布施駅
大阪府東大阪市にある近畿日本鉄道の駅。 ウィキペディアから
大阪府東大阪市にある近畿日本鉄道の駅。 ウィキペディアから
布施駅(ふせえき)は、大阪府東大阪市長堂一丁目にある、近畿日本鉄道(近鉄)の駅。駅長配置駅である。大阪線と奈良線の2路線が乗り入れる。駅番号は大阪線がD06、奈良線がA06。奈良線の書類上の起点駅でもある。
伊勢・名古屋市方面(大阪線)と、奈良市方面へ向かう線路(奈良線)が分岐する一大ジャンクションである。当駅周辺は東大阪市の中心市街地にあたり、利用者数は市内で最も多い。市の西端に位置しており、大阪市生野区・東成区にも近接している。
奈良線は書類上当駅を起点としているが、全ての列車が難波線大阪難波駅方面に直通し、当駅で折り返す列車は存在しない。運転系統上も大阪上本町駅を奈良線と難波線の境目として扱っている。
当駅から大阪上本町駅手前まで複々線となっており、大阪線列車と奈良線列車は完全に分離されているが、当駅においても駅の鶴橋方で複々線を上下に分け、プラットホームを二重構造にすることにより、完全な立体化が達成されている。
開業時には現在より約0.190㎞西側の東大阪市足代新町1番43号付近にあり、相対式であった。1924年10月31日の大阪線布施-近鉄八尾駅間開業時に東側へ約0.165.96㎞(8C25L)移り、上り線・下り線ともに奈良線と大阪線がはさむ方向別島式2ホームになった[1]。1951年11月1日に駅中心と大阪線分岐点がさらに東側へ0.040㎞移っている[2]。
布施駅付近の線路高架化工事は、大阪府の東大阪都市計画都市高速鉄道事業として行なわれた。工事区間は今里駅~布施駅間の既高架部の東端から、大阪線は長瀬駅手前までの2411メートル(高架橋区間は2111メートル)、奈良線は八戸ノ里駅西方の既高架部に至る2827メートル(高架橋区間は2561メートル)だった。
工事は1972(昭和47)年から着手し、同年7月19日に起工式が実施された。大阪線は1974(昭和49)年10月13日に上り線、1976(昭和51)年8月8日に下り線、奈良線は1975(昭和50)年9月14日に上り線、1977(昭和52)年6月26日に下り線の高架化が完了した。高架化で、大阪線7カ所、奈良線12カ所の踏切を廃止した。
高架化後の布施駅は、当時の日本では他に例が無かった鉄骨造り3層構造で、中2階にコンコース、役務室など、2階に大阪線ホーム、3階に奈良線ホームを設けた。
高架化完了後には、高架下の商業利用が進んだ、1977年11月には近商ストアなどによる俊徳道駅の「俊徳道サンタウン」、1978年4月には布施駅~河内永和駅間の「ポッポアベニュー」「ステーションヤード12番街」、同年10月には布施駅の1・2階に近鉄百貨店東大阪店を核店舗とする「ロンモール布施」、同年11月には河内小阪駅に専門店街「レッド小阪」、1979年11月には永和駅に「ジョイ永和」がそれぞれオープンした。
鶴橋駅~布施駅間の複々線は、以前は線路別で、北側2線が奈良線、南側2線が大阪線だった。1975年の奈良線上り高架化を機に、現在の方向別に改められ、鶴橋駅で同一ホームで、両線相互の乗り換えができるようにした。これにともなって生じる上本町駅~鶴橋駅での、大阪線下り線と奈良線上り線との交差は、奈良線の地下入り口付近での立体化で対応した。線路方向別化と立体交差化の切り換えは、1975年9月13~14日の深夜に実施され、線路10カ所、信号関係27カ所、駅の案内標識など210カ所に及ぶ大規模なもので、約700人の作業員が動員された[3]。
大阪線と奈良線のホームが異なる階にあるという2層式の高架駅となっている。大阪線(3階)、奈良線(4階)ともに島式1面2線のホームを持ち、その両側に通過線がある。通過線がある関係で、大阪線ホームが2・3番線、奈良線ホームが6・7番線となっている[11][注 1]。
