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日本のテレビドラマ番組シリーズ、メディアミックス作品 ウィキペディアから
『相棒』(あいぼう)は、テレビ朝日系列で放送されている東映制作の日本の刑事ドラマシリーズ。
相棒 | |
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ジャンル | 刑事ドラマ |
脚本 |
輿水泰弘 櫻井武晴 砂本量 岩下悠子 古沢良太 戸田山雅司 徳永富彦 太田愛 真野勝成 ほか |
監督 |
和泉聖治 橋本一 長谷部安春 近藤俊明 兼﨑涼介 内片輝 権野元 ほか |
出演者 |
水谷豊 寺脇康文(PS1 - S7-9、S21-1 - ) 及川光博(S7-19 - S10-19、S15-13,14、S17-10、S21-20,21) 成宮寛貴(S11-1 - S13-19) 反町隆史(S14-1 - S20-20) |
音楽 |
義野裕明(PS1 - PS3、音楽監督 S1 - S5-20) 池頼広(S1-1 - ) |
製作 | |
プロデューサー |
松本基弘(PS1 - S12-19) 桑田潔(S13-1 - ) 佐藤凉一(S13-1 - S21-21) ほか |
制作 |
テレビ朝日 東映 |
放送 | |
音声形式 | ステレオ解説放送(S15-1 - )[注 1] |
放送国・地域 | 日本 |
公式ウェブサイト |
警視庁の刑事・杉下右京とその相棒が、数々の犯罪事件を解決していく様子を描く。
2000年からテレビ朝日・東映の制作で放送されている。2000年6月から2001年11月にかけてテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で単発ドラマとして放送され、2002年10月から連続ドラマとしてシリーズ放送されている。派生作品として劇場版4作とスピンオフ映画2作が公開されている。
テレビシリーズの単位は「season」(シーズン)と呼称している。本項での「PS」はpre season、「S」はseason、「劇」は劇場版、「終」は最終話を表す。
21世紀を代表する刑事ドラマとして今なお高い人気と知名度を誇っている[1][2]。誕生以来、テレビ朝日を支え続ける長寿ドラマの一つでもあり配信サイトであるテラサでも大きくプッシュされ配信限定作品も公開されている。
きわめて優秀なキャリア警察官だが、正義感のために融通が利かず上から邪険にされている、警視庁の「特命係」に所属している杉下右京(演:水谷豊)。その彼が自身の下についた相棒[3] と共に活躍していく刑事ドラマ。いわゆるバディものであり、右京の推理とその相棒の捜査で事件を解決していくストーリーである。
失態により捜査一課から左遷させられた亀山薫(演:寺脇康文)、元は右京を監視するスパイとして警察庁から送り込まれた神戸尊(演:及川光博)、右京の要望で所轄から引き抜かれた甲斐享(演:成宮寛貴)、法務省からキャリア官僚として警視庁へと出向してきた冠城亘(演:反町隆史)、移住先のサルウィンから帰国後に嘱託職員として復帰した亀山薫(演:寺脇康文)と右京の相棒は代替わりしている。主人公の相棒となった4人は男性で名前は「か」ではじまり、「る」でおわると統一されている。
基本的に1話完結型のストーリー構成で、右京とその相棒が、右京の友人である鑑識の米沢守や、特命係の良き理解者である角田六郎などの協力者と協力しながら、難事件の捜査を展開し、謎を解き明かしていくミステリードラマを軸とする。事件の複雑化等で1エピソードにつき2話完結の場合もあるが、映画も含めた以前の回で登場した登場人物と犯人や事件がのちの回で回想シーンとして言及されたりゲストが再登場することも多い。
しかし単に事件が解決して、めでたしめでたしという話ではない。相棒や彼らを取り巻く刑事たちとの人間模様、警察組織との摩擦、社会的な問題、それらに複雑に絡み合う官僚・政治家の陰謀などが展開され[4]ラストも鬱や切ない話、あるいはわかりやすい感動回など多様である。 映画なども含めて同一世界であり現実世界と世界観も同じだが希に幽霊などが登場、あるいは存在を示唆される回がある(S11-18など)。
全シリーズでの最高視聴率は2011年2月23日放送のS9-16「監察対象 杉下右京」で、23.7%を記録した(ビデオリサーチ関東地区調べ)[5]。このseason9は全体的に視聴率が高く、平均視聴率が20%を超える(20.4%)という快挙を遂げている。
テレビ朝日が2012年4月から2015年3月まで、月曜 - 金曜の夕方の時間帯で行っていた再放送「相棒セレクション」枠[注 2] は高い視聴率を獲得し、同年4月クールでテレ朝開局以来初の視聴率4冠を獲得する要因になったと報じられた[6] が、その後視聴率が低下し、枠自体が廃止された。2015年3月30日からは『ゴゴワイド』の第2部(不定期で第1部でも)にて科捜研の女などのほかの人気ドラマとランダムに再放送を行っている[注 3]。
土曜ワイド劇場枠で、水谷豊が主演していた『探偵事務所』シリーズの原作が残り1本になった時点で、同作のプロデューサー松本基弘により、水谷主演の新シリーズというコンセプトで企画が立ち上がった。同じく土曜ワイド劇場の枠で推理サスペンスを作る内容で、スタッフは松本のほか、テレビ朝日からは伊藤仁、東映からは香月純一、須藤泰司、西平敦郎の合同で始まった[7]。
