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アカデミー賞

毎年春に授賞式が開催されるアメリカの映画賞 ウィキペディアから

アカデミー賞
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アカデミー賞アカデミーしょう: Academy Awardsは、アメリカ映画の健全な発展を目的に、キャストスタッフ表彰し、その労と成果を讃えるための映画芸術科学アカデミー(AMPAS)による映画賞で、オスカー(The Oscars)としても知られている。毎年2月末から3月初めにロサンゼルスドルビー・シアターで授賞式が行われる。

概要 アカデミー賞, 受賞対象 ...
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授賞式前年の1年間にアメリカ国内の特定地域で公開された作品を対象に選考され、また映画産業全般に関連した業績に対して贈られる。前年の作品が対象となるため(第7回から[2])、2012年に開催されたアカデミー賞を2011年度などと表示することが慣例である。第1回アカデミー賞は、1927年8月1日から1928年8月1日までに公開された映画がノミネート対象となっている[3][注 1]

なお、テレビ中継はアメリカの放送局、ABCにて放送され[7]Hulu生配信される[8]。日本ではNHK BSにて授賞式の模様を生中継し[9]、その翌日にWOWOWオンデマンドにて字幕版を配信[10]、後日総集編がNHK総合テレビにて放送される[11][注 2]

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概要

「アメリカ映画の祭典」という冠詞を付けられることが多い事からも分かるとおり、基本はアメリカ映画を対象とした映画賞であり、作品の選考対象も「1年以内にロサンゼルス地区で上映された作品(詳細は後述)」と比較的狭義である。

しかし、その知名度と世界三大映画祭よりも古い歴史を持つ賞であるため、マーケットへの影響力は国際映画祭の各賞以上に大きく、受賞結果が各国の興行成績に多大な影響を与える[要出典]

受賞すると、賞の名称を刻印したオスカー像と呼ばれる金メッキの人型の彫像が贈られ、賞金の類は一切付与されない。

毎年11月に予備選考が行われ、翌年の1月にノミネートが発表される。その後、映画芸術科学アカデミー会員の投票が行われ、2月の最終日曜もしくは3月の第一日曜に授賞式が行われることが多い(第92回の開催は2020年2月9日)。

アメリカでは非常に注目度の高いイベントの一つであり、1998年には歴代最高視聴者数5520万人を記録したが、その後は下降線をたどっている。2020年の視聴者数は過去最低の2360万人だった。

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沿革

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最初のアカデミー賞の授与(1929)

もともとアカデミー賞の授賞式は1927年5月に設立された「映画芸術科学アカデミー[12]の夕食会の一環として始まった。第1回は1929年5月16日にロサンゼルスにあるハリウッド・ルーズベルト・ホテルで行われた夕食会の際に舞台上で、3カ月前にロサンゼルス・タイムズで発表された受賞者[5]を招待して賞を贈与した[13]。当初はオスカー像という名称ではなく、同様のデザインを施したトロフィーが贈られた[5]

第1回授賞式で、『第七天国』で女優賞を受賞したジャネット・ゲイナーによれば、「これからも互いにいい仕事をして頑張りましょうという程度の、ちょっとした内輪の集まりだったのよ」と当時の様子を振り返っている。授賞式は15分程度で簡単に済まされていた[5][13]

第2回から地元ラジオ局により実況が開始され[13][5]第17回から全国放送となった。エンタテインメント色が色濃くなったのはアメリカが第二次世界大戦に参戦した1942年以降で、前線にいた兵士達の耳を喜ばせるためだったという。

テレビ中継が開始されたのは第25回の授賞式から。中継を担当したのはNBCであった。当時の視聴率はNBC開局以来の高記録であった。現在はABCが中継している。

授賞式会場は、2回目以降はロサンゼルス市街のアンバサダー・ホテルやビルトモア・ホテル(Biltmore Hotel)が使用され、晩餐会形式で執り行われた。回を増すごとにスケールが拡大していき、やがて収容人数の多い映画館で行われるようになった。第74回からは現行のドルビー・シアター(旧コダック・シアター)で行われている。ドルビー・シアターとは10年の契約であり、現在のアカデミー会員数はすでに収容人数の5800人を超えているため、手狭になるのも時間の問題であるといわれている。