改札口は北口、南口の2ヶ所設けられている。2階の西寄りにある上りエスカレーターは、向かって右側が大阪線ホーム(3階)、左側が奈良線ホーム(4階)につながっている[12]。改札口がある2階は、南都銀行やセブン銀行、ゆうちょ銀行のATM、QBハウス、ドラッグストアなどがある。すべてのフロアにファミリーマートが設置され、「近鉄エキファミ」の愛称が付けられている。そのうち、奈良線ホームのファミリーマートは関西初出店の無人決済システムを導入した店舗として知られている[13]。改札階からは近鉄百貨店や近鉄ぷらっと、カジュアル・スポット「FUSSE」に直結している。自動改札機および自動精算機(ICカードのチャージ)はすべてPiTaPa・ICOCAに対応している。特急券・定期券は専用の自動券売機および駅窓口にて即時購入可能。
駅長が置かれ、当駅と大阪線の俊徳道駅-弥刀駅、奈良線の河内永和駅-八戸ノ里駅間の各駅を管理している[14]。
待合室は大阪線ホームに1ヶ所、奈良線ホームに2ヶ所設けられており、計3ヶ所ある。
← 難波線 大阪難波・尼崎・ 神戸三宮方面 |
→ 奈良線 近鉄奈良方面 |
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↓ 大阪線 大和八木・伊勢中川・ 賢島・近鉄名古屋方面 |
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凡例 出典:※以下を参考に作成。 * 祖田圭介、「特集 短絡線ミステリー4 複々線を探る」、『鉄道ファン』 第41巻2号(通巻第478号) 2001年2月号、38頁、交友社、2001年。 * 近畿日本鉄道 公式ホームページ - 構内図 大阪上本町駅、および- 鶴橋駅 画像左より大阪上本町・鶴橋・今里・布施の各駅 ■:奈良線、■:大阪線、▲:難波発着の大阪線特急のルート 白線クロスハッチは降車専用ホーム 布施駅の赤実線内(4階)は赤破線内(3階)の直上 鶴橋駅ホーム上を大阪環状線がオーバークロスしているが本図では省略した。 |
2000年代の運賃制度の一部変更以降、普通乗車券・回数乗車券・団体乗車券で奈良線河内永和駅方面と大阪線俊徳道駅方面の相互間を乗車するときに、当駅を通過する列車を利用して鶴橋駅までの折り返し乗車(重複乗車)が認められており、布施 - 鶴橋間の往復運賃の支払を要しない[16]。定期乗車券(通学定期券を含む)については、大阪上本町駅又は鶴橋駅を「経由」として購入することが可能で、折り返し乗車が認められるほか、折り返し区間内の駅でも乗降できる。ただし、この場合の定期運賃は、折り返し区間の往復キロ程を通算するため、単純に布施駅乗り換えとするより高くなる。なお、運賃制度の一部変更以前は、布施 - 鶴橋間の重複乗車を認めていなかったため、奈良線河内永和駅方面と大阪線俊徳道駅方面の相互間を乗車する場合は当駅で乗り換えを行うか、あるいは鶴橋経由の乗車券を購入する必要があったが、運賃制度変更の際に重複乗車を可能としたことから、現在は鶴橋経由の乗車券は定期乗車券を除いて廃止された。
2022年11月08日における1日乗降人員は34,546人である[17]。同社の駅では近鉄四日市駅に次ぐ第14位、大阪線内の駅では大阪上本町駅に次ぐ第3位、奈良線内の駅では大和西大寺駅に次ぐ第5位である。
近年における1日乗降・乗車人員は以下の通り。
年度 | 特定日 | 1日平均 乗車人員[18] |
出典 | ||
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調査日 | 乗降人員 | 乗車人員 | |||
1990年(平成 | 2年)11月 | 6日69,172 | 34,664 | 33,486 | [19] |
1991年(平成 | 3年)- | 33,007 | |||
1992年(平成 | 4年)11月10日 | 68,707 | 34,235 | 32,256 | [20] |
1993年(平成 | 5年)- | 31,365 | |||
1994年(平成 | 6年)- | 30,499 | |||
1995年(平成 | 7年)12月 | 5日64,226 | 32,252 | 30,139 | [21] |
1996年(平成 | 8年)- | 29,901 | |||