その時点で松本に明確なアイディアは全く浮かんでいなかったが、たまたま目にした明石家さんま主演のテレビドラマ(『恋のバカンス』だったかと回想している)の面白さに感銘を受け、そのドラマの脚本を務めた輿水泰弘にコンタクトを取り、輿水も了承したが、輿水のスケジュールが1年先まで埋まっており、水谷も納得した上で撮影開始まで1年半待つことになった[8]。この件に関して水谷は自著にて以下のように語っている[9]。
僕に1年あまり待てるかどうかの打診もありましたが、推理サスペンスをあえてホームドラマが得意な脚本家で作る、という発想が面白いと思いました。また、そのころの輿水さんは日本テレビの演出家・水田伸生と組んで仕事をしていて、(中略)素晴らしい才能の持ち主である水田が気に入って付き合っていること。これが、輿水さんを1年あまり待つ価値があると思わせてくれる大きな要素になりました。 — 水谷豊
そしてまもなく土曜ワイド劇場枠で同じく松本がプロデュースしていたシリーズの主演を務めていた寺脇康文と松本が打ち合わせした際に、寺脇が水谷に憧れている話をし、水谷との共演を希望したことから、まもなく水谷と寺脇のコンビものという企画に決定する[8][10]。寺脇が選ばれたことに関して水谷は以下のように述べている[11]。
相棒を誰にしようか、キャスティングをプロデューサーたちと話した時に、全員が寺脇を候補に挙げてくれたんですね。寺脇とは『刑事貴族』で楽しく仕事をした経験があるし、僕はもちろんOKなので、すんなり決まりました — 水谷豊
当初は輿水が「名探偵もの」、松本が「警視庁の刑事もの」と基本設定の方向性が分かれ、素人探偵では事件に取り組むプロセスが必要となるため、ダイレクトに事件に関われるように設定を刑事にし、所轄と異なり扱う事件が多岐に渡るという点から所属を警視庁へと決定した。
脚本の完成後、監督の選定になったが、水谷は和泉聖治にこだわっていた。その理由に関して自著にて以下のように述べている[12]。
和泉監督とは『遮断機の下りるとき』(フジテレビ系列 89年)という1時間ドラマでご一緒して、とてもアイデアが豊富な方だと思いました。それで『相棒』をスタートさせるとき、最初に和泉監督のスケジュールをチェックしました。 — 水谷豊
なお、輿水が最初に書いた企画書には「黄金刑事(ゴールデンコップス)」というタイトルが付いていたが却下された[13]。なかなかスタッフ全員が納得のいくタイトルがないがために仮タイトルという扱いになり、その後スタッフが中華料理屋で食事中に偶然出てきた『相棒』と言うフレーズがタイトルに決まった[14][注 4]。
脇を固める俳優達に従来のドラマのような人気俳優などではなく、小劇団出身者を多く配していることが特徴である[16][17]。松本基弘は「舞台出身の実力派が多いだけに短時間の出演でも強いインパクトを残してくれる」とコメントしている[18]。
他にも“トリオ・ザ・捜一”の一人・伊丹役の川原和久は『相棒』の成功の要因にこうしたキャスティングを理由に挙げており、「出番が少なかったり、出てこないことがあっても、右京と薫やゲストの話を中心に濃密な構成が出来る」とコメントし、「失敗しているドラマは有名な俳優を多く配置し、それぞれの見せ場を見せている内に話が細くなるのに対し、『相棒』は幹の太い話を展開できる」とも分析している[19]。
亀山役の寺脇が降板した際、一部では水谷との不仲説が噂されていたが、製作関係者が 「そもそも寺脇さんの卒業は不仲説ではなく、水谷さんが〝独り立ち〟して欲しいという思いから背中を押しただけ。関係は良好ですよ」と否定しており[20]、season21では相棒として14年ぶりに復帰。後述のように本作の世界の中でのリアリティを理由に薫を卒業させたのに対して、捜査一課らの面子が変わらないことについて松本は、「相棒としてドラマを背負っている薫と違い、ドラマを背負ったわけではなく、例えば角田のポジションを別の演者がやっても面白くならないかもしれないリスクを冒してまで変更する必要はない」と語っている[21]。ただし、演者の降板や急逝など、やむを得ない事情により主要な登場人物を入れ替えたり代役を立てることもある。
なお、キャスティングに関して水谷は2009年にテレビ朝日の社長に就任した早河洋の意見も参考にしたと自著にて語っている[22]。
男ばかりの『相棒』に女性をキャスティングしたいという思いを伝えた時には、『警視庁の広報課長は女性エリートが似合う』とすぐにアイデアを出してくれました。その役には仲間由紀恵さんがキャスティングされ、今も『相棒』に欠かせないキャラクターになっています。また警視庁にサイバーセキュリティ対策本部を置くアイデアもいち早く早河さんから出たものでした — 水谷豊、[22]
設定上は亀山薫の前にも6人の特命係員がおり、また薫が辞職してから神戸尊が着任するまで右京と組んで仕事をする人物がいたが、彼らは代数には含まれておらず、右京曰く最短で1日、最長でも1週間足らずで離脱していたとのこと。
