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日本のバス及びタクシー事業者 ウィキペディアから
茨城交通株式会社(いばらきこうつう)は、茨城県水戸市に本社を置き、乗合バス・貸切バスおよびタクシー事業と旅行業・不動産業および自動車整備事業を営む会社である。略称は茨交(いばこう)。
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | 茨交(いばこう) |
本社所在地 |
日本 〒310-0055 茨城県水戸市袴塚三丁目5番36号 |
設立 | 2009年(平成21年)3月27日(新会社) |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 6050001006333 |
事業内容 |
乗合バス事業 貸切バス事業 不動産業他 |
代表者 | 任田 正史(代表取締役社長) |
資本金 | 248,975千円 |
純利益 |
▲1億3507万7000円 (2022年09月30日時点)[1] |
総資産 |
75億0919万円 (2022年09月30日時点)[1] |
従業員数 | 1115名(2020年2月29日現在) |
主要株主 | みちのりホールディングス(100%) |
関係する人物 | 竹内権兵衛(創業者) |
外部リンク | ibako.co.jp |
特記事項:民事再生手続下で旧会社(1944年(昭和19年)設立)の事業を継承。旧会社のルーツは1907年(明治40年)設立の鉄道会社・湊鉄道まで遡る。 |
みちのりグループの傘下企業であり、100%出資の完全子会社である。
2009年(平成21年)に民事再生手続下で新旧分離されたが、本項では同名の新旧会社を連続性がある一体の会社として取り扱う。「茨城交通」は登録商標である[2]。
水戸市を中心として県央(笠間市、東茨城郡大洗町、城里町、茨城町)、県北(那珂市、ひたちなか市、常陸太田市、常陸大宮市、久慈郡大子町、那珂郡東海村、日立市、高萩市、北茨城市)及び栃木県芳賀郡茂木町で一般路線バスを運行する他、県央・県北地域を発着する県内外の高速バス・空港バスも7路線運行している。かつては福島県矢祭町までの運行(太田 - 小中 - 東館駅線)がなされていた。
沿線は県都・水戸、工業都市・勝田、日立を抱え、偕楽園、大洗海岸、アクアワールド・大洗、国営ひたち海浜公園、日立市かみね公園、笠間、袋田の滝などの有力観光地や、イオンモール水戸内原、ファッションクルーズニューポートひたちなかなどの大型商業施設を抱える。また、水戸の梅まつり、笠間の陶炎祭、水戸偕楽園花火大会(夜の臨時便運行のみ)、水戸ホーリーホック主催試合、サイバーダイン茨城ロボッツ主催試合など営業エリア内で行われる著名な大型イベントの輸送も担う。
大学入試センター試験実施日においても、水戸駅北口から会場大学までの臨時バスを増便して対応する[3]。
茨城県内では関東鉄道に次ぐ路線規模であり水戸都市圏では最大手である。また水戸市街地(特に水戸駅北口 - 大工町間)では約5分から10分間隔で頻発している一方で、水戸郊外や他市町村では著しく本数が少ない路線も多い。
1992年(平成4年)10月、経営合理化のために茨交県北バスを設立して大子営業所を継承させたが、2010年(平成22年)2月のグループ再編に伴う会社分割により茨交県北バスのタクシー事業をグループの茨城オートに譲渡し、バス・旅行事業部門は再統合し茨交県北バスを清算したほか、同年6月1日には茨城オートのバス事業を統合している。
2009年(平成21年)3月27日 経営不振による民事再生によって、事業を継承した現在の法人が発足。 同時にみちのりホールディングスの完全子会社となり、みちのりグループの一員となる。
2015年(平成27年)には茨城オート大子営業所を継承したうえで、茨城交通が保有する茨城オートの全株式を日産観光に売却し同社に経営権が移った。
