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かつての日本のテレビドラマ番組シリーズ ウィキペディアから
ポーラテレビ小説(ポーラテレビしょうせつ)は、1968年(昭和43年)10月から1986年(昭和61年)9月(1984年4月以降は「テレビ小説」の枠名)まで、TBS系列で月曜日から金曜日(1974年9月までは月曜日から土曜日)の12:40 - 13:00(JST)に放送されていた昼の帯ドラマシリーズである。
それまで『ポーラ婦人ニュース』(朝日放送・TBS共同制作)としてポーラ化粧品本舗(現・株式会社ポーラ:ポーラ・オルビスホールディングス傘下)が一社提供していた枠をドラマ枠に変更することをTBSが要請したが、ポーラが今までの数倍も経費がかかることを理由に難色を示し交渉は難航した。TBSは視聴時間帯が主婦を中心とした女性であることを強調して、ドラマ枠への変更とポーラのスポンサー継続を取り付けた。作品の放送単位はNHKの『連続テレビ小説』[1] の1年単位に対して本枠は半年単位とされた。開始2年後に平均視聴率が10%に達し、さらに5年後には15%を超える勢いとなった。
タイトル通りポーラ化粧品本舗の単独提供で、『連続テレビ小説』と同じように女性を主人公とした物語が多く放送された。NHKの連続テレビ小説と同様に新人女優の登竜門として[2]、このシリーズから女優の宇津宮雅代、木内みどり、丘みつ子、音無美紀子、佐野厚子(現・佐野アツ子)、小林亜紀子(現・高橋美恵子、高橋英樹夫人・高橋真麻の母)、中田喜子、萩尾みどり、岡江久美子、岡まゆみ、五十嵐めぐみ、名取裕子、山本みどり、樋口可南子、かとうかずこ(現・かとうかず子)、宮崎美子、根本律子(現・根本りつ子)、賀来千香子や、出演当時宝塚歌劇団の現役娘役だった遥くらら、さらには後にテレビキャスターとして活躍する浜尾朱美などを輩出した。特に『文子とはつ』は、藤真利子[3]、香野百合子をダブルヒロインとして、木曽を舞台に育ちの違う乳姉妹がたどる女の半生を描き、視聴率が20%を超える作品となった。
朝8:10からの再放送枠は開始時から行われ、一時休止を経て1972年4月から再開した。これは、『モーニングジャンボ』が『モーニングジャンボJNNニュースショー』と『モーニングジャンボ奥さま8時半です』に分割された際、8時から8時30分までが空白の時間帯となったことが理由である。しかし番組自体は20分のため、前半10分間は『8時の空』が放送された。
『連続テレビ小説』が前期・後期の放送となった1975年以降は、『文子とはつ』の様に視聴率が20%を越える作品もあった。しかし、『連続テレビ小説』の1983年度作品であり、かつ1974年度作品である『鳩子の海』以来1年単位の放送となった『おしん』が高視聴率を稼ぎ出して人気を得たことから、1983年4月 - 9月放送の第30作『おゆう』と1983年10月 - 1984年3月放送の第31作『千春子』は視聴率や話題性などで苦戦を強いられた[2][4]。『おゆう』と『千春子』が放送されていた同時期には、高視聴率を稼ぎ出していた『おしん』の他にも、本放送の裏番組であり、1982年10月に開始したフジテレビ『笑っていいとも!』の視聴率が上昇した事や、再放送の裏番組であり、1979年3月に開始した日本テレビ『ズームイン!!朝!』が安定した視聴率を獲得するようになったため[5]、本枠の低迷傾向が加速した。このため、1984年3月30日の『千春子』終了をもって、『ポーラ婦人ニュース』以来26年間続いたポーラ化粧品がスポンサーを降板。同時にJNN系列外ネット局の放送枠でもあった朝8:10 - 8:30の再放送も終了した。『千春子』終了時点では、TBS系列25局と日本テレビ系列6局の31局ネットとなっていた。
1984年4月以降は複数社提供となったため、シリーズタイトルも単に「テレビ小説」に改め、TBS系列25局のみのネットとなった。改名後の初作となる第32作『あなた』は第19作でヒロインだった藤真利子が主役に起用され[6]、上坂冬子のエッセイを原作とした第33作『一度は有る事』もベテラン女優の白川由美が主役に起用されたため、当枠の路線変更も一時囁かれたが[7]、第34作『夢かける女』から最終作の第40作『恋とオムレツ』まで『ポーラテレビ小説』時代と同じく若手女優のヒロイン起用となった。
