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北海道函館市の地方公営企業である函館市企業局の交通部局 ウィキペディアから
函館市企業局交通部(はこだてしきぎょうきょくこうつうぶ)は、北海道函館市の地方公営企業である函館市企業局の交通部局。軌道(路面電車、函館市電)事業を行っている。
2003年(平成15年)3月31日までは路線バス事業(函館市営バス)も行っていたが[1]、函館バスに移管された[2]。
事業所は、函館市駒場町15-1。路面電車は札幌市交通局が運営している札幌市電とともに北海道遺産の一つに選定されている。
2011年3月31日までは函館市交通局の名称であったが、水道局(現、函館市企業局上下水道部)との統合による企業局の発足により、翌4月1日から交通部門は企業局交通部となった。
下湯川村の商人、佐藤祐知などが創立した亀函馬車鉄道(きかんばしゃてつどう)が、東京馬車鉄道と小田原馬車鉄道(小田急箱根の前身)の技術指導を受けて1897年に開業した馬車鉄道を起源とし、1911年に函館水電(現・北海道電力)が継承して1913年に電化し、北海道初の路面電車として運転を開始した。その後いくつかの電気事業者の手を経て、1943年、電力統制のため鉄軌道事業を道南電気軌道に譲渡。同年、陸運統制令により、函館市が譲り受けた。道南電気軌道はバス事業も運営しており、バスも同時に市営となっている。
市電は戦後も路線の延長がおこなわれ、当時は函館市外だった亀田町(1971年11月に亀田市となり、1973年12月に函館市に合併)にも線路を延ばしている。1959年の湯の川線の全通で、市電の路線総延長はピークとなった。しかし1970年代に入ってから中心部の空洞化と市街地の拡散が進み、市営交通の利用者は減少する。バスについては函館バスと市営バス事業とのエリア協定もあり、非効率な路線設定と経営の不採算性が生じていた。交通局が1974年に交通事業財政再建団体に指定されたため、経営の合理化(市電路線の一部廃止や資産の縮小化等)が図られることとなる。1988年に財政再建団体指定は解除されたが、その後再び市営交通の経営状態が問題となり、1991年に函館市交通事業健全化計画が策定された。これに基づき、残存していた市電路線の約1/3が廃止される。市バスについては、順次市営バス事業を函館バスに移管し[3]、2003年にバス事業を廃止した。
停留所・施設・接続概略 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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キロ程は現在の運行系統起点となる湯の川より |
最盛期には6路線合計17.9 km(12系統)の路線を有していたが、乗客の減少から経営状態が厳しくなり、1978年(昭和53年)、1992年(平成4年)、1993年(平成5年)に路線の一部を廃止し、以後は4路線合計10.9 km(2系統)の路線を運営している。
上記のほか、改キロにより1977年と1983年に各0.1 km減。
以下の通り路線見直しの検討があった。
このほか、途中折り返し系統や駒場車庫前発着の出入庫系統、通勤・通学・観光客の状況により運転する臨時便がある。両系統重複区間のみの運行となる湯の川・駒場車庫前 - 函館駅前は5系統となる。
各停留場には番号(いわゆる駅ナンバリング)が付与されており、2011年ごろから番号に加え、運転系統記号が付いている[注釈 1]。運転系統記号は終点の頭文字からとられており、両系統が重複する区間(湯の川 - 十字街間)は「DY」となる。
何度かの時刻改正によって、以下の通り運行間隔が変更されている。
運行間隔の変遷 | |||
---|---|---|---|
改正年月日 | 運行間隔 〔()内は系統重複区間〕 |
備考 | |
始発 - 18時 | 19時以降 | ||
2004年(平成16年) 4月1日 |
10分間隔 (5分間隔) |
20 - 30分間隔 (10 - 20分間隔) |
[34][35] |
2010年(平成22年) 4月1日 |
10 - 12分間隔 (5 - 6分間隔) |
20 - 24分間隔 (10 - 12分間隔) |
[34][36] |
2021年(令和3年) 4月1日 |
11 - 12分間隔 (5 - 6分間隔) |
20 - 43分間隔 (10 - 20分間隔) |
[34][37] |
