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日本のテレビドラマ番組、メディアミックス作品、その主人公たる架空のヒーローグループの名前 ウィキペディアから
『光戦隊マスクマン』(ひかりせんたいマスクマン)は、1987年2月28日から1988年2月20日まで、テレビ朝日系列で毎週土曜18:00 - 18:25(JST)に全51話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマシリーズ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。
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スーパー戦隊シリーズ | ||
第10作 | 超新星 フラッシュマン |
1986年3月 - 1987年2月 |
第11作 | 光戦隊 マスクマン |
1987年2月 - 1988年2月 |
第12作 | 超獣戦隊 ライブマン |
1988年2月 - 1989年2月 |
本作品のモチーフは気功である。このモチーフの選定は、東映プロデューサーの鈴木武幸が「座禅を組んでいた人間が飛び上がっている写真」を見たことがきっかけとなっている[1]。戦隊チームの5人は全員武術(格闘技)の達人と設定されており、人間の体に眠る可能性を引き出す存在としての説得力を持たせようとしている[2]。劇中各戦士のパワーアップもアイテムではなく、トレーニングでオーラパワーを引き出すというものである。
『超電子バイオマン』『電撃戦隊チェンジマン』『超新星フラッシュマン』と3作品にわたって宇宙規模の物語が続いたため、本作品では人間の内面に眼を向けることになり、キャラクターの構成要件もそれまでの西洋科学的要素へのアンチテーゼとして、東洋思想のイメージが導入された[出典 1]。後のインタビューで鈴木武幸は「本当にシンプルに抑えようじゃないかということで、何かをくっつけるということを止めまして」と述べている[6]。
ストーリーの特徴は、レッドマスク・タケルとその恋人美緒ことイアル姫の敵味方の恋愛が作劇の根幹として描かれたことである[4][7][注釈 1]。これにより女性層から好評を得て、ファン層の拡大に貢献した[7]。メインライターの曽田博久は、あまり大上段に構えたテーマを打ち出したくはなかったが、シリーズのマンネリ化を避けるためにはやむを得なかったものであると述べている[9]。
企画段階では『ザ・ファイブマン』というタイトルであり[10][4]、スーツの首元に五角形で"5"と読める意匠があることや、1号ロボの名称が戦隊名の「マスク」ではなく「ファイブ」と付くなどところどころにその名残が見られる[11]。同じく企画段階では、マスクマンの5人が「姿探偵事務所」の所員とされていたが[3]、職業設定がドラマ展開の足かせになりかねないことから没となり、実作品で5人が所属する「姿レーシングチーム」も第1話で閉鎖されている[4]。
1号ロボであるグレートファイブはシリーズ初の5機合体ロボであり[2][12]、ロボのパーツが5人のメンバー全員に1機ずつという形で当てられていたのも、これが初めてである。5機合体のアイディアが生まれたのは本作品が初ではないが、玩具化にあたってその合体の再現が困難なこと、および商品単価が高価になる恐れからそれまでは見送られていた[11]。本作品で5機合体が実現したのは、玩具製造技術の向上により5機合体が実現可能となったこと、および時代がバブル景気に突入したこと、さらに玩具メーカーが生産拠点を海外に移したことで製造原価を低く抑えることができたという事情が背景にある[11][注釈 2]。中盤からは2号ロボのギャラクシーロボが登場するが、企画段階では確実に出ると決まっていたわけではなく、1号ロボの商業成績の成否を見極めてから登場させるという戦略だった。実際には『マスクマン』は視聴率・売り上げともに好成績だったため、無事にギャラクシーロボは日の目を見ることができた[11]。
また1話限定だが、マスクマンのプロトタイプとされるシリーズ初の6人目の戦士、X1マスクが登場した[14][注釈 3]。X1マスクの頭部は他のマスクマンと異なり『バトルフィーバーJ』のように目をかたどった造型になっている。企画段階ではヒーローのデザイン候補として描かれた目のある型と従来のゴーグル型とが拮抗して譲らず、かつてないほど決定が難航し、両種類のレッド用マスクが試作された。結局は「目のあるヒーローは新鮮さがまだ弱い」という理由でゴーグル型が採用された[15]。X1マスクの頭部はこのときの試作品を流用したものだが、スーツは新作である[16]。
『マスクマン』は通常よりも1話分早く終了した。これは次回作『超獣戦隊ライブマン』が『バトルフィーバーJ』から数えて10周年記念作品となるため、2月の最終週に10大戦隊を取り上げた特別番組を放映する予定だったからである。ところが悪天候のせいで『マスクマン』撮影スケジュールが遅れたために特番を撮影する余裕がなくなり、予定を繰り上げて2月の最終週から『ライブマン』が開始することになった[17]。10大戦隊の特番は、翌年の『高速戦隊ターボレンジャー』第1話まで持ち越しとなった。
