志摩スペイン村 (しまスペインむら)は、三重県 志摩市 磯部町坂崎 にある複合リゾート 施設である。
近畿日本鉄道 (近鉄)が、総合保養地域整備法 (略称法令名: リゾート法[2] )の施行に合わせ1988年 に策定された三重サンベルトゾーン構想 に基づき、三重県志摩郡 磯部町 (現・志摩市)の協力を得て開発 した施設 で、テーマパーク 「パルケエスパーニャ 」 を中核施設に、ホテル志摩スペイン村 、天然 温泉 「ひまわりの湯 」の3施設で構成されている。
開発当初は、リゾートマンション やコテージ などを多層的に展開するレジデンシャルゾーン の開発計画もあったが現在は凍結されている。
開発経緯
近鉄が志摩半島 での観光開発に着手したのは、伊勢志摩 エリアが1946年に国立公園 に指定されたことがきっかけである。1951年には戦後初の純洋式ホテル戦後初の純洋式ホテル として志摩観光ホテル を賢島 に開業[3] 、そして1960年代 初期には東京オリンピック 開催に合わせ、ゴルフ場 や別荘 地等を開発するために広大な土地の取得を始めていた。
しかし、本格的に開発が始まったのは1967年に策定された第3次輸送力増強5箇年計画 発表以降である。この計画は、1970年の大阪万博 の来場者を伊勢志摩まで誘致する目的で、当時孤立線 であった近鉄志摩線 (25.4 km ) と大阪・名古屋方面と直結している近鉄山田線 とを接続する鳥羽線 (13.2 km) を新たに建設し、合わせて志摩線を標準軌 化することで、大阪 ・京都 ・名古屋 から賢島まで特急列車の直通運転を可能にするものであった。この工事は1970年1月に完成し、同年3月に開通した。
これにより、大阪万博からの周遊客 などの利用により、近鉄特急 の利用者数は大幅に増加した。しかし、1973年の伊勢神宮式年遷宮 以降は、期待されたほど特急利用者数は増えず、伊勢志摩への観光入込客数も、1,300万人から1,400万人で停滞していた [ 要出典 ] 。このため、近鉄は1970年代 半ばから、伊勢志摩の観光入込客数の活性化策として、大規模なリゾート 開発の策定に着手した。近鉄は、観光入込客数の停滞の要因を「伊勢神宮 や鳥羽水族館 、ミキモト真珠島 という観光資源に過度に依存し、海産物をはじめとする食の豊かさに安堵し観光開発を怠ったため、若年層やファミリー層の観光ニーズに合わない旧来の観光地とイメージされていることに起因する[ 要出典 ] 」と分析し、これらの層も含め、集客力の強いテーマパーク を中心とした大規模なリゾート開発を決定した。
当初、近鉄は志摩半島に点在する4か所の社有地(合計開発敷地面積: 522 ヘクタール [ 要出典 ] )を利用して、志摩線 の複線化 を軸とした、複数のリゾートを開発する計画を持っていた。
鳥羽市畔蛸 ( あだこ ) 町 と相差 ( おおさつ ) 町 にまたがる南鳥羽地区 の社有地には分譲別荘 ・リゾートマンション・ペンション ・コンドミニアム ・ショッピングセンター ・アミューズメント施設 を、磯部町 坂崎地区の社有地にはテーマパークを、阿児町 横山 地区の社有地にはゴルフ場 を、阿児町国府 地区の社有地には既存のゴルフコース 沿いにマリーナ やサーフスポット などの海洋レジャー施設の建設を、それぞれ予定していた。
この計画に基づき、近鉄は1988年2月には、三重県と国土庁 に開発計画を届け出ている。そして地元との調整が整った場所から順次着工し、21世紀 初めまでには、志摩半島に「一大リゾート」を完成させる構想を抱いていた。
しかし、バブル景気 の崩壊と共に、景気動向の先行きが不透明となったことから、まずはリゾート法の適用を受け、地元との調整も整っていた志摩スペイン村から開発することになった。志摩スペイン村計画自体も縮小化され、テーマパーク「パルケエスパーニャ」の開発事業費は、当初発表された680億円から、いったんは480億円へ、最終的には600億円へと変更されており、ホテル志摩スペイン村も客室数500室(100室を会員制/1200人収容)規模から約半分の252室に縮小された。また、開発事業費約500億円規模に及ぶレジデンシャルゾーンの同時開発も一旦は延期となったものの、1992年の雑誌のインタビュー記事で、当時の近畿日本鉄道鉄道総局業務局長であった荻巣は、開発計画の見直しはしないのかという問いに対し、「それはありません。(中略)当初の計画通り進めています」と述べている[4] 。しかしその後レジデンシャルゾーンは建設されることなく現在に至っている。
志摩スペイン村遠景
基本理念
志摩スペイン村開発計画にあたっては、自然 環境 の保全を原則に、基本理念を「こころの再発見」におき、テーマをスペイン とした[1] 。
バブル崩壊 の社会情勢から「もの」から「こころ」へ。経済優先からゆとりという流れの中で、「伸びやかな空間 のなかでゆったりとした時間を楽しく過ごす」ことのできる場所が求められるとし、これをスペインの人々のゆとりやおおらかさと、スペインの大地の豊かさ。これらの体験、共感を通して、「人間らしさの回復」や「こころの再発見」をすることを全体コンセプト とした。
テーマとしてスペインが選ばれた理由
入口前の石彫『スペインの太陽』(サンチャゴ・デ・サンチャゴ作)
ドンキホーテとサンチョパンサ像(ハビエル城博物館内)
カルメンの衣装『バタデコーラ』
月刊レジャー産業やアミューズメント産業などの業界誌に掲載された開業当時の志摩スペイン村経営陣のコメントなどによれば下記のような理由が上げられている。
月刊レジャー産業(1994年6月号)に掲載された初代志摩スペイン村取締役 社長 である谷原武夫へのインタビュー記事によれば、志摩スペイン村開業当時の近鉄社長で志摩スペイン村開発推進者であった金森茂一郎 (初代志摩スペイン村取締役会長 )がテーマパークの開発にあたって文化性を強く出す方向性を示唆した。これに基づきコンセプトを策定した結果、日本ではスペインはあまり紹介されていないが、カルメン 、ドンファン、闘牛 、ドン・キホーテ など日本人になじみのある話題が意外に多い点に着目し、スペインという国をテーマとし文化性の強いテーマパークを作り上げようと結論づけた。ただし谷原は「それじゃなぜスペインかということですが、ほかではあまり取り上げられていないからというだけではちょっと説得力が弱いかと思いますが、一番ポピュラーな説明としましては、スペインに関して日本人が持つイメージはというのは、明るい太陽と海辺というものが一つのイメージだろう。志摩というイメージが大体合致している。そういうことで良いのではないか思いました。 [ 要出典 ] 」とも述べている。
