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ドイツのフラッグキャリア航空会社 ウィキペディアから
ルフトハンザドイツ航空(ルフトハンザドイツこうくう、ドイツ語: Deutsche Lufthansa AG, 英語: Lufthansa)は、ドイツのケルンに本拠を置くドイツ最大の航空会社。ドイツのいわゆる「フラッグ・キャリア」とされている。現在はドイツ国外の航空会社も多数傘下に置いている。
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法人番号 | 1700150005058 | |||
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設立 |
1926年 (Deutsche Luft Hansa Aktiengesellschaftとして設立) | |||
ハブ空港 | [注 1] | |||
マイレージサービス | Miles & More | |||
会員ラウンジ |
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航空連合 | スターアライアンス | |||
親会社 | Deutsche Lufthansa AG | |||
子会社 |
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保有機材数 | 304機 | |||
就航地 | 274都市[2] | |||
スローガン | Say yes to the world(世界にイエス). | |||
本拠地 | ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州 ケルン | |||
代表者 |
Carsten Spohr (執行役会会長・CEO) | |||
外部リンク | https://www.lufthansa.com | |||
備考 | ||||
2015年4月時点で世界98カ国274都市に就航[2] 、売上高はアメリカン航空、デルタ航空に次ぐ世界第3位(約398億ドル)、旅客数はイージージェットに次ぐ欧州第2位、世界第9位(2014年現在)[注 2]の大規模航空会社(メガ・キャリア)であり、スターアライアンスの創立メンバーの一社でもある。日本への乗り入れ開始は1961年で、2023年現在の就航地は東京国際空港、関西国際空港、中部国際空港であるが、現在、新型コロナウイルスやウクライナ情勢などにより、中部国際空港発着の路線は運休となっている。日本に乗り入れている欧州外国系航空会社においては、フィンエアーについで2番目に多い。
社名「Lufthansa」は「空のハンザ同盟」の意。ドイツ・エアロ・ロイド(旧ドイツ・ルフト・レーデライ)とユンカース空輸の合併で誕生した会社として、中世ドイツの「商人組合」にかけて「旅商人組合(同盟)」の意味を込め「ドイツ・ルフト・ハンザ株式会社」 (Deutsche Luft Hansa Aktiengesellschaft) とされた。
シンボル(ロゴ)のモチーフとなっている鳥はツルである。世界中のお伽話や神話の中で、ツルは幸福の象徴として、あるいは神秘的な鳥として描かれることが多いことに由来している。1918年にオットー・フィルレのデザインにより前身のドイツ・ルフト・レーデライのシンボルマークとして制定され[3][4]、以来このツルをシンボルに用いてきた。また、このことにちなんで、ルフトハンザは野生のツルを保護する活動も行っている[2]。
カラーリングとして使用される色にはそれぞれ以下の意味が込められている[要出典]。
2018年2月7日に28年ぶりの新塗装を発表[5][6]。機体デザインは紺色と白色をベースとして、垂直尾翼にマイナーチェンジを施したツルを描いたデザインとなる。これは前述のとおり1918年にドイツ人デザイナーのオットー・フィルレが制作し、2018年でちょうど100周年を迎えるためである。新塗装の初号機はB747-8(機体番号:D-ABYA)とA321(機体番号:D-AISP)の2機で、このうち前者についてはフランクフルト - 東京/羽田線にも投入されている。2025年までの7年間で在籍機全てを新塗装に変更するほか、アメニティセットや食器などのアイテムも今後2年間で新デザインに切り替える。
なお、黄色のデザインはフランクフルト国際空港などの案内サインや客室乗務員のスカーフなどに引き続き継続して使用される。
本社はケルンにある。もっとも、ルフトハンザ・アビエーションセンター(LAC)と呼ばれる中核的な事業所は、ルフトハンザのメインハブであるフランクフルト空港に位置している[7]。ルフトハンザのパイロット、地上職員、及び客室乗務員の多くがここを拠点としている[8]。ルフトハンザ第二のハブはミュンヘン空港である。第三のハブはデュッセルドルフ空港であったが、最近では同空港を発着するほぼ全てのルフトハンザ便が、子会社のジャーマンウイングス(現・ユーロウイングス)に移管されたため、現在では同空港がルフトハンザのハブであるとは言い難い。
