神戸ポートアイランド博覧会(こうべポートアイランドはくらんかい、英語: Kobe Port Island Exposition)は、神戸港に造られた人工島ポートアイランドを会場として、1981年(昭和56年)3月20日から9月15日まで開催された地方博覧会。愛称は「ポートピア'81(ポートピアはちじゅういち)」(英語: PORTOPIA '81)。
概要 神戸ポートアイランド博覧会 Kobe Port Island Exposition, イベントの種類 ...
閉じる
1970年の日本万国博覧会(大阪万博)の計画準備時に、神戸市は東部埋立地第4工区への第2会場誘致を図ったものの実現せず、万博終了後にポートアイランド計画と西神ニュータウン計画を背景に「理想都市の建設」をテーマとしたイベントの計画を進め、博覧会開催を1974年から検討した。当初は国際博覧会としての開催の可能性も含め検討されたが、特別博覧会について同一国の開催は5年以上の間隔を置く規定があり、当初の開催予定を1978年としていたため、沖縄国際海洋博覧会から5年未満であることと、跡地利用の制約や恒久施設化について問題が生じる可能性があるとして見送られた。
その後、ポートアイランドの完成を機に、地方博覧会としてポートアイランドのまちびらきに合わせて開催。「海の文化都市」の創造に向け、海と文化や海と都市の関係を作り出すことを理念とした。会期中は1,610万人の入場者があり、純益60億円を記録した。この博覧会の成功は、1980年代後半の「地方博覧会ブーム」の火付け役となり、神戸市は都市経営のモデルとして「株式会社神戸市」と称されるきっかけとなる。また、まちびらきに合わせて地方博覧会を開催するという手法は、1989年に横浜みなとみらい21地区で開催された横浜博覧会 (YES'89) でも踏襲された。
テーマソング・CM
「ポートピア'81」のキャンペーンソングとして、ゴダイゴが歌う「ポートピア」が1980年5月1日、日本コロムビアからリリースされ、その年末、ゴダイゴは2年連続でNHK紅白歌合戦に出場を果たした。またゴダイゴは博覧会の開催PRを行うテレビCMにも出演した。
この他、1979年8月には大地真央が歌う「ポートピア'81がやってくる/ポートピア'81音頭」がビクターからリリースされ、1980年5月には鎌田英一・高橋キヨ子が歌う「神戸博音頭」、1981年3月には愛唱歌として神戸放送児童合唱団・奈々瀬ひとみ「光る海の城」/神戸放送児童合唱団「ザザザーン・ポートピア」、またポートピアランドのイメージソングとして平尾昌晃・秋篠美帆「恋人たちの港」/フォーバイオレッツ「愛のポートピアランド」がレコード化されている。
また松任谷由実が1981年に発表したアルバム『昨晩お会いしましょう』の1曲目「タワーサイドメモリー」の歌詞にも、ポートピアを歌った部分がある。
NHK「みんなのうた」では1981年4月-5月に放送された「きみはビーナス」(歌:関森れい、J.J.カンパニー)のロケ地にポートピアが使用された。
夏休み直前には国鉄(当時)が当博覧会PRのテレビCMを放映、寅さんシリーズのタコ社長役でお馴染みの太宰久雄が出演し、太宰扮する理髪師と利用客の小学生の少年とのやりとり(太宰「今年の夏休み、どこ行くの?」少年「ポのつくところ!」太宰「えっ、ポーランド!?」)が人気を集めた。
- 1974年12月 - 神戸市長(当時)の宮崎辰雄が、国際博覧会開催を含めた理想都市の建設をテーマとしたイベント検討を指示。その後神戸新聞社が博覧会開催を申し入れる[1]。
- 1975年 - 神戸商工会議所が博覧会開催への関心を示す[1]。
- 1976年 - 神戸経済同友会がポートアイランドの利用案としてメッセと博覧会開催を提言[1]。
- 1978年
- 2月 - 神戸市が新年度予算に博覧会調査費1000万円を計上し博覧会検討を本格化させる[1][2]。
- 4月1日 - 神戸市が経済局に博覧会開催準備プロジェクトチームを設置[1][2]。