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名称

Academy Awards」は日本[14]アメリカ合衆国[15][要出典]において商標登録されている。

日本

日本において「アカデミー賞」は商標登録が行われているが、登録したのは映画芸術科学アカデミーではない。日本アカデミー賞は映画芸術科学アカデミーから正式な承諾を得ており[16]、「日本アカデミー賞」という表記は商標登録もされている。音楽之友社は「レコード・アカデミー大賞」という名前でレコードの賞を認定している。

選考

要約
視点

選考はアメリカの映画産業従事者の団体、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の会員の無記名投票が行われ、所定の賞を授与される。

基準

アカデミー賞は、原則として前年の1年間にノミネート条件(ロサンゼルス郡内の映画館で連続7日以上の期間で最低1日に3回以上上映されていて、有料で公開された40分以上の長さの作品で、劇場公開以前にテレビ放送、ネット配信、ビデオ発売などで公開されている作品を除く、など)を満たした映画作品について扱われる[17]

なお、「劇場公開以前にテレビ放送などで公開されていない」という基準については、かつて『Shall we ダンス?』が米国内での公開前に日本国内で日本テレビ系列でテレビ放映されたことが原因でノミネート対象から外されたことがある[18]など、基準が曖昧な時期があったが、現在は米国外ですでに公開されている映画については「映画が最初に公開されてから90日間、劇場公開以外の方法で公開されていない」「ロサンゼルスでの劇場公開の前に米国内で劇場公開以外の方法で公開されていない」の2条件を満たすことが要件とされている[19]

また、長編アニメ賞、国際長編映画賞、ドキュメンタリー映画賞、短編映画賞など、賞によっては独自のノミネート条件を設けているものがある。詳細はそれぞれの賞の記事を参照のこと。

前述の通り、ロサンゼルス郡内の映画館にて上映をしなかったり、インターネットで配信した作品については選考の対象外であるが、2020年に世界各地で流行が拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響で映画館が一時閉鎖になっていることを受けて、2021年4月に開催の第93回についてはロサンゼルス郡に加え、ニューヨーク州ニューヨークカリフォルニア州サンフランシスコ/ベイエリアイリノイ州シカゴフロリダ州マイアミジョージア州アトランタの映画館にて上映された作品についてもノミネートの条件にすること、当初劇場での公開が予定されていたが、映画館閉鎖の影響でやむを得ず、ドライブインシアター(前述6都市のうち、いずれか1都市)での上映やビデオ・オン・デマンドなど、インターネットでの配信に切り換えた作品についても特例として選考の対象とすることを2020年4月と同年10月に発表した[17][20][21]

2014年度(第87回)と2015年度(第88回)にノミネートされた演技部門の対象者が全員白人だったことが物議を醸し、「白すぎるオスカー」などと批判された[22][23]。これらの批判を受けて、2023年度(第96回)からは作品賞にノミネートされる条件として、主要出演者にマイノリティー[注 3]を起用、または出演者・スタッフの3割以上においてマイノリティーを起用するなど、4項目中で最低2項目の基準を満たす作品が対象になることが2020年に発表された[22][24][25][26]

2024年度(第97回)からは作品賞について、ノミネート条件が改正され、初公開から45日以内に全米トップ50都市のうち、10都市の映画館で最低14日間は上映しなければならなくなった[26][27][28]

選出

投票権を持つ映画芸術科学アカデミー会員は、大部分がハリウッドの業界関係者による編成であり、新聞記者や映画評論家など公平な立場で判断できる分野の会員が少ないのが特徴。各賞の投票についても、例えば「アカデミー監督賞」であればハリウッドで働く映画監督の会員がノミネート作品選定に投票するなど、賞に応じた業務に携わる会員が担当する(もっとも、作品賞のノミネートおよび各賞ノミネート発表後の本選の投票は全会員が行うことができるので、最終的には各部門に携わる者以外の意向が結果に反映される)[29]