開発エピソード
志摩スペイン村の開発エリアは全て伊勢志摩国立公園 内で、自然公園法 による「規制計画」などで無秩序な開発や利用を防ぐ特別地域に指定されていた。このため、開発当初に開発できたのは開発面積全体の約30%程度で、一時的に工事で伐採した緑地についても新たに植栽し緑地に戻したほか、テーマパークでは第1駐車場の一部(現在のピレネー部分)を芝生化した駐車区画を設けたり、コロシアム の座席 周りに芝生を張るなどして緑地化率を高める工夫がされた。また、先のスペインをテーマに選定した過程を述べた月刊レジャー産業のインタビューで「この地域全般の特色ですが漁業権 が非常に確立しています。畑のような感覚ですね。畑の中にむやみに立ち入れば叱られる。養殖 漁業 のために海が使えない傾向をもっていますが、なんとか漁業権との調整をとって将来的にはマリンレジャーも提供できればありがたい」と述べている。
しかし、当初計画案があった近鉄志摩磯部駅 から志摩スペイン村への定期航路計画は頓挫し、ひまわりの湯を開業するにあたっても海洋への温泉の排水が及ぼす海水濃度への影響で、養殖をはじめとする漁業補償問題のため本来は掛け流し が可能な湯量があるひまわりの湯だが循環ろ過 式での営業となるなど現在でもマリンレジャーを開発できる状況には至っていない。
敷地面積
志摩スペイン村の全体開発面積は113haで、東京ドーム (建設面積4.67554ha/グラウンド面積1.3ha)に換算すると約24個分(テーマパーク部分だけでも約7.2個分)にも相当する広大なもので、その内100haについては近鉄が1960年代初期に取得した物である。しかし、上下水道や道路などインフラストラクチャー が未整備のため非常に簿価が低い社有地であり開発が中止されていた(志摩スペイン村開発にあたっては、取得済みの社有地100haの他に、周辺の13ha程の敷地を、国土法 の特定民間施設の申請をして新たに取得している)。
全体計画面積 113ha
テーマパークゾーン 34ha
ホテルゾーン 8ha(温泉ゾーン含む)※延べ床面積:ホテル/約3.1ha、温泉/約0.21ha
保存緑地ほか 71ha
事業費
開園時の総事業費
テーマパーク総事業費
約600億円
内約300億円 - 近畿日本鉄道(株):土地造成・基盤整備、主要建物建設
内約300億円 - (株)志摩スペイン村:付帯施設建設・内装工事
ホテル総事業費
約200億円
温泉総事業費
約11億円
注1 - (株)志摩スペイン村の300億円については、公共性を持つ事業として日本開発銀行 のNTT無利子融資や地域総合整備財団 (ふるさと財団)のふるさと融資など受けている。また、三重県と磯部町(現志摩市磯部町)の出資は各1500万円((株)志摩スペイン村設立時の資本金 3億円の10%)であるが、そのほか、県道の改修、バイパス 工事などの側面でのバックアップがあった。
注2 - 近鉄は、志摩スペイン村開業にあたり志摩線の複線化に約350億円、志摩磯部駅 および鵜方駅 の改良などに約70億円、新型特急「伊勢志摩ライナー 」の新造に約60億円と合計で約480億円を投資しており、志摩スペイン村の初期投資と合わせて約1,280億円を投資している。
開園後の主な大型設備投資額
「クエントスの森」(1996年)
約2億4千万円
第一次営業施設増強(1996年 - 1997年)
総事業費 約70億円
内約31億円 - 「ピレネー」
内約26億円 - 「ドンキホーテ冒険の旅」
内約6億円 - 「コロシアム可動式屋根 」
内約7億円 - 「エンバシーホール」
第二時営業施設増強(1999年)
総事業費 約49億円
内約30億円 - 「ロストレジェンド」
内約15億円 - 「エスパーニャカーニバル」
内約4億円 - 「サンタクルス 通り延伸」
植栽増強(1997年 - 1999年)
約3億円
「ドンキホーテバルーン」(2000年)
約2億円
「太陽の洞窟」、「ドンキホーテのからくり時計」等(2002年)
約1億4千万円
「マタドール」、「光の宮殿」、「氷の城」およびカンブロン劇場新ソフト導入等(2004年)
約2億円
「不思議の国のアリス」、新スパニッシュミュージカル「マルクの恋人」導入等(2007年)
約1億4千万円
「ピエロ・ザ・サーカス」(2008年)
約8億円
環境対策
伊勢志摩国立公園内に立地するため、開発段階から高度の生活処理排水施設やゴミ焼却施設を導入し環境対策が行なわれているが、近年は環境対策について地球温暖化対策推進法 や食品リサイクル法をはじめ、ごみ焼却時のダイオキシン処理、2003年のロンドン条約(日本国内では2007年度に廃棄物処理法 が改定される。)で禁止される汚泥の海洋投棄など、開業当初より高い基準に対応するため新たな処理施設が導入されている。また、三重県生活環境の保全に関する条例第9条第1項に基づく地球温暖化対策計画書を2005年7月1日に県に提出し、三重県地球温暖化対策推進計画の2010年度までに温室効果ガスの排出量を基準年度(2000年度)から14%削減を目指している[広報 1] 。
生活廃水処理施設
生活排水については公共機関と同様の第3次処理まで行って無公害の水に処理しており、処理された排水の汚染濃度は国や県の排水許可基準を大幅に下回っている。また、処理水はトイレの洗浄水や緑地への散水処理などに2次利用し海洋への排水はほとんどされていない。
処理能力 : 2250t/日
処理方法 : 標準活性汚泥法+触媒酸化法+凝集沈殿法+砂ろ過法+活性炭吸着法(生物化学的酸素要求量 (BOD)5ppm以下、化学的酸素要求量 (COD)3ppm以下、浮遊物質量(SS)3ppm以下までに処理されている。)
施設竣工 : 1993年(平成5年)12月
※水質汚濁防止法 : BOD、CODは120ppm以下、SSは150ppm以下(三重県の条例は、BOD、CODは20ppm以下、SSは70ppm以下)。
ごみ焼却施設
開業当初より稼動しているごみ焼却施設については、2001年にバグフィルターを導入しダイオキシン濃度を大幅に減少させている。
燃焼能力 : 10t/日(8時間)×2焼却炉(焼却炉はごみの性質に合わせ燃焼用空気がコントロールされ完全燃焼している。/排ガス濃度は3から4ng-TEO/3N以下)
施設竣工 : 1994年(平成6年)3月
※ダイオキシン 対策特別措置法による排ガス濃度基準:10ng-TEO/3N以下
自家用発電施設
