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静岡県の市 ウィキペディアから
伊豆市(いずし)は、静岡県の伊豆半島中央部に位置する市。この半島で最大の面積を占める基礎自治体である。
平成の大合併のピーク期あたりの2004年の4月1日に、伊豆半島中北部の4町、田方郡修善寺町・土肥町・天城湯ケ島町・中伊豆町が合併し伊豆市が発足した。
伊豆市は県の面積の4.1%を占め、現在、浜松市・静岡市・川根本町に次いで4番目に広い基礎自治体である。このように広大な面積を有しているが、深山な伊豆半島に位置するため、市域の67%は山林で占められており、可住地面積は17.3%程で[1]、人家の多くは狩野川とその支流の脇のわずかな平地に集まる。温泉と自然環境を主軸とした観光地を有している。
市域の多くが、伊豆半島のおよそ標高500〜1,000メートル (m) 級の分水嶺に囲まれる。そのために市域は分水嶺内側の狩野川水系上流域を占める内陸部と、駿河湾に接する海岸部の二つに大別される。この二つの地域間には標高約570 mの船原峠があり、移動において地域住民の地理的・心理的障壁となっており、生活圏の境界にもなっている[2]。海岸部は内陸部に比べ、暖流である黒潮の影響で幾分か温暖である[3]。 今後発生が予見されている南海トラフ巨大地震の際には、市内の海岸に最大8mの津波が到達することが予想されている[4]。
市域はかつて火山島であった伊豆半島にあるため、火山活動に由来する地形が残る。先述の市域を囲む分水嶺の山稜も大型火山が侵食されて形成されたもので、内陸側のすそ野には大型火山の名残の比較的緩やかな山並みが続く地域もあり、北部域ではゴルフ場や別荘地、テーマパークとして利用されている。これら大型火山の活動はすでに終えているが、半島西部の伊豆東部火山群は現在も活動中であり、それら単成火山が造りだした地形も市内に多く存在するが認知度は低い。
気候は一般的に温暖な地域と認識されている伊豆半島であっても、天城山近くの山間部では積雪のある年も珍しくない。この天城山では年間降水量が4,000ミリメートル (mm) を超えることもある多雨地帯である[5]。
国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、伊豆市の面積は363.97平方キロメートル (km2) である[6]。
国土地理院によると[7][8]伊豆市の東西南北それぞれの端は以下の位置。北端は巣雲山の北北西約1キロメートル (km) 、東端は冷川峠の北北東約4 km、南端は天城峠の西約1 km、西端は恋人岬である。また、2010年国勢調査結果に基く人口重心[9]は大平にある。
北端 北緯35度00分58秒 東経139度01分56秒 ↑ | 人口重心 北緯34度57分00.69秒 東経138度55分54.53秒 | |
西端 北緯34度52分06秒 東経138度45分10秒← | 市役所 北緯34度58分36秒 東経138度56分49秒 | 東端 →北緯34度59分00秒 東経139度04分09秒 |
↓ 南端 北緯34度49分35秒 東経138度55分18秒 | ||
修善寺村 | 修善寺町 大正13年 | 修善寺町 昭和31年 | 修善寺町 昭和34年 *北狩野村の一部は 大仁町へ編入 | 伊豆市 平成16年 出典[1] |
下狩野村 | ||||
北狩野村 | ||||
土肥村 | 土肥村 明治22年 | 土肥町 昭和13年 | 土肥町 昭和31年 | |
小土肥村 | ||||
八木沢村 | 西豆村 明治22年 | |||
小下田村 | ||||
中狩野村 | 天城湯ケ島町 昭和35年 | |||
上狩野村 | ||||
上大見村 | 中伊豆町 昭和33年 | |||
中大見村 | ||||
下大見村 |
市の発足前から人口の減少は進んでおり、発足時(2004年)の人口は38,108人であった。
伊豆市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 伊豆市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 伊豆市
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
伊豆市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
一時期、合併の枠組みによっては政令指定都市へ移行することも検討されたが、構想は白紙撤回された。しかし、三島市や伊豆の国市は新たに、伊豆市など伊豆半島の各地域との大合併による「新・伊豆市」構想を持ち始めており、同構想が実現した場合は政令指定都市への移行が実現する可能性もある[要出典]。
総数 (単位:人) | 第1次産業 7.77% (全国平均1.5%) | 分類不能の産業 0.70% | |||
---|---|---|---|---|---|
19,151 | 計 | 農業 | 林業 | 漁業 | 135 |
1,488 | 1,396 | 42 | 50 | ||
第2次産業 25.12% (全国平均26.8%) | |||||
計 | 鉱業 | 建設業 | 製造業 | ||
4,810 | 35 | 1,866 | 2,909 | ||
第3次産業 58.27% (全国平均71.7%) | |||||
計 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 情報通信業 | 運輸業 | 卸売・小売業・飲食店 | |
12,718 | 61 | 158 | 698 | 2,989 | |
金融・保険業 | 不動産業 | 飲食店・宿泊業 | 医療・福祉 | ||
234 | 132 | 2,789 | 1,808 | ||
教育・学習支援 | 複合サービス業 | サービス業 | 公務 他に分類されないもの | ||
625 | 337 | 2,397 | 490 |
平地は主として稲作が中心。天城山の山麓では清涼な水を利用して江戸時代からワサビ栽培が行われ、中伊豆地区の筏場地区や地蔵堂地区では大規模なワサビ田が広がる。1892年ごろ[16]、原保村(現伊豆市)の平井熊太郎が畳石式栽培を開発した[17]はこれらで収穫される天城のワサビは最上級のブランドとなっている。また、明治期には天城湯ケ島地区(上狩野村門野原出身)の石渡秀雄がシイタケの栽培法を確立しており、現在もシイタケ栽培が盛んである。
駿河湾に面する土肥地区では漁業が行われている。主な漁港は小下田漁港と八木沢漁港。
江戸時代から稼働していた土肥金山を始め、持越鉱山、大仁鉱山など多数の鉱山を抱え、1960年代までは盛んに採掘、精錬が行われていた。鉱山の採掘は全て廃鉱または休止しており、精錬技術を生かしたリサイクル事業などに転換している企業もある。
修善寺駅は、鉄道のない伊豆半島西部へのターミナル駅となる。駅前には半島各地へ向かうバス路線が集まる。
一般国道自動車専用道路(B)である伊豆縦貫自動車道を含む国道や複数の県道、1本の有料道路が市内を通過する。
市内に空港はない。最短時間で行ける空港は羽田空港である。県内には静岡空港があるが利便性が低く、地元住民は成田国際空港や羽田空港を利用する。
南関東や静岡県内の空港への、公共交通機関を利用した最短所要時間は次のとおり[19]。なお、静岡空港についてはバスを利用することになるため、渋滞状況によっては2時間以上を要する場合がある。
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