情報管理

最終投票は授賞式の一週間弱前に締め切られ集計されるが、結果は厳重に封印されて、大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)の金庫に保管され、結果書類は当日、事務所の職員2人が授賞式会場に直接持ち込む(生中継では、会場に入っていく会計事務所の職員が映されることもある)。賞の授与担当プレゼンターがステージで開封するまでは、外部へは一切知らされない[29]

受賞結果について、当初は報道の関係上マスコミには事前通達してあったが[13]、1939年に『風と共に去りぬ』が作品賞を受賞した際に、一部新聞が主宰者との協定を破って前日に抜け駆け報道をしたため、翌年よりPwCの管理するシステムとなり、今日に至る[13]

特色と現状

アカデミー賞はハリウッドの映画関係者が選考を行うことから、各賞の選出については、アメリカの国情や世相などが色濃く反映され、必ずしも芸術性や作品の完成度の高さでは選ばれない。例えばカンヌ国際映画祭などの著名な国際映画祭で大賞を受賞した作品が、アカデミー賞ではノミネートされないことがある。ゆえに、どうしても選出作品の足並みが揃ってしまう他の国際映画祭では見られない、独特の傾向と盛り上がりを見せる映画賞である[要出典]

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授賞式

要約
視点
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第81回授賞式

式典

授賞式は毎年2月の最終もしくは3月の第1日曜日にハリウッドドルビー・シアターで行われる。会場前を通るハリウッド大通りは、ドルビーシアターを中心に東はカフエンガ通りから西はラ・ブレア通りまで、東西計1マイル(1.6km)程度にわたり、授賞式当日午前からほぼ1日中、招待状を持つ関係者およびロサンゼルス市警察関係以外の車両は一切通行止めとなる。特に会場へ到着するリムジンなどの下車場所となる東側のハイランド通りとの交差点付近からシアター前までの通路は赤い絨毯で装飾されるため、一般に「レッドカーペット」とも呼ばれている。

出席は招待客のみで、チケットの販売は行われておらず、それ以外の客は出席できないので、15時頃までであれば、先述のハイランド通りとの交差点東側まで近寄ることはできるが、交差点手前50m程度の位置で警察官によるセキュリティチェックが行われ、ナイフなど不審物を持つ者は通過が許されない。また交差点付近各方向10m程度の幅はフェンスに設置された黒幕で覆われており、レッドカーペット付近を最短距離で直接見ることは難しい。なお15時以降からは招待客の到着が活発化するため、それ以上の交差点以降の立ち入り自体を一切禁止する。

演技部門のプレゼンター(賞の授与者)は、基本的に前年度の受賞者が反対の性の賞(前年の主演男優賞受賞者が翌年の主演女優賞)に対して行うことが慣例となっている。支払われるギャランティはなく、あくまでも無償奉仕である。

第64回のケビン・コスナー、第66回のクリント・イーストウッド、第67回と第72回のスティーヴン・スピルバーグ、第68回のロバート・ゼメキス、第69回のメル・ギブソン、第80回のマーティン・スコセッシ、第83回のキャサリン・ビグロー、第91回のギレルモ・デル・トロ、第93回のポン・ジュノのように近年は監督賞プレゼンターを前年度の受賞者が担当している。

受賞スピーチ

スピーチは45秒以内と制限されている。これは、第15回に主演女優賞を受賞したグリア・ガースンが自分の生い立ちまで話し始めてしまい、実に5分半もスピーチしたためである。

以来、時間制限が導入され、退出を促すBGMも行われているが、第73回ジュリア・ロバーツ[注 4]第74回ハル・ベリー[注 5]第94回国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』監督の濱口竜介など、感激のあまり制限を無視する人もいる[注 6][30][31]