- 4月15日 - 神戸市佐野雄一郎助役を本部長、企画・経済・港湾・開発各局長を本部員とする関係部局を集めた開催準備本部を開設[1][2]。
- 4月25日 - 神戸市・兵庫県・神戸商工会議所・神戸新聞社の提唱4団体による博覧会開催準備委員会を結成、第一回会合開催[2]。
- 5月19日 - 博覧会開催準備委員会の幹事会第一回会合開催[2]。
- 6月6日 - 博覧会開催時期を1981年春として合意に達する[2]。
- 8月8日 - 提唱4団体が1981年春のポートアイランドでの博覧会開催を正式発表。当初は会期2ヶ月余りの計画とした[2]。
- 8月16日 - 第一回テーマ委員会開催、メインテーマ決定[2]。
- 9月1日 - 神戸市が博覧会への市民提言を募集開始[2]。
- 9月8日 - 第2回テーマ委員会にてサブテーマと基本理念を決定[2]。
- 9月20日 - ポートアイランドでの博覧会計画の正式名称を「神戸ポートアイランド博覧会」に決定[2]。
- 12月19日 - 博覧会愛称を「ポートピア'81」に決定[2]。
- 12月13日 - 基本構想発表[2]。
- 1979年
- 1月11日 - 出展勧誘を開始[2]。
- 1月23日 - 神戸ポートアイランド博覧会協会設立、シンボルマーク決定[2]。
- 3月1日 - さんちかタウンに残り日数を表示するデジタルカウンターを設置。その後そごう神戸店、阪急百貨店本店・河原町店、神戸国際会館屋上にもカウンターを設置。
- 3月20日 - 会期を3月20日 - 9月15日への拡大を決定、入場者予測450万人とする[2]。
- 4月19日 - マスコットマーク決定[2]。
- 5月10日 - 博覧会協会を財団法人に改組、第一次財政計画を決定し約74億円規模とする[2]。
- 5月16日~8月14日 - テーマソング歌詞を募集、新井満・荒巻保子・ゴダイゴ・小林公平が審査。
- 5月24日 - 神戸市議会がポートアイランド博覧会に関する実行委員会を設置、その後一般規則や特別規則・基準を決定[2]。
- 6月1日 - 出展館申し込み開始[2]。
- 6月4日 - 出展館申し込み第1号として川崎製鉄グループが申し込む[2]。
- 7月7日 - 第2回理事会にて略称を「神戸博」に決定[2]。
- 7月30日 - 博覧会基本計画決定[2]。
- 10月8日 - 入場料金・開場時間・展示館敷地割り・第二次財政計画(156億円)を決定[2]。
- 11月3日 - 神戸市中央体育館にてテーマソング「ポートピア」を発表[2]。
- 12月4日 - 外国出展第一号としてアラブ首長国連邦が申し込む[2]。
- 12月8日 - レジャーランド施設の運営者を阪急電鉄に決定[2]。
- 1980年
- 1月23日 - レジャーランド「神戸ポートピアランド」・市民広場を着工[2]。
- 3月13日 - 天津市からジャイアントパンダの出展が決定[2]。
- 3月15日 - 総合起工式実施[2]。
- 3月19日-7月31日 - 第一次前売り券販売[2]。
- 3月28日 - 神戸プラネタリウムシアター着工[2]。
- 4月1日 - 博覧会記念近畿宝くじを第1回発売、その後記念宝くじを近畿ブロックで3回・全国で1回発売[2]。
- 5月2日 - 催物計画発表[2]。
- 7月1日 - 敷地を各出展者に引き渡し、各館相次いで起工式を実施[2]。
- 7月14日 - 外国館総合起工式実施[2]。
- 7月15日 - ポートピアサーカス構想発表[2]。
- 8月4日 - 海外展示物搬入開始[2]。
- 10月31日 - 鈴木善幸首相が博覧会名誉総裁に就任[2]。
- 11月1日-1981年1月31日 - 第二次前売り券販売[2]。
- 1981年
- 1月12日 - 外国館建物引き渡し[2]。
- 2月4日 - ポートアイランド内公的施設合同竣工式開催[2]。
