2003年に放送された日本のテレビアニメ ウィキペディアから
『ASTRO BOY 鉄腕アトム』(アストロボーイ てつわんアトム)は、手塚治虫の漫画『鉄腕アトム』のアニメ化作品で第3作となる。
ASTRO BOY 鉄腕アトム | |
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ジャンル | ヒーロー、ロボットアニメ |
アニメ | |
原作 | 手塚治虫 |
監督 | 小中和哉 |
シリーズディレクター | 望月敬一郎 |
シリーズ構成 | マーク・ハンドラー(ストーリーエディター) |
キャラクターデザイン | 瀬谷新二 |
メカニックデザイン | 荒牧伸志、高倉武史 |
音楽 | 吉松隆 |
アニメーション制作 | 手塚プロダクション |
製作 | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 手塚プロダクション、電通、フジテレビジョン |
放送局 | フジテレビ系列 |
放送期間 | 2003年4月6日 - 2004年3月28日 |
話数 | 全50話 |
アトム お茶の水博士 ウラン 如月夕子 ロビタ ヒゲオヤジ 天馬博士 |
津村まこと 勝田久 丸山美紀 川瀬晶子 龍田直樹 富田耕生 大和田伸也 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ |
前2作は虫プロダクション・手塚プロダクションの制作だったが、本作はソニーピクチャーズがプロダクションを担当し、同社が初めて日本の原作物をアニメ化した作品でもある。
フジテレビ系列にて、2003年4月6日から2004年3月28日まで毎週日曜日の9時30分 - 10時(JST)に放送された。全50話。また日本以外でも、海外のアニマックス各局ほかその他現地放送局で放映された。
原作においてアトムの誕生日と設定されている2003年4月7日を記念してのアニメ化だった。そのため、放送開始日も2003年4月に合わせている。
作品のベースは、元来のアトムとは違い、さまざまなエピソードを交えながら、ロボットと人間の共存から対立、そして全面衝突と和睦への流れをハードかつシリアスに描く大河ドラマ色の強い展開となった。日本アニメというよりカートゥーンに近いレトロフューチャー色の強い作風で、いくつかのエピソードはアメリカ人脚本家によって執筆されている。アメリカ側は『鉄腕アトム』に対してモノクロ版アニメの「明朗快活なアクションアドベンチャー」という認識しか持っておらず、原作のようにシリアスなテーマ性のストーリーに対して疑問を持つなど認識のずれがあったと監督の小中和哉は証言している[1]。
天馬博士とアトムの親子ドラマでもあり[1]、また他の親子や擬似親子関係にまつわるエピソードも多い。設定面ではファミリー層向けに大幅に変えた点が多い。天馬博士を演じる大和田伸也は、アトムファンだった。
その他、演出上の特徴として、本編前後(本編前半 - CM間、CM - 本編後半間、本編後編 - エンディング主題歌間)の画像フェードイン効果およびフェードアウト効果について、一般的な他アニメ作品に比べ余裕を持ってやや長めに用いられて編集制作されていたが、中期でのオープニング主題歌変更に合わせ、やや短めに緩和されている。
画面アスペクト比は16:9で制作されているが、テレビ局からの要望により13:9で放送された[1]。
監督の小中和哉は実写作品の監督であり、アニメ作品は未経験であったが、実写オリジナルビデオ『ブラック・ジャック』を監督した経緯から起用された[1]。小中はアニメ作品への参加に戸惑いはあったが手塚の代表作品を映像化できるチャンスであることから参加を決め、アニメーションディレクターの望月敬一郎をはじめとする優秀なスタッフに支えられて制作できたと述べている[1]。日本側の脚本家には小中も参加した『平成ウルトラシリーズ』を担当した者が多く参加しているが、小中は手塚作品に思い入れのある世代が自然に集まったものとしており、小林弘利や村井さだゆきはウルトラシリーズ以外からの付き合いであると述べている[1]。
2004年東京国際アニメフェアでテレビ部門の優秀作品賞を受賞した。
DVDのリリースは、単巻のVol.1〜Vol.13と、フィギュアを同梱したDVDボックス形式でソニーピクチャーズより発売。当時は地上デジタル放送は放送されていなかったものの、音声はドルビーデジタルの5.1チャンネルサラウンド形式においてリマスタリング収録されていた為にアニメ作品においては非常に珍しい商品であった。
声優が本業でない芸能人をキャストとして起用しているため、ソニーピクチャーズのアニメ作品[注 1]と、販売リリースを継承したアニプレックス以降も含め権利関係の問題が複雑になっている。
いわゆる手塚スターシステムの他、本作完全オリジナルの欧米人キャラクターも多い。また、ほとんどの人間は欧米人風に、ロボットはカートゥーン風のデザインにリメイクされている。
◎は原作キャラクター、☆は他作品の手塚スターである。
初回視聴率・最高視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区):11.2%