地上とは別の進化をたどったもう一つの人類が住む地底世界は、地帝王ゼーバのもとで地底帝国チューブに統一された。ゼーバは次の目標として地上世界の侵略を開始する。姿レーシングチームのレーサー・タケルに対し恋人の美緒がチューブの存在を警告した直後、突如現れた地割れに美緒が飲み込まれてしまう。彼女の本当の名はイアルで、チューブが派遣したスパイであると同時にかつての地帝王の娘=王女だったが、タケルを愛したためにチューブから離反していたのである。
かねてからチューブの存在を察知していたレーシングチームの代表・姿三十郎は、その脅威に対抗するためオーラパワーの素質がある5人の若者をスカウトして光戦隊マスクマンを結成しており、タケルもその1人だった。地上侵攻を始めたチューブとの初戦に辛くも勝利したマスクマンだったが、地帝城の浮上によって苦戦を強いられてしまう。苦労の末オーラパワーを完全に発動させた5人は、巨大ロボ・グレートファイブによってチューブの作戦を打ち砕く。
没落した家の再興を目指す地帝王子イガムは、妹イアルをたぶらかしたとしてタケルを付けねらう。一方でゼーバ配下の攻撃も次第に激しくなり、ドクロドグラー戦後にグレートファイブが地下に埋もれてしまう。マスクマンはこの窮地に際し、かつて暴走して失われていたギャラクシーロボを取り戻して戦力を増強させる。
チューブはマスクマンのメンバーひとりひとりを標的にするようになり、盗賊騎士キロスによって必殺武器・ショットボンバーが破壊される。イアル姫を手に入れようとするキロスとの対峙で、タケルは美緒とイアルが同一人物であると知る。マスクマンは光戦隊の技師たちの協力で新武器・ジェットカノンを獲得し、その威力でチューブの悪事を阻止し続ける。
アキラがヨロイドグラーの鎧に取り付かれて地帝剣士ウナスに変貌し、イガムとともに仲間に襲い掛かってきたとき、戦いの中でイガムの兜が割れて実は女性であったことが露呈する。タケルは洞窟内で氷に閉じ込められたイアルを発見してキロスと争いになり、割れた氷の破片が胸に刺さったためキロスは死亡する。ゼーバは解放されたイアルとタケルの抹殺をイガムに命じる。
実はゼーバの正体は、かつてイガム王家によって退治された邪悪なリサールドグラーの遺児であり、復讐のために地下世界を乗っ取ると、自らの弱点につながる王家の姉妹の仲を引き裂いたのだった。真実を知ったイガムは家の復興という大義を捨ててイアルと和解し、姉妹に備わった神秘の力で地帝城から放たれる暗黒粒子を消し去って、ゼーバを弱体化させる。マスクマンはリサールドグラーの本性をあらわにしたゼーバを撃ち滅ぼす。
こうして戦いは終わり、地上と地底の2つの世界に平和が戻った。しかしイアルは愛するタケルと別れ、地底の再建に力を尽くす道を選ぶ。そしてイガムはひとり巡礼の旅に出るのだった。
対地底帝国戦を想定した秘密組織・光戦隊の戦士。オーラパワーの素質に恵まれた武術の達人で編成され、本格活動開始まで、表向きは、F1チームの姿レーシングチームとして活動していた。
それぞれ、武道をたしなみ、各自両手で固有の九字護身法の印を結び精神統一を図る[注釈 4]。
第1話の時点ではオーラパワーが完全に開花しておらず、第3話の戦闘中、爆発の中で己を極限まで追い込むことで開花・会得した。
名称 | 全長 | 重量 | スピード | |
---|---|---|---|---|
ターボランジャー | 92.3 m[出典 24] | マッハ6.8[54][52][注釈 22] | ||
マスキーファイター | 54.2 t[61] | マッハ8.2[出典 25] | ||
マスキードリル |
|
193.5 t[61] | 880 km/h(地上)[出典 26]、100 km/h(地中)[54][52] | |
マスキータンク |
|
253.4 t[61] | 940 km/h[出典 26] | |
マスキージェット |
|
57.5 t[61] | マッハ6.8[出典 26] | |
マスキージャイロ |
|
33.4 t[61] | 680 km/h[出典 26] | |
ランドギャラクシー | 52.6 m[54][52] | 440 t[52] | 260 km/h[54][52][注釈 23] | |
マスクローダー |
|
330 km/h[61][52] | ||
ジェットカノン | 2.43 m[33][34] | 98 kg[33][34] | 800 km/h[33][34] |
地底世界を支配する大帝国。5000年の歴史を持つと言われる地底世界は本来平和な世界であったがクーデターが発生し、統治していた地底王家が滅亡。現帝王ゼーバの御世になって恐怖政治が始まり、ゼーバの飽くなき征服欲を満たすため、地上への侵攻を開始した。地上へ通じる無数のチューブを走る地底列車で地上に向かい、地帝獣とアングラモン戦闘機で攻撃する。
各キャラクターの身長・体重などの設定はない[66]。
レッド役に抜擢されたのはデビュー2年目の海津亮介であり、前年の『超新星フラッシュマン』第27話に若草リュウ役でゲスト出演した際、植村喜八郎から「(ゲストの起用は)次期のレッド候補の選考でもあるらしい」と聞かされてオーディションを受けたという。海津は空手の経験こそなかったがアクションには意欲的で、作品終盤ではJACほどの速さが要求されない限り、スタントなしでの撮影にも積極的に挑戦していた[15]。