『テレビ小説』への改名後も『連続テレビ小説』(再放送)や『笑っていいとも!』の高視聴率、日本テレビ『お昼のワイドショー』のコーナーである「あなたの知らない世界」の学校の長期休暇期間中に放送された集中放送が高視聴率を稼ぐなどで低迷傾向が続き[2]、放送に関しても、改名後の初作となる『あなた』は1984年4月 - 9月放送の半年単位で放送されたが、1984年10月クールの『一度は有る事』以降は3カ月単位での放送に短縮された。制作に関しても、1985年10月クールの第37作『幸せさがし』まではTBS自社制作であったが、1986年1月クールの第38作『朝の夢』は直後枠である『花王 愛の劇場』同様に外部プロダクションによる製作を導入することになり、『朝の夢』と最終作の『恋とオムレツ』はテレパック制作で放送されたが、1986年4月クールの第39作『夢恋し』はTBS自社制作で放送された。
結局、「テレビ小説」は1986年7月クールの第40作まで9作品がつくられ、1986年9月26日放送分をもって終了。18年の歴史の幕を閉じた。終了理由について当時の番組宣伝部部長の古谷昭綱は「昼12時台の視聴者が同時間帯の娯楽番組、情報番組に傾いてきたこと、新人女優発掘という役目も終わったこと」などといったことを話している[8]。
尤も、1年後の1987年10月にはほぼ同じ時間帯で『家庭の問題』という1週完結形式のドラマ枠が開始。本番組とは趣は異なるが帯ドラマの編成が復活し、1990年9月まで放送された。
本放送と再放送の時間帯はNHKの連続テレビ小説の逆で、本放送が昼、再放送が朝となっている。
作 | タイトル | 放送期間 | 原作 | 脚本 | 主演 | 制作プロダクション等 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 三人の母 | 1968年9月30日 - 1969年3月29日 | 沖六鵬 | 木下恵介ほか | 加藤治子 馬淵晴子 千之赫子 | 自社(TBS)制作 | |
2 | パンとあこがれ | 1969年3月31日 - 9月27日 | 山田太一 | 宇津宮雅代 | 第2回テレビ大賞優秀番組賞受賞作品 | ||
3 | 安ベエの海 | 1969年9月29日 - 1970年3月28日 | 佐藤愛子 「加納大尉夫人」 | 林秀彦 成田孝雄 | 木内みどり | ||
4 | オランダおいね | 1970年3月30日 - 9月26日 | 横光晃 | 丘みつ子 | |||
5 | 花もめん | 1970年9月28日 - 1971年3月27日 | 大藪郁子 | 梶三和子 | |||
6 | お登勢 | 1971年3月29日 - 9月25日 | 船山馨 | ジェームス三木 | 音無美紀子 | ||
7 | ひまわりの道 | 1971年9月27日 - 1972年3月25日 | 横光晃 | 佐野厚子 | |||
8 | 原生花園 アンラコロの歌[10] | 1972年3月27日 - 9月30日 | 渡辺喜恵子 | 小山内美江子 | 泉晶子 | ||
9 | 吉井川 | 1972年10月2日 - 1973年3月31日 | 棟田博 「美作ノ国吉井川」 | 山田正弘 | 本阿弥周子 | ||
10 | 薩摩おごじょ | 1973年4月2日 - 9月29日 | 横光晃 | 小林亜紀子 | 現・高橋英樹夫人。元フジテレビアナウンサー・高橋真麻の母 | ||
11 | 愛子 | 1973年10月1日 - 1974年3月30日 | 佐藤愛子 | 高橋辰雄 | 杉田景子 | ||
12 | やっちゃば育ち | 1974年4月1日 - 9月28日 | 田口耕三 | 中田喜子 | |||
13 | わたしは燁(あき) | 1974年9月30日 - 1975年3月28日 | 寺内小春 | 萩尾みどり | |||
14 | お美津 | 1975年3月31日 - 9月26日 | 北村篤子 | 岡江久美子 | |||
15 | 加奈子 | 1975年9月29日 - 1976年3月26日 | 小山内美江子 | 遥くらら | 現役のタカラジェンヌとしては初めての起用 | ||
16 | 絹の家 | 1976年3月29日 - 10月1日 | 西澤裕子 | 岡まゆみ | |||
17 | さかなちゃん | 1976年10月4日 - 1977年4月1日 | 岩間芳樹 | 五十嵐めぐみ | |||