本放送時には、サブタイトル冒頭の「EPISODE X」(Xは話数番号)の表記が入ったのは第3話からだった。
話数 | サブタイトル | 脚本 | コンテ | 演出 | 作画監督 | 放送日 |
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1 | パワーアップ! | 小中千昭 | 望月敬一郎 | 瀬谷新二 | 2003年 4月6日 | |
2 | ロボットボール | 前園文夫 | 4月13日 | |||
3 | アトム宇宙に行く | 森田浩光 | 鈴木幸雄 | 宍倉敏 | 4月20日 | |
4 | 電光 | 太田愛 | 吉村文宏 | 望月敬一郎 | 瀬谷新二 | 4月27日 |
5 | ロボット農場を救え! | 古瀬登 | 鈴木幸雄 | 5月4日 | ||
6 | アトラス誕生 | 長谷川圭一 | 桑原智 | 西田正義 | 5月11日 | |
7 | アトムVSアトラス | 5月18日 | ||||
8 | ロボット超特急 | 村井さだゆき | 森田浩光 | 鈴木幸雄 | 宍倉敏 | 5月25日 |
9 | フランケン | 出崎統 | 吉村文宏 | 内田裕 | 6月1日 | |
10 | 金星ロボット襲来! | 長谷川圭一 | 鈴木幸雄 | 宍倉敏 | 6月8日 | |
11 | ロボットサーカスがやって来た! | 太田愛 | 山崎和男 | 瀬谷新二 | 6月15日 | |
12 | よみがえったジャンボ | 古怒田健志 | 西田正義 | 高橋滋春 | 清水恵蔵 鈴木伸一 | 6月22日 |
13 | ウラン誕生 | 太田愛 | 鈴木幸雄 | 宍倉敏 | 7月6日 | |
14 | ミクロの大冒険 | 小中千昭 | 山崎和男 | 瀬谷新二 | 7月13日 | |
15 | 人工知能を守れ! | パメラ・ヒッケイ デニー・マッコイ | 西田正義 | 鈴木卓夫 | 西田正義 | 7月20日 |
16 | 闇のロボットハンター | 太田愛 | 桑原智 | しのゆきひろ | 瀬谷新二 | 7月27日 |
17 | 地上最強のロボット | 長谷川圭一 | 西田正義 | 西田正義 | 8月3日 | |
18 | プルートゥは死なず | 8月10日 | ||||
19 | ロボットボーイ | マーク・ハンドラー | しのゆきひろ | 杉野昭夫 | 8月17日 | |
20 | 永遠の少年 | 小林弘利 | 桑原智 | 平田敏夫 | 吉村昌輝 | 8月24日 |
21 | 湖の怪物 | 長谷川圭一 | 石踊宏 | 金沢比呂司 | 8月31日 | |
22 | さよならプリンセス | 太田愛 | 鈴木幸雄 | 宍倉敏 | 9月7日 | |
23 | 失われた記憶 | 小林弘利 | 山崎和男 | 古瀬登 | 9月14日 | |
24 | ベアちゃん | 長谷川圭一 | 鈴木幸雄 | 宍倉敏 | 9月21日 | |
25 | もしも涙を流せたら | 小林弘利 | 西田正義 | 山崎和男 | 西田正義 | 9月28日 |
26 | 青騎士登場 | 太田愛 | 桑原智 | 加藤茂 | 10月5日 | |
27 | 名探偵ヒゲオヤジ | 長谷川圭一 | 鈴木幸雄 | 宍戸敏 | 10月12日 | |
28 | 宇宙プラントの危機 | 太田愛 | 桑原智 | 吉村文宏 | 瀬谷新二 | 10月19日 |
29 | ウランと名探偵 | 長谷川圭一 | 鈴木卓夫 | 波多正美 | 寺沢伸介 | 10月26日 |
30 | 地底探検 | 小林弘利 | 西田正義 | 高橋滋春 | 清水恵蔵 | 11月2日 |
31 | グーノンの大冒険 | 太田愛 | 平田敏夫 | 成川武千嘉 | 柳瀬譲二 | 11月9日 |
32 | 青騎士の秘密 | 長谷川圭一 | 西田正義 | 鈴木幸雄 | 宍倉敏 | 11月16日 |
33 | 妖精物語 | 小林弘利 | 竹内啓雄 | 内田裕 | 11月23日 | |
34 | 変形生命ムーピー | 村井さだゆき | 森田浩光 | 津田義三 | 西城隆詞 | 11月30日 |
35 | アトムVSロック | 三家本泰美 | 12月7日 | |||
36 | 恋するロボット | 小林弘利 | 山崎和男 | 古瀬登 | 12月14日 | |
37 | アトラス逆襲 | 長谷川圭一 | 西田正義 | 棚橋一徳 | 清水恵蔵 | 12月21日 |
38 | エミリーの願い | マーク・ハンドラー | 渕上真 | 古佐小吉重 | 12月28日 | |
39 | タイムハンター | ラリー・ビスコフ | 森田浩光 | 竹内啓雄 | 杉野昭夫 | 2004年 1月11日 |
40 | ロボット嫌い | 長谷川圭一 | 桑原智 | 吉村昌輝 | 1月18日 | |
41 | 巨人の記憶 | 太田愛 | 望月智充 | 水野健太郎 | 古佐小吉重 | 1月25日 |
42 | 鋼鉄島の戦い | 長谷川圭一 | 吉村文宏 | 津田義三 | 西城隆詞 | 2月1日 |
43 | 人間に憧れたロボット | 太田愛 | 山崎和男 | 古瀬登 | 2月8日 | |
44 | 龍の森へ | 平田敏夫 | 橋本三郎 | 西城隆詞 | 2月15日 | |
45 | 革命前夜 | 吉村文宏 | 杉野昭夫 | 2月22日 | ||