2022年(令和4年) 6月4日 |
11 - 16分間隔 (5 - 8分間隔) |
28 - 30分間隔 (5 - 20分間隔) |
[34][38] |
区間は系統最長のもの。廃線による区間短縮や、途中止まりなども存在した。
6 - 12系統は、臨時などの増発便や夜間入庫便に別の系統番号を割り振ったものであった。
この節の加筆が望まれています。 |
路線名 | 停留場 番号 |
停留場名 | 路線距離 | 通算距離 | 接続路線・バス乗継指定停留所 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|
湯の川線 | DY01 | 湯の川 | 0.0 | 0.0 | 函館バス「湯倉神社前」 | 湯川町2丁目 |
DY02 | 湯の川温泉 | 0.5 | 0.5 | 湯川町2丁目 | ||
DY03 | 函館アリーナ前 | 0.8 | 0.8 | 湯川町1丁目 | ||
DY04 | 駒場車庫前 | 1.0 | 1.0 | 駒場町・深堀町 | ||
DY05 | 競馬場前 | 1.3 | 1.3 | 函館バス「競馬場前」※ICAS nimoca使用の場合のみ乗り継ぎ可能[40] | 駒場町・深堀町 | |
DY06 | 深堀町 | 1.8 | 1.8 | 函館バス「深堀町」 | 柏木町 | |
DY07 | 柏木町 | 2.3 | 2.3 | 柏木町 | ||
DY08 | 杉並町 | 2.9 | 2.9 | 松陰町・杉並町 | ||
DY09 | 五稜郭公園前 | 3.5 | 3.5 | 函館バス「五稜郭(市営バス運行時の名称は五稜郭電停前)」 | 本町 | |
DY10 | 中央病院前 | 3.8 | 3.8 | 本町 | ||
DY11 | 千代台 | 4.1 | 4.1 | 千代台町 | ||
DY12 | 堀川町 | 4.7 | 4.7 | 千代台町・中島町 | ||
DY13 | 昭和橋 | 5.0 | 5.0 | 函館バス「昭和橋」※ICAS nimoca使用の場合のみ乗り継ぎ可能[40] | 堀川町 | |
DY14 | 千歳町 | 5.3 | 5.3 | 千歳町・新川町 | ||
DY15 | 新川町 | 5.6 | 5.6 | 千歳町・新川町 | ||
DY16 | 松風町 | 6.0 | 6.0 | 松風町 | ||
大森線 | 0.0 | |||||
DY17 | 函館駅前 | 0.5 | 6.5 | 北海道旅客鉄道:函館本線 - 函館駅 (H75) 函館バス「函館駅前」「棒二森屋前」 |
若松町 | |
本線 | 0.0 | |||||
DY18 | 市役所前 | 0.3 | 6.8 | 大手町 | ||
DY19 | 魚市場通 | 0.8 | 7.3 | 豊川町・大手町 | ||
DY20 | 十字街 | 1.3 | 7.8 | 函館市電:宝来・谷地頭線 | 豊川町 | |
D21 | 末広町 | 1.9 | 8.4 | 末広町 | ||
D22 | 大町 | 2.3 | 8.8 | 大町 | ||
D23 | 函館どつく前 | 2.8 | 9.3 | 入舟町 |
車両外側は1975年5月14日に「カラー広告電車」第1号(724号=廃車済み)が登場して以来、ペイントのほか近年はラッピングで車体広告が施されており、同一のスポンサーによる車両は2015年現在1両も無い。
2023年3月31日現在、営業用車10形式32両、除雪車2両、装飾車3両、計37両を保有する[41]。
「チンチン電車」として観光客向けに走らせている。元々は成田市の成宗電気軌道で運行されていた車両で、1918年に函館に譲渡され客車として運行されていた。その後1937年にササラ式除雪車に改造され、1991年(平成3年)策定の函館市交通事業健全化計画に基づく乗客誘致策の一つ[43]、および1992年(平成4年)の函館市制70周年記念事業の一環として当初の姿に復元された。運転士のほか車掌も乗務しており、おもに女性車掌が切符を発売・回収している。
系統番号は表示せず、駒場車庫前 - 谷地頭・函館どつく前の運転を基本とする。出入庫および関連便で湯の川 - 駒場車庫前・谷地頭・函館どつく前が設定されるほか、8月の旧盆を含む繁忙期はかつて基本系統であった五稜郭公園前 - 谷地頭・函館どつく前を設定の上で増発される。
運行期間は4月中旬 - 10月31日となっている。
その年の通常運行日については、各停留場に掲示の箱館ハイカラ號時刻表・車内や乗車券販売所で配布のパンフレット[44]・函館市のホームページ[45]に記載がある。