18 | おゆき | 1977年4月4日 - 9月30日 | 小山内美江子 | 名取裕子 | |||
19 | 文子とはつ | 1977年10月3日 - 1978年3月31日 | 西澤裕子 | 香野百合子 藤真利子 | |||
20 | 夫婦ようそろ | 1978年4月3日 - 9月29日 | 横光晃 | 山本みどり | |||
21 | こおろぎ橋 | 1978年10月2日 - 1979年3月30日 | 佐々木守 | 樋口可南子 | |||
22 | からっ風と涙 | 1979年4月2日 - 9月28日 | 田村孟 | 木村弓美 | |||
23 | おりん | 1979年10月1日 - 1980年3月28日 | 北村篤子 | 佐藤万理 | |||
24 | マリーの桜 | 1980年3月31日 - 10月3日 | 窪田篤人 | かとうかずこ | |||
25 | 元気です! | 1980年10月6日 - 1981年4月3日 | 畑嶺明 | 宮崎美子 | |||
26 | 発車オーライ | 1981年4月6日 - 10月2日 | 横田与志 | 高橋恵子 | 高橋惠子(関根恵子)とは別人 | ||
27 | 愛をひとつまみ | 1981年10月5日 - 1982年4月2日 | 折戸伸弘 矢島正雄 井沢満 | 沖直美 | |||
28 | 女・かけこみ寺 | 1982年4月5日 - 10月1日 | 泊里仁美 井沢満 横田与志 荻原美和子 | 根本律子 | |||
29 | 白き牡丹に | 1982年10月4日 - 1983年4月1日 | 西澤裕子 | 賀来千香子 | |||
30 | おゆう | 1983年4月4日 - 9月30日 | 北原優 | 浜尾朱美 | |||
31 | 千春子 | 1983年10月3日 - 1984年3月30日 | 重森孝子 | 永光基乃 | |||
32 | あなた | 1984年4月2日 - 9月28日 | 江川晴 「看護婦物語」 | 清水曙美 | 藤真利子 | ||
33 | 一度は有る事 | 1984年10月1日 - 12月28日 | 上坂冬子 「一度は有る事」 | 重森孝子 | 白川由美 | ||
34 | 夢かける女 | 1985年1月7日 - 3月29日 | 横光晃 | 松原千明 | |||
35 | 五度半さん | 1985年4月1日 - 6月28日 | 野上弥生子 | 山元清多 | 南果歩 | ||
36 | 愛の風、吹く | 1985年7月1日 - 9月27日 | 田中晶子 | 安田成美 | |||
37 | 幸せさがし | 1985年9月30日 - 12月27日 | 鹿水晶子 | 麻生祐未 | |||
38 | 朝の夢 | 1986年1月6日 - 3月28日 | 杉屋薫 | 田中理佐 | テレパック | 現・石原伸晃夫人 | |
39 | 夢恋し | 1986年3月31日 - 6月27日 | 西澤裕子 | 南夕子 | 自社(TBS)制作 | 花園ひろみの娘。実父は山城新伍 | |
40 | 恋とオムレツ | 1986年6月30日 - 9月26日 | 大西信行 青目海 今井詔二 | 高山典子 | テレパック | 最終作品 |
※系列は放送終了時点(打ち切り時はネット打ち切り時)のもの。太字は1984年4月以降のネット局。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | ネット形態 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | TBS | TBS系列 | 同時ネット | 制作局、現:TBSテレビ |
北海道 | 北海道放送 | |||
青森県 | 青森放送 | 日本テレビ系列 | 遅れネット | 1969年11月まで |
青森テレビ | TBS系列 | 遅れネット →同時ネット[11] |
1969年12月開局から 1975年3月30日まではNETテレビ系とのクロスネット局 | |
岩手県 | 岩手放送 | 同時ネット | 現:IBC岩手放送、再放送なし | |
宮城県 | 東北放送 | |||
秋田県 | 秋田放送 | 日本テレビ系列 | 遅れネット | 1984年3月打ち切り[12] |
山形県 | 山形放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
1984年3月打ち切り 1980年3月までは日本テレビ系単独加盟局 | |