46 | ロボタニア建国 | 長谷川圭一 | 西田正義 | 鈴木卓夫 | 西田正義 | 2月29日 |
47 | 決戦! 南極大陸 | 滝沢潤 | 柳瀬譲二 | 3月7日 | ||
48 | 明日への旅立ち | 西田正義 | 鈴木卓夫 | 3月14日 | ||
49 | アトム復活 | 山崎和男 | 瀬谷新二 | 3月21日 | ||
50 | 最後の対決 | 小中和哉 望月敬一郎 瀬谷新二 | 望月敬一郎 | 3月28日 |
放送時間枠がローカルセールス枠のため時差ネットが多かった。関西テレビでは当該時間帯は『走れ!ガリバーくん』を放送していたため30分先行で、9:00 - 9:30(JST)に放送された。また、THK東海テレビでは8日遅れながらも、毎週月曜 19:00 - 19:27(JST)というゴールデンタイムに編成した。また、制作局フジテレビの権利が失効した後も、独立放送局の三重テレビやテレビ東京系列のテレビ北海道(「おはようまんが」枠)において再放送された。秋田テレビ、ITC石川テレビ、FTB福井テレビ、NBS長野放送はスポンサーの関係により『MUSIC FAIR 21』をネットできないための代替編成で放送していた。
対象対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送日時[2] | 備考 | 放送期間 |
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関東広域圏 | フジテレビ | フジテレビ系列 | 日曜 9:30 - 10:00 | 制作局 | 2003年4月6日 - 2004年3月28日 |
北海道 | 北海道文化放送 | 同時ネット | |||
宮城県 | 仙台放送 | ||||
福島県 | 福島テレビ | ||||
新潟県 | 新潟総合テレビ | ||||
静岡県 | テレビ静岡 | ||||
福岡県 | テレビ西日本 | ||||
佐賀県 | サガテレビ | ||||
長崎県 | KTNテレビ長崎 | ||||
宮崎県 | テレビ宮崎 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 | |||
近畿広域圏 | 関西テレビ | フジテレビ系列 | 日曜 9:00 - 9:30 | 30分先行 | |
高知県 | 高知さんさんテレビ | ||||
大分県 | テレビ大分 | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 | 月曜 16:25 - 16:55 | 遅れネット | 2003年4月7日 - 2004年3月29日 |
愛媛県 | テレビ愛媛 | フジテレビ系列 | 月曜 16:30 - 17:00 | ||
富山県 | BBT富山テレビ | 月曜 15:30 - 16:00 | 2003年4月8日[注 4][3] - 2004年3月29日[4] | ||
島根県・鳥取県 | TSK山陰中央テレビ | 火曜 16:00 - 16:30 | 2003年4月8日 - 2004年3月30日 | ||
岩手県 | 岩手めんこいテレビ | 火曜 16:54 - 17:24 | |||
鹿児島県 | KTS 鹿児島テレビ | 水曜 16:30 - 17:00 | 2003年4月9日 - 2004年3月31日 | ||
沖縄県 | OTV沖縄テレビ | ||||
広島県 | テレビ新広島 | 金曜 16:00 - 16:30 | 2003年4月11日 - 2004年4月2日 | ||
山口県 | テレビ山口 | TBS系列 | 土曜 6:00 - 6:30 | 2003年4月12日 - 2004年4月3日 | |
青森県 | 青森テレビ | 土曜 9:30 - 10:00 | |||
熊本県 | TKUテレビ熊本 | フジテレビ系列 | 土曜 17:00 - 17:30 | ||
山梨県 | UTYテレビ山梨 | TBS系列 | 土曜 17:30 - 18:00 | ||
秋田県 | 秋田テレビ | フジテレビ系列 | 土曜 18:00 - 18:30 | ||
石川県 | ITC石川テレビ | ||||
福井県 | FTB福井テレビ | ||||
長野県 | NBS長野放送 | ||||
山形県 | SAYさくらんぼテレビ | 土曜 18:30 - 19:00 | |||
岡山県・香川県 | 岡山放送 | ||||
中京広域圏 | THK東海テレビ | 月曜 19:00 - 19:27(第1話 - 第47話)[注 5] 月曜 16:00 - 16:30(第48話 - 第50話) | 2003年4月14日 - 2004年3月29日 | ||
日本全域 | アニマックス | CS放送 | 日曜 17:30 - 18:00 日曜 24:00 - 24:30 | 制作協力 遅れネット リピート放送あり | 2003年4月20日 - 2004年4月10日 |
小学館『小学五年生』2003年3月号 - 7月号、『小学六年生』2003年4・5月号、『別冊コロコロコミック』2003年4月号 - 8月号連載。 アニメと連動したコミックで、原作ではない。
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