一度ゲストで登場した俳優が同じ役で再出演しており、月本幸子役の鈴木杏樹や青木年男役の浅利陽介がゲスト出演からレギュラーに昇格した例がある。また、反対にゲストとして別役として登場していた俳優がメインキャストとして再登場することもあり、例として三浦信輔役の大谷亮介(PS1では室谷警部補役)、米沢守役の六角精児(PS1では監察医の米沢役[注 5])、芹沢慶二役の山中崇史(S1-1ではスナイパー役)、衣笠藤治役の大杉漣(S2-6では菅原英人役)、杉本哲太(S5-11では五十嵐哲夫役)、先述の青木年男役の浅利陽介(S6-10では安藤博貴役)らがいる。
その他の常連ゲストとしては青木年男のポジションを受け継いだ土師太役の 松嶋亮太がS5-2に原タカシ役と合わせて26回、菅原大吉(計6回。うち2回は同じ役の山崎哲雄役)、山本道子(計5回。うち2回は同じ役の江波和江役)、迫田孝也(計4回)、西田健(計3回)、笹野高史(計3回)らがいる。その中でも前沢保美は唯一同じ役である遠山ちず役を含め、前述の松嶋を除くと計8回と役を替えての最多出演を果たした。
また本作は長期シリーズであるがゆえに、多くのゲストが登場しているが、出演当時は知名度が高くなかったが、後に他作品で主役やレギュラーを演じた俳優もおり、S1-5(2002年)『目撃者』では当時10歳の染谷将太、S4-4(2005年)『密やかな連続殺人』と同5『悪魔の囁き』では高橋一生、S4-13(2006年)『最後の着信』では桐谷健太、同17『告発の行方』では松重豊、S5-12(2007年)『狼の行方』では木下ほうか、S6-9(2007年)第9話『編集された殺人』では村井美樹、S7-7(2008年)『最後の砦』ではムロツヨシ、S9-9(2010年)『予兆』では吉田羊、S10-1(2011年)『贖罪』では吉田鋼太郎[注 6]、同10『ピエロ』では斎藤工が出演している[23]。以降もS11-11(2013年)『アリス』では波瑠、広瀬アリスおよび滝藤賢一、同14『バレンタイン計画』では葵わかなおよび北村匠海、S16-10『サクラ』では伊藤健太郎、同16『さっちゃん』では小手伸也が出演している[24]。
これ以外の出演者としては、2011年1月1日放送のseason9 第10話「聖戦」で、本作ファンの漫画家・青山剛昌がカメオ出演(取材の誘いを受けて、現場を訪れたことが出演のきっかけだという)[25]、2012年2月15日放送のseason10 第16話「宣誓」で、映画監督の三池崇史が特別出演[26] した。三池と交流のある和泉聖治監督からのオファーによるもの[27][28]。
その他にも元プロ野球選手の広沢好輝が2000年6月3日放送のpre season 第1話「刑事が警官を殺した!?」に警視庁記者クラブ記者・広沢役、フリーアナウンサーの羽鳥慎一が2015年1月1日放送のseason13 第10話「ストレイシープ」にリポーター役、ホストのROLANDが2016年10月26日放送のseason15 第3話「人生のお会計」にホスト役、プロゴルファーの原江里菜が2022年3月23日のseason20 最終話「冠城亘最後の事件―特命係との別離」に女医役でそれぞれカメオ出演している。
和泉聖治の参加以降制作が開始され、2000年6月に土曜ワイド劇場枠で『相棒・警視庁ふたりだけの特命係』として単発の2時間ドラマとして放送された。視聴率は17.7%で、2時間ドラマが全体的に低迷している時期としては高めであった[29]。この結果、テレビ朝日の上層部から「シリーズにしてくれないか」という話が挙がったが、水谷は「2時間ドラマの世界をもう少し試したい気持ちがあったので、シリーズ化の前に2時間枠で何本か作らせてほしいとお願いした」と自著にて語っている[30]。なお、この上層部とは2009年にテレビ朝日の社長に就任する早河洋であり、水谷は早河から「『相棒』は国民的ドラマになる可能性が極めて高いです。できるだけ長く続けていただきたい」と言われたと語っている[31]。
その後2001年11月までで3回放送。3作全てが好評だったことから連続ドラマ化が決定した。2002年の春から連続ドラマの第1弾となるseason1の撮影が始まったが、その際水谷は和泉と以下のように誓い合った[32]。
顰蹙を恐れないでいこう、ということですね。『相棒』を観て喜ぶ人とがっかりする人、つまり支持と不支持に分けたら、支持してくれる人が少し多ければ成立する。みんなに喜んでもらおうと思ったり、失敗を恐れて無難を選んだりはしない。『むしろ、顰蹙は買った方がいいという思いで創り続けよう』と話しました — 水谷豊
またシーズン化に当たって、作品のコンセプトに関して水谷は以下のように述べている[33]。
大人がテレビを観なくなったと言われていた時代なので、大人を振り向かせるドラマをつくろう、と話し合いました。時代も社会も変化していくものだから、ドラマも常に今を切り取っているものにしたい。エンターテインメントでありつつ、社会性も備えた作品をと。 — 水谷豊
season1は2002年10月から水曜21時刑事ドラマ枠で1クールで放送された。これに関して水谷は「いきなり2クールというのは重いので、まずはワンクールからとお願いした」と述べている[33]。翌2003年10月以降からは同枠で2クールで放送。さらにこのseason2から「相棒」とタイトルが簡略化。以降10月開始・3月終了のサイクルでシーズンを重ねている。