志摩スペイン村内で使用する年間消費電気量の60%程度を自家発電しており、電力会社 からの送電 より電力消費ロスが少なく、発電効力が大きいため、使用電力量の削減も可能となった。また廃熱は隣接するシーズンインアミーゴスの温水に利用されており、二酸化炭素 の排出量を年間で約250t前後削減している。
発電機 : 1400kW×3台
エンジン : 2050馬力、140,000cc、720回転
施設竣工 : 2000年(平成12年)3月
生ごみ処理施設
施設が出来るまでは志摩スペイン村内で廃棄される年間約500tの生ごみは焼却処理されていたが、生ごみは通常のごみ焼却より燃焼効率が落ちるため重油消費量が多かった。しかし、施設完成により重油消費量が削減できたため、燃焼に伴うダイオキシンの発生や二酸化炭素の発生を低くすることが可能となった。また、生活廃水処理の際に発生する汚泥(排水処理工程で発生するバクテリアの死骸。)についても、汚泥脱水処理機を導入しスポンジ状の脱水ケーキとし、ゴミ堆肥プラントにてバクテリアとあわせて肥料とし村内の植栽の土壌改良剤として使用されている。
処理能力 : 1t/日
施設竣工 : 2001年(平成13年)10月
スポンサー企業
現在のスポンサー企業(2024年4月現在)
◎印は開業時から20年間(2004年)のスポンサー契約満了時に契約を更新したスポンサー企業
契約が終了したスポンサー
イベリア・スペイン航空 (提供:スペインプロモーションセンター/閉鎖に伴いエンバシーホールへ移行/イベリア航空は1998年11月30日で日本路線を撤退したため中途契約解消となった。)
株式会社小学館 (提供:クエントスの森)
新日本石油株式会社 (現・ENEOS 株式会社)(提供:アルカサルの戦い/開業時は三菱石油との契約だがその後の日本石油との合併により契約社名が変更されていた)
コダック株式会社 (提供:フォトハウス「フォト ファンタスティカ」)
日本生命保険相互会社 (提供:ハビエル城博物館)
株式会社福寿園 (提供:アミーゴバルーン)
株式会社クボタ (提供:太陽の洞窟、ウォーターシンフォニー、ドンキホーテとサンチョパンサ像、シベレス像、フェリペ3世騎馬像、コロンブス像、幸せの鐘、ローマの遺跡)
サントリー酒類株式会社 (提供:きらめく光のファンタジー"光の宮殿"、花とワインのギャラリー、レストラン「エル パティオ」/開業時はサントリー(株)との契約だったが、2009年 4月1日 に持株会社制の移行により契約社名が変更されている。)
シチズン時計株式会社 (提供:ガウディカルーセル/開業時はシチズン商事(株)との契約だったが、シチズン時計(株)への吸収合併により契約社名が変更されている。)
リヤドロジャパン株式会社 (提供:遊覧タクシー/開業時は物産リヤドロ(株)との契約だったが現在はリヤドロジャパン(株)に移行している。)
明治乳業株式会社 (提供:チョッキーの不思議な館/契約更新時にカーニバルハウスから移行している。)
オリックス野球クラブ株式会社 (提供:パルケエスパーニャパレード "エスパーニャカーニバル" 表記名は「オリックス・バファローズ」、2006年ごろ。)
大正製薬株式会社 (- 2016年3月18日)(提供:アルカサルの戦い)
ブラザー販売株式会社 (- 2016年9月16日)(提供:エンバシーホール)
江崎グリコ株式会社 (- 2018年7月23日)(提供:ドラゴン城の宝さがし)
大日本印刷株式会社 ◎(- 2019年6月27日)(提供:クエントスの森/契約更新時にカルメンホールから移行している。)
富士フイルム株式会社 (- 2019年9月26日)(提供:フォトハウス「フォト ファンタスティカ」/開業時は富士写真フイルム(株)との契約であったが、事業持株会社制の移行により富士フイルムイメージング(株)に契約会社が変更されたものの、2009年 2月1日 に富士フイルム(株)に吸収される形で再度変更された)
富士通株式会社 ◎(- 2022年10月31日)(提供:フィエスタトレイン)
入口(ドンキホーテとサンチョパンサ像)
クエントスの森
エバンシーホール
アンダルシア地方のサンタクルス教会
20thアニバサリの新アトラクション、トマティーナ
1987年 (昭和62年)6月 - 総合保養地域整備法 (通称 リゾート法)が施行 。
1988年 (昭和63年)
2月 - 近畿日本鉄道から4地区(南鳥羽、磯部、横山、国府)の開発計画を三重県に提出。
7月 - 国が三重県の基本構想を承認。
10月 - 近畿日本鉄道企画室に志摩スペイン村建設計画プロジェクト チーム発足。
1989年 (平成元年)
1月 - 志摩スペイン村環境アセスメント 調査を開始。
4月 - 土地利用対策委員会幹事会、土地利用計画を承認。
5月 - 知事より大規模土地取引事前協議 の結果通知。
6月 - 志摩スペイン村建設計画プロジェクトチームが発展解消し近畿日本鉄道伊勢志摩開発室設立。
1990年 (平成2年)
3月 - 開発申請に関する覚書を磯部町と交換。
7月 - 環境アセスメント調査 に関する「評価準備書」公告縦覧。
12月 - 同上、「評価書」公告 縦覧、開発申請。
1991年 (平成3年)
5月 - 資本金3億円で株式会社志摩スペイン村を設立。
6月 - 開発許可。
7月 - 土木工事に着工。
1992年 (平成4年)
1993年 (平成5年)12月 - 資本金を24億円に増資。生活廃水処理施設完成。
1994年 (平成6年)
3月 - ごみ焼却施設完成。
4月22日 - パルケエスパーニャ開園、ホテル志摩スペイン村開業[1] 。
6月17日 - パルケエスパーニャ入園者100万人(開業から59日)を達成。
11月5日 - パルケエスパーニャ入園者300万人(開業から198日)を達成。
1995年 (平成7年)
2月 - 資本金を48億円に増資。
3月 - エントランス内にドンキホーテ&サンチョパンサのグリーテイングカルーセル、フラワーワゴン、ドンキホーテ&サンチョパンサの顔花花壇を新設。
6月1日 - 年間パスポート の発売を開始。
7月 - パルケエスパーニャ入園者500万人を達成。
9月8日 - 近鉄百貨店 阿部野店にパイロットショップがオープン(現在は閉店)。
1996年 (平成8年)
1997年 (平成9年)
3月1日 - ピレネー 、ドンキホーテ冒険の旅、エンバシーホールを新設[9] 。
4月1日 - ホテル志摩スペイン村の営業権が志摩観光ホテル株式会社から株式会社志摩スペイン村に譲受され直営化。
4月24日 - パーク・ホテル間の連絡通路開設、パルケエスパーニャで初のチャペル ウエディングを挙行。
6月4日 - パルケエスパーニャ入園者1千万人(開業から1099日)を達成。