- 2月14日 - 上野駅から神戸駅間で臨時急行列車「カルチャー・トレイン ポートピア'81」を運行、車内で「生きあう」をテーマとした文化講座を開催。
- 2月20日 - 銀河鉄道車両搬入[2]。
- 3月5日-12日 - 展示館プレスプレビュー開催[2]。
- 3月10日 - ジャイアントパンダ搬入[2]。
- 3月11日 - 神戸ポートピアランド竣工[2][2]。
- 3月19日 - 開会式開催。開会前日に皇太子・皇太子妃と2500名の招待客が出席し国際広場にて実施。
- 総指揮は宮崎辰雄協会会長・小林公平総合プロデューサー、構成演出は内海重典、演出は酒井澄夫、司会は宮岡寿雄協会事務局長。オーケストラ神戸フィルハーモニックと朝比奈千足指揮、吹奏楽団に兵庫県警察音楽隊・神戸市消防音楽隊・阪急少年音楽隊・指揮朝比奈隆、エレクトーン齋藤英美、筑前琵琶柴田旭堂、独唱五十嵐喜芳・上原まり(宝塚歌劇団)、合唱兵庫県合唱連盟85名・宝塚歌劇団44名、パレード須磨ノ浦女子高校ビューグルコーズ、フォークダンスカネディアンアカデミー生徒・港島小学校29名、音頭神戸市婦人団体協議会が出演。
- 皇太子・皇太子妃が臨席し開式の辞と国歌演奏・国旗掲揚、参加国・国内展示館旗の入場、博覧会旗の入場掲揚、協会会長挨拶、瓦力内閣官房副長官代読による総理大臣からの祝辞、兵庫県知事歓迎挨拶、皇太子の言葉の後ポートアイランド土入れ式の日に生まれた男女中学生2名が祝典花火スイッチを押し、200発の昼花火と神戸港全船舶の汽笛や消防艇の放水、南公園での風船1万個打ち上げと松蔭女子高校600名による「ポートピア'81」の人文字展開を行い、その後アトラクション「神戸の歴史と未来を歌う」「世界の子どもたち」「神戸博音頭」「北から南から今日は」を行った。
- 式典終了後正午から式典招待者による招待営業を行い、午後1時からは式典招待のできなかった来賓者やポートアイランド住民約2万人を入場させた。
- 3月20日 - 一般観覧開始。中央ゲートにて神戸市消防音楽隊のファンファーレの後兵庫県知事・神戸商工会議所会頭・神戸新聞社社長・兵庫県議会議長・神戸市議会議長・宮崎神戸市長によるテープカットを実施。
- 3月27日 - ポートピアランドにてダブルループコースターが故障。
- 3月30日 - 入場者100万人達成。閉場時刻を1時間延長。
- 5月1日 - 夜間開場開始。
- 5月23日 - ポートライナー三宮駅で1編成の案内輪が脱線しパンタグラフのずれによるショート停電し全線で5時間運転見合わせ[3]。
- 5月24日 - 入場者500万人達成。天皇・皇后が来訪[4]。
- 6月4日 - ポートピアサーカスにて象が病死。
- 6月10日 - 自家用車駐車場の予約制を廃止、夜間割引を導入。
- 7月17日 - ポートライナーの運行ダイヤを改正、夜間増発を開始。
- 7月29日 - ジャイアントパンダ観覧時間を19時まで延長。
- 8月3日 - 入場者1000万人達成。
- 8月8日 - ポートライナーが故障し5時間運転見合わせ。
- 8月22日 - 台風22号により軽微な損傷が発生。
- 9月5日 - 夜間入場者数が期間中最高の104,826人を記録。
- 9月6日 - 入場者数が期間中最高の268,138人を記録。
- 9月8日 - 入場者数1500万人達成。
- 9月15日 - 最終日、入場者数1600万人達成。招待客2000名を迎え閉会式を実施。
- 閉会式は構成演出内海重典、演出阿古健、司会は浜村淳、伊勢弘子。吹奏楽団に兵庫県警察音楽隊・神戸市消防音楽隊・阪急少年音楽隊、エレクトーン齋藤英美、パレード須磨ノ浦女子高校ビューグルコーズ、合唱宝塚歌劇団38名が出演。
- 18時より花火打上げとファンファーレ、フラッグパレード、参加国・展示館旗入場、協会会長挨拶、兵庫県知事の感謝の言葉、ミスインターナショナル・ポートピアガールズ・日本航空スチュワーデス2名からのレイ贈呈、アトラクションとしてポートピア'81の思い出「千年万年」「栄光のポートピア'81」の後、祝の舞、閉会宣言・博覧会旗降納、蛍の光、アトラクション「TATTOO」の後大エンディングを行った。