他のマスクマン役の4人もある程度のアクションができる人物が選ばれており、特に鈴木武幸がスカウトしたアキラ役の広田一成は東洋武術の世界大会で、第2位という剣の達人であった[3][2]。ハルカ役の永田由紀は当初、フーミン役でオーディションを受けていたが、監督の長石多可男により抜擢された[78]。
戦隊をまとめる長官役にアクションドラマ『キイハンター』の島竜彦役などで知られ、当時『風雲!たけし城』で子どもたちの知名度が高かった谷隼人を起用。
テレビ番組でナレーションを多く担当している、武田広をナレーターとして起用。
敵側ヒロインである美緒 / イアル姫役に浅見美那を起用。浅見は敵側レッド役と恋仲の姫だけでなく、妹を拐かしたとしてレッド役を憎む兄のイガム王子役という一人二役を演じた。浅見は前作『フラッシュマン』でも、ゲスト役で出演している。
第28・29話では翌年の『超獣戦隊ライブマン』で、イエローライオン/大原 丈役となる西村和彦がゲスト出演している。
ブルーマスクのスーツアクターを務めた喜多川務は、本作品をきっかけに本格的に中国拳法を習得し、その後『五星戦隊ダイレンジャー』や『獣拳戦隊ゲキレンジャー』など中国拳法を用いる作品で指導を務めた[79][80]。
『電撃戦隊チェンジマン』にてシリーズに初参加を果たした長石多可男がメイン監督を担当した。パイロット作品、新ロボ・新幹部登場編などの重要回を演出し、本シリーズの劇場版にて映画監督デビューも果たした。長石はこの後『ファイブマン』まで4作連続でメイン監督を歴任した。演出は年間を通して長石とサブの東條昭平だけでほぼローテーションを組んでおり[86]、『フラッシュマン』後半から続くこの監督体制はその後『高速戦隊ターボレンジャー』後半まで継続することになる[注釈 39]。
またアクション監督は別作品に移動[要出典]した山岡淳二に代わり、第6話より竹田道弘が就任[87][88]。以降戦隊シリーズで長きにわたってアクション演出を務めた[87]。竹田は、このころは尺が短くアクションがカットされがちであったため、カット割りを細かくし、テンポアップを図ったと述べている[88]。
敵組織などのデザインワークは、当時まだ専門学校生で本作品がデビューとなる荻原直樹と、森野うさぎら同人分野で活躍していた当時20代前半の若手漫画家たちによるデザイン集団「いちごはうす」が担当[89][24]。
主題歌・挿入歌を歌った影山は前回参加した『電撃戦隊チェンジマン』では「KAGE」名義だったが、本作品以降は本来の芸名である「影山ヒロノブ」名義で楽曲を歌うようになった。
第7話では吉川晃司の「NO NO サーキュレーション」が、第13話では佐藤恵美の「ピカソガール」がそれぞれ挿入歌として使用され、器楽曲としては第41話で高崎晃の「TASK OF JAGUAR」が使用された。
放送日 | 放送回 | サブタイトル | 登場怪人 | 脚本 | アクション監督 | 監督 |
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1987年 | 2月28日1 | 美しき謎の逃亡者 | 曽田博久 | 山岡淳二 | 長石多可男 | |
3月 | 7日2 | 怪奇!闇の地底城 | ||||
3月14日 | 3 | 未知への第一歩! |
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3月21日 | 4 | 燃やせ!F1魂! | 東條昭平 | |||
3月28日 | 5 | 小さな剣士ブルー | ||||
4月 | 4日6 | 夢のゴッドハンド |
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竹田道弘 | 長石多可男 | |
4月11日 | 7 | 爆発!ケンタの愛 | 藤井邦夫 | |||
4月18日 | 8 | 輝け!花の剣! |
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井上敏樹 | 東條昭平 | |
4月25日 | 9 | 合体!命のオーラ |
|
藤井邦夫 | ||
5月 | 2日10 | イガム |
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曽田博久 | 長石多可男 | |
5月 | 9日11 | 地底からの亡命者 |
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藤井邦夫 | ||
5月16日 | 12 | 挑戦!忍びの誇り |
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曽田博久 | 東條昭平 | |
5月23日 | 13 | アイドルを追え! |
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井上敏樹 | ||
5月30日 | 14 | 青空への大脱出! |
|
