/hで組まれている[注釈 7]。一方で、すべての普通列車(駅間距離がおおむね2.5km以上で速度制限の緩い箇所のみ)と豊川線を含む支線直通の急行は、6000系に合わせて最高速度100km/hのダイヤとなっている。準急については、早朝・深夜の運行距離が長い列車は「豊橋発着の急行」に、その他大部分の区間列車は「支線直通急行」や普通に準じている。
100系、300系、4000系以外の各車両が2-8両の編成を組んで使われる。2000系は神宮前駅以東への定期運用がない。また、一時期5000系の豊橋駅への乗り入れが消滅していたが2023年3月改正で復活した。6000系列は豊橋駅への定期運用はない。一部特別車特急用の2200系と1200系は朝や深夜の間合い運用として急行・準急・普通に使用されることもあるが、平日朝の急行数本を除いて豊橋寄り2両(特別車)は締切扱い(ドアカット)となる。
この節の加筆が望まれています。 |
名古屋本線の特徴の一つは、運行面においてボトルネックとなっている区間がいくつか存在している点である。
その代表例として、下記に挙げる名鉄岐阜駅構内にある単線区間・枇杷島分岐点・名鉄名古屋駅・豊橋駅から平井信号場までの区間である。
豊橋駅 - 名鉄名古屋駅間は愛知電気鉄道により都市間をほぼ一直線に結ぶ高速鉄道として建設され、名鉄名古屋駅 - 名鉄岐阜駅間は名古屋鉄道が合併した会社の路線が繋がり成立した。
現在の枇杷島分岐点 - 丸ノ内駅間は名古屋電気鉄道、丸ノ内駅 - 国府宮駅間は名古屋鉄道(初代)、国府宮駅 - 名鉄一宮駅間は尾西鉄道、名鉄一宮駅 - 笠松駅間は名岐鉄道、笠松駅 - 名鉄岐阜駅間は美濃電気軌道により開業した。
最初の開通区間は枇杷島橋駅(現在の枇杷島分岐点) - 須ヶ口駅間で、1914年(大正3年)に開業した。名岐線で最後に開通したのは新一宮駅(現在の名鉄一宮駅) - 新笠松駅(現在の笠松駅)間で、1935年(昭和10年)のことである。それまでの名岐間の連絡は木曽川線(尾西線新一宮駅 - 玉ノ井方面の旧名称)の木曽川橋駅(廃止:玉ノ井駅の北にあった)と笠松線の笠松駅(3代目。現在の西笠松駅)の間を木曽川を介して行われていたが、名岐線全通により、当時の名古屋側のターミナルで今の名古屋駅の北東にあった一宮線押切町駅から新岐阜駅(現在の名鉄岐阜駅)まで直通の特急が運転された。
建設の経緯については「名古屋鉄道#名古屋電気鉄道」も参照。
豊橋側は常滑線を営業していた愛知電気鉄道により開業。神宮前駅を起点に有松線、岡崎線、豊橋線と名を変えながら豊橋へ向け1917年(大正6年)から1927年(昭和2年)にかけて順次延伸された。
沿線は東海道の宿場町として栄えていたが、官設鉄道の東海道線は豊橋駅を出ると、東海道から外れ、蒲郡駅を経由する海岸沿いのルートを取った[注釈 11]。このため、東海道線が開通すると、東海道沿いの宿場町は一気に廃れてしまい、鉄道の力を思い知らされることとなった。愛知電気鉄道が同線を開通するに当たり、地元は積極的に鉄道誘致に動いたため、土地買収などがうまくいき、並行して走る東海道線とは違い比較的直進するような路線になっている。
名岐鉄道と愛知電気鉄道が合併して名古屋鉄道が発足した後、新名古屋駅(現在の名鉄名古屋駅) - 枇杷島橋駅間が開業した。さらに神宮前駅 - 新名古屋駅間の東西連絡線が1944年(昭和19年)に開業し名岐線と豊橋線が結ばれるが、名岐線は600V電化、豊橋線は1500V電化であったため、直通運転ができず金山橋駅で乗り換えが必要だった。名岐線が1500Vに昇圧され豊橋駅 - 新岐阜駅間が名古屋本線となり、直通運転が始まったのは戦後の1948年(昭和23年)のことである。現在も社内では「東西直通線」と呼ばれている[注釈 13]。1990年(平成2年)、神宮前駅 - 金山駅間が複々線化された。ただし、この複々線は1駅間2.2kmのみで、神宮前駅では複々線間相互の転線も不可能になっており、列車の運用を見ても事実上常滑線を金山駅まで延伸したという性格の方が強いことが分かる。複々線化の用地は、金山総合駅と同様に以前から確保されていて[注釈 14]、複々線化前の2線を下り線とし東側に貼り付け増設した2線を上り線とする形で行われた。現在の下り内線(常滑線列車用)は複々線化前の上り線を転用したものである。
