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1994年のNHK大河ドラマ第33作 ウィキペディアから
『花の乱』(はなのらん)は、1994年4月3日から同年12月11日にかけて放送された33作目のNHK大河ドラマ。主演は三田佳子。全37話。
この記事はプロジェクト:大河ドラマの編集方針を採用しています。編集される方はご一読下さい。 |
平安建都(遷都)1200年を記念して室町幕府第8代将軍・足利義政の妻である日野富子の生涯と、応仁の乱およびその前後の状況を描いた。
近時代には1991年の『太平記』後半が室町幕府初期となるものの、南北朝時代や戦国時代との重複期間を除いた純然たる室町期を正面から舞台とした作品は、これが初の試みとなった[1]。主演役者がナレーターを務める作品は現在まで本作のみ。
12代目市川團十郎にとって1985年の團十郎襲名以来、初のNHKドラマ出演になった。また野村萬斎も本作の放映が始まる1か月前に「萬斎」を襲名したばかりだった(そのため放送前のテレビ雑誌では野村武司名義である)。このドラマで本格テレビデビューを果たした松たか子・13代目市川團十郎(当時は7代目市川新之助)・野村萬斎らは本作での演技が好評を得て、その後多くのテレビドラマに出演するようになって人気を博していく。他にも奥田瑛二、檀ふみ、2代目松本白鸚(当時は9代目松本幸四郎)、京マチ子、萬屋錦之介、佐野史郎、藤岡弘、、役所広司、草刈正雄、かたせ梨乃、篠田三郎、織本順吉、平淑恵、勝野洋、夏八木勲など、テレビドラマだけでなく映画や舞台や歌舞伎などでも幅広く活躍しているベテランの俳優陣が脇を固める形で出演している。
ビデオリサーチによる視聴率は平均で14.1%、最高で18.3%(いずれも関東地区)[2]となり、2012年の『平清盛』が記録を更新するまでは大河ドラマで最も低かった。特に8月14日放送の第20回「戦雲の都」が記録した視聴率10.1%は、2012年の大河ドラマ『平清盛』の第45回「以仁王の令旨」にて7.3%を記録するまで、大河ドラマ歴代ワースト1位だった[3]。
後年の再評価もあって、2000年8月から11月にかけて「大河ドラマアンコール」と題してNHK総合テレビにおいて平日15時台に全編が再放送された。ソフトとしては総集編のVHS、完全版のDVDが発売されている。
特徴として、劇中の台詞で人名を呼ぶ際に可能な限り、諱ではなく官位や通称を用いている。例として日野富子を「御台様」、足利義政を「御所様」または「室町殿」、細川勝元を「右京大夫(うきょうのだいぶ)」、大内政弘を「左京大夫(さきょうのだいぶ)」などと呼んでいる。
最終回まで主人公の富子を含め、全ての主要の登場人物についてはその回の初登場時に役名のクレジットがつけられている。最終回では富子が山中をどこかへ彷徨って消えていき、明確な最期を描かれることなくストーリーが完結している(ナレーションで彼女が数年後に死んだことは語られている)。
大河ドラマで唯一、主人公を演じる役者がナレーションを務めた。ただし、『武田信玄』の大井夫人など、劇中の人物が語りを務める他の大河ドラマのように、日野富子の目線で語られているわけではない(オープニングのクレジットでは三田演じる富子の登場しない序盤でも「日野富子・語り 三田佳子」となっている)。
この作品は本来、連続テレビ小説の方式に倣って、1年間を10月を分岐とした前期・後期の半年間ずつで展開する作品(1年2作品)の第1弾として企画される予定だったが、準備段階の1993年度に放送された番組の形式(『琉球の風』『炎立つ』)が振るわなかったため、9月終了の予定を変更して12月まで放送された。1995年以後の大河ドラマは1月開始・12月終了の暦年制による1年1作品に戻された。
それまでの大河ドラマは、冒頭から迫力ある音で始まるテーマ音楽が一般的であったが[4]、三枝成彰作曲による本作のテーマ音楽は、静かにピアノの独奏から入り、次第に弦楽器が重なり、管楽器や打楽器も加わってラストにかけて盛り上がっていく、というものであった。