綿密な機体整備は高く評価されている。ニューズウィーク誌の「最も安全な航空会社ランキング」の第1位に選出されている。同社中古機の人気は高く、1980年代のピープルエキスプレスなど、ルフトハンザの中古機材を用いて就航している格安航空会社も多い。
航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。 [9]
西ドイツ側の航空会社となって以降は自社でパイロット養成を行っており、グループ会社が練習機を保有している。
ルフトハンザは、航空関連事業のグループ会社を多く有しており、その数は400を超える[2]。そのうち、主要なものについては後述する。
1926年1月、ドイツ政府26%、地方都市19%の出資によってJunkers LuftverkehrとDeutscher Aeroが合併し誕生した。これによって、DELAGを源流とするエアロユニオン系、海運会社ロイド(現・ハパックロイド)を中心とするロイド系、エンジンメーカのユンカース系と、それまでドイツにあった航空会社が1社に統合された[10]。合併後ヨーロッパ域内に路線網を拡大するほか、同盟国の日本や満州国への路線も計画するものの、1945年5月のドイツの第二次世界大戦の敗戦により、会社組織として一度解散した。
ドイツ連邦共和国(西ドイツ)成立後の1953年に、「Aktiengesellschaft für Luftverkehrsbedarf (LUFTAG)」という名称で西ドイツ国営企業として再建され、翌年8月に現在の「ルフトハンザドイツ航空」に再改称した。しかしドイツ民主共和国(東ドイツ)はこれと無関係に「ルフトハンザドイツ航空」という航空会社を設立したため、両社の間で係争となった。ベオグラードで行われた裁判で東のルフトハンザが敗訴したため、東ドイツの国営航空会社はインターフルークとなった。
その後はヨーロッパ域内のみならず、アジア、南北アメリカ、中東、アフリカなど世界各国に路線網を広げる。
1990年の東西ドイツ再統一時に、東ドイツ・インターフルークの路線網と一部従業員を引き継いだ。その後の1994年に、完全民営化を果たす。
1997年に、エア・カナダ、スカンジナビア航空、タイ国際航空、ユナイテッド航空とともに、世界初の航空連合であるスターアライアンスを結成した。2005年にスイスインターナショナルエアラインズの買収を表明し、2006年に完全子会社化する。2009年9月、オーストリア航空を買収したことを公表した[11][12]。
最近ではルフトハンザ本社とは別に、2009年に完全子会社化したジャーマンウィングスというLCCブランドで、A319型機・A320型機を主力機材として欧州域内に大規模な路線網を展開しており、この子会社だけでも就航地は80地点を超えている。さらに2015年からは同じドイツ語圏で、子会社であるオーストリア航空の本拠地であるウィーン国際空港を新たな拠点として整備する事が発表されている。また2016年12月には、ブリュッセル航空の親会社で、45%の株式を出資していたSNエアーホールディングの残りの株式を買収し完全子会社化した。
機材 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | ||||
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F | C | E | M | 計 | ||||
エアバスA319-100 | 35 | - | - | - | - | 138 | 138[19] | 一部はルフトハンザ・シティーラインによる運航 |
エアバスA320-200 | 49 | - | - | - | - | 168 | 168[20] | |
180 | 180[20] | |||||||
エアバスA320neo | 34 | 32[21] | ‐ | - | ‐ | 180 | 180[22] | ローンチカスタマー[23] 一部はルフトハンザ・シティーラインによる運航 |
エアバスA321-100 | 17 | - | - | - | - | 200 | 200[24] | ローンチカスタマー[25] |
エアバスA321-200 | 37 | - | - | - | - | 200 | 200[24] | |
エアバスA321neo | 17 | 17[21] | ‐ | - | ‐ | 215 | 215[26] | |
エアバスA330-300 | 9 | - | - | 42 | 28 | 185 | 255[27] | |
エアバスA340-300 | 17 | - | - | 30 | 28 | 221 | 279[28] | 世界最多運用 2028年までに退役予定[29][30] |
エアバスA340-600 | 10 | - | 8 | 56 | 28 | 189 | 281[31] | 世界最多運用 2028年までに退役予定[29][30] |
エアバスA350-900 | 26 | 28[21] | - | 48 | 21 | 224 | 293[32] | 318席仕様は元フィリピン航空機[33] 4クラス仕様は新仕様「アレグリス」設置機材[34] |
‐ | 30 | 26 | 262 | 318[32] | ||||
