ひし美ゆり子

日本の女優 ウィキペディアから

ひし美ゆり子

ひし美 ゆり子(ひしみ ゆりこ[1]1947年昭和22年〉6月10日[出典 1] - )は、日本女優。本名は菱見 地谷子。 身長158センチメートル。

概要 ひしみ ゆりこ ひし美 ゆり子, 本名 ...
ひしみ ゆりこ
ひし美 ゆり子
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中日新聞』1967年10月1日付朝刊より
本名 菱見 地谷子
別名義
  • 菱見 地谷子(本名ならびに旧芸名)
  • 菱見 百合子(旧芸名)
生年月日 (1947-06-10) 1947年6月10日(77歳)
出生地 日本東京都中野区
身長 158 cm
ジャンル 女優
活動期間 1966年 -
主な作品
映画
ドラマ
受賞
昭和40年度 ミス東京セニョリータ凖ミス
オール東宝ニュータレント』第6期
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来歴・人物

東京都[2][3]中野区鷺宮1丁目(現・若宮1丁目)生まれ[5]。父は北海道出身で戦時中は技術者として兵器の会社に勤務していたほか[5]、後の千葉工業大学で教えていたこともある[6]。父方の祖父は江戸出身で、彰義隊の残党として北海道に移り住み、ミス北海道の女性と結婚した[5]

父は戦後、手動式拡大コピー機の会社「スミラ工藝社」を興して成功したが、やがて事業に失敗し、負債処理のために中野の家を引き払い、1954年8月、三鷹市牟礼(現・井の頭4丁目)に転居[6]

1963年中野区立北中野中学校から藤村女子高等学校に入学[注釈 1]。高校2年の終りの頃、東宝主催「ミス東京セニョリータ」の準ミスに選ばれ、ステレオセットや電気ミシンなどの賞品を獲得[7][3]。これがきっかけで東宝のカメラテストに呼ばれ、東宝ニューフェイスの後身の第6期オール東宝ニュータレントに選ばれ東宝に入社[出典 2]。東宝俳優養成所を経て1966年に『パンチ野郎』でデビュー[8][3]。同期には牧れい小林夕岐子、若原啓子などがいる。

デビュー当初は本名の菱見地谷子名義で活動し、1967年から菱見 百合子に改名。『ウルトラセブン』の友里アンヌ隊員役で知られる[出典 3]

1972年、東宝との専属契約が切れ、女優は辞めるつもりでいたが、個人的な記念のつもりで撮ったヌードが「週刊プレイボーイ」に流出し、これを切っ掛けに東映の『不良番長』に出演し女優を続ける。以降、フリーとなって気分一心で現在の名前に改名[9]。『ポルノ時代劇 忘八武士道』『好色元禄物語』など東映の成人映画にも出演した。『新仁義なき戦い 組長の首』でも見事な肢体を披露し、主人公たちを翻弄する魔性の女を演じた[8]。その後も数多くのテレビドラマ時代劇など各種作品に出演。

私生活では、1975年に一般男性と結婚し、子供(1人)をもうけたが、わずかな期間で離婚。1979年11月、8歳年下の中華料理店経営の一般男性と結婚。この男性の間には3人の子供をもうけたが、2016年11月に離婚している[10]

自伝『セブンセブンセブン -わたしの恋人ウルトラセブン-』などの著作がある。

近年はトークショー「ゆり子の友達の和!」[注釈 2]やオンライントークショーを企画したり、円谷プロ関連のイベントに参加するなど、積極的にファンとの交流活動を続けている。

2020年代に入ってからは女優業を休業している[11]

2025年4月25日、元俳優で『仮面ライダーアマゾン』の主役であるアマゾン(山本大介)役を演じた岡崎徹と、年内に結婚することを発表[12][13]