1972年(昭和47年)3月に都市交通審議会名古屋圏部会は神宮前駅 - 須ヶ口駅間の複々線化を答申したが、新名古屋駅付近の複々線化は困難な(東側に名古屋市営地下鉄東山線の名古屋駅が、西側に近鉄名古屋駅と国鉄(現在のJR東海)の名古屋駅があるので、現地下ホームの真下にもう一つ複線を敷設するしかない)ことと、名古屋本線金山以北の混雑緩和は犬山線と名古屋市営地下鉄鶴舞線の相互直通運転開始により目途がついたことから、金山駅 - 須ヶ口駅間の複々線化については運輸政策審議会における1992年(平成4年)1月10日答申第12号名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画についてには答申されず、事実上中止された[23]。
最も乗降人員が多い駅は名鉄名古屋駅であり、終日にわたって各路線に直通する列車が高頻度で発車する。下り方にある枇杷島分岐点は名古屋本線の上り列車が犬山線の下り列車と平面交差するため、ダイヤ上の大きなネックとなっている。
近年の輸送実績を下表に記す。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
年度 | 最混雑区間輸送実績[34][35][36][37] | 特記事項 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
上り:栄生 → 名鉄名古屋間 | 下り:神宮前 → 金山間 | ||||||||
運転本数:本 | 輸送力:人 | 輸送量:人 | 混雑率:% | 運転本数:本 | 輸送力:人 | 輸送量:人 | 混雑率:% | ||
1965年(昭和40年) | 24 | 13,208 | 31,467 | 238 | 17 | 9,975 | 20,143 | 202 | 下りの最混雑区間は呼続 → 堀田間 |
1975年(昭和50年) | 25 | 16,680 | 35,445 | 213 | 19 | 10,920 | 19,641 | 180 | |
1980年(昭和55年) | 25 | 18,696 | 36,606 | 196 | 19 | 12,008 | 18,903 | 157 | |
1985年(昭和60年) | 26 | 20,020 | 36,773 | 184 | 18 | 11,152 | 18,396 | 165 | |
1990年(平成 | 2年)26 | 21,922 | 36,970 | 169 | 19,228 | 31,075 | 162 | 下りの最混雑区間を神宮前 → 金山間に変更 | |
1995年(平成 | 7年)27 | 22,284 | 35,176 | 158 | 21,446 | 32,360 | 151 | ||
1999年(平成11年) | 28 | 23,068 | 32,724 | 142 | 35 | 23,876 | 32,105 | 134 | |
2000年(平成12年) | 28 | 22,990 | 32,509 | 141 | 36 | 24,214 | 32,280 | 133 | |
2001年(平成13年) | 28 | 23,082 | 32,106 | 139 | 36 | 24,426 | 32,046 | 131 | |
2002年(平成14年) | 28 | 23,082 | 31,735 | 137 | 36 | 24,426 | 31,717 | 130 | |
2003年(平成15年) | 28 | 23,072 | 31,247 | 135 | 34 | 23,684 | 31,952 | 135 | |
2004年(平成16年) | 28 | 22,718 | 31,190 | 137 | 22,538 | 31,193 | 138 | ||
2005年(平成17年) | 28 | 22,718 | 31,442 | 138 | 22,104 | 31,025 | 140 | ||
2006年(平成18年) | 28 | 22,718 | 31,157 | 137 | 22,178 | 30,927 | 139 | ||
2007年(平成19年) | 28 | 21,900 | 30,092 | 137 | 21,680 | 30,421 | 140 | ||
2008年(平成20年) | 28 | 21,664 | 29,752 | 137 | 22,342 | 30,508 | 137 | ||
2009年(平成21年) | 28 | 21,664 | 29,485 | 136 | 22,474 | 30,374 | 135 | ||
2010年(平成22年) | 28 | 21,664 | 29,506 | 136 | 22,474 | 30,597 | 136 | ||
