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2003年のNHK大河ドラマ第42作 ウィキペディアから
『武蔵 MUSASHI』(むさし)は、NHKで2003年1月5日から12月7日にかけて放送された大河ドラマ第42作。大河ドラマシリーズ初の地上デジタル放送[注釈 1][1]。
この記事はプロジェクト:大河ドラマの編集方針を採用しています。編集される方はご一読下さい。 |
武蔵 MUSASHI | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
原作 | 吉川英治『宮本武蔵』 |
脚本 | 鎌田敏夫 |
演出 | 尾崎充信 他 |
出演者 |
市川新之助 (以下五十音順) 哀川翔 阿部寛 うじきつよし 内山理名 宇津井健 榎木孝明 江守徹 遠藤憲一 かたせ梨乃 北村和夫 京本政樹 小泉今日子 甲本雅裕 近藤正臣 西郷輝彦 笹野高史 高嶋政伸 高橋惠子 谷啓 津川雅彦 堤真一 寺島しのぶ 寺田農 永島敏行 中井貴一 仲間由紀恵 中村勘九郎 中村獅童 中村玉緒 中村梅雀 中村雅俊 夏八木勲 西田敏行 西村和彦 浜田学 ビートたけし 広末涼子 藤田まこと 本田博太郎 増田貴久 松岡昌宏 三浦春馬 水野美紀 宮沢りえ 武藤敬司 吉田栄作 米倉涼子 若尾文子 和久井映見 渡瀬恒彦 |
ナレーター | 橋爪功 |
オープニング | エンニオ・モリコーネ |
製作 | |
製作総指揮 | 一井久司 他 |
制作 | 日本放送協会 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2003年1月5日 - 12月7日 |
放送時間 | 日曜 20:00-20:45 |
放送枠 | 大河ドラマ |
放送分 | 45分 |
回数 | 全49 |
番組年表 | |
前作 | 利家とまつ〜加賀百万石物語〜 |
次作 | 新選組! |
NHKテレビ放送開始50周年、大河ドラマ40周年記念作品でもあった。
原作は吉川英治の『宮本武蔵』。吉川の小説の大河ドラマ化は1991年の『太平記』以来で、4作目であった。主演の七代目市川新之助は、1994年の『花の乱』出演以来。武蔵の幼馴染・本位田又八には堤真一、幼馴染で恋人のお通役には米倉涼子、宿敵・佐々木小次郎にはTOKIOメンバーの松岡昌宏、小次郎の恋人・琴役は仲間由紀恵が序盤で同じく恋人であった八重役と兼ねて二役を演じ、琴の死後に小次郎の恋人となるお篠は宮沢りえが演じた。後半の宿敵・柳生宗矩は中井貴一が演じた。また脚本には鎌田敏夫が起用され、音楽にエンニオ・モリコーネを迎えた。大河ドラマ初出演になるビートたけしの演技が話題を呼んだが、一方で視聴率は前半以降は低迷した。平均視聴率16.7%、最高視聴率24.6%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)[2]。
史実に基いているとはいえ、女性がレイプされるシーン[注釈 2] や濡れ場が露骨に描かれたり、虐殺シーンがあったりと、大河ドラマとしては異色の演出が見られた。
第14話において、上半身裸(映されたのは背中のみ)の吉野太夫が武蔵に対して「抱いてください」と言うシーンが放送されたが、これらの性的な表現を問題視した吉野太夫ゆかりの京都・嶋原の財団法人「角屋保存会」が「文化人であった太夫への誤解を生む」としてNHKに対し抗議を行った[3]。それ以前にはNHKはしばしば嶋原を番組で取り上げることがあったが、この一件以降は無くなっている。
原作は巌流島の決闘で終結しているが、本作では巌流島以降の武蔵が描かれ、キリシタンの村を作り武蔵を敵視する柳生宗矩から守り抜こうとするエピソードもある。
中盤の山場となる巌流島の回では、ラジコンのヘリコプターによる空撮に加え、映画『マトリックス』で注目された視覚効果「バレットタイム(デジタルスチルカメラを30台使用)」で撮影されたシーンもあった。しかし巌流島の決闘以降、一度放映された場面を回想シーンとして構成された回も数話あった。
また、武蔵とは何の絡みもない淀殿を中心とした豊臣家を描いた場面が挿入されたり、大坂城が落城する際には柳生宗矩との対戦以外、戦場で何もしない武蔵が描かれた。なお、総集編では「宮本武蔵」の定番エピソードである宍戸梅軒との対決が収録されておらず、お通の行動も大幅に変更されている。また、藤田まことが演じる柳生石舟斎の登場シーンがカットされている(その正確な理由は不明だが、製作スタッフと藤田との間にトラブルが起こっていたことが藤田の著書によって公表されており、以後2010年に亡くなるまで、藤田はNHKのドラマに出演しなかった)。
本作の放映に先駆けて、前年2002年の『NHK紅白歌合戦』では市川新之助が審査員として参加した。そのほかにも松岡、胤舜役の浜田学、阿厳役の武藤敬司がそれぞれの役の衣装で登場した。
なお、紀行のコーナーのタイトルは『〜紀行』というタイトルでなく、『武蔵伝説の旅』である。
平均視聴率 16.7%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)[2]。
放送回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 |
---|---|---|---|
第 | 1回1月 5日 | 俺は強い! | 尾崎充信 |