- 10月 - ポートピアランド営業再開。
- 10月15日 - 営業施設撤去終了。
- 11月15日 - 展示館撤去終了。
- 12月末 - 博覧会施設撤去工事終了。
- 1982年
- 3月
- ポートアイランド南公園開業。
- 収支決算を確定。収入337億3900万円・支出272億3900万円で約65億円の黒字とし、兵庫県に19億5千万円・神戸市に45億5千万円を寄付。
- 3月27日 - 博覧会協会解散を兵庫県知事に申請。
- 3月31日 - 博覧会協会解散。
その他施設
- 東会場
- 協会本部 - 神戸国際交流会館5-8階に事務局、税関事務所、警察隊、衛生監視センターなどを配置。
- 市民広場 - 恒久施設として設けられたヨーロッパ風の広場。休憩施設、待ち合わせコーナーや催し物コーナーを設ける。
- 国際広場 - ステージとアリーナを使ったイベントを開催するメインイベント会場。ステージ190平米・アリーナ670平米・固定席1600席・立ち見含め収容人数約3000人とし高さ15.12mのポリエステルテントを鋼管立体トラスで支える53m四方2854平米の屋根を設けた。
- 総合サービスセンター - 総合案内所、貸し出し・迷子・診療・忘れ物・警備・消防センター、銀行、郵便局、警察官詰め所、特高受電施設、売店、コインロッカーを設置。
- 中央ゲート - ポートライナー市民広場駅と神戸ポートピアホテルの間に設けたメインゲート。改札12・出札4口。
- 中央広場 - 東会場の中心に位置する円形の広場。案内所、花壇、2544平米の会場内最大の池など休憩施設を配する。
- 東ゲート - 海上輸送・東駐車場・ポートライナー中埠頭駅からの来場客を対象としたゲート。改札・出札各12口。
- せせらぎの森 - 中央広場ちゃぶちゃぶ池へと通じる水深27cm・365平米の人工滝と池を含む緑地施設。
- ちゃぶちゃぶ池 - 水深20cm・面積765平米の人工池。
- メインストリート - 中央ゲートから中央広場を経て東ゲートへ向かう中心通路、花壇とケヤキの大木を配しレンガ造りの植枡は腰掛けての休憩を可能とした
- 乗降専用バスターミナル - 貸切バス乗降場24バース
- 路線バスターミナル - 東京・名古屋方面等からの定期路線バスが乗り入れ、乗降場5バース・駐車場7台。
- 東駐車場(第1駐車場837台・第2駐車場766台・第3駐車場927台)
- 臨時駐車場 - 北側に第1駐車場500台・第2駐車場450台・第3駐車場250台・第4駐車場500台、東第3駐車場東側にC10駐車場1532台・C11駐車場1060台を用意。
- 緑のステージ - 芝生に座る形で観覧する小型イベントスペース、316平米の芝生広場と60平米・開口幅12mの半円形のステージを設けた。
- 営業施設 - テーブルサービスを行う大規模の「食堂A」、テーブルサービスまたはセルフサービスの中規模の「食堂B」、立食・テイクアウトを主体とした「食堂C」、軽食を販売する「売店A」、博覧会記念品を販売する「売店B」、写真用品販売や貸し出し相談を行う「写真相談所」、それ以外の名産品店などの「特定品目売店」の種別で展開。
- 東ブロック(東ゲート付近):食堂A・B各1店、食堂C 3店、売店A 5店、売店B 1店
- 南ブロック(てんびん座広場付近):食堂A 1店、食堂B 2店、食堂C 4店、売店A 5店、売店C 1店
- 西ブロック(国際展示場付近):食堂A 2店、食堂B 4店、食堂C 5店、売店A 10店、売店B 4店、特定品目売店3店、写真相談所1店
- 北ブロック(やぎ座広場付近):食堂A 2店、食堂B 4店、食堂C 6店、売店A 3店、売店B 1店
- 中央ブロック(市民広場南側付近):食堂A・B各1店、食堂C 2店、売店A 4店、売店B 3店、写真相談所2店
- 西会場