第97回では、2度目の主演男優賞に輝いたエイドリアン・ブロディが、5分40秒のスピーチを披露し、グリア・ガースン以来82年ぶりにギネス世界記録を更新した[32]

第90回では、約35秒とこの日最もスピーチが短かった『ファントム・スレッド』の衣裳デザイナー マーク・ブリッジスに、KAWASAKIジェットスキー[33]レイクハバスシティ旅行がプレゼントされた。

賞品

受賞者には受賞名が刻印されたオスカー像が贈られる。賞金や副賞はなく名誉のみが与えられる。ただしアカデミー賞効果で受賞作がヒットしロイヤリティ収入が増える、次回作での出演料が増える、といった形で結果的に受賞者の収入に影響が出る場合がある。

逆にノミネートされただけで賞を逃した人物には残念賞として、日本でいうところの福袋のようなものが与えられる。袋の中身は服飾品や旅行券、あるいは洗剤やシロップなど、その年によって異なる雑多な物品が入っており、その総額は数万ドル相当にも及ぶ。

エピソード

  • 平均的な授賞式の時間は約3時間半。最長記録は第72回の4時間3分。
  • 授賞式の延期
  • 第10回の授賞式で、舞台公演中だったために式典を欠席していたアリス・ブラディが助演女優賞を獲得した際、“代理人”と称する男性が壇上に上がりオスカー像を受け取ったが、この男性はブラディとは無関係で、そのまま像を持ち去ってしまったという。
  • 第46回(1974年)授賞式の最中、全裸の男が壇上に乱入し、生放送が一時中断されるというハプニングが発生。司会のデヴィッド・ニーヴンが場を取り成したが、2002年の授賞式で主演男優賞に選ばれたエイドリアン・ブロディが、同賞プレゼンターのハル・ベリーと熱烈なキスをする場面が放送されたこと、あるいは2004年2月に第38回スーパーボウルにおいてジャネット・ジャクソンが生放送で歌っている最中に胸を露出する[注 7]といった不祥事があったため、2005年の中継からは5秒遅らせて放送されている。
  • 第89回(2017年)作品賞の発表の際、作品賞のプレゼンターは『俺たちに明日はない』の50周年を記念してウォーレン・ベイティフェイ・ダナウェイがプレゼンターを務め、ステージに立った。封筒を開けるとベイティは受賞者の発表をためらい、直後にダナウェイに見せると彼女は『ラ・ラ・ランド』の勝利を宣言した。しかしながら『ラ・ラ・ランド』のプロデューサーがステージに上がって受賞スピーチを始めると、オスカーのスタッフが駆け寄り、封筒を取り上げて「作品賞はムーンライト、これは演出ではない」と言い、発表に間違いがあったことを説明した。『ラ・ラ・ランド』のプロデューサーの1人であるフレッド・バーガーが「どうやら我々は負けだったようだ」と述べてスピーチを締めくくり、同じくプロデューサーのジョーダン・ホロウィッツにマイクが戻って本当の受賞作が『ムーンライト』であることが発表された。ホロウィッツは正しい受賞作が記されたカードをカメラに示した。そして再びベイティがマイクの前に立ち、誤って『ラ・ラ・ランド』の主演女優賞のエマ・ストーンのカードを読み上げてしまったと説明した。短い混乱の後、改めて『ムーンライト』のプロデューサーたちが受賞スピーチを行った。
  • 第94回(2022年)授賞式の最中、長編ドキュメンタリー映画賞のプレゼンターとして登壇したコメディアンクリス・ロック脱毛症であることを公表している女優のジェイダ・ピンケット・スミスを侮辱する発言をしたため、夫で俳優のウィル・スミスが壇上に上がり、ロックに平手打ちをする騒ぎが発生。アメリカ国内において番組を生中継していたアメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)は放送を一時中断する事態になった[34][35][36]
  • 第96回(2024年)のテレビ中継について、2024年9月に行われた第76回プライムタイム・クリエイティブ・アート・エミー賞の授賞式において、バラエティ・スペシャル(生放送)部門を受賞した。アカデミー賞の授賞式中継がエミー賞を受賞するのは1991年に前身部門となるバラエティ・音楽・コメディ番組部門にて受賞して以来、33年ぶりとなった[37][38]
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種類

