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北海道旅客鉄道の特別急行列車 ウィキペディアから
カムイは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が札幌駅 - 旭川駅間を函館本線経由で運転する特別急行列車である。
カムイ ライラック | |
---|---|
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 北海道 |
前身 | 特急「スーパーカムイ」 |
運行開始 | 2017年3月4日 |
運営者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
路線 | |
起点 | 札幌駅 |
停車地点数 | 7 |
終点 | 旭川駅 |
営業距離 | 136.8 km |
運行間隔 |
10往復(カムイ) 13往復(ライラック) |
列車番号 |
2000M+号数・8000M+号数[注釈 1](カムイ) 3000M+号数(ライラック) |
使用路線 | 函館本線 |
車内サービス | |
クラス | グリーン車(ライラックのみ)・普通車 |
身障者対応 |
4号車(カムイ) 1号車(ライラック) |
座席 |
カムイ 普通車指定席「uシート」:4号車 普通車指定席:3・5号車 普通車自由席:1・2号車 ライラック グリーン車指定席:1号車(半室) 普通車指定席:1 - 4号車(1号車半室) 普通車自由席:5・6号車 |
技術 | |
車両 |
789系電車(札幌運転所) ※カムイは1000番台、ライラックは0番台を使用 |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電化 |
交流 20,000 V (50 Hz) (架空電車線方式) |
最高速度 | 120 km/h |
本項では、区間が同一で車両編成が異なるライラックのほか、これら以前に道央の都市間を結んでいた優等列車の沿革についても記述する。
「カムイ」「ライラック」共に札幌駅 - 旭川駅を最高速度120 km/h で結び、早朝の一部列車を除いて札幌駅 - 旭川駅間 (136.8 km) の所要時分は1時間25分、表定速度は96.6 km/h と、日本の在来線特急の中ではトップレベルの速さを誇る[注釈 2][資料 1]。
2017年(平成29年)3月4日のダイヤ改正より「カムイ」「ライラック」の2愛称を運転する現行の体制で運行されている。2愛称間の違いは、使用車両と車内設備であり、789系0番台電車(6両編成・半室グリーン車連結)を使用する列車が「ライラック」、789系1000番台電車(5両編成・普通車のみ、ただし指定席がuシート)で運転される列車が「カムイ」として運転されている[資料 2]。
札幌市 - 旭川市を結ぶ公共交通機関としては北海道中央バスなどが運行する高速バス「高速あさひかわ号」と競合し、JR北海道もSきっぷなどの格安な割引切符を発売するなどしている。
「カムイ」はアイヌ民族の信仰において、神格を有する崇高な霊的存在であるカムイ(kamuy)に由来し、前身の「スーパーカムイ」から「スーパー」を外し現在の名称となった。「スーパーカムイ」の名称は789系1000番台投入時に一般愛称公募で決定したもので、「スーパーカムイ」と「カムイ」で得票数1位(582票)と2位(460票、以上いずれも漢字・ひらがな・カタカナ合計)を獲得し、以前に同区間を走っていた急行列車で「かむい」の名称が使われ馴染みがあることや、旭川市郊外の渓谷、神居古潭(kamuy-kotan:アイヌ語で「カムイの住む村」の意)から旭川をイメージしやすい愛称として選ばれている[資料 3]。
「ライラック」は札幌市の市木とされている、植物のライラックに由来する。この愛称は「スーパーカムイ」登場まで運行された特急列車(後述)に用いられた愛称であった。
2024年(令和6年)3月16日時点、「カムイ」「ライラック」合わせて札幌駅 - 旭川駅間で1日23往復運転されている[資料 2]。ただし、2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正より、「カムイ」(2往復)が土休日(お盆や年末年始などを含む)のみの運転に変更されている[資料 4][資料 5]。なお、2愛称は交互に運転されるのではなく、旭川駅で後述する特急「大雪」「サロベツ」に接続する列車や、その他多客が予想される列車を、座席数が多くグリーン席の設定のある「ライラック」としている[1]。