曽田博久 | 長石多可男 | |
6月 | 6日15 | さらば愛しき花よ | 藤井邦夫 | |||
6月13日 | 16 | 必殺!炎のバラバ |
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井上敏樹 | 東條昭平 | |
6月20日 | 17 | 破れ!地獄の迷宮 |
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藤井邦夫 | ||
6月27日 | 18 | 愛しの吸血人形! |
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7月 | 4日19 | 妖魔!アナグマス |
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曽田博久 | ||
7月11日 | 20 | 罠! 沈む巨大ロボ |
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長石多可男 | ||
7月18日 | 21 | 霧の谷の黒い影 |
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7月25日 | 22 | 風雲オーラの嵐! | ||||
8月 | 1日23 | 悪魔になった美緒 |
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東條昭平 | ||
8月 | 8日24 | 鍾乳洞の少年怪獣 | 長石多可男 | |||
8月15日 | 25 | アキラの恋人!? |
|
東條昭平 | ||
8月22日 | 26 | 熱砂に消えた命! |
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藤井邦夫 | 長石多可男 | |
8月29日 | 27 | 盗賊騎士キロス! |
|
曽田博久 | ||
9月5日 | 28 | 美緒がイアル姫!? |
|
東條昭平 | ||
9月12日 | 29 | 友情の新必殺武器 |
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9月19日 | 30 | ママ!! バラバの絶叫! |
|
長石多可男 | ||
9月26日 | 31 | 出現!守護神イガム竜 |
| |||
10月 | 3日32 | オヨブー必殺走り |
|
東條昭平 | ||
10月10日 | 33 | タケルよ!愛を斬れ! |
|
藤井邦夫 | ||
10月17日 | 34 | 愛と殺意のブルース | 井上敏樹 | 長石多可男 | ||
10月24日 | 35 | ゼーバの謎!禁断の墓 |
|
曽田博久 | ||
10月31日 | 36 | 消滅!双子の破壊少女 |
|
東條昭平 | ||
11月 | 7日37 | 夢に賭ける戦士たち |
|
藤井邦夫 | ||
11月14日 | 38 | タケルが消される時間 |
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曽田博久 | 山田稔 | |
11月21日 | 39 | 復活!謎のX1マスク |
|
井上敏樹 | ||
11月28日 | 40 | 甦れ!愛のメロディー |
|
藤井邦夫 | 長石多可男 | |
12月 | 5日41 | 女強盗ハルカ |
|
曽田博久 | ||
12月12日 | 42 | 翔べ!いじけ少年の詩 |
|
井上敏樹 | ||
12月19日 | 43 | アキラ失明!謎の呪文 |
|
曽田博久 | 東條昭平 | |
12月26日 | 44 | 変身!地帝剣士アキラ |
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1988年 [注釈 57] |
1月 9日45 | イガム王子!君は女! |
|
山田稔 | ||
1月16日 | 46 | 逆襲!魔の池の秘密 |
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1月23日 | 47 | 出撃前夜!死の踊り! |
|
長石多可男 | ||
1月30日 | 48 | バラバ!裏切りに死す |
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2月 | 6日49 | よみがえったイアル姫 |
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東條昭平 | ||
2月13日 | 50 | ゼーバ!戦慄の正体 |
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2月20日 | 51 | 地帝城大崩壊! |
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いずれも発売元は東映ビデオ。
各作品における詳細はそれぞれの項目を参照。
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