10月 - ドラ・カタリネウ展開催(10月1日 - 11月30日)。
1998年 (平成10年)
3月 - スペインサロン を新設(現在は閉鎖)、カスティリャ・イ・レオン料理フェア開催(3月1日 - 7日)、ピカソ 版画 「スイット・ヴォラール」展を開催(3月1日 - 19日)。
4月 - スペイン通貨・ペセタ建ての入園券、パスポートの発売開始(通貨がユーロに移行したのに伴い中止)。
4月10日 - カンブロン劇場でニュープログラム「ディスカバラーズ」上映開始(現在は上映中止)。
4月24日 - フィエスタ噴水がオープン。
6月10日 - リゾートイン磯部が開業。
7月 - 「キャラクター展」〜ドンキホーテとその仲間たち〜を開催(7月18日 - 9月27日)、さよならストリートパーティーキャンペーン開催(7月18日 - 1999年1月31日)。
10月 - スペイン・マドリード州 フェア「マドリード・マドリード」を開催(10月1日 - 12月25日)。
1999年 (平成11年)3月1日 - 開業5周年、新パレード エスパーニャカーニバル がスタート、ロストレジェンド広場を新設、サンタクルス通り延伸、株式会社近鉄百貨店と近観フーズ株式会社に委託していた物販、料飲部門を直営化。
2000年 (平成12年)
3月 - 自家用発電施設完成。
4月22日 - ドンキホーテバルーンが営業開始。
7月 - スペイン・アンダルシア州 フェア・スペインフェア2000「アンダルシア!」を開催(7月20日 - 10月9日)。
2001年 (平成13年)
2002年 (平成14年)
2003年 (平成15年)
2月 - 資本金を120億円に増資。
3月21日 - ウォーターシンフォニー、チョッキーの不思議な館、花とワインのギャラリーを新設。
2004年 (平成16年)
2006年 (平成18年)
2月 - 資本金を9千万円に減資 。
9月1日 - 資本金1千万円で株式会社志摩スペイン村を新規に設立。
9月17日 - ひまわりの湯入館者150万人を達成。
10月1日 - テーマパーク運営事業を近鉄レジャーサービス株式会社に譲渡。株式会社志摩スペイン村は志摩スペイン村土地建物株式会社に商号変更。また新規に設立された株式会社志摩スペイン村が近鉄レジャーサービス株式会社から志摩スペイン村(パーク・ホテル・ひまわりの湯)の運営管理業務を受託。
2007年 (平成19年)3月1日 - 不思議の国のアリスを新設。
2008年 (平成20年)3月1日 - ピエロ・ザ・サーカスを新設。
2009年 (平成21年)7月11日 - 開業15周年、ダルのファンタジーワールド360を新設。
2010年 (平成22年)2月19日 - イルミネーションライド“くるみわり人形”を新設。
2014年 (平成26年)3月1日 - 開業20周年、「ときめきを、いつまでも。」をスローガンに20thアニバーサリー展開。
パレードをリニューアル、エスパーニャカーニバル「アデランテ」に変更。
アルカサルの戦いを増設。
アトラクション、トマティーナを新設。
フラメンコショーを「コルトバ」に変更。
2017年 (平成29年)2月4日 - 屋内型ジェットコースター「アイアンブル」を新設[10] 。
2019年 (平成31年・令和元年)3月1日 - 開業25周年。
2024年 (令和6年)3月1日 - 開業30周年。
開業効果
1995年11月に発表された三菱総合研究所 による、志摩スペイン村の社会・経済効果についてのレポートでは、開業後1年間の生産 誘発額は全国で9,854億円とされている。
志摩スペイン村建設費、鉄道投資などを含む開業1年後までの総投資額は2,824 億円で、開業前に第二次産業 を中心に4,578億円、開業後にサービス 業、商業 を中心に5,276億円の生産が全国で誘発されたとしている。そのうち、三重県内への生産誘発額は6,164億円で、三重県の1992年度産出額15兆2千億円の4.0%を占めた。
伊勢志摩の観光入込客数への波及効果
三重県観光レクリエーション 入込客数推計書によれば、1994年度の伊勢志摩国立公園 の入込客数は、志摩スペイン村の開業と伊勢市で開催された「まつり博・三重 」による入込客増で1千953万7千人と前年より445万7千人も増えたが、翌年には1千416万9千人まで減少し、1999年度以降は約1千万人程度に落ち込んでいる。
2005年度の県全体での観光レクリエーション入込客数は4千469万5千人(2004年度:4千396万4千人)で、伊勢志摩国立公園は23.4%(2004年度:23.1%)にあたる1千45万6千人(2004年度:1千17万3千人)を集客している。その内訳は、伊勢神宮が565万9千人(2004年度:546万人)で54.1%(2004年度:53.7%)、志摩スペイン村が156万8千人(2004年度:179万8千人)で15%(2004年度:17.7%)、鳥羽水族館が87万7千人(2004年度:95万1千人)で8.4%(2004年度:9.3%)を集客しており、愛知万博の影響で伊勢神宮を除き入込客数が減少したが、それでもこの3施設で伊勢志摩国立公園の入込客の77.5%(2004年度:80.7%)を集客している。また、県内の主要有料観光施設で百万人以上集客しているのは、長島温泉 の448万5,000人(2004年度:446万人)をトップに、鈴鹿サーキット の245万3千人(2004年度:246万3千人)、志摩スペイン村の156万8千人(2004年度:179万8千人)までとなっている。
※ 志摩スペイン村、長島温泉、鈴鹿サーキットなどの入込数が、季刊エンターテインメントビジネスや三菱UFJリサーチ&コンサルティング による「東海3県主要集客施設・集客実態調査」などと異なるのは、県観光レクリエーションのみ集計期間が1月から12月までの年度単位で集計するのに対し、民間企業の発表数は事業年度の4月から翌年3月(志摩スペインは3月から翌年2月)までで集計しているため[11] 。
関連事業の再編