運賃は他の電車と同じで、現金以外に各種乗車券・カード・利用証(一部を除く)が使用できる。
年 | 500形 | 710形 | 800形 | 1000形 | 8000形 | 2000形 | 3000形 | 8100形 | 9600形 | 30形 | 合計(冷房車) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1982- 1984 | 26 | 12 | 12 | 4 | 54(0) | ||||||
1985 | 23 | 11 | 12 | 3 | 49(0) | ||||||
1986- 1989 | 21 | 11 | 12 | 3 | 47(0) | ||||||
1990 | 21 | 11 | 11 | 3 | 1 | 47(0) | |||||
1991 | 21 | 11 | 10 | 3 | 2 | 47(0) | |||||
1992 | 18 | 11 | 9 | 3 | 3 | 44(0) | |||||
1993 | 15 | 11 | 8 | 3 | 4 | 1 | 1(1) | 42(1) | |||
1994 | 7 | 10 | 7 | 3 | 5 | 2 | 2(2) | 1 | 37(2) | ||
1995 | 5 | 10 | 6 | 3 | 6 | 2 | 3(3) | 1 | 36(3) | ||
1996 | 4 | 10 | 6 | 3 | 6 | 2 | 4(4) | 1 | 36(4) | ||
1997- 2001 | 3 | 10 | 4 | 3 | 8 | 2 | 4(4) | 1 | 35(4) | ||
2002- 2006 | 3 | 10 | 3 | 3 | 8 | 2 | 4(4) | 1 | 1 | 35(4) | |
2007- 2009 | 2 | 10 | 3 | 1 | 8 | 2 | 4(4) | 1 | 1(1) | 1 | 33(5) |
2010 | 2 | 9 | 3 | 8 | 2 | 4(4) | 1 | 2(2) | 1 | 32(6) | |
2011 | 2 | 9 | 3 | 8 | 2 | 4(4) | 1 | 2(2) | 1 | 32(6) | |
現在ある車庫は駒場車庫のみである。
かつては均一料金制であったが、1992年(平成4年)10月より通常時は対キロ区間制料金を採用している。支払い方法は乗車時に整理券を取り、降車時に料金表の整理券番号に合わせて料金を支払う形となっている。なお、前述の箱館ハイカラ號については、乗車直後に車掌に目的地を伝えた上で運賃を支払って乗車券を受け取る形をとっている。
普通料金(大人1乗車の料金。小児は半額、5円の端数は切り上げ。2019年(令和元年)10月1日改定[49])
区間 | 大人 | 小児 |
---|---|---|
2 kmまで | 210円 | 110円 |
4 kmまで | 230円 | 120円 |
7 kmまで | 250円 | 130円 |
7 km超 | 260円 | 130円 |
障がい者等の料金は後述する。
以下のイベント、キャンペーン時は200円均一料金となる場合がある。
なお、路面電車の日(6月10日)の均一料金は2018年までは行われていた[54]が、2019年(令和元年)はそれに代えてICAS nimocaの乗車ポイントを通常の3%から、当日のみ10%に引き上げるサービスとしている[55]。
他にも5月5日(こどもの日)に小児料金のみ無料となる場合がある[56]。
区間 | 大人 |
---|---|
2 kmまで | 180円 |
4 kmまで | 200円 |
7 kmまで | 210円 |
7 km超 | 220円 |
区間 | 大人 |
---|---|
2 kmまで | 200円 |
4 kmまで | 220円 |
7 kmまで | 240円 |
7 km超 | 250円 |
区間 | 大人 |
---|---|
2 kmまで | 210円 |
4 kmまで | 230円 |
7 kmまで | 240円 |
7 km超 | 250円 |
宝来・谷地頭線と本線函館どつく前方面を十字街で乗り換える場合や、途中が終点の電車で後続の電車に乗り継いで先へ向かう場合は、目的地までの料金を支払った上で運転士から乗換乗車券の発行を受けることで、直通運賃が適用となる。磁気乗車カード利用時も乗換乗車券が発行される。
