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松本清張の長編小説 ウィキペディアから
『霧の旗』(きりのはた)は、松本清張の長編小説。兄の弁護を断った弁護士に対する、女性の理不尽な復讐を描く、リーガル・サスペンス。『婦人公論』に連載され(1959年7月号 - 1960年3月号、連載中の挿絵は山本正)、1961年3月に中央公論社より刊行された。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
時は昭和30年代半ば。九州の片田舎で金貸しの老女の強盗殺人事件が起き、柳田桐子の兄で教師の正夫が容疑者として逮捕されて裁判にかけられる。正夫が第一発見者で、正夫は被害者から生前金を借りており、しかも殺害現場から借用証書を窃取する等、状況は正夫にとって圧倒的に不利なのだが、それでも殺人に関しては無罪を主張する。思いあまった桐子は上京し、同郷出身の高名な弁護士の大塚に弁護の依頼を申し出る。だが、高額な弁護費用を工面できないのと、大塚自身の多忙を理由に断られ、失意の内に帰郷する。その後、一審で出た判決は死刑。そして、控訴中に正夫は無実を訴えながら獄中で非業の死を遂げた。桐子はその旨を大塚に葉書でしたためて送る。殺人犯の妹の汚名を着せられた桐子は地元にいられなくなり、上京してホステスになった。
一方、葉書を読んだ大塚は後味の悪さを感じ、独自に事件資料を集めて丹念に読み込んでいくうちに、真犯人は桐子の兄以外にいることを突きとめる。 その頃、大塚には愛人の河野径子がいたのだが、ふとしたことからこの径子に殺人容疑がかかる。だが、たまたま殺人現場の近くに桐子が居合わせており、逃走する犯人の姿を見ていておまけに犯人のものと思われるライターまで拾っていた。径子の無実を証明できるのは桐子ただ一人。
大塚は桐子にライターを自分に渡し、現場近くで見たことをありのままに証言してくれるよう懇願する。だが、兄のことがある桐子は冷たく拒絶する。そして、桐子はある行動に出るー。
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1965年5月28日公開。製作は松竹大船、配給は松竹。桐子の出身地は熊本とされている。DVD化されている。併映『ぜったい多数』[7]。
※スタッフ本編クレジット表記順
※本編クレジット表記順
本映画は当初東宝の企画として、橋本忍による脚本が書かれていた[8]。しかし脚本を読んだ山田洋次が松竹に持ち込み、松竹の城戸四郎と交渉の末、映画化が実現した[注 4]。
倍賞千恵子の柳田桐子役への起用は、「『下町の太陽』の女優に復讐させる」という橋本忍の提案を、山田洋次が採用したもの。皇居の前を桐子が歩くシーンは、脚本にはなく山田が現場で考えたが、山田は倍賞を「(無心になって)ただ歩いているというのが軽やかにできる人」と賞賛している[9]。
打ち合わせの際、河野径子役の新珠三千代は「やりにくい」と言ったが、橋本忍は「主役は倍賞さんと滝沢(修)さんとあなたの三人。こういう場合、どうしても一人、損な役が出てきちゃうんですよ」と言い、納得させようとしたという[10]。
東映が本作の一ヵ月前の4月に公開した中村錦之助主演・田坂具隆監督の『冷飯とおさんとちゃん』が大コケ、早期打ち切りに遭ったのを切っ掛けに[7][11]、本作と同時期に公開された三國連太郎主演・山本薩夫監督の『にっぽん泥棒物語』、山本監督『証人の椅子』(大映配給)、熊井啓監督の『日本列島』(日活配給)と、日本映画には珍しく宣伝期間もたっぷりかけ、日本映画の良心と高い評価を受けた秀作が、相次いで興行的にコケるというショッキングな事態が起きた[7]。この煽りで本作と『ぜったい多数』(桑野みゆき主演・中村登監督)の二本立てもコケた[7]。
1977年12月17日公開。製作・配給は東宝。西河克己監督。山口百恵映画主演作品。現在はDVD化されている(ただし今日では不適切な表現が多く"ピー音"で処理されており、不完全版となっている)。
8億8900万円の配給収入を記録、1978年(昭和53年)の邦画配給収入ランキングの第8位となった[12]。
『惑星大戦争』
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NET(現・テレビ朝日)、「ナショナルゴールデン劇場」(22:00 - 23:00)にて、10月5日から10月26日まで放送(全4回)。
NET(現・テレビ朝日)系列 ナショナルゴールデン劇場 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
霧の旗
(1967年10月5日 - 26日) |
フジテレビ「おんなの劇場」(21:30-22:26)にて8月22日から9月26日まで放送(全6回)。第7回ギャラクシー賞、第10回期間奨励賞受賞作。
NHK「銀河ドラマ」(21:00-21:30)にて2月14日から2月18日まで放送(全5回)[15][16]。第12回日本テレフィルム技術賞(現・映像技術賞)・奨励賞受賞作。桐子の故郷は鳥取県の設定。
松本清張の『霧の旗』。日本テレビ「火曜サスペンス劇場」(21:02-23:24)にて、1月4日に放送。視聴率22.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
松本清張作家活動40年記念『霧の旗』。テレビ朝日「土曜ワイド劇場」(21:02-22:51)にて、11月23日に放送。視聴率20.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。桐子の故郷は佐賀県呼子町(現・唐津市)、大塚弁護士事務所の所在は新宿に設定。1995年にVHSビデオ化されている。
松本清張スペシャル『霧の旗』。フジテレビ「金曜エンタテイメント」(21:00-23:07)にて、9月12日に放送。視聴率17.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
松本清張サスペンス特別企画『霧の旗』。TBS系で2003年9月16日(21:00 - 22:54)に放送されたスペシャルドラマである。桐子の故郷は青森県むつ市に設定。
生誕100年記念 松本清張ドラマスペシャル『霧の旗』。日本テレビ系にて3月16日(21:00 - 23:18)放映。大塚弁護士は「新進気鋭の若手弁護士」、名も「欽也」に改められ、桐子の故郷は大塚の出身地と同じ福岡県という設定になっている。ラストでは、原作にない設定が付加されている。劇中音楽としてモーツァルト『レクイエム』を使用している。視聴率は16.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。同年の6月にDVD化されている。
松本清張「霧の旗」。テレビ朝日系にて12月7日(21:00 - 23:10[注 5])「松本清張二夜連続ドラマスペシャル」の第二夜として放映。今作では、柳田正夫は桐子の兄ではなく弟で、知的障害者という設定となっている。障害ゆえに純粋な心を持つ弟を、桐子が半ば生き甲斐としていたことが、復讐への強い動機となっている。結末は原作とは若干異なる。視聴率12.8%。本作はDVD化はされていないが後にネット配信は行われている。
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