札幌駅 - 旭川駅間は、「カムイ」「ライラック」のほか、石北本線直通の特急「オホーツク」(2往復)、宗谷本線直通の特急「宗谷」(1往復)と併せて、特急列車を原則毎時2本(日中の一部時間帯と早朝・夜間は1本)運行し、札幌駅を08:00、旭川駅を08:30に発車する列車以降、それぞれの始発駅の発車時刻は原則00分・30分に統一され(毎時1本の時間帯は00分発のみ運転)、停車各駅に毎時同時刻に発着するパターンダイヤを組む[注釈 3]。
また、「オホーツク」「宗谷」が運転されない日中の「ライラック」のうち4往復[注釈 4]は、旭川駅にて稚内駅発着の特急「サロベツ」2往復、および網走駅発着の特急「大雪」2往復と同一ホームで接続している[資料 2]。
2015年(平成27年)12月から2016年(平成28年)6月までの間、火災事故があった嵐山トンネル[資料 6]内で減速運転を行っていた。その影響で、1 - 2分の遅れが発生していた。通常時においても、特に冬期間は悪天候などによる減速運転が行われる影響で定時より数分程度の遅れが生じることがある。
札幌駅 - 岩見沢駅 - 美唄駅 - 砂川駅 - 滝川駅 - 深川駅 - 旭川駅
2024年3月16日以降の編成図 | ||||||||||||||
← 旭川 札幌 →
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カムイ(789系1000番台) | ||||||||||||||
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ライラック(789系0番台) | ||||||||||||||
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「カムイ」「ライラック」ともに札幌運転所に所属する789系特急形電車が使用されているが、前述のように愛称ごとに使用車両(番台)・編成内容が異なる。全列車が禁煙(喫煙ルームなし)。
以下の臨時列車が設定されている。
札幌ドーム(札幌市)でのコンサート等の大規模イベントが行われる際の観客輸送を目的として札幌駅発22時台(91号)・23時台(97号)に運行される臨時特急[記事 1]。「スーパーカムイ」時代の2014年以降運行されていた「スーパーカムイ71号・81号」を引き継いだもので、2014年はSMAP、松田聖子、安室奈美恵など、2015年はサザンオールスターズ、関ジャニ∞、EXILEなどのコンサートにあわせて運行された。
20時・21時台のコンサート終了から終電の間までの数時間に殺到する帰宅乗客を輸送するため下りのみ。コンサートの観客動員数や開催日程により1本運行になるか2本運行になるかに変動があり、2019年時点ではコンサートの開催時間により91号・97号のどちらかだけが運行される[記事 1]。コンサート観客だけではなく、一般の乗客も乗車可能。
使用車両は789系0番台(「スーパーカムイ71号・81号」時代は789系1000番台・785系・キハ183系などが用いられた)。1号車の一部はグリーン席、1号車の一部と2号車は指定席となる。
2017年夏季以降、後述する「旭山動物園号」の後継として、「ライラック5・38号」(1往復)を運休扱いの上、特急「ライラック旭山動物園号」を運転する場合がある[資料 8][資料 9]。使用車両・ダイヤは通常の「ライラック」と同一であるが、1号車のグリーン席を発売せず、記念撮影スペースとし、着ぐるみで動物に扮したスタッフとの記念撮影が岩見沢駅~深川駅間の車内で行われる。旭山動物園内には「旭山動物園号ひろば」が設けられている[2]。
沿革
1999年(平成11年)6月11日から運転を開始した臨時特急列車。滝川駅から根室本線を経由し、札幌駅 - 富良野駅間を2時間で結ぶ臨時特急列車として運行されている。ラベンダーの見頃である夏季に運行される。前年まで運行されていた臨時特急「リゾート田園休暇ふらの」(札幌駅 - 富良野駅間)2往復と臨時特急「ラベンダーエクスプレス」(新千歳空港駅・札幌駅 - 富良野駅間)を統合する形で誕生した[3]。
2013年(平成25年)までは1日最大3往復設定されていた[資料 15]が、翌年からは2往復となり[資料 16]、2020年(令和2年)からは1往復となっている[4]。
2024(令和6)年4月1日の根室本線富良野 - 新得間廃止を前に、同年3月30日・31日に札幌-富良野間で運行された臨時列車[8]。
かつて「フラノラベンダーエクスプレス」と同じ停車駅で、毎年9月・10月の紅葉シーズンの土休日に運行されていた[資料 38]。
キハ183系気動車で運転される。2012年(平成24年)まではニセコエクスプレス車両で運転された[資料 38][資料 39]。2013年(平成25年)はニセコエクスプレス車両での運転が計画されていたが、同年7月6日に発生した特急北斗14号のエンジン出火事故による車両繰りのため、同年以降全ての列車がクリスタルエクスプレス車両での運行に変更された[資料 40]。