人物・エピソード

デビューのきっかけとなった「ミス東京セニョリータ」へは高校の友人の誘いによりともに参加した[3]。しかし、華やかな他の参加者に引け目を感じ、さらに人前で喋ることを苦手としていたため水着審査や演技審査を避けて途中で帰宅しようとしたが、ロビーに置かれていた豪華賞品を見て思い直し、我慢して審査を受けたという[3]。後にひし美が聞いたところによれば、1位は当初から決まっていた[3]

本格的な初レギュラー作となったテレビドラマ『天下の青年』では、ワンカットの長台詞を覚えられず、監督の福田純からこっぴどく叱られ、四十数年後もトラウマのように覚えているという[3]。後に『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』で福田と再会した際は優しく接しられ、女優として認めてもらえたと感じたことを述懐している[3]

『ウルトラセブン』のアンヌ役は、映画出演決定を理由に降板した豊浦美子の代役として急遽決まり[3]、撮影の前日に突然呼ばれたため、コスチュームの製作が間に合わず、やむを得ず豊浦のサイズに合わせて製作してあったものを着用した。しかし、菱見には小さすぎ、身体にぴったりとフィットしたものになったという[14]。なお、胸部の窮屈さから菱見はコスチュームの脇の下にある黒い蛇腹の部分を、こっそり切って使用していたという[15]

後年はアンヌ役として知られるが、『セブン』放送当時は街中で声をかけられるようなこともなく、人気を認識するようなことはなかったという[3]。ひし美自身は、子供の視聴者が「アンヌが好き」というのは恥ずかしかったのだろうと推測している[3]。一方、自身が出演した『ゴジラ対ガイガン』を劇場で見た際に、観客の子供から「アンヌ隊員だ」という声が挙がったという[3]

子供の頃からボクシングなどスポーツを見ることが好きで、アンチ巨人ファンとかつてウルトラセブンで共演した毒蝮三太夫YouTubeチャンネル「マムちゃんねる」のラジオ対談のなかで語っている[16]

所属事務所

  • 東宝俳優養成所(女優部)(1965年 - 1972年)
  • 独立企画(1981年)[17]
  • 糟谷企画(1993年 - 1995年)[18]
  • アクセスエンタープライズ(1999年)[19]

出演作品

映画

テレビドラマ

レギュラー・準レギュラー出演

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放映開始日(1967年10月1日)に中日新聞朝刊に掲載された『ウルトラセブン』の広告

ゲスト・単発出演

劇場アニメ

テレビアニメ

オリジナルビデオ

  • 亡霊学級(1996年、大映) - 目黒ユリ(演:宮澤寿梨)の母
  • THEウルトラ伝説 / ウルトラセブン映像大図鑑(TBSビデオ) - ナレーター

OVA

その他のテレビ番組ほか

  • ウルトラセブンソノシート(1967年 - 1968年) - アンヌ隊員、ピット星人
  • ウルトラセブン誕生40周年記念特番 / 僕たちのウルトラセブン 〜40年目の同窓会〜(2007年、TBS)
  • 徹底検証! ぼくらのウルトラマン伝説
  • 〜昭和のヒーロー『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』誕生秘話〜(2011年、BS日テレ
  • 競馬場の達人(2011年、グリーンチャンネル
  • 4Kで進化するウルトラセブン[51](2020年、NHK BS4KNHK BSプレミアム

ディスコグラフィー

  • ウルトラマンメビウス - Project DMM with ウルトラ防衛隊の一員として

書籍

単著

  • 『セブン セブン セブン -わたしの恋人ウルトラセブン』(1997年1月、小学館)ISBN 4093872139
  • 『アンヌとゆり子-隊員服を脱いだ私』(2000年3月、同文書院)ISBN 4810377091
    • 改題版『隊員服を脱いだ私』(2002年8月、講談社)ISBN 406330177X
    • 改訂新版『アンヌとゆり子』(2024年6月、復刊ドットコム)ISBN 4835459245
  • 『アンヌ今昔物語 ウルトラセブンよ永遠に・・・』(2017年7月、小学館)ISBN 9784093885621

共著

写真集

ひし美ゆり子に相当する役を演じた女優

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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