1997年(平成 | 9年)- | 28,725 | |||
1998年(平成10年) | 11月10日 | 59,380 | 29,871 | 27,893 | [22] |
1999年(平成11年) | - | 25,931 | |||
2000年(平成12年) | 11月 | 7日54,627 | 27,077 | 25,229 | [23] |
2001年(平成13年) | - | 25,459 | |||
2002年(平成14年) | - | 24,237 | |||
2003年(平成15年) | 11月11日 | 48,634 | 24,346 | 23,577 | [24] |
2004年(平成16年) | - | 23,045 | |||
2005年(平成17年) | 11月 | 8日48,527 | 24,176 | 22,773 | [25] |
2006年(平成18年) | - | 22,627 | |||
2007年(平成19年) | - | 21,753 | |||
2008年(平成20年) | 11月18日 | 41,876 | 20,847 | 20,219 | [26] |
2009年(平成21年) | - | 19,330 | |||
2010年(平成22年) | 11月 | 9日39,448 | 19,538 | 18,971 | [27] |
2011年(平成23年) | - | 18,502 | |||
2012年(平成24年) | 11月13日 | 38,072 | 18,898 | 18,531 | [28] |
2013年(平成25年) | - | 18,902 | |||
2014年(平成26年) | - | 18,580 | |||
2015年(平成27年) | 11月10日 | 38,240 | 19,007 | 18,830 | [29] |
2016年(平成28年) | - | 18,994 | |||
2017年(平成29年) | - | 19,462 | |||
2018年(平成30年) | 11月13日 | 39,370 | 19,614 | 19,633 | [30][31] |
2019年(令和元年) | - | 19,462 | |||
2020年(令和 | 2年)- | 14,952 | [32] | ||
2021年(令和 | 3年)11月 | 9日32,374 | - | - | [33] |
2022年(令和 | 4年)11月 | 8日34,546 | - | - | [34] |
2023年(令和 | 5年)11月 | 7日34,790 | - | - | [35] |
東大阪市の商業の中心で、付近一帯に繁華街が広がる。
バスターミナルは駅の南北両方に位置し、多数のバスが発着している。
また、北西の足代新町と足代北は歓楽街が広がっており、居酒屋やスナックなどの密集地帯がある。
近年、再開発が進んでおり、駅北側を中心に高層マンションが立ち並んでいる。
布施駅高架下にある複合商業施設。主要テナントは以下の通り。
各種商業施設
以下の施設は河内永和駅からのほうが近いが、当駅からも徒歩圏内である。
小・中学校
Osaka Metro千日前線小路駅とは、直線距離で約600m(徒歩約10分)のため、小路駅周辺施設へも当駅から徒歩で利用できる。普段、この2駅を乗り換えで利用する人はほぼいないが、振替輸送時には乗換駅と案内される。
北口と南口の2つのロータリーそれぞれに設置されている。
駅から徒歩約10分のところに近鉄バス布施営業所、および布施観光営業所がある。
大阪シティバス(布施駅前停留所)
大阪バス(東大阪布施駅停留所)
近鉄バス(布施駅前停留所)※2024年9月20日で廃止
かつては近鉄八尾駅(廃止ののち、下記大阪バスの路線として復活)・志紀車庫方面、上小阪住宅・樟蔭東・花園住宅方面、地下鉄南巽経由および加美経由[36]のJR平野駅前方面、蒲生四丁目方面や、エキスポランド方面の路線もあった。
大阪バス
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