2015年(平成27年)10月12日の運行を最後に設定されていない[資料 41][資料 42]。
かつて、冬季の富良野へのスキー客・観光客を運ぶ特急列車として、12月 - 翌年3月までの毎日、新千歳空港駅 - 札幌駅 - 富良野駅間を2往復運行していた。
2001年(平成13年)時点ではキハ183系クリスタルエクスプレス車両で運転されていた[9]。
列車名は沿線地域の街路樹などに広く輸入され、地域の象徴の一つとなっている植物のニセアカシア(一般にアカシアと呼ばれる)が由来となっている。
1971年(昭和46年)7月1日のダイヤ改正で、急行「かむい」の1往復を改称する形で運転を開始した[10]。運転区間は小樽駅 - 旭川駅間で、札幌駅 - 旭川駅間は無停車、快速列車として運行した小樽駅 - 札幌駅間の途中停車駅は南小樽駅・手稲駅・琴似駅のみであった。
上りが旭川発7時00分、下りが札幌発18時00分のビジネスダイヤで設定され、この区間の136.8 kmを1時間36分(下り)で運行した。その表定速度は国鉄の急行列車としては最速の85.5 km/hに達し、当時の特急列車に比肩する速度であった[注釈 5]。この運転時分のままで最初の冬を越したが、翌1972年(昭和47年)には余裕を見込んで1時間37分(下り)、1973年(昭和48年)にはさらに1分伸びて1時間38分(下り)となり、これが廃止まで続いた。
1975年(昭和50年)7月18日のダイヤ改正[注釈 6]で、エル特急「いしかり」に格上げされ、廃止された。
列車名はいわゆる抽象名であり、「幸福を運ぶ風」を意味する。なお、列車名として抽象名の風を用いるものは、設定当時には特急列車に用いられる事例が多く、実際に「さちかぜ」の名も1957年(昭和32年)から1958年(昭和33年)まで東京駅 - 長崎駅間の寝台特急列車に用いられたことがあった。このため、この列車の運行は特急形電車を登場させるための試金石とも言われた。「列車愛称」も参照。
ライラック スーパーホワイトアロー | |
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概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車(エル特急) |
現況 | 廃止 |
地域 | 北海道 |
前身 |
特急「いしかり」(ライラック) 特急「ホワイトアロー」(スーパーホワイトアロー) 急行「狩勝」「そらち」(ライラック) |
運行開始 |
1980年10月1日(ライラック) 1990年9月1日(スーパーホワイトアロー) |
運行終了 | 2007年10月1日 |
後継 | エル特急「スーパーカムイ」 |
運営者 |
日本国有鉄道(国鉄) →北海道旅客鉄道(JR北海道) |
路線 | |
起点 | 新千歳空港駅・札幌駅 |
終点 | 旭川駅 |
営業距離 | 136.8 km(札幌駅 - 旭川駅間) |
平均所要時間 | 約1時間25分 |
運行間隔 |
11往復(ライラック) 17往復(スーパーホワイトアロー) |
列車番号 |
2000M+号数(ライラック) 3000M+号数(スーパーホワイトアロー) |
使用路線 | 千歳線・函館本線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 |
普通車指定席「uシート」:4号車 普通車自由席:1 - 3・5号車 |
技術 | |
車両 |
781系電車(札幌運転所) 785系電車(札幌運転所) |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電化 |
交流 20,000 V(50 Hz) (架空電車線方式) |
最高速度 |
130 km/h(ライラック)[注釈 7] 130 km/h(スーパーホワイトアロー) |
札幌駅 - 旭川駅間のエル特急「いしかり」は、1975年(昭和50年)7月18日のダイヤ改正[注釈 6]で急行「かむい」および「さちかぜ」を特急に格上げする形で運転を開始した(7往復)。 列車名は、北海道中西部を流れる一級河川の石狩川が由来となっており、ヘッドマークが絵入りになった際は白地に川を表す青い線が大きく蛇行するデザインとなった。
北海道で最初に登場したエル特急であり、北海道における他の特急列車が全列車座席指定だった時代に、普通車のみの6両、そのうち5両が自由席という編成で、異彩を放った。また、当時グリーン車の連結がない唯一の国鉄昼行特急でもあった。また、7往復のうち1往復は、それまでの急行「さちかぜ」を継承し、ノンストップ運転の設定となった[注釈 8]。