近鉄は2006年7月25日に「近畿日本鉄道・志摩スペイン村関連事業の再編」を発表した[広報 2] が、内容は減損処理 会計導入に伴う資産の買上げなどの支援策の際に複雑化した志摩スペイン村関連資産(テーマパーク、ホテル、温泉)の所有権と経営主体を整理し事業の効率化と債務の分離を目指したもので、テーマパークに関する資産を旧運営会社(株)志摩スペイン村から商号変更し、債務も含め資産管理会社となる志摩スペイン村土地建物(株)と近鉄に移譲し、ホテル関連資産および経営事業についても、2006年10月1日に(株)近鉄志摩ホテルリゾート(同年11月に解散)から近鉄レジャーサービス(株)に譲渡された。これにより志摩スペイン村関連事業の経営は全て近鉄グループ のレジャー事業の中核企業である近鉄レジャーサービス(株)が受持つこととなり、同社が志摩エリアで経営する賢島宝生苑や志摩マリンランドなどとの効率的な運営を図れる体制が整った。近鉄レジャーサービス(株)は志摩スペイン村の中に実質的な本社を構えている(登記上本店は大阪上本町駅 内)。なお志摩スペイン村の運営は新たに設立された運営会社(株)志摩スペイン村が近鉄レジャーサービス(株)から全面委託され従業員も全員転籍している[広報 2] 。 なお、志摩スペイン村土地建物株式会社は2009年10月29日付けで解散となった[広報 3] 。
現状
かつては三重交通 にて東京 - 志摩スペイン村線 の高速バスが2002年12月まで存在した[12] 。
その後イベント開催時限定でツアー商品「首都圏発着!高速バスで行く志摩スペイン村/往復両夜行バスプラン」として高速バスが三重交通、西武観光バスによって運行されたが、志摩スペイン村直通ではなく磯部バスセンター着となっている[13] 。しかし三重交通賢島スペイン線58系統が2024年2月10日ダイヤ改正から新設され、磯部バスセンターで接続[14] することで志摩スペイン村へのアクセス経路を確保している。
開園初年度の1994年度2月期は単年度黒字 だったが翌年からは8年連続の赤字 に陥っていた。しかし、2001年度に近鉄が2006年度3月期から導入される減損処理会計 導入を見据え、志摩スペイン村よりアトラクション 施設などの一部を167億円で買い取る支援策を実施。これにより資産 評価および償却負担の減少、借入金の金利 も軽減したのに加え人件費 (早期退職制度導入等)や外注費、広告宣伝費を削減しコスト も抑えた。また、新規施設として天然温泉「ひまわりの湯」を建設にあわせテーマパークのコンセプトテーマを「スペイン」から南米 などを含む「スペイン語 文化圏」までに要素を拡大し物販アイテムの拡充を図るなどした結果、2004年度2月期は単年度黒字となったが、帝国データバンク の企業 データによれば売上高は1994年度に約293億円あったものが2005年度には約48億円まで落ち込んでいる(近鉄に買い取られた施設については、現在は賃借で使用している)。
開業10周年の2004年度には、ゲストに不評であった「スペイン語文化圏」からコンセプトテーマを原点の「スペイン」に戻し、闘牛 とフラメンコ をテーマにアトラクションも新設されスペインを感じさせるイベント も多く開催された。
2005年度は、2004年に実施された10周年イベントの反動と9月まで開催された愛知万博 の影響で上期の入園者が減少しており、UFJ総合研究所 (現三菱UFJリサーチ&コンサルティング )がまとめた「2005年・東海 3県主要集客施設・夏休み集客実態調査」によれば、夏休み期間の入園者については前年の52万7千人から43万5千人のマイナス17.5%と報告されており、最終的に発表されて2005年度の入園者数は156万6千人で対前年度マイナス13.5%と大幅な減少となった。
2006年度の入園者目標数は170万人と発表されており、「今しかない家族の時間」をキャッチコピーに、小学館 とのタイアップにより「ドラえもん 」関連イベントなどが春から開催されており、三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる「2006年・東海3県主要集客施設・GW集客実態調査結果」によれば、GW 期間(4/29 - 5/7:9日間)の入園者数は13万4千人と、2005年度GW期間(4/29 - 5/8:10日間/12万2千人)より期間が1日短かったにもかかわらず9.8%増と好調であった。また夏休み期間(7/21 - 8/31:42日間)についても三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「2006年・東海3県主要集客施設・夏休み集客実態調査結果」によれば44万5千人と11%増と好調を維持していたが、季刊エンターテインメントビジネスによる月別入園者数の発表では9月以降の入園者数は対前年度割れとなっており、日経新聞などの報道によれば最終的には約158万人と辛うじて前年を上回る数字で終わった。
2007年度は年間テーマを「マジック(魔法)」とし、体験イベントを通して「驚き」「感動」「楽しさ」を届けたいとしており、3年ぶりに約1億4千万円を投資し新アトラクション「不思議の国のアリス」や新エンターテインメントも導入され、年間入園者目標数は前年増7%の170万人と発表されている。また、2007年3月1日より志摩スペイン村への路線バスの発着駅が近鉄鵜方駅に変更されたことで志摩市内の観光施設へのアクセスの利便性が高まったことと、志摩スペイン村の経営が2006年10月に近鉄レジャーサービス(株)に譲渡されたことにより、「志摩マリンランド」や「賢島エスパーニャクルーズ」などの同社経営の観光施設との積極的なタイアップが可能となったことから、これらの施設とパルケエスパーニャが利用できる周遊パスポート「あそばんせ」 も発売された。
「ピエロ・ザ・サーカス」を2008年3月1日にオープンさせると発表。空中ブランコのようなゴンドラに乗って光線銃を撃つ「空中サーカス・アドベンチャー」・消防車のはしごを上下するゴンドラに乗って、炎の標的に銃で水を当てる「ファイヤー・シュート」・3つのアトラクションとゲーム館・そして無料で観覧できる大道芸人らのショーを行うステージや遊具室も併設。投資額は8億円。同時に新キャラクターも登場予定である。
2011年 の大晦日からはカウントダウンイベントが中止された、今後もカウントダウンイベントは行わないとしている[広報 4] 。
入園者数
集計期間:2009年度までは3月から翌年2月末までの事業年度ベースで集計されていたが、2010年度からは2月の休園日あけから翌年の休園日前日までの事業年度ベースでの集計に変更されている。
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年度
入園者数
対前年度
新規大型投資/イベント
1994
3,755,500人(※1)
1995
3,014,500人
△19.7%
1996
2,457,000人
△18.5%
クエントスの森/ガリシア州フェア
1997
2,473,000人
0.7%
ピレネー、ドンキホーテ冒険の旅、エンバシーホール
1998
2,031,500人