2019年(令和元年)5月1日 同じみちのりグループの傘下であった日立電鉄交通サービスを吸収合併し日立オフィスを開設した。なお日立電鉄タクシーも同日付で商号を「電鉄タクシー」に変更した[4]。
同年9月30日には、日産観光株式会社(本社:水戸市)の貸切バス事業及び旅行業を2020年(令和2年)1月1日を目途に譲り受ける旨の事業譲渡契約を締結した。国土交通省の認可がおりれば、全従業員と必要な資産を承継する予定であったが[5]、2019年12月23日に契約の解除を発表した[6]。
2021年8月2日付で、なの花交通バス(千葉県佐倉市)の全株式を取得したと同時に、なの花交通バスは茨城交通の100%子会社となった[7]。
2022年8月1日、茨城交通は23年12月をめどに路線バス全車両にVisaタッチ決済やQRコード決済を導入することを発表した。QRコード決済はPayPayやメルペイと言った各種に対応予定である。また、19年に合併した旧日立電鉄交通サービスのICカード「でんてつハイカード」をいばっぴと統合する予定である。
2023年4月1日付で、茨城交通の子会社の電鉄タクシーを統合。バス事業と一体となった運営により日立市の公共交通の維持・発展に寄与するとともに、業務の効率化を図ることが狙い[8]。
茨城交通の成立時に合併した鉄道会社は次の3社である。
1921年(大正10年)設立。電気軌道の運営と電力供給事業を目的としていた。1922年(大正11年)に電力供給事業と電気軌道事業(浜田 - 磯浜)を開業した。軌道は小刻みに路線延長を繰り返し、合併の時点で 袴塚 - 湊(うち 大洗 - 湊 は1938年(昭和13年)6月以降休止)を開業していた。電力事業は1942年(昭和17年)に電力統合に伴い関東配電に譲渡されている。茨城交通の成立後は水浜線となったが、1966年(昭和41年)に全廃された。
1923年(大正12年)設立。1926年(大正15年)から1927年(昭和2年)にかけて開業した 赤塚 - 御前山間の鉄道線を保有していた。茨城交通の成立後は茨城線となったが1971年(昭和46年)に全廃された。通称は「茨鉄(いばてつ)」であった。
1907年(明治40年)設立。1913年(大正2年)から1928年(昭和3年)にかけて開業した 勝田 - 阿字ヶ浦間の鉄道線を保有していた。茨城交通の成立後は湊線となったが、2008年(平成20年)にひたちなか海浜鉄道に分社化(49%出資、残りはひたちなか市が出資)された。
戦時体制下の陸運統制令による交通統合に伴い、第二次世界大戦中の1944年(昭和19年)8月1日に茨城県内の交通事業者を統合して成立発足した。
統合は水浜電車とその系列下の茨城鉄道・湊鉄道・袋田温泉自動車の現物出資によってなされ、同時に個人経営を含む中小バス事業者を買収し、日立電鉄・東武鉄道からはバス路線の譲渡を受けている。
水浜電車は、地元の豪商竹内権兵衛が創設した。竹内は常北地区の鉄道各社の経営に携わり、上記各社のほか、日立電鉄の前身である常北電気鉄道にも深く関わっていた。統合の実施にあたっては当初、茨城県下を常総地区・鹿行(ろっこう)地区・常北地区の3ブロックに分け、常北地区は竹内家系列の企業で統合しようとしたが、常北電気鉄道は1941年(昭和16年)に日立製作所の系列下に入り竹内家の手を離れたため、常北地区は水戸地区と日立地区とに分割され、実際の統合は県下4ブロック体制で行われた。
茨城交通成立以降、同社は代々竹内家[10]が社長を世襲する同族企業であった。公共交通のみならず多角事業に進出を果たすが、1990年代以降本業の鉄道・バスの利用者減少や宅地開発など不動産関連事業の失敗などで経営状態が悪化[11]。そのため取引金融機関の支援下で不採算部門の整理や借入金の債権放棄の実施などで経営再建を試みたが状況は好転せず自主再建を断念、2008年(平成20年)11月11日、水戸地方裁判所に民事再生法の適用を申請[12] し、同日同庁より監督命令[13] が発せられた。