また、season4(2005年 - 2006年)以降は元日(1月1日)夜9時から2時間超の長編特番「相棒〜元日スペシャル」が放送されており、これ以降曜日に関係なく毎年元日にスペシャルとして放送されている。単独完結作の性質上、元日スペシャルは、所属するテレビシリーズとは外伝としての扱いで、話数調整の対象外となっているため、系列外局への遅れネットは任意となっている。
2008年には初映画化されるなどし、ドラマ自体とともに複数の賞を受けた(#受賞)が、2008年12月17日放送のseason7 第9話「レベル4〜後篇・薫最後の事件」を最後に寺脇康文が降板(降板はseason7の放送開始前にテレビ朝日が公表する異例の形態が取られた[34])し、亀山薫が特命係を去った直後は右京単独行動もしくは、ゲストキャストやメインキャストと一時的な相棒を組んだりする形を取っていた。
そして、翌2009年3月18日放送のseason7 最終話「特命」から2012年3月21日放送のseason10 最終話「罪と罰」まで及川光博演じる神戸尊が2代目相棒を務め、2012年10月10日放送のseason11 第1話「聖域」から2015年3月18日放送のseason13 最終話「ダークナイト」まで成宮寛貴演じる甲斐享が3代目相棒を務めた。
2015年10月14日放送のseason14 第1話「フランケンシュタインの告白」からは反町隆史演じる冠城亘が4代目相棒を務めており、2021年11月24日放送のseason20 第7話「かわおとこ」をもって、寺脇の出演回数を更新し、歴代相棒の中で最多の出演回数となった。同日、テレビ朝日からseason20限りでの反町のシリーズ卒業が発表され、2022年3月23日放送のseason20 最終話「冠城亘最後の事件〜特命係との別離」をもって特命係を去った。そして、10月12日放送のseason21 第1話「ペルソナ・ノン・グラータ〜殺人招待状」からは寺脇演じる亀山薫が5代目相棒として復帰した。
※ストーリー内にたびたび登場する施設・会社・組織・部署、国家などを記す。早慶大学や自友党など現実世界のモデルが容易にわかるものも少なくない。
杉下右京が係長を務める部署。正式名称は警視庁生活安全部特命係[注 12][38][39][40]または警視庁刑事部臨時付特命係[注 13]であったが、S16-2以降は警察庁長官官房付特命係警視庁預かりとなっている。 警視庁の上層部が不要と判断した人間を、右京の下に置いて自主退職させるための追い出し部屋。設置されてから6人がこの部署に在籍し、いずれも1週間足らずで辞めている[注 14]が、その次に左遷されてきた亀山薫(PS1からS7-9まで)[41]、右京の監視のため配属された神戸尊(S7-19〈終〉からS10-19〈終〉まで)[42]、旅先での出会いを経て右京の指名で配属された甲斐享(S11-1からS13-19〈終〉まで)[43]、警視庁出向中の法務省キャリア官僚だった冠城亘(S14-1からS20-20〈終〉まで)[44]の4名はそれぞれ長期に渡って在籍していた。S21からは亀山が嘱託職員として復帰し[45]、紆余曲折の末に司法警察職員としての再任用として配属された。 基本は右京と部下1名のみから成る部署だが、陣川公平(S3-6)や青木年男(S16-20〈終〉からS17-10まで)が一時的に配属されて3人体制となったこともある。捜査のために、人事交流という建前で法務省職員・姉川聖子が臨時配置されたこともある(S7-10)。また右京の相棒不在時や犯人などにより捜査不能になった時には捜査一課の伊丹や三浦や芹沢、鑑識の米沢などが右京の部下のような役割を果たすこともある。 外務省高官宅篭城事件の解決のために小野田公顕が非公式に立ち上げた組織「緊急対策特命係」を前身としており、捜査二課から作戦参謀として引き抜かれた右京と、SATから選抜した隊員5人で構成されていた。しかし小野田の失策のために隊員・人質に死者を出す惨事となったため、右京は激昂し「緊急対策特命係」の表札を破壊した。その後、右京に全責任を取らせる形で「特命係」として正式に発足。便宜上、角田六郎が課長を務めている部署の所属(S4までは「生活安全部薬物対策課」、S5以降は「組織犯罪対策部組織犯罪対策第5課」)になっているが、角田は直属の上司に当たらないというポジションになっており[注 15]、S16-2からは特命係の解体を目論む警視庁副総監の衣笠藤治の思惑により警察庁長官官房付の甲斐峯秋が指揮統括役を任せられ名目上の上司となっている[46]。 「特命」は右京によると「特別に命令があれば何でもする」という意味であり、通常は証拠品の返却などの雑務や、時に組対5課など他部署の手伝いを行っている。それらが特にない場合は基本的に何もしない形となる。しかし捜査権限を持っていないにもかかわらず非公式の捜査も行い、犯人を逮捕直前まで追い込むことがしばしばあるが、手柄は全て捜査一課や組対5課など公式な捜査をしている部署のものになっている。窓際部署であることに加え右京が利害関係を問わずに警察組織の黒い部分を洗い出そうとしていることもあり、上層部には煙たがられる存在である[47]。しかし「特命」という響きから一般人などからは「特別な捜査を命じられる部署」「特命最前線」など勘違いされる場合もある。