2011年(平成23年) | 28 | 21,978 | 30,209 | 137 | 35 | 21,858 | 29,964 | 137 | |
2012年(平成24年) | 28 | 21,978 | 30,136 | 137 | 35 | 21,858 | 30,084 | 138 | |
2013年(平成25年) | 28 | 21,978 | 30,312 | 138 | 35 | 21,858 | 30,270 | 138 | |
2014年(平成26年) | 28 | 21,978 | 30,583 | 139 | 35 | 21,858 | 30,442 | 139 | |
2015年(平成27年) | 28 | 22,056 | 30,962 | 140 | 35 | 21,936 | 30,802 | 140 | |
2016年(平成28年) | 28 | 22,134 | 31,365 | 142 | 35 | 21,936 | 31,059 | 142 | |
2017年(平成29年) | 28 | 22,164 | 31,702 | 143 | 35 | 21,936 | 31,400 | 143 | |
2018年(平成30年) | 28 | 22,164 | 31,904 | 144 | 35 | 21,936 | 31,454 | 143 | |
2019年(令和元年) | 28 | 22,164 | 32,642 | 147 | 35 | 21,996 | 32,678 | 149 | |
2020年(令和2年) | 28 | 22,164 | 24,071 | 109 | 35 | 21,996 | 23,788 | 108 | |
2021年(令和3年) | 28 | 21,926 | 26,629 | 121 | 35 | 21,996 | 26,886 | 122 | |
2022年(令和4年) | 28 | 21,946 | 28,540 | 130 | 35 | 22,086 | 29,163 | 132 |
駅番号 | 駅名 | 駅間 キロ |
累計 キロ |
準急 | 急行 | 快速急行 | 特急 | 快速特急 | ミュースカイ | 接続路線・備考 | 待避 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NH01 | 豊橋駅 | - | 0.0 | ● | ● | ● | 東海旅客鉄道: 東海道新幹線・ 東海道本線〈浜松方面・名古屋方面〉(CA42)・ 飯田線 (CD00) 豊橋鉄道:■ 渥美線(新豊橋駅: 1)・■ 東田本線(駅前停留場: 1) |
| | 愛知県 | 豊橋市 | |||||
平井信号場 | - | (3.8) | | | | | | | JR飯田線との施設上の分岐点 | | | 豊川市 | |||||||
NH02 | 伊奈駅 | 5.0 | 5.0 | ● | ● | △ | △ | ◆ | |||||||
NH03 | 小田渕駅 | 1.6 | 6.6 | ↑ | | | | | | | | | |||||||
NH04 | 国府駅 | 3.0 | 9.6 | ● | ● | ● | △ | TK 豊川線(名鉄名古屋方面と直通あり) | ◆ | ||||||
NH05 | 御油駅 | 1.1 | 10.7 | | | | | | | | | | | |||||||
NH06 | 名電赤坂駅 | 1.8 | 12.5 | | | | | | | | | | | |||||||
NH07 | 名電長沢駅 | 2.5 | 15.0 | | | | | | | | | | | |||||||
NH08 | 本宿駅 | 3.7 | 18.7 | ● | ● | ▽ | ▽ | ◆ | 岡崎市 | ||||||
NH09 | 名電山中駅 | 1.7 | 20.4 | | | | | | | | | | | |||||||
舞木信号場 | - | (21.0) | | | | | | | | | | | ||||||||
NH10 | 藤川駅 | 2.7 | 23.1 | ● | | | | | | | | | |||||||
NH11 | 美合駅 | 2.5 | 25.6 | ● | ● | △ | ▽ | ◆ | |||||||
NH12 | 男川駅 | 2.0 | 27.6 | ● | ▽ | | | | | | | |||||||
