Loading AI tools
ウィキペディアから
『腕におぼえあり』(うでにおぼえあり)は、1992年にNHK総合「金曜時代劇」で放送された藤沢周平原作の時代劇。好評であったことからシリーズ化され、同年に『腕におぼえあり2』、1993年に『腕におぼえあり3』も制作された。各作とも『用心棒日月抄』シリーズを元にして、『よろずや平四郎活人剣』で描かれたエピソードを織り交ぜたものとなっている。
元禄13年の暮れ、東北のある小藩に仕える武士の青江又八郎は藩主毒殺の陰謀に巻き込まれ、それに関係していた許嫁の父親を斬ってしまう。藩を抜け出し江戸へ出てきた又八郎は裏長屋に住み、藩から放たれた刺客と対決しながら、口入れ屋の相模屋から割のいい仕事である用心棒を引き受け日々を暮らしている。用心棒稼業の仲間である細谷源太夫は腕は立つが子沢山で、これも近くの長屋で貧しい生活を送っている。用心棒の仕事でいろいろな事件に巻き込まれていくうちに、赤穂の浪人たちと知り合い、討ち入りが近いことを感じ取っていく。また、許嫁の由亀が敵討ちのため弟と一緒に江戸にやってくるが、又八郎は何とかして真実を打ち明けたいと悩む。そして由亀との和解の後、大石内蔵助ら赤穂の浪人とその仇敵である吉良家の志士たちとの関わりを経て、江戸に戻った又八郎は、藩主毒殺の元凶である家老・大冨丹後との決着を付けるべく、最後の戦いに挑む…。
忠臣蔵関係の一部映像は大河ドラマの『元禄太平記』と『峠の群像』より流用されている。配役における浅野内匠頭の隆大介(『峠の群像』)や大石内蔵助の江守徹(『元禄太平記』)はその関係によるが、江守は第9回に新撮の映像でも登場している。また柳沢吉保役の石坂浩二も江守同様に『元禄太平記』に同役で出演しているが、こちらは大河ドラマからの映像は使われていない。
前作の最終話から3か月程過ぎた頃、前桑山藩主毒殺に荷担した者たちの名が記された連判状を大富静馬が盗み江戸へ出奔した。青江又八郎は家老・間宮からその連判状を取り返すよう命じられる。藩命ではあるものの、厳しい藩の財政のため、又八郎は再び江戸での浪人暮らしを強いられることになる。一方、公儀隠密も連判状の争奪に乗り出し、三つ巴の様相を呈する。公儀隠密の手から静馬の危機を救った又八郎に静馬は礼の代わりにと連判状の筆頭にある人物の名を告げて去る。それは桑山藩にとって意外な人物の名であった。
前作の最終話から10年程経ったある日、青江又八郎はある人物から渡された密書が故にかつて志を共にしていたはずの桑山藩の隠密組織嗅足組(かぎあしぐみ)に妻・由亀を殺害され、みたび、脱藩を余儀なくされてしまう。
1年間に異例ともいえる3シリーズが制作され、放送終了7年後の2000年にも同じ中島丈博脚本、村上弘明主演で舞台化された。
本シリーズがNHKの時代劇制作にもたらした影響は大きく、以降も同局の「木曜時代劇」枠において数々の藤沢周平作品を原作とした番組が制作され、主演の村上弘明と音楽の近藤等則も同じ枠において再度起用されている。
1993年1月15日『腕に覚えあり3』の放送時間中に釧路沖地震が発生したため放送が中断し、急遽地震特番へと切り替わった。そのため、1月15日放送回は翌週に再度放送されている。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.