- ポートピアサーカス - 木下大サーカスとアメリカのサーカス団による合同のサーカス公演テント。森繁久彌が演出を担当。跡地にはワールド記念ホールを建設。
- サスペンション膜構造で鉄筋コンクリート基礎と高さ22mの主柱を含む鋼管組み立て支柱で縦64m・横50m計3000平米のポリエステル製防炎キャンバス製テントを張り、内部に直径13.8mの円形ステージとエプロンステージ、平坦部542席・スタンド2458席の計3000人の座席を設けた。また正面左右にはニース市のカーニバルの山車を配した。
- サーカスゲート:入場ゲート4口・退場・団体ゲート、券売所一般4・団体2口
- 入場料通常500円・団体450円。開幕から4月までは平日4回・日祝日5回、5月以降は平日5回・日祝日6回公演で一回につき70分間の上演とした。期間中1,276,946名を動員。
- 屋内催場(神戸市立ポートアイランドスポーツセンター)
- 屋内展示施設、休憩コーナー、団体昼食場として使用。6月には畳200畳のお座敷休憩コーナーを設けた。
- 西ゲート - ターミナル広場に近接し設置、改札17・出札4口
- 団体ゲート - 屋内催場・サーカス会場の間に設けた団体専用口。改札5・出札2口。
- ターミナル広場
- ピストンバスのりば - 新神戸方面6バース・三宮駅方面10バース、駐車場42台
- タクシーのりば - 乗車・降車各4バース、駐車スペース120台
- 西駐車場(933台)
- バス駐車場(第1駐車場97台・第2駐車場270台・第3駐車場134台)
- 南会場
- 神戸ポートピアランド - 恒久施設として建設された47,000平米のレジャーランド施設。
- 屋上庭園 - ポートアイランド下水処理場屋上にテント・人工芝を貼った庭園。
- オーロラビジョン - 三菱電機の施設参加による、約510インチの大型映像装置。NHKの協力による定時ニュース・高校野球・大相撲や、アド・メルコと大阪東通による「おしゃれな・おしゃれな魚たち」「ファミリーアワー」といった30分映像・国際広場のイベント・パンダの1日の録画といった自主番組、ビジョン内蔵のビデオカメラを用い観客を映し出す「オーロラと遊ぼう」などを放映。
- 南ゲート - ポートライナー南公園駅に近接して設置、改札8口・出札6口。
- ホリデーゲート - 南駐車場の観客向けに設置。改札・出札各2口。
- 南駐車場(第1駐車場933台・第2駐車場223台・臨時第3駐車場647台)
- ヘリポート - 兵庫県警の交通管制飛行または報道用に南西端に9000平米・30m×25mの着陸帯を設置。
- 連絡施設
- 異人館通り - 東会場と西会場の間を結ぶ主動線として、長さ200m・幅25mの敷地に明治時代の商家や風見鶏の館・うろこの家・ハッサム邸などの異人館を再現した古い町並みを再現する。和風商家12棟・洋館8棟に食堂12店・売店10店を配置し、明治・大正時代の服装をしたスタッフの動員や大道芸も行われた。
- 雪印銀河鉄道[7] - 小型の蒸気機関車と客車3両によるミニ鉄道。未来志向の会場内に懐古ムードを出し子どもたちの人気集めや輸送手段としての利用を図った。
- 機関車は羅須地人鉄道協会所有の610mm軌間機関車(元東洋活性白土3号機と6号機[8])を使用し国鉄鷹取工場で整備の上「アドベンチャー号」の愛称で運行、東会場国際展示場横の「アンドロメダステーション」と西会場神戸プラネタリウムシアター横の「銀河ステーション」の間769mを結び西会場側に整備施設を設置、4月30日までは1日11往復・5月以降は15往復を運行。雪印乳業の協賛で経費を負担し、運行管理は関西交通機械、発券・集改札・車掌は明昌特殊産業が担当、期間中338,220人を輸送。
- パノラマカー[7] - 銀河鉄道と並行し会場の東西を結ぶトレーラーバス。
- ジープを改造した動力車とトレーラー2両の計15.92mの車両で東会場てんびん座広場と西会場さそり座広場の間の専用道600mを1時間通常7往復運行。運行管理は明昌特殊産業が担当、期間中996,964人を輸送。