2008年(平成20年)11月19日の再生手続の開始決定により司法の監督下で再建開始。経営共創基盤がスポンサーとなり翌2009年(平成21年)3月27日には新会社イバコウが設立され、7月1日に旧会社の事業を継承した(新旧分離)。またグループ会社も含めた経営陣も一新され、これにより創業時から関わっていた竹内家は経営の第一線から退くこととなった。分割された旧会社はアイ管理と社名を変え債務整理や管理のために存続したが、2012年(平成24年)5月21日に再生手続を終結し、その後2014年(平成26年)9月25日の清算手続終結によりアイ管理は消滅。旧茨城交通は70年の歴史に幕を閉じた。
新会社発足後、近郊地域と水戸市内を結ぶ路線において運賃を最大で4割近く値下げするなどの改革を行った結果、高校生を中心に需要の開拓に成功するなど効果を上げている。また高速バス路線は仙台線と名古屋線をそれぞれ新設した。社員は新会社移行時の約600人から約800人に増え、平均年収が約24%増加している。
1976年(昭和51年)以降 主な路線
営業所全てが水戸ナンバー圏内にあるため、登録ナンバーは全車「水戸」ナンバーである[51]。車番は無く登録番号を使用している[52]。2000年以降、日産ディーゼル・スペースランナーRM、日野・レインボーII、いすゞ・エルガ、三菱ふそう・エアロミディMKのノンステップバスを新車導入した以外、乗合車両のほとんどが中古車である。中古車は西武バス、京王バス、東武バスをはじめとする首都圏各地の事業者や、関西方面など多くの地域から受け入れている。2009年以降は中古車においても低床化が進行しており、2012年(平成24年)には尼崎市交通局から三菱ふそう・エアロスターノンステップバス(2023年廃車)を導入したのを皮切りに、中古車両によるノンステップバスの導入が進められている。 LED行先表示機は、一般的なオージ製及びレシップ製が採用された一部車両を除いては、採用事業者が少数な小田原機器製が採用されている。自社発注の降車ボタンは、かつてオージ製が採用されていたが、2009年式からレシップ製に変更されている。1980年代後半以降、自社発注車のベンチレーター(換気装置)は、中型ツーステップ車のみ、藤森電機製作所製のものが搭載された[53]。2009年以降の自社発注車は、ゴールドキング製のベンチレーターが、前後2基搭載されている。 2024年現在、1987年式の「1つ目RJ」(水戸22あ11-02)が、現役で運行している。
高速バスは路線バスに比べて新車の導入が多く、導入例が少ない日産ディーゼル・フィリピン製車両も在籍していた。2007年(平成19年)から従来の高速・観光バス専用塗装をアレンジした新しい塗装の車両(茨城交通の新しいシンボルマークとIBARAKIKOUTSU HIGHWAY EXPRESSのロゴが入る)が導入されるようになった。また、2017年(平成29年)10月10日に夜行高速バス名古屋線に3列独立シート車両(三菱ふそう・エアロエース)が投入された[35]。
2018年(平成30年)8月には、同じみちのりグループの岩手県北自動車に次いで、みちのりエクスプレス(MEX)デザイン塗装の車両(三菱ふそう・エアロエース)が導入された。デザインはえちごトキめき鉄道「えちごトキめきリゾート雪月花」などを手がけた川西康之である[54]。
2015年(平成27年)12月1日、一般路線にICカード乗車券「いばっピ」を導入した[55]。いばっピ定期券は2016年(平成28年)2月27日に開始した。SuicaやPASMOなどのICカードと相互利用は行わないとしている[56]。
これにあわせて高速バスと他社との共通回数券(水戸市内共通回数券、県庁線回数券)及び通学用回数券(赤塚駅 - 常磐大学回数券、木の倉3校回数券)[57][58] を除いた回数券を2016年(平成28年)6月30日までに廃止した。なお払い戻しも同年8月31日で終了している。