ICAS nimocaを含めた全国相互利用交通系ICカードを利用する場合でも、五稜郭公園前・函館駅前・十字街で系統変更にともなう乗り換えが出来る。ただし、複数人での乗り換えには対応していない[59][60]。
ICAS nimocaを含めたnimocaを使用する場合、電車同士または電車と函館バスを60分以内に乗り換えると乗り継ぎの扱いとなる。電車同士は全ての停留場で乗り継ぎ可(上記の乗り換えとなる場合を除く)、電車 - 函館バス間を乗り継ぐ場合は指定停留場(所)でのみ乗り継ぎが出来る。乗継指定停留場(所)は「停留場一覧」を参照。1名で乗り継ぐ場合は下車時に運賃箱上部の降車リーダーにタッチして通常運賃を支払ったのち、60分以内に乗り継ぎ先バス・電車の乗車リーダーにタッチする事で乗り継ぎ扱いとなり、乗り継ぎ先バス・電車の降車時に通常運賃から一律160円を引いた額が引き落とされる[61]。1枚のカードで複数人乗り継ぎする場合は、下車時精算前に乗務員にその旨を伝えた上での対応となる[62]。なお、箱館ハイカラ號の乗車をともなう乗り継ぎ時は乗り継ぎ運賃が適用されない[44][45]。
2023年(令和5年)11月までは現金で(2020年〈令和2年〉3月までは乗車カードでも)、電車と函館バスを乗り継ぐ場合は、市電(バス)降車時に乗務員に行き先を告げ、支払う料金に乗継料金50円(小児20円)加えた金額を支払い乗継乗車券を利用すると、乗り継いだ先の料金が割引になる。乗車カード利用時は情報がカードに記録されるため、乗継乗車券を受け取る必要はなかった。乗継指定停留場(所)での乗り継ぎに限られ、指定停留場(所)以外での乗り継ぎや、函館帝産バスや北海道バスなど函館バス以外の事業者には適用されない。乗継乗車券は発行当日、乗り継ぎ先降車時刻が2時間以内に有効。乗継乗車券のみで乗車出来る区間は、乗り継いだ先の運賃が210円区間までで、これを超える場合は現金(または2020年3月までは乗車カード)で差額精算が必要となる。カード乗車券で乗り継ぐ場合は自動的に精算された。
この制度は当初、電車から市営バス、市営バスから電車、市営バス同士でかつ目的地までの直通系統がない区間を利用する場合のみの制度だった[63]。
なお、イカすカードを含めた乗車カードによる乗り継ぎは2020年(令和2年)4月1日の使用終了によりできなくなり[64]、現金による乗り継ぎは2023年(令和5年)12月1日の乗継乗車券(紙製)の発券休止により[65]できなくなる。
券種 | 2kmまで | 4kmまで | 7kmまで | 7km超 | 摘要 |
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普通定期券(1月券) | 8,810円 | 9,680円 | 10,320円 | 10,770円 | 券面区間の60回相当額の約3割引 |
普通定期券(3月券) | 25,100円 | 27,610円 | 29,410円 | 30,690円 | 1月券の3か月相当の約5%引き |
普通定期券(6月券) | 47,570円 | 52,270円 | 55,730円 | 58,160円 | 1月券の6か月相当の約10%引き |
学生等割引定期券(1月券・大人) | 6,300円 | 6,900円 | 7,330円 | 7,640円 | 券面区間の60回相当額の約5割引 |
学生等割引定期券(3月券・大人) | 17,960円 | 19,670円 | 20,890円 | 21,770円 | 1月券の3か月相当の約5%引き |
学生等割引定期券(6月券・大人) | 34,020円 | 37,260円 | 39,580円 | 41,260円 | 1月券の6か月相当の約10%引き |
学生等割引定期券(1月券・小児) | 3,150円 | 3,450円 | 3,670円 | 3,820円 | 券面区間の60回相当額の約5割引 |
学生等割引定期券(3月券・小児) | 8,980円 | 9,840円 | 10,460円 | 10,890円 | 1月券の3か月相当の約5%引き |
学生等割引定期券(6月券・小児) | 17,010円 | 18,630円 | 19,820円 | 20,630円 | 1月券の6か月相当の約10%引き |
全線定期券(1月券) | 21,330円 | 市電全線と函館バスの指定区間に乗車可 | |||
全線定期券(3月券) | 60,790円 | 同上 | |||