そのため、亀山、陣川は特命係への配属理由を知るまで栄転による異動だと思っていた[注 16]。 大河内の言葉によれば、警察上層部の中には「特命係の活躍を認めるぐらいなら迷宮入りした方がマシ」と考える者もいる(S7-1)。その一方で「ジョーカー」と呼ばれるなど、その能力を買われることもある(S8-19〈終〉、S16-6)。一般の警察官にも一部では名前が知られているが(S13-4、S16-6など)、噂だけの存在として扱われている(S19-1など)。 実際の部署の存在する部屋が頻繁に移動している。PSの時点では、2室に分かれた入口から見て右側に窓のある部屋だったが、その後、地階とも思われる場所に移動したこともある。現在は警視庁本部庁舎3階[48]の組織犯罪対策部組織犯罪対策5課の奥に居を構えている[注 17]。 特命係の人間は、出勤時に名札を名前が黒字で書かれた面を表にし、退勤時に名前が赤字で書かれた面へ裏返すことが規則となっている。
右京の元妻・宮部たまきが営んでいた小料理屋。PSでは「新ふくとみ」という名前だった。「新ふくとみ」は、店内に他の従業員がいる、座敷席がある、テレビが置いてあるなど、後の「花の里」とは営業形態が異なっている。 「花の里」は座席数は10席程度でカウンター席のみ。S4までは外観・内装と所在地周辺の風景はシリーズごとに若干異なっていたが、S5より固定された。初期は代々木に店を構えていたようで、他の従業員やテレビの存在が確認できた。名前の由来は杉下右京の遠縁の親戚「杉下花」から。S10-1にてたまきの意向により突如閉店する。右京の薦めで月本幸子が女将の立場を引き継いだことにより営業を再開したが(S10-12)、 幸子の一身上の意向により再び閉店(S17-19)。彼女の退場後のseason17-最終回とseason18以降のシリーズには登場していない。 劇中では、最初期を除いて他の客が来店する様子はほとんど見られないが、予約の電話が入ったり(S5-3)、客が帰宅する様子が見られるため(S10-12)、ある程度の来客は存在するようである。まれに右京たち以外のメインキャストや物語の主軸となる人物が来店する(S11-11、S12-16など)こともある。 レギュラーや準レギュラーをはじめ、各回ゲストが訪れることもある。一般客の姿はあまり見られないが、一部回で訪れる場面がある。
なお花の里の外観は以前赤坂で実際に営業していた小料理屋のものである。PS時の「新ふくとみ」は渋谷に実在した店でスタッフクレジットにも撮影協力者として表記されていた。初期の頃と店名や外観が異なるのは撮影に協力した実在の店の店主の死去などで撮影協力が得られなくなったからである。[要出典]
season18 最終話にて開店した家庭料理店。 元々は「小手鞠」という芸名で赤坂の芸者をしていた小出茉梨が営む小料理屋。内閣官房長官や各界の著名人に贔屓にされていた事実や警察関係者がよく利用する事からあまり客足は芳しいとは言えないが、茉梨曰く「お店は趣味でやっているので、問題はない」(S19-1)と意に介さない様子。花の里とは違って店の入り口にも「警察官立寄所」との表示が掲げられており、カウンターに加えて座敷席もある。 右京と冠城は、S18-20〈終〉より、閉店した花の里に代わって、甲斐峯秋の勧めによってこの料理店に通うようになった。S21-1からは亀山夫婦も通うようになり、美和子は同店でアルバイトをすることになった(S21-3)。
三浦曰く一昔前はあからさまな暴力団、初登場時ではあからさまでない暴力団とのこと。作中では壊滅まで描写された。
左翼過激派のテロ組織。全共闘などいわゆる学生運動の時期に生まれた国際的なテロ組織であるが、現在では下火であり(神戸によると「国内勢力は壊滅状態」)、一部の幹部が活動を続け復活の時を待っているとされる。かつて有名な革命戦士として名を馳せていた本多篤人が設立メンバー・幹部として所属していた。劇中ではその名称や構成員が話の一端に絡む程度で話の本筋に関わることはほとんどなかった(S5-11、S6-10、劇I、S8-1、裏相棒)が、S9-18〈終〉にて国家を危機に直面させる事態を引き起こしている。 創始者の言葉として「夜が明けるから目覚めるのではない、目覚めたから夜が明けるのだ。目覚めぬ者に夜明けは来ない」がある。
東南アジアに位置する架空の国家。S7-1、2に登場した地図によると、ミャンマーとバングラデシュの間[注 19] に位置している[注 20]。 東南アジアと南アジアの境に当たるが、東南アジアの国と明言されている。ミャンマーのパレッワ(en)付近に相当する位置に首都カーサルがある。国旗は黒・黄・赤・緑・白の5色で、意匠はスーダンやヨルダンのものと似ている。 政府をはじめとする様々な組織が腐敗している影響で不安定な情勢が続いている。ウランやレアメタルが豊富に産出するが、その恩恵は特権階級が独占しており、国民の大半は貧困にあえいでいる。日本政府が食糧援助も行っている。 亀山の高校時代の親友・兼高公一が生前、NGOのボランティア活動のために滞在していたが、兼高が殺害された事件(S7-1、2)をきっかけに、亀山は彼の遺志を継ぐため警視庁を退職し、妻の美和子とともに移住した(S7-9)。後に、亀山の教え子が率いた反政府革命により、共和制が瓦解して王政復古した(S21-1)。 シリーズが進むと、サルウィン出身の人物が日本で働いている姿が描写されるようになった(S17-9)。さらにS21-1では、サルウィンの要人と日本人の協力者も登場している。