いばっピで支払いを行うと通常運賃が10%引きとなり、割引後の運賃は1円単位で1円未満端数切り上げとなる。また平日昼間割引として平日10時~14時までに乗車・降車した場合は更に10%引きになる。さらに乗り継ぎ割引として、降車から60分以内に乗車した場合は50円引きになる。ただし小児及び大人割引の場合は30円、小児の場合は20円割引である。これらの制度は通常割引と昼間割引と重複して3回目以降も適用されるが、1枚で複数人分の精算をした場合は適用されない。[59]。
日立電鉄交通サービスと合併後も、ICカードシステム(茨城交通の「いばっピ」、日立電鉄交通サービスの「でんてつハイカード」)が異なるためICカードの共通化は行われなかった。両社で重複する路線の区間内については、いずれかの会社の定期券を保有している場合に、その区間内であれば両社のバスに乗車可能となる。ただし両社が販売している全線乗り放題定期券(茨城交通の「茨交漫遊パス」、日立電鉄交通サービスの「にこにこ定期券」「通学全線フリー定期券」)の利用可能範囲については、発売当時の範囲でしか利用できなかった。そのため、いばっピへの一元化が検討された[4][60]。
2023年10月1日より、日立エリアにおいて「いばっピ」のサービスを開始。2023年11月30日をもって「でんてつハイカード」の取り扱いを終了し、ICカードは「いばっピ」に統一された。
2020年(令和2年)7月29日から、 高速バス勝田・東海―東京線(東京駅~大洗IC~ひたちなか・東海)において、キャッシュレス決済を開始した[61][62]。
利用できるキャッシュレス決済の種類は、Visaのタッチ決済及びQRコード決済(PayPay、Alipay、LINE Pay、楽天ペイ)である(楽天ペイは8月中旬以降の予定)。
バス車内におけるVisaのタッチ決済の導入は、日本初である。キャッシュレス決済時にはキャッシュレス決済割引運賃が適用される(小児運賃、障碍者割引運賃は割引運賃適用外[要出典])。
みちのりホールディングスグループの岩手県北バス及び福島交通、会津乗合自動車においても9月以降に一部路線でキャッシュレス決済を導入する[要出典]。
2024年2月1日より、路線バス全車両にクレジットカード等のタッチ決済、QRコード決済を導入した。タッチ決済に限り、いばっピと同様のICカード運賃、各種割引が適用される。
2024年3月27日より、みと号(茨城交通担当便)に各種キャッシュレス決済を導入した。これにより、みと号全便で交通系ICカードでの支払いが可能になると共に、同社で初となる交通系ICカードの導入となる。
関東自動車・茨城交通 高速バス「北関東ライナー」に宇都宮方面から乗車し、水戸駅で降車後、茨城交通の路線バスで水戸駅を出発し大洗フェリーターミナルに到着後、商船三井フェリー大洗・苫小牧航路間(夕方便限定)に乗船し、苫小牧西港フェリーターミナルから、北海道中央バス運行高速バス「高速とまこまい号」に乗車し、札幌駅前ターミナル間を往復する「北関東マリンきっぷ」が販売されている[63]。期間により運賃が変動する。
茨城交通の路線バスで水戸駅(大工町からも乗車可)を出発し大洗フェリーターミナルに到着後、商船三井フェリー大洗・苫小牧航路間(夕方便限定)に乗船し、苫小牧フェリーターミナルから、北海道中央バス運行高速バス「高速とまこまい号」に乗車し、札幌駅前バスターミナル間を往復する「茨城マリンきっぷ」が販売されている[64]。期間により運賃が変動する。
以下の路線を運営していたが、いずれも廃止あるいは他社に譲渡している。
2018年(平成30年)9月26日、板金・塗装工場として「茨城交通 水戸南工場」を開設した[68]。
水戸南工場は、有限会社重藤自動車工業所の整備工場を引き継いで、新たに板金・塗装工場として営業を開始した。
水戸市内6箇所とひたちなか市内4箇所の合計10箇所で月極有料駐車場を経営している[69]。
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