この列車のために新製された485系1500番台は、国鉄特急形電車の標準となっていた485系に冬の北海道を想定した耐極寒・耐雪装備を加味した仕様で落成したものの、最初の冬から故障の頻出で定時運行に支障を来たしたため[12]、1976年(昭和51年)の冬から1979年(昭和54年)春まで、計画運休による整備時間の捻出に加え、予備車確保の目的で中間1ユニットを抜いた4両編成で運転された。1978年11月に781系の試作車(900番台)6両編成1本が落成し、冬季試験の後、翌1979年(昭和54年)3月から「いしかり」として運用を開始し、485系の運用に余裕ができた。このため、その年から冬季の計画運休と減車は解消した。なお、485系は本来120 km/h運転が可能であるが、制動力の問題から道内の最高速度は100 km/hであった[13]。
1980年(昭和55年)6月に781系の量産車6両編成3本(18両)が投入され、同月中に485系を完全に置き換えた。最高速度は485系と同様の100 km/hのままであった[13]。 同年10月1日のダイヤ改正で「いしかり」はエル特急「ライラック」に変更され、廃止された。
エル特急「ライラック」は、室蘭本線・千歳線室蘭駅 - 白石駅間の電化の完成と、千歳空港駅新設に伴う1980年(昭和55年)10月1日のダイヤ改正にて[11]、従来の特急「いしかり」の運転区間を延長する形で、室蘭駅 - 札幌駅 - 旭川駅間で運転を開始した。運転開始当初の最高速度はブレーキの問題がまだ解決していないので100 km/hであった[13]。
当初は9往復が運転されており[11]、うち5往復が室蘭駅 - 旭川駅間直通、室蘭駅 - 札幌駅間および札幌駅 - 旭川駅間の区間列車が各2往復設定された。また、新設された千歳空港駅 - 札幌駅間を自由席特急料金込み800円で乗車できる特別企画乗車券「エアポートシャトルきっぷ」が発売され、この対象列車としてもPRされた。なお、1985年(昭和60年)3月14日からは室蘭駅 - 東室蘭駅間が普通列車となり、各駅に停車するようになった。
1984年(昭和59年)2月1日には急行「かむい」「なよろ」を統合する形で3往復増発され、札幌駅 - 旭川駅間が合計10往復となった。1986年(昭和61年)11月1日のダイヤ改正では、新たに苫小牧発着列車が設定された。1990年(平成2年)9月1日には急行「そらち」「狩勝」を、1998年(平成10年)4月11日には臨時特急「モーニングエクスプレス」をそれぞれ統合した。
1990年(平成2年)に「スーパーホワイトアロー」が運行開始した際は、札幌駅発最終列車、および旭川駅発始発列車の「ライラック」1往復にも130 km/h運転が可能な785系6両編成が充当され、札幌駅 - 旭川駅間を1時間23分で運行した[11]。
1992年(平成4年)7月1日のダイヤ改正では新千歳空港駅開業に伴い、室蘭駅 - 札幌駅間をエル特急「すずらん」として分離し、「ライラック」は札幌駅 - 旭川駅間の14往復に変更された[14]。このうち、データイムの10往復が快速「エアポート」として新千歳空港駅 - 札幌駅間に直通する体系となった[11][13]。2002年(平成14年)3月16日のダイヤ改正では、新千歳空港駅へ乗り入れる列車が「スーパーホワイトアロー」に変更され、「ライラック」は札幌駅 - 旭川駅間のみの運転となった。
2007年(平成19年)10月1日に「スーパーホワイトアロー」とともにエル特急「スーパーカムイ」に統合され、廃止された[資料 43][記事 4]。
廃止時点では、札幌駅 - 旭川駅間に1日11往復が運転されていた。停車駅は、現行の特急「カムイ」「ライラック」と同一であった。
エル特急「ホワイトアロー」は1986年(昭和61年)3月3日に千歳空港駅(現在の南千歳駅)・札幌駅 - 旭川駅間で運転を開始した。当初は千歳空港駅 - 札幌駅間に1往復、千歳空港駅 - 札幌駅 - 旭川駅間に1往復、札幌駅 - 旭川駅間に1往復の計3往復だった[15]。千歳空港駅 - 旭川駅間の2・3号の途中停車駅は札幌駅のみ、その他は途中無停車であった。北海道内の列車が初めて120 km/h運転を行なったのもこの時であった。1986年(昭和61年)11月1日にはエル特急に指定され[16]、大半の列車が苫小牧発着となった。途中の停車駅は千歳空港駅・札幌駅のみとされた[15]。
道央自動車道を20分間隔で40往復も運転される高速バス「あさひかわ号」への対抗策として、1990年(平成2年)9月1日には785系電車が導入され、最高運転速度の引き上げによるさらなる速達性や、時刻表いらずの「ライラック」とともに30分間隔のラウンドダイヤの実施や[15][17]、居住性・快適性の向上を実現した。同時に、列車名が「スーパーホワイトアロー」に、運転区間が札幌駅 - 旭川駅間にそれぞれ変更された(13往復)[15]。2007年(平成19年)10月1日のダイヤ改正でエル特急「ライラック」とともに「スーパーカムイ」に統合され、廃止された[資料 43][記事 4]。