要約
視点

賞はいくつかの部門に分かれている。「大賞」はない。

部門

  • 作品賞 (Academy Award for best picture of the year, 1928 - )
    • 初期はドラマ部門、喜劇部門など、現在のゴールデングローブ賞のように、内容によって分かれていた。当初はノミネートが10作品選出されたが、第17回(1944年)から5本選考となり、第82回(2009年)からは再び10作品選考となる。その後、第84回(2011年)には会員の投票の5パーセント以上の得票率を得た作品の中から5本から10本の間で選ばれるようルールが変更された。
  • 監督賞 (Academy Award for Achievement in cinematic direction, 1928 - )
  • 主演男優賞 (Academy Award for Performance by an actor in a leading role, 1928 - )
  • 主演女優賞 (Academy Award for Performance by an actress in a leading role, 1928 - )
  • 美術賞 (Academy Award for Best Production Design, 1928 - )
  • 撮影賞 (Academy Award for Best Cinematography, 1928 - )
  • 脚色賞 (Academy Award for Writing Adapted Screenplay, 1928 - )
  • 音響賞 (Academy Award for Best Sound 1930 - )
  • 短編アニメ賞 (Academy Award for Animated Short Film, 1931 - )
  • 歌曲賞 (Academy Award for Best Original Song, 1934 - )
  • 作曲賞 (Academy Award for Original Music Score, 1934 - )
  • 編集賞 (Academy Award for Film Editing, 1935 - )
  • 助演男優賞 (Academy Award for Best Supporting Actor, 1936 - )
  • 助演女優賞 (Academy Award for Best Supporting Actress, 1936 - )
  • 視覚効果賞 (Academy Award for Visual Effects, 1939 - )
  • 脚本賞 (Academy Award for Writing Original Screenplay, 1940 - )
  • 国際長編映画賞 (Academy Award for Best International Feature Film, 1947 - )
  • 衣裳デザイン賞 (Academy Award for Costume Design, 1948 - )
  • 短編映画賞 (Academy Award for Best Live Action Short Film, 1974 - )
  • 長編ドキュメンタリー賞 (Academy Award for Best Documentary Feature, 1980 - )
  • 短編ドキュメンタリー賞 (Academy Award for Best Documentary Short Subject, 1980 - )
  • メイクアップ&ヘアスタイリング賞 (Academy Award for Best Makeup and Hairstyling, 1981 - )
  • 長編アニメ賞 (Academy Award for Best Animated Feature, 2001 - )

撮影賞・美術賞(当時の呼称は室内装置賞)・衣裳デザイン賞はカラーと白黒で部門分けされていた時期がある。第30回(1957年度)に一本化されたが、撮影賞は第31回(1958年度)に、美術賞と衣裳デザイン賞は第32回(1959年度)に二分化された。第40回(1967年度)から全てが一本化された。

特別賞

アカデミー理事会(Board of Governors[39])から授与される賞[40][41]。アカデミー会員からの投票で選ばれるノミネート方式とは違い、理事会における投票や裁量[注 8]、理事会への推薦[注 9]によって贈与される賞全般を指す。毎年必ず選出されるわけではなく、該当者が存在する場合に設定されている。これらの賞に定まった名称がなかった時代は、単に特別賞(Special Award)として贈与されたり[注 10]、後に名誉賞(Honorary Award)として贈与されるようになったものもある[注 11]。なお、特定の条件を満たした者は、特別賞枠内に設定された下記のような特定の賞が贈与される。

提案された部門

スタント・コーディネーターのジャック・ギルは1991年からスタントマン賞の設立を嘆願しており、ヘレン・ミレンも設立を訴えている[61][62]