4 | 38 | 24 | 201 | 267[34] | ||||
エアバスA350-1000 | - | 10[21][35] | TBA | 2026年より納入開始予定[36] | ||||
エアバスA380-800 | 8 | - | 8 | 78 | 52 | 371 | 509[37] | 2025年までに全機復帰予定[30][38] 2030年代まで運航予定[39] |
ボーイング747-400 | 8 | - | - | 67 | 32 | 272 | 371[40] | 2028年までに退役予定[29][30] |
ボーイング747-8I | 19 | - | 8 | 80 | 32 | 244 | 364[41] | 世界最多運用 「アレグリス」仕様に改装予定[34] |
ボーイング777-9 | - | 20[42] | TBA | 2026年以降に導入予定[42] | ||||
ボーイング787-9 | 5 | 34[35] | - | 26 | 21 | 247 | 294[43] | 294席仕様はオーストリア航空へ移管予定[44] 287席仕様は新仕様「アレグリス」設置機材[34] |
28 | 28 | 231 | 287[34] | |||||
ボンバルディア CRJ-900LR | 28 | - | - | - | - | 90 | 90[45] | ルフトハンザ・シティーラインによる運航 |
エンブラエル E190 | 2 | - | - | - | - | 100 | 100[46] | ルフトハンザ・シティーラインによる運航 |
ルフトハンザ・シティ航空 | ||||||||
エアバスA220-300 | - | 40[21][47] | TBA | 148[47] | オプション20機付き 2026年より導入予定[47] | |||
エアバスA319-100 | 4 | - | - | - | - | 150 | 150[48] | |
エアバスA320neo | 1 | - | - | - | - | 180 | 180[49] | |
ルフトハンザ・カーゴ | ||||||||
エアバスA321-200P2F | 4 | 1 | 貨物 | ルフトハンザ・シティーラインによる運航 | ||||
ボーイング777F | 12 | 2[50] | 貨物 | |||||
ボーイング777-8F | - | 7[50] | 貨物 | 2027年以降導入予定[50] | ||||
計 | 342 | 191 | ||||||
(*)現在は、通常塗装による運航である。
(**)現在は、同社から退役している。
初等段階から数訓練を行うため、初等・中等練習機を保有している。
訓練は天候が安定しているアメリカ合衆国アリゾナ州フェニックスに開設したアリゾナ航空トレーニングセンターで実施している。
ルフトハンザのサービスの質には定評があり、航空会社の格付けを行っているスカイトラックス社では5つ星を獲得していたが、2022年9月時点では4つ星へ降格[62][63]。乗客の評価に基づき同社が発表する世界ランキングでは、常に上位[注 18]を維持しており[64]、2015年度は「ベスト・エアライン・イン・トランスアトランティック」賞を受賞している[65]。
また、旅客機の発着状況を調査するフライトスタッツ社が毎年発表している、定時到着率の世界ランキングでも、ルフトハンザの定時到着率は毎年80%を上回って上位[注 19]を維持している[66]。
ルフトハンザは、ファーストクラスとビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの4クラスの座席を設置している。プレミアムエコノミークラスは、2014年10月より、中長距離国際線を中心に順次導入が進められており、2015年9月22日時点で、日本(羽田・成田・関西・名古屋)に就航している全ての路線・機材への導入が完了した。[67]。同じクラスであっても、座席のタイプは機材によってさまざまに異なる。
2020年の予定で導入されるボーイング777-9Xには、全席通路アクセス可能な最長220cmのフルフラットシートとなるビジネスクラスが装着される[68]。
ルフトハンザでは、長距離便でも短距離便でも何らかの機内食が提供される。搭乗するクラスや距離によって提供されるメニューや回数が異なる。たとえば長距離便のファーストクラスではコース料理が提供され、短距離便のエコノミークラスではハンバーガー等の軽食が提供される。
また、中長距離便では、子供向けメニューや、糖尿病患者向けメニュー、ベジタリアン・ムスリム・カシェル向けメニューなど、かなり幅広く17種類もの特別メニューが用意されている[69]。これらの特別メニューをオーダーするには、搭乗前に予め申し込んでおく必要がある。
長距離線では、各座席に設置された個人用モニターでオンデマンド形式によるビデオ・オーディオおよびビデオゲームプログラムを提供している。中距離線では、乗客が所持するスマートフォンやタブレットに予め所定のアプリをダウンロードすることで、オンデマンド形式のビデオ・オーディオ・オーディオブックなどを視聴できるサービスを展開している[70]。