NH13 | 東岡崎駅 | 2.2 | 29.8 | ● | ● | ● | ● | ◆ | |||||||
NH14 | 岡崎公園前駅 | 1.3 | 31.1 | | | | | | | | | 愛知環状鉄道:■ 愛知環状鉄道線(中岡崎駅: 03) | | | ||||||
NH15 | 矢作橋駅 | 1.4 | 32.5 | ● | △ | | | | | ▼ | |||||||
NH16 | 宇頭駅 | 2.3 | 34.8 | | | | | | | | | | | |||||||
NH17 | 新安城駅 | 3.5 | 38.3 | ● | ● | ● | △ | GN 西尾線(名鉄名古屋方面と直通あり) | ◆ | 安城市 | |||||
NH18 | 牛田駅 | 2.6 | 40.9 | | | | | | | | | | | 知立市 | ||||||
NH19 | 知立駅 | 2.2 | 43.1 | ● | ● | ● | ● | MU MY 三河線 | | | ||||||
NH20 | 一ツ木駅 | 1.5 | 44.6 | | | | | | | | | | | 刈谷市 | ||||||
NH21 | 富士松駅 | 2.0 | 46.6 | | | | | | | | | | | |||||||
NH22 | 豊明駅 | 1.5 | 48.1 | ● | △ | | | | | ◆ | 豊明市 | ||||||
NH23 | 前後駅 | 1.7 | 49.8 | ● | ● | | | | | ◆ | |||||||
NH24 | 中京競馬場前駅 | 1.6 | 51.4 | ● | △ | | | | | | | 名古屋市 | 緑区 | |||||
NH25 | 有松駅 | 1.3 | 52.7 | ● | △ | | | | | | | |||||||
NH26 | 左京山駅 | 1.1 | 53.8 | | | | | | | | | | | |||||||
NH27 | 鳴海駅 | 1.3 | 55.1 | ● | ● | △ | | | ◆ | |||||||
NH28 | 本星崎駅 | 1.6 | 56.7 | | | | | | | | | | | 南区 | ||||||
NH29 | 本笠寺駅 | 1.5 | 58.2 | | | | | 常滑線直通 | | | | | 常滑線直通 | ◆ | |||||
NH30 | 桜駅 | 0.7 | 58.9 | | | | | | | | | | | |||||||
NH31 | 呼続駅 | 1.0 | 59.9 | | | | | | | | | | | |||||||
NH32 | 堀田駅 | 1.2 | 61.1 | ● | ● | | | | | ◇ | 瑞穂区 | ||||||
NH33 | 神宮前駅 | 1.1 | 62.2 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | TA 常滑線(名鉄名古屋方面に全列車直通) | | | 熱田区 | |||
NH34 | 金山駅 | 2.2 | 64.4 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 東海旅客鉄道: 東海道本線 (CA66)・ 中央本線 (CF01) 名古屋市営地下鉄: 名城線 (M01)・ 名港線 (E01) |
◆ | 中区 | |||
NH35 | 山王駅 | 1.6 | 66.0 | | | △ | ↑ | | | | | | | | | 中川区 | ||||
NH36 | 名鉄名古屋駅 | 2.0 | 68.0 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 東海旅客鉄道: 東海道新幹線・ 東海道本線 (CA68)・ 中央本線 (CF00)・ 関西本線 (CJ00)(名古屋駅) 名古屋臨海高速鉄道:●AN あおなみ線(名古屋駅:AN01) 名古屋市営地下鉄: 東山線(名古屋駅:H08)・ 桜通線(名古屋駅:S02) 近畿日本鉄道:E 名古屋線(近鉄名古屋駅:E01) |
| | 中村区 | |||
NH37 | 栄生駅 | 1.9 | 69.9 | ● | ● | ◇ | | | | | | | | | 西区 | ||||
NH38 | 東枇杷島駅 | 0.8 | 70.7 | | | | | ↑ | | | | | | | IY 犬山線(名鉄名古屋方面に全列車直通) | | | ||||