- 歩道橋
- ポートピアランド橋 - 東海上てんびん座広場~ポートピアランド
- 南公園橋 - 東会場大阪ガスワンダーランド付近「おひつじ座広場」~南ゲート付近
- パンダ橋 - 西会場大展示場東側「パンダ通り」~南会場海の見える丘
- サーカス橋 - 西会場屋内催場東側「さそり座広場」~南会場パンダ館西側
- 各会場
- 星座広場 - 東会場10ヶ所(おひつじ座・おうし座・ふたご座・かに座・おとめ座・てんびん座・いて座・やぎ座・みずがめ座・うお座)と西会場2ヶ所(しし座・さそり座)の計12ヶ所にスタンプ台・休憩施設・水飲み場・人工池を配置する黄道十二星座の名前を冠したサブ広場。てんびん座・おとめ座広場には噴水付きの池を設置。
- 入退場者情報案内板 - 主要入場ゲート4箇所周辺(東・西・南ゲート内、中央ゲート総合サービスセンター)に4分毎更新のその日の入場者数と現在の滞留者数、パンダ舎・ダブルループコースター・銀河鉄道の待ち時間、ハイオービス劇場・国際広場・サーカスの開演時刻を表示。
- 銀行出張所 - 東会場総合サービスセンターと西ゲートに太陽神戸銀行・兵庫相互銀行が臨時出張所を設置し預金・為替や現金自動引出機業務を行った。
- 船舶係留施設 - 北公園・東ゲート前に小型客船用ポンツーンと橋、コンテナ埠頭として用いられている南埠頭に3000t級客船用に空気式防舷材やカーフェリー用ランプ受け台を設置。また券売所・売店・待合所・照明施設を整備。
緑のステージ
- ドイツ青少年代表団音楽のつどい(4月7日)
- ジミー・ディーとチャモリータ・ダンサーズ公演(4月25-26日・28-29日)
- デイリーバンド(5月1日-5日・7月19日-8月31日 市民広場での演奏も実施)
- サハリン民族音楽アンサンブル(5月13日)
- 韓国祥明女子師範大学 韓国民族舞踊(6月3日)
- NORFORK & KOBE文化交流セレモニー(6月7日)
- クリスタル若狭ふるさとまつり(7月4日)
- サンフランシスコ・ボーイズ・コーラス(7月7日)
- ヤングメイツ・ピアーズ(8月毎週土日)
- ハワイアンショー(8月14日)
- 松本零士とEXPO'85のつどい(8月22-23日)
- 出演:松本零士、サウスサイド・ジャズバンド(22日のみ)、吉田理保子・薗田憲一とデキシーキングス(23日のみ)
- ファイナルコンサート・オン・グリーンステージ(9月5日・12-13日)
- 5日出演:ヤングメイツ・ピアーズ、真咲よう子、もりこうぞう&ベークライトブルースバンド、村尾あき
- 12日出演:ヤングメイツ・ピアーズ、園田みゆき、美原圭子、もりこうぞう&ベークライトブルースバンド
- 13日出演:真咲よう子、二科恵子、園田みゆき、小坂明子
市民広場回廊
2階北側の恒久施設「画廊ポルティコ」を美術展示場として使用。
- 東山魁夷・東と西を結ぶ展(3月20日-4月19日)
- ふるさと・ひょうごの風物展(4月22日-29日)
- 生の力と死の力の闘いを描くモッサ展(5月2日-20日)
- 神戸・天津友好画家交流展(5月23日-31日)
- ポートピア・日本ジュウリー展(6月2日-7日)
- 変幻する神々-熱きアジアの仮面展(6月10日-21日)
- 幻想と抽象の海展(6月24日-7月1日)
- 近代日本の洋画による"海"の名作展(7月3日-8月2日)
- ひょうご・こうべ日本画展(8月12日-17日)
- 小磯良平展(8月20日-9月15日)
屋内催場
ポートアイランドスポーツセンターのプール面に床を張った展示場、催しのない期間は休憩スペースとして使用。
- ポートピア'81盆栽展(3月20日-29日)
- 第8回こうべ市民美術展(4月10日-19日)
- 世界の切手まつり-スタンプショー'81(4月29日-5月5日)
- ポートピア'81 ワールドマーチャンダイズショー(5月7日-14日)