△17.9%
キャラクター展/マドリード州フェア
1999
2,313,000人
13.9%
エスパーニャカーニバル、ロストレジェンド、サンタクルス通り延伸
2000
1,907,000人
△17.6%
ドンキホーテバルーン/アンダルシア州フェア
2001
1,580,000人
△17.1%
ひまわりの湯
2002
1,861,000人(※2)
17.8%
太陽の洞窟、ドンキホーテのからくり時計
2003
1,838,000人
△1.2%
ウォーターシンフォニー、チョッキーの不思議な館、花とワインのギャラリー、ドラゴン城の宝さがし
2004
1,804,000人
△1.8%
マタドール、光の宮殿を新設、氷の城/開園10周年
2005
1,562,000人
△13.4%
2006
1,589,000人
1.7%
2007
1,579,000人
△0.6%
不思議の国のアリス
2008
1,630,000人
3.2%
ピエロ・ザ・サーカス
2009
1,562,000人
△13.4%
ダルのファンタジーワールド360
2010
1,462,000人
△7.2%
イルミネーションライド“くるみわり人形”
2011
1,437,000人
△1.7%
2012
1,330,000人
△7.2%
冒険大迷路-謎の黄金遺跡-
2013
1,410,000人
1.6%
フェリスクルーズ、チャプチャプラグーン、アルカサルの戦いをリニューアル
2014
1,339,000人
△5.6%
2015
ランキング圏外
2016
1,227,000人
△4.3%
2017
1,197,000人
△2.4%
屋内型ジェットコースター「アイアンブル」を新設
2018
1,229,000人
2.7%
2019
1,118,000人
△9.0%
開業25周年
2020
745,000人
△33.4%
新型コロナウイルス感染症拡大のため一時休園
2021
864,000人
16.0%
2022
1,220,000人[15]
41.1%
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入園者数データは、(株)志摩スペイン村広報資料および季刊エンターテインメントビジネス(旧AMビジネス)、全国レジャー・集客施設運営実績&動向調査を参照。
※1 - 開業1年間(1994年4月22日 - 1995年4月21日)では4,265,500人
※2 - 2002年度より、複合リゾート志摩スペイン村(テーマパーク、ホテル、温泉)として3施設合計の入込み客数発表となっている。
最多入園者数各種データ
1日最多来園者数:53,500人(1994年5月3日)
月間最多来園者数:657,000人(1994年8月)
最多ゴールデンウィーク期間入園者数:260,000人(1994年4月29日から5月5日)
最多夏休み期間入園者数:835,500人(1994年7月21日から8月31日)
最多正月期間入園者数:67,500人(1995年1月1日から1月3日)※カウントダウンイベント入園者数含む。
ホテル志摩スペイン村
白壁・オレンジ色の屋根という、アンダルシア 地方をイメージした外観のリゾートホテル。パティオ(中庭)を取り囲み、ロビー・宴会場棟と、3つの客室棟がロの字に建つ。また、コルドバ 、セビリア 、グラナダ と名づけられた各客室棟にもパティオがあり、客室は全て40m2 以上で、リゾートホテルにふさわしくゆとりをもった作りとなっている。
開業から1997年3月までは志摩観光ホテル (株)が営業権をもち運営していたが、1997年4月に旧(株)志摩スペイン村に営業権が譲受される。この直営化により、テーマパークとホテル間に直接往来ができる連絡ゲートが開設されるが、2003年に近鉄によるホテル志摩スペイン村の減損処理に伴い、新たに設立された(株)近鉄志摩ホテルリゾートが経営し旧(株)志摩スペイン村が経営受託した。しかし、2006年7月25日に発表された近鉄による志摩スペイン村事業再編により、(株)近鉄志摩ホテルリゾートは2006年10月1日をもって事業を近鉄レジャーサービス(株)に譲渡し11月で解散した。現在のホテル運営は新たに設立された運営会社(株)志摩スペイン村に委託されている。
客室:252室(ツインルーム:246室、ツインルーム(テラス付):3室、スイートルーム:3室)
料飲施設:5ヶ所(カフェ&スペイン料理「ヒラソル」、フランス料理「アルカサル」、日本料理「志摩」、バル「カルメン」、ロビーラウンジ「フエンテ」)※中華料理の「四川」もあったが、2003年に営業を中止した。
宴会場:5室(大宴会場「エスパーニャ」(700m2 /2分割可):1室、中宴会場「アンダルシア」(176m2 /2分割化)、「カディス」(128m2 ):2室、小宴会場「マラガ」(70m2 )、「ミハス」(40m2 ):2室)
付帯施設:ガーデンプール(夏季のみ営業)、インドアプール(20m×8m・4コース)、テニスコート2面(ナイター施設付)、ゲームコーナー、スーベニアショップ、カラオケバー&ルーム
低料金のB&B形式(Bed and Breakfast)のホテルとして、駐車場そばに「シーズンインアミーゴス」がある。その名のとおり季節営業であり、利用の際は営業カレンダーを確認した方がよい。過去には近鉄志摩磯部駅前に「リゾートイン磯部」があったが、2020年1月に閉館した。両ホテルとも従業員寮として建設された物である。
その他、同じ近鉄グループ (都ホテルズ&リゾーツ )の志摩観光ホテル ・賢島宝生苑 が、2005年よりオフィシャルホテルに指定される。
ボーリングにより地下約1,800mから湧き出す38.6度の温泉で、泉質はアルカリ性 単純温泉。1分間に160リットルの湧出量がある。露天風呂 やサウナ (女湯は塩サウナ)もある(加温・循環ろ過式)。当初は、セルフサービス式のレストランも運営されていたが、現在は閉鎖されている。
2003年からホテル志摩スペイン村と共に、新たに設立された(株)近鉄志摩ホテルリゾートが経営し(株)志摩スペイン村が経営受託していた。2006年7月25日に発表された近鉄による志摩スペイン村事業再編により、(株)近鉄志摩ホテルリゾートは2006年10月1日をもって事業を近鉄レジャーサービス(株)に譲渡し11月で解散した。現在の温泉運営は新たに設立された運営会社(株)志摩スペイン村に委託されている。
屋内風呂:男女各約200m2
露天風呂:サウナ(男女各約140m2 )
脱衣所:男女各200人分ロッカー設置
売店:和式宴会場兼休憩室(120畳)
概要 種類, 本社所在地 ...