廃止時点では、札幌駅 - 旭川駅間に1日17往復が運転され、朝晩を除く11往復は札幌駅から快速「エアポート」として新千歳空港駅まで直通運転を行っていた。停車駅は現在の「カムイ」・「ライラック」と同一であった。
列車名は、「白い矢」を意味する英語「ホワイトアロー (White Arrow)」が由来で、ノンストップ・直行便を示す矢を意味する英語の「Arrow」と雪の白色を表す「White」を組み合わせた造語である。「スーパーホワイトアロー」は特急列車の名称としてスーパーを冠した道内最初の例となった[注釈 9]。
1990年(平成2年)10月1日から[18]、月曜日限定で札幌駅 - 旭川駅間を運行する臨時特急として運行開始。月曜朝の運行であることから、いわゆるビジネス客を主なターゲットとしていた。1994年(平成6年)3月1日から季節列車となり、1998年(平成10年)4月11日に「ライラック」に統合されて廃止された[記事 5]。
車両は基本的に785系電車2両編成だが、予想以上に利用客が多かったためか781系電車4両編成が充当されることが多かった。また正面の愛称表示や行先表示は「ライラック」のままだった[19]。
スーパーカムイ | |
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789系1000番台によるエル特急「スーパーカムイ」 (2009年3月) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車(エル特急) |
現況 | 廃止 |
地域 | 北海道 |
前身 | 特急「ライラック」「スーパーホワイトアロー」 |
運行開始 | 2007年10月1日 |
運行終了 | 2017年3月3日 |
後継 | 特急「カムイ」「ライラック」 |
運営者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
路線 | |
起点 | 札幌駅 |
停車地点数 | 7 |
終点 |
旭川駅 (エル特急スーパーカムイエアポートの場合新千歳空港) |
営業距離 | 136.8 km |
平均所要時間 | 約1時間25分 |
運行間隔 | 23往復 |
列車番号 | 2000M+号数[注釈 10] |
使用路線 | 函館本線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
身障者対応 | 4号車 |
座席 |
普通車指定席「uシート」:4号車 普通車自由席:1 - 3・5号車 |
技術 | |
車両 |
785系電車(札幌運転所) 789系1000番台電車(札幌運転所) |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電化 |
交流 20,000 V (50 Hz) (架空電車線方式) |
最高速度 | 120 km/h |
エル特急「スーパーカムイ」は、2007年(平成19年)10月1日のダイヤ改正で789系1000番台電車が導入され、781系電車が営業運転を終了することに伴い、札幌駅 - 旭川駅間を並行して運転されていたエル特急「ライラック」と「スーパーホワイトアロー」の2列車を統合する形で運転を開始した[記事 4]。
「スーパーホワイトアロー」から引き続き、新千歳空港駅 - 札幌駅間の快速「エアポート」への直通運転を行っていたが、冬季間における千歳線への遅延波及を防止するなどの理由から[記事 6]2016年(平成28年)3月26日のダイヤ改正で取り止めとなった[資料 2]。
車両は789系1000番台と、従来「スーパーホワイトアロー」に使用されていた785系電車との共通運用で運転された。両者とも普通車のみの5両編成で運転され、4号車が指定席「uシート」となっていた。
2017年(平成29年)3月4日のダイヤ改正で、特急「カムイ」と「ライラック」に再編される形で廃止された。
列車名の由来は、先述の「カムイ」に、高速対応特急車両を表す「スーパー」を冠したものである。
前述のとおり、2014年頃から札幌ドーム(札幌市)でのコンサート等の大規模イベントが行われる際の観客輸送を目的として「スーパーカムイ71号・81号」が運行されていた。
行動展示などで注目を集め入場者数を増やしていた、旭川市の旭山動物園へのアクセス輸送を目的とした臨時特急である。JR北海道の会社設立20周年も記念したものであった。