- 第41回国際写真サロン展(5月19日-27日)
- さよなら銀河鉄道999 inポートピア(7月26日-28日)
- ウォーターフェア'81ポートピア(8月1日-8日)
- 全日本古武道演武大会(8月9日)
- 氷の彫刻実演展示(8月29日-30日)
- 国際障害者年中央記念事業 ふれあいの生活広場(9月11日-15日)
その他
- 日本丸・海王丸親善寄港(4月30日-5月11日 神戸ポートターミナル)
- 花火大会(5月1日・7月25日-8月29日毎週土曜)
- 中山王国文物展(5月12日-6月28日 兵庫県立近代美術館)
- 太平洋横断シングルハンドヨットレース(6月7日-8月)
- 6月7日サンフランシスコ湾をスタートし洲本サントピア沖をゴールに設定、8月5日ポートピアホテルにて表彰式。
- 7月21日に今田福成の「太陽」が優勝し、その後8月22日までに太陽を含む8艇が完走し3艇が棄権。
- フォークダンスの集い(6月20日・7月10日・8月1日・9月2日 南会場)
- 引揚者から保管した通貨証券返還展示(8月13日-15日 国際展示場地方自治体館前)
- ポートピアレーザーショー(8月13日-30日 神戸国際交流会館北側壁面)
- アニマルバンド(8月26日-9月14日 国際4号館前広場)
- 明昌特殊産業によるコンピュータ制御の動物ぬいぐるみ5体を用いた演奏ショー。
- 本来の正式名称は“The Wolf Pack 5”であり、アメリカの起業家アーロン・フェクター(英語: Aaron Fechter)が所有・運営する『Creative Engineering, Inc.』によって製造されたアニマトロニクス人形を使用。
- 大フィルまつりINポートピア(8月28日 南会場オーロラビジョン前)
- 入場料
- 当日券
- 普通入場券:大人 2,000円、高校生 1,200円、中・小学生 1,000円、幼児(4歳以上) 400円
- 夜間割引:大人 1,000円、高校生600円、中・小学生500円、幼児200円
- 5月1日-8日17時以降・5月9日以降16時30分以降入場時適用。普通入場券1枚から夜間券2枚への引き換え可。幼児は7月25日以降設定。
- 特別割引:大人 1,000円、高校生 600円、中・小学生 500円(幼児は対象外)
- 障がい者、70歳以上、重度障がい者の介護者1名に適用。
- 回数入場券:大人 9,500円、高校生 5,500円、中・小学生 4,500円
- 一般団体割引:大人 1,600円、高校生 1,000円、中・小学生 800円(25人以上)
- 学校行事団体割引:高校 600円、中・小学生 500円、幼児200円
- 教職員引率の上で通常25人以上に適用、僻地学校については25人未満にも適用。
- 前売券
- 第1期(1980年3月19日-7月31日):大人 1,600円、高校生 1,000円、中・小学生 800円
- 第2期(1980年11月1日-1981年1月31日):大人 1,800円、高校生 1,100円、中・小学生 900円、幼児 350円
- 前売り券には組記号番号を付けたうえでプレゼント抽選を行い、1等金銀銅記念メダルセット(1期30本・2期5本)、2等金メダル(1期159本・2期18本)、3等銀メダル(1期530本・2期180本)、4等銅メダル(1期10600本・2期1800本)、5等は1期にテーマ曲レコード53000本・2期にポートピアサーカス入場券18000本が用意されメダルはそごう・大丸の神戸・大阪・京都・東京の店舗での交換を受け付けた。
- 当時のポートライナー運賃が160円、国鉄・大阪駅から三ノ宮駅までの運賃が280円、阪急・梅田駅(現・大阪梅田駅)から三宮駅(現・神戸三宮駅)までの運賃が210円(阪神も同様)だった。
- 陸上輸送
- 神戸新交通ポートライナー線で三ノ宮駅から地域住民輸送を除き1時間平均で9000人程の分担を計画、1日来場者15万人以上の日には30分間の待ち時間となる人気の高さを見せ期間中約728.9万人を輸送。