株式会社志摩スペイン村 種類
株式会社 本社所在地
517-0292 三重県志摩市磯部町坂崎字下山952-4 設立
2006年9月1日 業種
サービス業 事業内容
テーマパーク事業およびホテル、温泉事業の運営受託 資本金
1,000万円 主要株主
近鉄レジャーサービス(株) 100% テンプレートを表示
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再編に伴い、テーマパーク事業、ホテル・温泉事業の運営委託を担う新会社として、近鉄レジャーサービス(株)の完全子会社として設立された。
志摩スペイン村「パルケエスパーニャ」、ホテル志摩スペイン村、伊勢志摩温泉 志摩スペイン村「ひまわりの湯」、シーズンイン アミーゴスの運営受託を行っている。
旧運営会社
概要 種類, 本社所在地 ...
株式会社志摩スペイン村(初代) 種類
株式会社 本社所在地
517-0292 三重県志摩市磯部町坂崎字下山952-4 設立
1991年5月15日 業種
サービス業 事業内容
テーマパークの経営、ホテル・温泉施設の運営受託 資本金
9000万円(2006年2月) 主要株主
近畿日本鉄道株式会社:86.35% テンプレートを表示
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株式会社志摩スペイン村が運営を行っていたが、再編に伴い、2006年10月1日に志摩スペイン村土地建物株式会社へ商号変更を行い、近鉄レジャーサービス株式会社へテーマパーク運営事業を譲渡した。2007年10月29日付で解散した。
売上高
さらに見る 年度, 売上高 ...
年度
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
2005
48億5,678万円
△6,757万円
△3億91万円
(※1) 3億4,918万円
2004
55億1,130万円
3億6,383万円
2億3,824万円
2億3,444万円
2003
59億8,430万円
5億 823万円
4億 662万円
4億 282万円
2002
86億4,500万円
△19億1,000万円
△22億5,300万円
△109億6,100万円
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※1 - 投資有価証券の売却益で最収益を計上。
決算
2月
株主
近畿日本鉄道株式会社 :86.35% ほか 近鉄グループ7社:3.65%
※データは、(株)志摩スペイン村広報資料および近畿日本鉄道(株)IR資料、日経テレコン21、帝国データバンクを参照。
パルケエスパーニャのキャラクターがペイントされた夜行高速バス(廃車済)
近鉄志摩線 ・鵜方駅 からバスによるアクセス。三重交通、賢島スペイン線59系統を利用し所要時間約12分[広報 7] 。かつては近鉄志摩線・志摩磯部駅 からバスによるアクセス。三重交通、磯部スペイン線を利用し所要時間約14分(現在より2分長い)だった。2007年2月限りで志摩磯部駅からの直通バスが廃止、同年3月から鵜方駅からの運行に一本化された[注釈 2] [注釈 3] 。
志摩市内のホテル、旅館などの送迎あり
2002年12月16日までは、三重交通と西武バス による共同運行で東京池袋 - 志摩スペイン村間で高速夜行バスが運行されていた。それ以降は三重県側は鳥羽発着に短縮されたが、2020年6月1日以降は横浜を経由しない便について磯部バスセンター まで延長されている(大宮・池袋・新宿・立川 - 鳥羽・磯部 )。
2000年代前半までは、一般のゲスト向けにはパルケエスパーニャ情報誌『チャチャラ 』が、キャスト(従業員)向けには社内報『コモエスタ 』が発行されていたが、現在は両誌とも廃刊されている。
CMなどで使用されているテーマソングは『きっとパルケエスパーニャ』(作詞・作曲 / Don Harper)。近鉄特急(しまかぜ 含む)が鵜方駅に到着する前の車内チャイム もこの曲である。三重県民の間では広く知られた曲で、志摩スペイン村に行ったことがなくてもこの曲は歌えるという人が多い[23] [24] [25] 。
2019年の25周年記念CMにはヤバイTシャツ屋さん による「きっとパルケエスパーニャ」のカバーが使用された。
1996年秋季から1997年夏季までの1年間、宣伝イメージキャラクターとして女優の岩下志麻 を起用。
平面ビジュアルでは「岩下、志摩へ」、「もうのらへんで」、「ノリノリ」のコピータイトルで3作品が作られた。
志摩スペイン村のCM放送エリアは通常は中部・関西地区だけだが、1997年の夏季期間は関東エリアでも「どないするつもりや」編、「もうのらへんで / お茶室」編、「ノリノリ」編の岩下CM3部作(企画 / 電通 、制作 / 電通テック )が極妻 のパロディーCMとして放映され、視聴者に強烈なインパクトを与えた。なお、「ノリノリ」編はこの年のACC賞地域CM部門のACC賞(スポットCM)を、「どないするつもりや」編、「もうのらへんで / お茶室」編は地域CM部門の奨励賞(シリーズ)を受賞している。また、1999年にはロストレジェンド「学校」編(企画 / 電通、制作 / 電通テック)、「パルケの一日」(企画 / 大広、制作 / 創造)でも地域CM部門の奨励賞を受賞している。
岩下は「岩下、志摩へ」でフラメンコ衣装を着用しているが、1975年に発売したLPアルバム『炎のごとく』の中に『恋のアランフェス』を収録するほど昔からスペインが好きで、このアルバムのジャケット写真のポーズもフラメンコの振りをイメージさせるものとなっている。
三重テレビ ・テレビ大阪 ・テレビ愛知 の3局では、志摩スペイン村の様々なキャラクターが登場する子供向け番組『ゴーゴー!!パルケキッズ』が2000年4月から2002年9月まで放送された。番組放送末期に当たる2002年4月以降の放送では、双子 のタレントとして有名な三倉茉奈・三倉佳奈 が番組の司会を務めていた。
TBS のテレビ番組『はなまるマーケット 』では、1999年の視聴者から寄せられた『気になるおめざ』リクエストベスト10の下期ベスト8に、菓子工房「ポルボロン」のスペイン伝統菓子ポルボロンが選ばれている。なお、はなまるカフェのおめざでポルボロンを紹介したのは、女優の黒田福美 である。
2000年に公開されたアニメ映画『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者 』の舞台となっているトロピカルランドは、パルケエスパーニャへの取材をベースにその他の遊園地も取材し描かれている架空のテーマパークで、美術監督が発案したオリジナルアトラクションもいくつか配置して描かれている。このため、エンドクレジットには取材協力・志摩スペイン村と表記されている。また、劇中には当時取材対応をした(株)志摩スペイン村の広報担当者がゲスト出演している[広報 8] 。
志摩スペイン村初のオフィシャルガイドブック「志摩スペイン村まるごとパルケエスパーニャ」は1995年5月に発売(1999年7月に一度だけ改訂版が発売されている)。