南米に位置する架空の国家。S14-9にて、コロンビアの西隣の架空の三角形状の半島[注 21]に位置することが判明。首都はマウベ(Maube)。 反政府ゲリラや反米勢力による内戦で国内は混乱状態にあり、劇I時の5年前、S12-1の10年前頃には誘拐がビジネス化していたようである。また、甲斐峯秋がS12-1でエルドビアの日本大使館にいたこと、および、同時期に日本大使館にいた綿貫孝雄と親交があったことが劇IIIで、それぞれ明かされている。 後に「科捜研の女」にも同様の国名がたびたび登場している[注 22]。また、和泉監督が関わった「そして誰もいなくなった」の登場人物の過去のエピソードでも登場している。
南米に位置する架空の国家。首都はペルグランディア。 初出はS7-12で、日本で殺人を犯した犯人の故郷として登場し、S9-6では二見会と呼ばれる暴力団の麻薬の入手先として登場している。 後に「科捜研の女」にも同様の国名が登場し[注 23]、そちらでは国土の位置も判明した[注 24]。
東アジアに位置する架空の国家(詳しい位置は不明)。作中では主に「東国」と呼ばれている。首都はペイリョウ。その他、陶磁器で有名なシャンリェンという都市が存在する。漢字・ハングルに似た独自の文字が使われている。 軍事国家であり、一度スパイの嫌疑が掛かれば無実でも極刑は免れないとされる。また関係者の一人が「疑問に思ったことを自由に考えてはいけない」と話していることから、言論統制などが行われているようである。アルコールがタブーとされ、一般の旅客機でも領空上では酒類を提供できない。 名称の初出はS11-19〈終〉で、S22-10で実際に登場し主要な舞台となった。 峯秋曰く「無法国家」で、日本企業の社員を買収しての炭素繊維の国外持ち出しやそれを捜査していた刑事の謀殺(S11-19〈終〉)、日本の数学者への素数解析プログラムの依頼など(S12-2)、日本国内でも数々の事件の裏で暗躍し犯人の動機のネタを提供している。
家電を主力とする電機メーカー。初出はS4-6で、その後も劇I、S12-4などに登場している。
右京の後輩が総務部長として勤務していた有名企業。 初出はS1-9で、同社を訪れていた特命係の眼前で、経理の社員らが夢遊病者のようにさまよい出た隙に金庫から大金を盗まれるという事件が起きた。 「タッちゃん」というマスコットキャラがおり、S2-4、S8-4などに登場している。
名前通り現実世界のYouTubeに当る動画配信サイト。主要なゲストが配信者である回がたびたび存在するほか、あからさまな犯罪に利用されることも多い(S22-20〈終〉など)。神戸尊時代から甲斐享時代にかけては現実世界のニコニコ動画などに当たる別の動画配信サイトが登場したこともあったが冠城亘時代以降はほぼ登場していない。
亀山薫達の出身大学。
甲斐享、冠城亘などの出身大学。
東京大学、慶明大学、文教館大学、恵和医科大学、他
相棒の産みの親であるプロデューサーの松本基弘はseason12で降板。後任には桑田潔と佐藤凉一が就任した[49]。プロデューサーの交代に関して水谷は以下のように述べている。
実はこの頃、僕は『相棒』の幕引きを考えていました。番組が始まって15年が経っていましたし、ナリの後が最後の相棒になるだろうと想像していました。そんな僕の思いとは別に、テレビ朝日がいわば、ドラマ部門のエースプロデューサーである桑田、佐藤の二人を出してきたのは、この先もまだ『相棒』を続けたいとの強いメッセージだと思いました。 — 水谷豊、[50]
松本の降板と同時にシリーズ初期から脚本を手がけてきた櫻井武晴や戸田山雅司なども降板し、輿水以外の脚本陣が大きく入れ替わっている。また、pre seasonから監督を務めた和泉聖治もseason14 最終回「ラストケース」をもって卒業。season15以降は、season2から相棒の制作にかかわっている橋本一監督が主体となって制作が進められている。
pre season / 特別編 / season1 / season2 / season3 / season4 / season5 / season6 / season7 / season8 / season9 / season10 / season11 / season12 / season13 / season14 / season15 / season16 / season17 / season18 / season19 / season20 / season21 / season22 / season23
「トリオ・ザ・捜一」の伊丹、三浦[注 26]、芹沢と鑑識の米沢[注 26]を中心としたコメディ仕立てのショートドラマ。『裏相棒2』からは角田が、『裏相棒3』からは内村と中園も加わる。時間は3分。