福島県 | 福島テレビ | フジテレビ系列 | 同時ネット →遅れネット |
1983年11月25日まで、1983年10月 - 11月は再放送なし 1983年3月まではTBS系列とのクロスネット局[13] |
テレビユー福島 | TBS系列 | 同時ネット | 1983年11月28日のサービス放送中から[14] ポーラ提供期間は4ヶ月間のみ | |
山梨県 | 山梨放送 | 日本テレビ系列 | 遅れネット | 1970年3月まで |
テレビ山梨 | TBS系列 | 同時ネット | 1970年4月開局から | |
長野県 | 信越放送 | 『加奈子』まで再放送なし[15] | ||
新潟県 | 新潟放送 | |||
静岡県 | 静岡放送 | |||
中京広域圏 | 中部日本放送 | 現:CBCテレビ | ||
富山県 | 北日本放送 | 日本テレビ系列 | 遅れネット | 1984年3月打ち切り |
石川県 | 北陸放送 | TBS系列 | 同時ネット | |
福井県 | 福井放送 | 日本テレビ系列 | 遅れネット | 1984年3月打ち切り |
近畿広域圏 | 朝日放送 | TBS系列 | 同時ネット | 現:朝日放送テレビ 1975年3月28日まで |
毎日放送 | 1975年3月31日から、腸捻転解消に伴う移行 | |||
岡山県 →岡山県 香川県 |
山陽放送 | 現・RSK山陽放送 1983年3月までの放送免許エリアは岡山県のみ 1983年4月より相互乗り入れに伴い香川県もエリア認定 | ||
鳥取県 | 日本海テレビ | 日本テレビ系列 | 遅れネット | 1972年9月の鳥取・島根の電波相互乗り入れまで[16] |
島根県 →島根県 鳥取県 |
山陰放送 | TBS系列 | 同時ネット | 再放送なし、1972年9月までの放送エリアは島根県のみ 1972年9月より鳥取・島根の電波相互乗り入れで山陰放送に一本化 |
広島県 | 中国放送 | |||
山口県 | 山口放送 | 日本テレビ系列 | 遅れネット | 1970年3月まで |
テレビ山口 | TBS系列 フジテレビ系列 |
遅れネット →同時ネット[11] |
1970年4月から 1978年9月まではテレビ朝日系列とのトリプルネット局 | |
徳島県 | 四国放送 | 日本テレビ系列 | 遅れネット | 1984年3月打ち切り |
愛媛県 | 南海放送[12] | |||
高知県 | 高知放送 | 1970年3月まで[12] | ||
テレビ高知 | TBS系列 | 同時ネット | 1970年4月開局から | |
福岡県 | RKB毎日放送 | |||
長崎県 | 長崎放送 | 『加奈子』まで再放送なし | ||
熊本県 | 熊本放送 | |||
大分県 | 大分放送 | |||
宮崎県 | 宮崎放送 | |||
鹿児島県 | 南日本放送 | |||
沖縄県 | 琉球放送 | 『加奈子』まで再放送なし |
最後まで本枠の1日遅れネットを続けた6局における打ち切り後に切り替えた番組は以下の通り。
放送対象地域 | 放送局 | 後番組 | 備考 |
---|---|---|---|
秋田県 | 秋田放送 | 『ときめき生情報810』 (TBS) |
秋田放送・南海放送は1992年9月まで、 四国放送は1985年3月までTBS平日朝の同時ネット継続 |
徳島県 | 四国放送 | ||
愛媛県 | 南海放送 | ||
山形県 | 山形放送 | 『ズームイン!!朝!』 (日本テレビ) |
『千春子』終了を以ってTBS平日朝の番組のネット受け終了 『ズームイン!!朝!』は飛び降り解消でフルネット化 |
福井県 | 福井放送 | ||
富山県 | 北日本放送 | 『おはようKNBです』 (自社制作番組) |
『千春子』終了を以ってTBS平日朝の番組のネット受け終了 『おはようKNBです』は本枠の時間帯に枠大 『ズームイン!!朝!』は途中飛び降り |
1984年4月の複数社提供移行に伴い本枠を打ち切りとなった他系列6局で2024年現在放送されている番組は、秋田放送・山形放送・北日本放送・四国放送・南海放送は日本テレビ系の『ZIP!』 を、福井放送はテレビ朝日系の『羽鳥慎一モーニングショー』をそれぞれ放送している。
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