1995年12月にパルケエスパーニャ初のオリジナルCD『きっとパルケエスパーニャ』が、1996年7月に『パルケエスパーニャ・ベスト・オブ・エンターテイメント(MAX)』、ドンキホーテの『ダンキ!ファンキー!ドンキー!』が発売された。
1996年4月にパルケエスパーニャ初のオリジナル絵本『げんきにごあいさつ』、『みんなでおてつだい』、『じゃぶじゃぶこのきょうりゅう』、『ドンキホーテむらへようこそ!』が発売。
2011年2月から映画監督の井筒和幸 がCM出演している。
2010年代からはブログ やソーシャル・ネットワーキング・サービス (YouTube 、Facebook 、LINE 、Instagram 、Twitter )を活用している[26] 。2019年9月に開設されたTwitterアカウントは後述の周央サンゴとのタイアップのきっかけにもなった[27] [28] 。
バーチャルYouTuberのコラボ
バーチャルYouTuber の周央サンゴ が志摩スペイン村を訪れた体験を語ったことをきっかけに、2022年5月にTwitterを中心としたインターネット上で話題となった[28] [29] 。この縁から周央サンゴが志摩スペイン村を訪れる様子を収録した動画がタイアップとして製作され、8月に公開された[30] 。さらに2023年2月11日から4月2日にかけて周央サンゴとのコラボイベントを開催[30] 。体験談で話題に挙がったものを中心に、スタンプラリーや周央の副音声付きアニメーションの上映、コラボフードやコラボグッズの販売が行われた[30] 。初日の2月11日には通常の同じ時期の倍以上である約7000人が来園、周央サンゴが話題に挙げたチュロス の販売本数が通常の25倍の1000本以上となったり、Twitterトレンドに関連ワードがランクインしたほか、2月17日時点で地元局・在京キー局 合わせてテレビ局8社に取り上げられるなどの反響があり[31] [32] [33] 、近年の志摩スペイン村=閑散としているというイメージを覆す盛況ぶりが再び話題となった。なお、周央サンゴとはその後もコラボイベントが行われている[34] 。
1994年度のヒット商品番付 (SMBCコンサルティング (当時は住友ビジネスコンサルティング)/三井住友銀行 グループ)では、東の前頭6番目に、日経トレンディのヒット商品ベスト30では27位に選ばれている。
東京・名古屋・大阪に営業所があったが、2002年末で廃止されている。
志摩スペイン村を中心会場に近鉄グループ の近鉄百貨店 や都ホテルズ&リゾーツ でスペイン・17州を紹介する州フェア・イベントを行なっていたが、2000年に開催されたアンダルシア州フェア・スペインフェア2000『アンダルシア!』(1996年にガリシア州フェア、1998年にはマドリード州フェア開催を済み)を最後に開催されていない。
スペイン国元首相ホセ・マリア・アスナール や元副首相のマヌエル・フラガ・イリバルネをはじめ、スペインが生んだ20世紀後半のもっとも偉大なリリコ・テノール歌手とされているアルフレード・クラウス など多くのスペイン政府の要人や文化人が来日の際には来園していたが、近年は稀である。
アナ・ボテーリャ (スペイン国元首相ホセ・マリア・アスナール 夫人)がファーストレディ期間だった1997年10月30日に来園記念としてオリーブの樹を植えている。
国賓クラスの要人やスポンサー企業が自社の招待者を接待する際などに利用できるVIPルーム(一般のゲストの利用は不可)がマヨール広場の2Fに4部屋用意されている(グレード別にA、B、C、Dと部屋の内装が異なる)。
駐日スペイン大使夫人が志摩スペイン村の名誉村長を歴任しており、2006年10月に5代名誉村長にリディア・カルメン・セビリア夫人(ミゲル・アンヘル・カリエド駐日スペイン大使夫人)が就任している。また、名誉村長の権威を表す儀仗(ぎじょう)がホテル志摩スペイン村ロビーに展示されている。
注釈
それ以前からも鵜方駅からのバスは少数ながら運行されていた。
距離的には同線穴川駅 が近いが、普通電車のみの停車で、バス路線・タクシー常駐ともないため、徒歩(30分以上かかる)移動となり、元からアクセス駅としては機能していない [ 要出典 ] 。
出典
“「志摩スペイン村」開業”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1994年4月25日)
“総合保養地域整備法 ”. e-Gov 法令検索 . デジタル庁 (2011年8月30日). 2024年8月22日時点のオリジナル よりアーカイブ。2024年8月21日 閲覧。
“志摩観光ホテル ザ クラシック ”. 志摩観光・旅行情報サイト . 志摩市観光協会. 2024年4月15日時点のオリジナル よりアーカイブ。2024年8月22日 閲覧。 “伊勢志摩、賢島の高台に戦後初の純洋式ホテルとして昭和26年開業以来、皇族をはじめ多くの賓客をもてなしてまいりました。”
『鉄道ピクトリアル』(第569号)1992年12月増刊号、54頁
「志摩スペイン村がホームページ開設」『交通新聞』交通新聞社、1996年4月24日、3面。
“志摩スペイン村の新遊戯施設 3月1日から営業開始”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1997年1月31日)
安永陽祐 (2017年2月4日). “きょうから営業再開 志摩スペイン村で内覧会”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 広域三重版 21
「パティオ デル カント~ダルシネアの秘密の花園~」
三重県地位向上委員会 編(2015):69 - 70ページ
月刊レジャー産業/綜合ユニコム株式会社
季刊エンターテインメントビジネス(旧AMビジネス)/綜合ユニコム株式会社
レジャーランド&レクパーク総覧 /綜合ユニコム株式会社
月刊アミューズメント産業/株式会社アミューズメント産業出版
COSMOSNET2000/株式会社帝国データバンク
日経テレコン21/株式会社日本経済新聞
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社/東海3県主要集客施設・GW集客実態調査結果/夏休み集客実態調査結果
三重県観光レクリエーション入込客数推計書
株式会社志摩スペイン村広報資料
近畿日本鉄道株式会社広報資料
岡田登『意外と知らない三重県の歴史を読み解く! 三重「地理・地名・地図」の謎』じっぴコンパクト新書251、実業之日本社 、2015年3月19日、191p. ISBN 978-4-408-45546-4
金木有香『三重あるある』TOブックス 、2014年10月31日、159p. ISBN 978-4-86472-300-8
三重県地位向上委員会 編『三重のおきて ミエを楽しむための48のおきて』アース・スター エンターテイメント 、2015年1月25日、174p. ISBN 978-4-8030-0657-5
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