第 | 2回1月12日 | お前を守る! | |
第 | 3回1月19日 | 弱さを知れ! | |
第 | 4回1月26日 | 倒してみせる! | 木村隆文 |
第 | 5回2月 2日 | 一から出直せ! | |
第 | 6回2月 9日 | 決闘! 般若坂 | 尾崎充信 |
第 | 7回2月16日 | 秘剣! 燕返し | |
第 | 8回2月23日 | いざ! 柳生の剣 | 木村隆文 |
第 | 9回3月 2日 | おのれを知れ! | |
第10回 | 3月 9日 | 宮本武蔵参上! | 野田雄介 |
第11回 | 3月16日 | 修羅の道へ! | |
第12回 | 3月23日 | 俺は死なない! | 尾崎充信 |
第13回 | 3月30日 | 一乗寺の決闘! | |
第14回 | 4月 6日 | 美は美なり! | |
第15回 | 4月13日 | 響け! 笛の音 | 木村隆文 |
第16回 | 4月20日 | 伊達の刺客! | |
第17回 | 4月27日 | おのれの道! | 尾崎充信 |
第18回 | 5月 4日 | 女心 揺れる! | 梛川善郎 |
第19回 | 5月11日 | 風雲の江戸! | |
第20回 | 5月18日 | 家康暗殺! | 尾崎充信 |
第21回 | 5月25日 | 必殺の鎖鎌! | |
第22回 | 6月 1日 | 対決! 宍戸梅軒 | 木村隆文 |
第23回 | 6月 8日 | 夫の仇! | |
第24回 | 6月15日 | 蘇る! 戦いの日々 | 尾崎充信 |
第25回 | 6月22日 | お通の涙 | 後藤高久 |
第26回 | 6月29日 | 柳生の誘い | |
第27回 | 7月 6日 | 再会! 武蔵とお通 | 尾崎充信 |
第28回 | 7月13日 | つかのまの愛 | 木村隆文 |
第29回 | 7月20日 | 小次郎動く! | 尾崎充信 |
第30回 | 7月27日 | 石舟斎の遺訓 | 野田雄介 |
第31回 | 8月 3日 | お通、いずこに | 木村隆文 |
第32回 | 8月10日 | 武蔵の決意 | 櫻井賢 |
第33回 | 8月17日 | 父との再会 | 野田雄介 |
第34回 | 8月24日 | 対決! 夢想流 | 尾崎充信 |
第35回 | 8月31日 | 武蔵、小倉へ! | 木村隆文 |
第36回 | 9月 7日 | 武蔵と小次郎 | |
第37回 | 9月14日 | 巌流島への道 | 尾崎充信 |
第38回 | 9月21日 | 決闘! 巌流島 | |
第39回 | 9月28日 | 武蔵帰還 | 木村隆文 |
第40回 | 10月 | 5日信じる心 | 大原拓 |
第41回 | 10月12日 | 又八 危うし! | 梛川善郎 |
第42回 | 10月19日 | 武蔵と幸村 | 尾崎充信 |
第43回 | 10月26日 | 武蔵村の危機 | 梛川善郎 |
第44回 | 11月 | 2日お杉逝く! | 尾崎充信 |
第45回 | 11月 | 9日冬の陣開戦! | 梛川善郎 |
第46回 | 11月16日 | 宿敵! 柳生宗矩 | 大原拓 |
第47回 | 11月23日 | 涙の別離 | 櫻井賢 |
第48回 | 11月30日 | 柳生を倒せ! | 木村隆文 |
最終回 | 12月 | 7日武蔵よ永遠に! | 尾崎充信 |
12月28日一括放送。
2000年以降に放送された大河ドラマで唯一、DVDなどのソフト化が長らく全くされていない作品であったが、2023年に完全版・総集編のDVDソフトが発売された。NHKアーカイブスでは2019年12月より総集編の視聴が可能となっている。
第1回の山場となる夜盗襲撃シーンは、茨城県にロケセット「伊吹山の庄屋の家」を製作した力の入った撮影であったが黒澤明監督の映画『七人の侍』(1954年)に類似している部分があった。放映後に週刊誌などからも指摘され、イメージダウンになっている。黒澤プロ側はオマージュとしては解せず、放送終了後の2004年1月に、NHKと脚本家に対し、著作権(翻案権)侵害などを理由に訴訟を起こしたが、2004年東京地方裁判所により請求は棄却された。2005年に知的財産高等裁判所も一審を支持。同年、最高裁も上告を棄却した[4]。「芸術的完成度がまったく違う」という判決であった。
2011年9月に書道作家である上坂祥元[5] が同作品並びに『龍馬伝』のタイトルロゴが自らの構図と酷似し、著作権を侵害しているなどとして、NHKを相手取り、約1,100万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした[6]。ただし、京都地裁・大阪高等裁判所とも創作性を認めず、原告の訴えを退けている[7]。
2016年2月19日にTBSラジオの番組『荻上チキ・Session-22』内で「今夜決定!最高の大河ドラマ」という特集が放送され、同番組リスナーや出演者が1人1票で投票した順位の結果が発表された。この時点まで発表された全ての大河ドラマ作品が対象で総投票数1,000票以上の大規模なものであったが[8]、本作は『春の坂道』と共に1票も投票されずワースト作品となった。番組に出演した時代劇研究家・春日太一は本作について前述の巌流島の決闘が物語の中盤で終わってなお話が続く件にも触れ「驚くぐらいつまらなかった」とコメントした[注釈 3][9]。
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