枇杷島分岐点 | - | (71.3) | | | | | ↑ | | | | | | | 犬山線との実際の分岐点 | | | 清須市 | ||||
NH39 | 西枇杷島駅 | 0.9 | 71.6 | | | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH40 | 二ツ杁駅 | 0.6 | 72.2 | ● | △ | ↑ | | | | | | | ◇ | |||||
NH41 | 新川橋駅 | 0.6 | 72.8 | | | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH42 | 須ヶ口駅 | 0.7 | 73.5 | ● | ● | ● | ▼ | | | | | TB 津島線(名鉄名古屋方面と直通あり) | | | ||||
NH43 | 丸ノ内駅 | 0.8 | 74.3 | | | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH44 | 新清洲駅 | 0.9 | 75.2 | ● | ● | ● | | | | | | | ◆ | |||||
NH45 | 大里駅 | 2.3 | 77.5 | ● | △ | △ | | | | | | | | | 稲沢市 | ||||
NH46 | 奥田駅 | 1.3 | 78.8 | | | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH47 | 国府宮駅 | 2.1 | 80.9 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ◆ | |||||
NH48 | 島氏永駅 | 2.0 | 82.9 | | | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH49 | 妙興寺駅 | 1.8 | 84.7 | | | | | ↑ | | | | | | | | | 一宮市 | ||||
NH50 | 名鉄一宮駅 | 1.7 | 86.4 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | BS 尾西線 東海旅客鉄道: 東海道本線(尾張一宮駅: CA72) |
◆ | ||||
NH51 | 今伊勢駅 | 1.9 | 88.3 | ↑ | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH52 | 石刀駅 | 0.9 | 89.2 | ↑ | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH53 | 新木曽川駅 | 2.0 | 91.2 | ● | ● | ● | ● | ● | | | ◆ | |||||
NH54 | 黒田駅 | 0.9 | 92.1 | ↑ | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH55 | 木曽川堤駅 | 1.8 | 93.9 | ↑ | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH56 | 笠松駅 | 1.2 | 95.1 | ● | ● | ● | ● | ● | | | TH 竹鼻線(名鉄岐阜方面と直通あり) | | | 岐阜県 | 羽島郡 | 笠松町 | |
NH57 | 岐南駅 | 1.8 | 96.9 | ↑ | | | ↑ | | | | | | | ◇ | 岐南町 | ||||
NH58 | 茶所駅 | 1.4 | 98.3 | ↑ | | | ↑ | | | | | | | | | 岐阜市 | ||||
NH59 | 加納駅 | 0.4 | 98.7 | ↑ | | | ↑ | | | | | | | | | |||||
NH60 | 名鉄岐阜駅 | 1.1 | 99.8 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | KG 各務原線 東海旅客鉄道: 東海道本線 (CA74)・ 高山本線 (CG00)(岐阜駅) |
▲ |
名称は廃止時のもの
前述のような歴史的経緯から、名古屋本線では距離を示すキロポストが4つに分かれている。(矢印の方向にキロ数が増える)
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