『裏相棒』は劇場版公開に合わせて2008年4月22日から同年5月2日まで未明帯で放送された。関東地方での放送時間は火曜 - 金曜1:15 - 1:23(月曜 - 木曜深夜)[53]、地域により放送日が異なる。全8回。また新作映画公開記念として、CSのテレ朝チャンネル(30分、8話連続)と東映チャンネル(15分、4話連続、前編・後編)で放送され、2008年5月19日(日曜、5月18日〈土曜〉深夜、関東ローカル)で0時30分から1時20分)ドスペ2「相棒まだまだ公開中スペシャル!」内でも、第7回以外を一挙放送(前半「テラコヤ!」、後半「裏相棒」)。season6のDVD1(初回版)の特典ディスクとしてソフト化された(「相棒 season6 - Vol.12」として単品レンタルあり)。
『裏相棒2』は『鑑識・米沢守の事件簿』公開に合わせ公式サイトで配信されたスピンオフ作品。2009年3月18日のシーズン7最終回放送終了後から第1夜の配信を開始、以後全4回を毎週水曜日に1回ずつ配信された。なお、配信の前にキャストが出演するオリジナルCMが挿入された。season7のDVD-BOX2に全話収録。
『裏相棒3』は劇IV公開に合わせて2017年2月6日から2月10日にかけて『ワイド!スクランブル・第2部』(月曜 - 金曜12:30 - 13:45)内にて放送されたスピンオフ作品[54]。全5話。「裏相棒」初の昼間の放送となる。劇IVの豪華版Blu-ray/DVDの特典DVD2に全話収録。
芹沢役の山中崇史はスタッフブログ内のインタビューの中で第1話について、芹沢の友人、それも同期の元警官(演:袴田吉彦)が容疑者ということがショックだったと振り返っている[55]。その一方で、前半と後半で扱う出来事が異なるのが面白いとも話している[55]。また、スイーツというあだ名は恥ずかしかったといい、番組を知らない者にとってはいきなり出てくるのでどう思われるのか気になったとのべている[55]。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|
第一夜 | 2008年4月22日 | 茶色の小瓶 | 戸田山雅司 | 近藤俊明 |
第二夜 | 4月23日 | 「花の里」奇譚 | ||
第三夜 | 4月24日 | 踊る大発毛腺 | ||
第四夜 | 4月25日 | 張り込み | ||
第五夜 | 4月29日 | マジックミラー | ||
第六夜 | 4月30日 | 伊丹の足の下 | ||
第七夜 | 5月1日 | 続・「花の里」奇譚 | ||
第八夜 | 5月2日 | 恋するイタミン |
話数 | 配信開始日 | 放送日時 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|
第一夜 | 2009年3月18日 | 2009年4月6日 2:10 - 2:20(4月5日深夜) | 宿直の夜 | 櫻井武晴 | 安養寺工 |
第二夜 | 3月25日 | 致命的なミス | |||
第三夜 | 4月1日 | 4月13日 2:55 - 3:05(4月12日深夜) | 驚愕の事実 | ||
最終夜 | 4月8日 | 鑑識ショッピング |
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|
第一話 | 2017年2月6日 | 理想の刑事 | 櫻井智也 | 東伸児 |
第二話 | 2月7日 | パレード | ||
第三話 | 2月8日 | 国際犯罪組織 | ||
第四話 | 2月9日 | 再会の時 | ||
第五話 | 2月10日 | 運命 |
動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)」にて配信のオリジナル作品。脚本は輿水泰弘、徳永富彦が手掛ける。2020年12月25日12:00より2作品[56][57]と、2022年2月9日より新作「とりしらべ」が配信[58]。2024年3月20日より「相棒 sideA/sideB」[59]が、続く10月16日は前作の2年後のエピソードを追加した「相棒 side X」が配信[60]。
配信開始日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|
2020年12月25日 | 杉下右京はここにいる | 輿水泰弘 | 権野元 |
冠城亘はここにいる | 畑中みゆき | ||
2022年2月9日 | とりしらべ | 橋本一 | |
2024年3月20日 | 相棒 sideA/sideB | 徳永富彦 | |
2024年10月16日 | 相棒 side X | ||
2007年にseason5 第11話の「バベルの塔」が日本民間放送連盟賞 テレビドラマ番組部門 優秀賞を受賞した。
2008年には本作での演技が評価され水谷と寺脇が第16回橋田賞を受賞[61]。また映画『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』でも複数の賞を受けている。
season7放送後の『ザテレビジョン』主催の「第60回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」では亀山卒業後も右京単独で活躍させた取り組みなどが評価され、ザテレビジョン特別賞を受賞した。