昼間割引全線定期券(1月券) | 10,400円 | 市電全線と函館バスの指定区間で、9時30分以降の乗車、16時までの降車が可 | |||
昼間割引全線定期券(3月券) | 29,640円 | 同上 | |||
市電全線定期券(1月券) | 10,770円 | 市電全線に乗車可 | |||
市電全線定期券(3月券) | 30,690円 | 同上 | |||
市電全線定期券(6月券) | 58,160円 | 同上 |
郊外の大型ショッピングセンターに客足をとられ、厳しい状況が続いている市中心部商店街の活性化を目的に無料電車が2009年5月 - 2010年1月の間、運行された。具体的には、「函館駅前」と「松風町」の商店街に近い2電停で乗降した利用者の運賃を函館商工会議所が負担するというもので、毎月第2、第4日曜日と1月1日・2日にお買い物電車として6往復運行する「大門号」[80][81][82]が対象となった。対象を中心部で買い物する利用者に限定するため、当初は乗客にチケットを配布し、後で精算する方法も検討されたが、利便性を重視する観点から、前述したように当該電停で乗降した乗客すべてを無料にした。運行時刻は交通局ホームページにも掲載され、買い物客からも好評を得た[83]。
函館市電車乗車料金条例施行規程第3条に基づいて、身体障がい者・知的障がい者の本人と同行の介護人が支払い時に身体障害者手帳・療育手帳を提示、及び養護施設[注釈 3]において養護または保護を受けている「養護児童」と同行の付添人は市町村長の発行する所定の乗車料金割引証または当該施設の長の発行する証明書を提示すると、普通乗車料金や乗継乗車料金が半額になり、また定期乗車料金(児童に関わるものを除く)も3割引になる。
nimocaエリアにおいては、身体・知的障がい者は障がい者用ICAS nimocaが利用出来る[61][84]。購入申し込みは駒場車庫乗車券販売所・函館バス各営業所・函館駅前バス案内所にて身体障害者手帳・療育手帳を提示[注釈 4]して行う。障がい者用ICAS nimocaでは自動的に割引運賃で精算される。
精神障がい者の割引は、函館市内在住における後述の函館市障害者等外出支援事業(精神障がい者)によるものを除いては、現在のところは函館市電車乗車料金条例施行規程に規定されていないため、ICAS nimocaも含めて一切行われていない。
函館市障害者等に対する市営交通機関等利用証交付規則[85]に基づいて、平成大合併前(函館市の場合は2004年以前)の旧函館市エリアに住んでいる人で70歳以上の高齢者、障がい者(身体障がい、知的障がい、精神障がい)、原爆被爆者、戦傷病者、児童扶養手当または旧母子福祉年金(現在は遺族年金)受給世帯には無料(介護人含む)、無料、半額の市電・バス利用証[注釈 5]が交付され、料金が減免されていたが[86]、2012年4月1日より、高齢者交通料金助成事業[87]と函館市障害者等外出支援事業[88][89][90][91]に変更された。対象者は70歳以上の高齢者、障がい者(身体障がい、知的障がい、精神障がい)、原爆被爆者、戦傷病者に絞りこまれ、条件によっては助成上限額が設定された[92]。
冬季には除雪作業があり、札幌市電と同様にササラ電車等(「帝国電力排形電車」を参照)によって除雪が行われている。軌道と路面の隙間を除雪する作業は530号が始発前、あるいは始発電車として運行することによって行われ、企業局内ではフランジ付けと呼ばれている[93]。
地元では単に電車と呼ばれることがあり、電停でのアナウンスも「電車は十字街・湯の川間を6分間隔で運行しています」となっている。また、これに並走する道路は電車道路と呼ばれており、沿線企業の広告もそれに倣ったものが多い[94]。これは函館近郊において長らく国鉄・JRは非電化区間が大半であったこともあり、国鉄・JRを汽車、市電を電車と呼称したためによるものとされる。
電車や関連施設に広告を出すことが出来る。広告には「直営広告」と「請負広告」がある。直営広告には、電車中つり、電車窓つり、電車額面、電車窓ステッカー、電車外窓ステッカー、カラー電車、電車乗車券、業務案内等印刷物、カラー電車、外窓ステッカー、料金箱、液晶ディスプレーがある。請負広告には、電停(行灯・看板)広告、電車線路架設用電柱、電車車内放送など。これらは企業局交通部が指定した広告代理店が担当している[95]。指定代理店は株式会社サトーエージェンシー[96]。
函館水電時代に高木荘治のバス事業を買収、函館乗合自動車合資会社を設立(のちに函館水電の後身の帝国電力が吸収する)。帝国電力時代に旭自動車株式会社を合併し、道南電気軌道時代に函館市に譲渡された[21]。