この楽曲はまた大河ドラマを離れ、歌詞をつけて歌謡曲調にアレンジした「花の乱」を都はるみが歌い、同時期にシングルを発売している(1994年8月1日、日本コロムビア発売。作詞:阿木燿子、作曲:三枝成彰、編曲:千住明。カップリングのポピュラーバージョンの編曲は桜庭伸幸)。さらに後年、三枝は現代邦楽研究所からの委嘱を受ける形で、同曲の邦楽アレンジ版を発表している。
タイトルバックでは、CG処理された情景に舞姿の仮面の女人が登場した他、森林、山水、そして戦乱によって荒廃した光景などが表現され、この中には将軍義政の宇宙観や応仁の乱などで疲弊した都の姿などが投影された。映像には、京都や室町幕府のシンボル的な名所なども登場しなかった。
特記が無い限りNHKクロニクルのNHK番組表ヒストリーで確認。
放送回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率
[要出典] |
---|---|---|---|---|
第1回 | 4月3日 | 室町夢幻 | 村上佑二 | 17.9% |
第2回 | 4月10日 | 火の橋水の橋 | 14.4% | |
第3回 | 4月17日 | 月と銅銭 | 小林武 | 14.1% |
第4回 | 4月24日 | 夢草紙 | 14.0% | |
第5回 | 5月1日 | 富子姫変化 | 黛りんたろう | 13.1% |
第6回 | 5月8日 | 徳政一揆 | 14.2% | |
第7回 | 5月15日 | 女合戦 | 村上佑二 | 18.3% |
第8回 | 5月22日 | 飢餓地獄 | 14.7% | |
第9回 | 5月29日 | 米狂言 | 小林武 | 16.0% |
第10回 | 6月5日 | 将軍の母 | 13.4% | |
第11回 | 6月12日 | 逢魔が時 | 黛りんたろう | 14.1% |
第12回 | 6月19日 | 地獄門 | 13.8% | |
第13回 | 6月26日 | 和子誕生 | 村上佑二 | 16.4% |
第14回 | 7月3日 | 宗全謀反 | 小林武 | 11.4% |
第15回 | 7月10日 | 文正の変 | 14.6% | |
第16回 | 7月17日 | 富子対義政 | 黛りんたろう | 12.9% |
第17回 | 7月24日 | 応仁元年 | 15.3% | |
第18回 | 7月31日 | 室町第包囲 | 村上祐二 | 11.7% |
第19回 | 8月7日 | 東軍西軍 | 小林武 | 13.6% |
第20回 | 8月14日 | 戦雲の都 | 10.1% | |
第21回 | 8月21日 | 火の舞 | 黛りんたろう | 14.9% |
第22回 | 8月28日 | 鬼面 | 12.2% | |
第23回 | 9月4日 | 密命 | 谷口卓敬 | 13.2% |
第24回 | 9月11日 | 修羅の華 | 村上祐二 | 12.1% |
第25回 | 9月18日 | 宗全切腹 | 小林武 | 14.8% |
第26回 | 9月25日 | 勝元暗殺 | 13.8% | |
第27回 | 10月2日 | 花の御所炎上 | 黛りんたろう | 13.2% |
第28回 | 10月9日 | 銭の種 | 12.7% | |
第29回 | 10月16日 | 椿の庄 | 村上祐二 | 13.2% |
第30回 | 10月23日 | 悪女 | 小林武 | 14.5% |
第31回 | 10月30日 | 恋情 | 黛りんたろう | 16.2% |
第32回 | 11月6日 | 狂雲の子 | 村上祐二 | 15.2% |
第33回 | 11月13日 | 銀色の夢 | 小林武 | 14.2% |
第34回 | 11月20日 | 山城国一揆 | 谷口卓敬 | 13.4% |
第35回 | 11月27日 | 露の命 | 黛りんたろう | 14.5% |
第36回 | 12月4日 | 大文字 | 小林武 | 10.2% |
最終回 | 12月11日 | 風花 | 村上祐二 | 16.7% |
平均視聴率 14.1%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ調べ)[2] |
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