2011年には多彩なキャラクターの魅力、硬派なテーマを扱う一方で遊び心もうまく取り混ぜるシリーズ構成、脚本の完成度の高さ、人気に甘えないチャレンジ精神などが評価され、第48回ギャラクシー賞テレビ部門特別賞を受賞した[62]。同じく2011年にはseason9第8話の「ボーダーライン」が派遣労働者の貧困を扱ったことが評価され、貧困ジャーナリズム大賞2011を受賞している[63][64]。受賞の対象は主演の水谷と脚本担当の櫻井武晴。
大和ネクスト銀行が調査した、シニア層(50歳から79歳)が選ぶ2014年の面白かったドラマに、season12が第2位、season13が第3位にランクインした[65]。
2015年、season13が第41回放送文化基金賞・テレビドラマ番組部門の最優秀賞を受賞[66]。
2022年に行われ150人が投票に参加した「期待度が高い2022年秋ドラマランキングベスト13」では、season21が見事1位に輝いた[67]。
以下、「オリジナル」は本家の『相棒』、「BGM」はオリジナルのBGMを意味する。
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
2006年放送のseason4 最終回でDVDソフト化が発表された。なお、テレビ朝日系刑事ドラマでは、この作品が初めてDVD化されたものとなる。初版のpre seasonからseason17までにおける販売元のクレジットはワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント。販売元であるNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン[注 29] は、ワーナーとの契約により表記していなかった。しかし、劇場版のリリースに限りDVDレンタル向けに関しては表記されるようになった[注 30]。『X DAY』の販売元はハピネット、『劇場版IV』及びseason19以降の販売元はハピネット・メディアマーケティング、新装版のpre seasonからseason17まで[注 31]及びseason18の販売元はハピネット・マーケティング。劇IIよりBlu-rayも同時発売され、Blu-ray化されていなかったpre seasonからseason8までは2014年7月から2015年9月にわたってBlu-ray BOXが発売された。
上記のシナリオ集の他、以下の雑誌に本作の脚本が掲載されている。
宝塚歌劇団によって舞台演劇化され、2009年12月から2010年1月にかけて花組公演として、シアター・ドラマシティと日本青年館で公演された[76][77]。
輿水泰弘の原案をもとに石田昌也が脚本を執筆し、杉下右京と神戸尊を中心としたテレビドラマ版とは異なるオリジナルストーリーとなっている。桜乃彩音が演じたパリス・エヴァンスをはじめ、一部の配役は舞台版のオリジナルキャラクターが登場している。またパパイヤ鈴木が振付として参加した。
人気テレビドラマの宝塚における舞台化は話題を呼ぶと同時に不安視もされたが、出演者がそれぞれのメインキャラクターの特徴を研究した役作りが好評だった[78]。
なお、この舞台で右京役を演じた真飛聖はseason11からseason13に掛けて甲斐享の恋人である笛吹悦子役として出演している。
特記の無い限り、ノベライズは碇卯人[注 32] が担当。TVシリーズは朝日文庫、劇場版は小学館または小学館文庫から刊行される。なお、劇場版のノベライズ作は結末が映画版と異なっている。
小学館『ビッグコミックスペリオール』2008年第1号(2007年12月14日発売)から2012年第12号(2012年5月25日発売)にかけて連載された。作画はこやす珠世。漫画化のエピソードは基本的にドラマにおけるpre seasonから、season1までのエピソードとなっているがドラマ版の放送順とは異なる箇所がある。単行本は全12巻(ビッグコミックス)。
番外編に『鑑識・米沢守の事件簿』がある。同じくこやす珠世の作画で、『ビッグコミック増刊』2009年4月17日号に掲載された。
テクモよりニンテンドーDS用アドベンチャーゲーム『相棒DS』が2009年3月5日に発売された[79]。
ゲームオリジナルストーリー3編を楽しめるドラマモード(全編ドラマ同様に音声つきの実写で展開される)、ドラマでの人気エピソードや重要な物語を元にしたストーリーを5話収録し小説で再現したノベルモード、相棒にちなんだミニゲームなどのコンテンツがあるおまけモードの3つにより構成されている[79]。ドラマモードをクリアすると2008年版のサウンドトラックを聞けるようになる。ただし『正義の行方』など一部の曲は収録されていない。初回特典は主要登場人物9人の名ゼリフを集めたステッカー。
テクモの設楽昌宏はもともと番組のファンであり、番組のチーフプロデューサーである松本基弘に相談したところ、世界観の拡張になるとして快諾されたと、制作発表会見にて明らかにしている[79]。
各話 | サブタイトル | 脚本 |
---|---|---|
Episode 1 | 残照 | 石川雅之(シナリオプロデューサー)、平松正樹、都築孝史、小澤俊介、山崎修(シナリオ制作) |
Episode 2 | 殺意の琴線 | |
Episode 3 | 遺志 |
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