戦後、1952年(昭和27年)に公営企業としての函館市交通局となると、1955年(昭和30年)にかけて貸切バス、観光(函館山登山バス、定期観光バス)にも参入していった[97]。
1954年(昭和29年)から函館バスの労使関係が悪化、1954年は21日間、1955年は51日間のストにより運行ができず、ハイヤー会社であった相互自動車とともに郊外への臨時バス運行やバス路線開設を行い住民を救済した[98][99](上磯線、大野線、赤川線、下海岸線。うち相互自動車が参入したのは下海岸線のみ[100][101])。
1956年(昭和31年)に高砂町にバスセンターを開設、従来の深堀町バス車庫と連携しながら函館駅を中心とした路線網を構築する[14]。
1991年(平成3年)に策定された函館市交通事業健全化計画(目標:平成9年度に経営収支均衡、平成12年度に不良債務解消)が上手くいかず、バス事業を順次函館バスに移管し、経営主体の一元化を図ることになった[3]。 1999年(平成11年)4月にはバス事業の一元化を公約に掲げる井上博司が函館市長に当選する[102]。
函館バスへの移管のほかに函館市交通局への一元化、第三セクターや南北海道の広域連合等による一元化も検討されていた。函館市交通局への一元化案は人件費比率の違いから収支採算性に大幅な乖離がある上に渡島・檜山管内における路線運行のための施設とノウハウを有していない、第三セクターや南北海道の広域連合等による一元化案はバス事業のノウハウを有する企業が存在するにもかかわらず、それを廃止してまで別の経営主体を設置する必要はあるのかとの問題があった。関連事業の展開など経営感覚をフルに発揮出来る民間企業のうち、函館市域のみならず渡島 ・檜山管内における路線運行のための施設とノウハウを持っている函館バスへの移管案が選ばれた[103]。その後、2000年(平成12年)4月7日に函館市が函館バスに対し申し入れをし、同年11月20日に基本協定を締結した[104][105]。2001年(平成13年)4月に日吉営業所、翌年4月に昭和営業所を移管。乗務員の雇用の関係で1系統のみ残されていたが、2003年(平成15年)4月6番系統を移管。バス事業を廃止し、60年の歴史に幕を閉じた[106]。
総務省によると移管により函館市交通局への補助金の減少などにより平成13 - 17年度の5年間で約64億円の公金支出が削減された[107]。運輸政策研究機構の研究員(当時)である野口によると職員の転配費用も考慮すると年間1.6億円の負担増になり、必ずしも市の負担が減少したとは言い切れるものではないという[108]。
移管後の路線の料金は函館バスの特殊区間制運賃(北海道道100号函館上磯線より函館市役所側の市街地エリア)に組み込まれ設定された。消費税増税に伴う値上げはしてこなかったが、燃料費高騰や人手不足による人材確保の経費上昇により2023年(令和5年)12月1日に定期も含めて大幅に値上げされた[109][110]。
移管後は函館バス特殊区間制運賃。太字は値上げされた料金。
旧函館市営バスで導入していたバスロケーションシステムはバス事業譲渡後も函館バス[注釈 6]に引き継がれたが、設備の老朽化を理由に2006年11月10日限りで旧バスロケーションシステムの使用を一旦終了した。
その後設備を更新し、2007年3月20日頃から新しいバスロケーションシステムの運用を開始した。接近案内を従来の予想時刻表示から到着までの予想所要時間に変更し、系統番号・行先等の表示もすべてLED式に変更した。これにより、系統番号にかかわらず到着時刻の早い順に表示可能なほか、インターネット上でもバスの現在位置を確認することが可能となった。
バスロケーションシステムを設置している停留所は、旧函館市営バスによるものと異なるので、「学園前」など一部のバス停では2006年限りでバスロケーションシステムが廃止されたことになる。
函館バスの 函館バス労使関係悪化による運休対策で設定された路線群。1955年(昭和30年)8月13日より椴法華線など6路線を運行、12月24日には上磯線、大野線、赤川線、下海岸線の暫定と思われる運行を開始した[123]。翌年1956年(昭和31年)に改めて4月免許申請、同年6月1日より本運行を開始(下海岸線で確認、他線は詳細不明)[100]
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