キハ183系の専用編成を用い、2007年(平成19年)4月28日から札幌駅 - 旭川駅間で運転開始した[資料 44]。土曜日・休日および夏休み・冬休みなどの繁忙期に運転された。全車指定席であり、所要時間は下り列車が1時間37分、上り列車が1時間41分。途中停車駅は岩見沢駅・滝川駅のみ(2010年12月現在)。
2016年10月10日の運転を最後に[資料 45]、役割を「ライラック旭山動物園号」に譲った[資料 8][資料 9]。2018年(平成30年)3月24・25日にさよなら運転を行い、運行は終了した[資料 46]。
旭山動物園号 | ||||||||||
← 旭川 札幌 →
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過去の列車の編成図 | ||||||||||||||
← 旭川/新千歳空港・室蘭 札幌 →
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いしかり・ライラック 485系(1975年7月 - 1980年6月) 781系(1979年3月 - 1986年10月) | ||||||||||||||
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ライラック・ホワイトアロー 781系(1986年11月 - 1992年6月) | ||||||||||||||
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スーパーホワイトアロー・ライラック 785系(1990年9月 - 2002年4月) | ||||||||||||||
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モーニングエクスプレス 785系(1990年10月 - 1998年4月) | ||||||||||||||
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ライラック 781系(1992年7月 - 2007年9月) | ||||||||||||||
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スーパーホワイトアロー・スーパーカムイ 785系(2001年 - 2017年3月) 789系1000番台(2007年10月 - 2017年3月) | ||||||||||||||
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この節は内容が専門的であり、一般の閲覧者にはわかりにくくなっているおそれがあります。 |
2024年4月1日に公表された「JR北海道グループ中期経営計画2026」では、北海道新幹線札幌延伸後に在来線の改良による高速化(軌道強化・線形改良・最高速度の向上・高架化による踏切解消など)を行い、札幌駅 - 旭川駅間(136.8km)の所要時間短縮(最速1時間25分(2024年時点)から最速60分)を目指す構想が示されている[26]。
「ライラック」「ス-パ-ホワイトアロ-」「フラノラベンダーエクスプレス」は、北海道旅客鉄道が商標として登録している [27][28][29]。
登録項目等 | 内容等 |
---|---|
商標 | ライラック |
称呼 | ライラック |
出願番号 | 商願平04-270863 |
出願日 | 1992年(平成4年)9月29日 |
登録番号 | 第3021048号 |
登録日 | 1995年(平成7年)1月31日 |
権利者 | 北海道旅客鉄道株式会社 |
役務等区分 | 39類(旅客車による輸送) |
登録項目等 | 内容等 |
---|---|
商標 | ス-パ-ホワイトアロ- |
称呼 | ス-パ-ホワイトアロ-,ホワイトアロ- |
出願番号 | 商願平04-270865 |
出願日 | 1992年(平成4年)9月29日 |
登録番号 | 第3021050号 |
登録日 | 1995年(平成7年)1月31日 |
権利者 | 北海道旅客鉄道株式会社 |
役務等区分 | 39類(旅客車による輸送) |
登録項目等 | 内容等 |
---|---|
商標 | フラノラベンダーエクスプレス |
称呼 | フラノラベンダーエクスプレス,フラノラベンダー |
出願番号 | 商願2021-73263 |
出願日 | 2021年(令和3年)6月14日 |
登録番号 | 第6478836号 |
登録日 | 2021年(令和3年)11月30日 |
権利者 | 北海道旅客鉄道株式会社 |
役務等区分 | 39類(旅客車による輸送) |
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