2004年より、機内にて無線LAN形式とGSM形式でのインターネット接続サービス「FlyNet」を提供している[71]。こうした上空でのインターネット接続サービスを最初に開始したのはルフトハンザである。2006年をもって一時このサービスを休止していたが、2010年より再開した[72]。このサービスにより、搭乗中でも最新ニュースを入手したりメールを送受信したりすることが可能となった。1時間制・4時間制・フライト制(24時間のあいだに搭乗する全ての便で利用し放題)の3つから選択でき、クレジットカードでの料金の支払いまたはマイル交換で利用できる。
ドイツ国内をはじめとする各国にファーストクラスラウンジ(フランクフルト空港・ミュンヘン国際空港のみ)、セネターラウンジ、ビジネスラウンジ、ウェルカムラウンジ(フランクフルト空港のみ)の4種類の空港ラウンジが存在し、予約クラスやMiles & More会員ステータスによって使用できるラウンジや同伴者の料金等が異なる[73]。
さらに、フランクフルト空港には、ファーストクラスラウンジとは別にファーストクラスターミナルが存在する[74]。ルフトハンザ便のファーストクラス利用者およびHON Circle会員だけが利用できる。ルフトハンザが駐機する第1ターミナルに隣接する場所に位置している。
2015年度には、スカイトラックス社の「ベスト・ファーストクラス・エアライン・ラウンジ」賞を受賞した[65]。
ルフトハンザはかつて、「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」(Lufthansa-Airport-Express)という列車の運行に携わっていたこともある[75][76]。これは都市から空港への連絡列車ではなく、航空便の代替を列車が行うという異例のものであった。
1982年から1993年にかけて、フランクフルト - デュッセルドルフ間のような短距離で採算性の低い国内線の代わりに当時のドイツ連邦鉄道(DB, 西ドイツの国鉄。現在は民営化されドイツ鉄道)に、チャーター列車「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」を運行したのである。
エアポート・エクスプレスは、列車の運転はDBの職員が行うものの、運賃は航空運賃が適用され、客席の乗務員や車内の軽食サービスなどはルフトハンザが行うという形態を取っていた。運行当初DB内での扱いは営業用の「LH」と共に全車一等車ということから「TEE」の列車番号が当てられていた。また、DBの時刻表には掲載されていない。
当初はDBの定期運用から外れて保留となっていたインターシティ向け電車403形を使用し、その後新設されたシュトゥットガルト線は客車列車となった。
現在これを継承するものとして、DBの定期列車であるICEの一部区画を間借りしてルフトハンザ便名を付与し、航空便旅客専用とする「Lufthansa Express Rail」サービスを、フランクフルト(FRA) - ケルン(QKL)・シュトゥットガルト(ZWS)・ドルトムント(DTZ)・カールスルーエ(KJR)・マンハイム(MHJ)・デュッセルドルフ(QDU)間で行なっている[77][78]。
ルフトハンザは、Miles & Moreというマイレージプログラムを提供している[79]。獲得したマイル数に応じて、以下の4つのステータスに分類される。
会員ステータス | カードの色 | スターアライアンス・ステータス | 会員資格 |
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HON Circle 会員 | ブラック | ゴールド | 連続する2暦年内に600,000 HON Circleマイル以上 |
セネター | ゴールド | 1暦年内に100,000ステータスマイル以上 | |
フリークエント トラベラー | シルバー | シルバー | 1暦年内に35,000ステータスマイル以上 |
Miles & More 会員 | ブルー | - | 1アワードマイル[注 20] |
Miles & Moreのマイルには以下の3種類がある[80]。
2017年12月現在、以下の航空会社と提携してコードシェア便を就航させている[81]。ルフトハンザはスターアライアンスの設立メンバーでもあるため、スターアライアンス加盟の各社と多く提携している。
ルフトハンザは多くの子会社を所有している。ルフトハンザドイツ航空と、グループ会社の航空会社を合わせると、2015年4月現在、合計4大陸102ヵ国301都市へ運航している[2]。現在、欧州内のドイツ語圏4か国(ドイツ、オーストリア、スイスの一部、ベルギーの一部)のフラッグ・キャリアが全てルフトハンザの傘下となっている。主なものを以下に挙げる。
ルフトハンザは、航空会社のみならず、航空関連をはじめとした幅広い事業の会社をグループ内に有している。
本節に示されているのは、ルフトハンザドイツ航空において発生した航空事故や事件のうち、被害や事件規模が特に甚大であったものである。子会社の航空事故等については、各航空会社のページを参照されたい。
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