- 三宮駅から神戸市バス、新神戸駅から阪急・阪神・神姫・神鉄・山陽・神戸市バス共同によるピストンバスを運行。1時間当たりで三宮便は6000人・新神戸便は3500人程の分担を計画し期間中約125.6万人を輸送。
- 兵庫県内外の8地点から会場まで以下の直通バスを運行。カッコ内は1日当たりの運行本数。
- 神姫・阪急・神鉄共同:有馬-新神戸-三宮-会場(11往復+会場発1本)
- 神姫バス:西脇-三宮-会場(最大9往復+会場行1本)、佐用-山崎-西宮北-会場・粟賀-福崎-西宮北-会場・柏原-三田-西宮北-会場(日祝・夏休み各1往復運行)
- 全但バス:城崎-西宮北-会場(会場行のみ1本)
- 日本高速・日本急行共同:名古屋-名神高速-会場(2往復)
- 国鉄バス:東京-東名・名神高速-会場(期間中会場行84本、4月24日-9月12日の金・土曜毎日運行)
- 日本国有鉄道が入場券と主要駅から新神戸までの新幹線・会場行きバスのセット割引切符「ひかり&ポートピア」、入場券と主要駅から京阪神フリー券のセット割引きっぷ「新幹線&ポートピア'81」を全国14鉄道管理局と主要旅行代理店にて発売。
- 会場周辺に平日の駐車台数を目安とした本設駐車場自家用車4607台・バス駐車場501台、臨時駐車場4939台を用意。
- 駐車料金(1日1回):自家用車2000円・自動二輪車1000円・貸切バス3000円(5月1日以降未予約車5000円)、夜間割引1500円(自家用車・貸切バス共通)
- 海上輸送
- 神戸通船が中突堤発の神戸港内周遊船をポートアイランド北公園前浮桟橋に寄港、また南埠頭東ゲート前浮桟橋までの直行航路を運航。
- 早駒運輸・日東運輸がメリケン波止場から北公園前浮桟橋、新港第4突堤神戸ポートターミナルQ1バースから東ゲート前浮桟橋までの航路を運航。
- 四国中央フェリーボートが東神戸フェリーセンターから南埠頭へ多客期に不定期寄港。
- 阪急汽船が徳島港から会場への航路を週1便運航。
ポートライナー今度は5時間故障 -朝日新聞1981年5月24日朝刊
松岡直也&ウィシング「THE SHOW」LP盤ライナーノーツ(ワーナー・パイオニア)
蒸気機関車 - 羅須地人鉄道協会ウェブサイト(「3号機」「6号機」の箇所を参照)。この借り入れについては、博覧会終了後に返却時の整備状態をめぐって鉄道協会側と博覧会協会側の見解が対立、裁判に持ち込まれたが鉄道協会側の敗訴に終わっている(羅須地人鉄道協会とは→「2つの蹉跌」の箇所を参照)。
にっこり美女2人 日本代表の座射留める『中日新聞』1981年9月5日22面
世界一美女は豪代表 ミス・インタナショナル『中日新聞』1981年9月7日18面
「早くも始動!'81『紅白歌合戦』に大異変が!!」『週刊明星』、集英社、1981年8月20日、33頁。「矢野顕子彼女の息子が九十九ファンのため20円高。ただし『春咲小紅』が『春先神戸に』と思った人も多く、ポートピア讃歌だと勘違いされて、やや安値。」
「ワィワィWide'81――このページは読者のみなさんからの投稿欄です」『週刊平凡』、平凡出版、1981年4月23日、68頁。「『春先、神戸に見に見に見に来て』と唄っているように思ったんだって。歌は漢字では唄わないものね」
「《とびこんで来た話》」『週刊サンケイ』、産経新聞社、1981年3月26日、154頁。「春先は神戸"ポートピア"に観に来てね、という歌が大はやりとな?」
「特集 "ノリ"の研究」『月刊アドバタイジング 8月号』、株式会社電通、1994年8月1日、14頁。「いちばんの大笑いは『春先小紅』という歌詞を書いた時。みんながあれは春先にポートピアがあるから、『春先神戸に』ということですかって-そんなこと考えてもいない。」
- 「神戸ポートアイランド博覧会公式記録」、神戸ポートアイランド博覧会協会、1982年3月。
- 「神戸ポートアイランド博覧会写真集」、神戸ポートアイランド博覧会協会、1982年3月。