ほかにキャスティング・ディレクターを表彰するキャスティング部門が提案され[63][64]、2018年には幅広い映画ファンの人気に応える、ポピュラー映画部門(Best Popular Film)の新設が発表されるが、見送られた[65][66]

キャスティング賞については、2025年度の第98回アカデミー賞から新設されることが発表された。またスタント部門についても、アカデミーと新設に向けた話し合いが持たれていると、スタントマンで監督のチャド・スタエルスキが明かしている[67]

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英語以外の映画の扱い

アカデミー賞は「米映画の祭典」と銘打ってはいるものの、前記ノミネート条件を満たしていれば、英語音声以外で公開される映画(アメリカ以外の国で製作された映画を含む)であっても作品賞を含む本賞にノミネートされたり、あるいは受賞したりということは可能である。(但し実際には、ハリウッドの関係者が選出するというシステム上、純粋な外国映画はノミネートはされても受賞に至ったことは少ない。)

前記ノミネート条件を満たしていないアメリカ国外制作の非英語作品の場合は、各国の映画産業が映画芸術科学アカデミーに推薦する形で「国際長編映画賞」にエントリーされる。

国際長編映画賞の従来の名称は「外国語映画賞」であり、その前身で最初の表彰になるのが、1947年度の第20回で「特別賞」に選出されたイタリア映画の『靴みがき』。もっとも、この時点で「外国語映画賞」という賞は存在せず、前述の理事会が選ぶ「特別賞」の一つという扱いであった[68]。本作の選出理由は、「敗戦国であるイタリアが、創造精神を駆使して、敗戦の逆境を跳ね返す作品を作り出したこと」であった[69]

翌年の1948年度(第21回)に[70]「この年にアメリカ国内で公開された、最も優れた外国語映画」という理由付けで、フランス映画聖バンサン英語版』が「特別外国語映画賞」に選出され、外国語映画賞の母体的な選考理由がここに初めて誕生[71]。以後同選考基準によって、米国内で公開された優れた外国語映画が1本、選出されるようになり、1950年度(第23回)からは「名誉外国語映画賞」という名称で授与された[72]

特別賞や名誉賞の一つとして行われていた外国語映画の表彰が、「外国語映画賞」という独立した部門になったのは1956年度(第29回)からで(受賞作はイタリア映画『』)[73]、同年度から各国推薦の作品を5本厳選してノミネートし、うち1本に賞を授与するという、現在のスタイルが完成した[74]

その後、映画製作の国際化や多様化に伴う情勢の変化を考慮して、2019年年度(第92回)から名称を現行の「国際長編映画賞」に変更している(選考内容に変化はない)[75]

国際長編映画賞が授与されるのは監督ではなく代表作品の選出国で[76][注 14]、授賞式で監督は選出国を代表してオスカー像を受け取り、所有することが出来る[76][79]

出品作は実写の劇映画のみならず、アニメーションやドキュメンタリーも選考の対象になり[80][79]、当該ジャンルの規定に沿った条件を満たしていれば、作品賞を始めそれら各賞(アニメーション、ドキュメンタリー)他の選考対象にもなりうる[80]

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日本との関係

  • この項目では、アカデミー賞において受賞を含めてノミネートされた日本映画や映画に関わった日本人などを主に記している。
  • 以下の表では、アカデミー賞を受賞した作品には記号「(受賞)」を付しており、ノミネートに留まった作品は記号「(ノミ)」を付している。
さらに見る 年(回数), ノミネートされた各賞 ...
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日本関連の授賞式映像

Oscars 公式映像
日本関連の受賞は太字
授賞式
さらに見る 授賞式, 映像 ...
オスカー・ノミニーズ・ランチョン(Oscar Nominees Luncheon)
  • ノミネートされた候補者が一堂に会する昼食会。
オスカー・ウィーク(Oscar Week)
さらに見る 授賞式, ディスカッション映像 ...
ノミニー・プログラム(Nominee Programs)
ノミニーズ・ショーケース(Nominees Showcase)
マーク・デイヴィス セレブレーション・オブ・アニメーション(Marc Davis Celebration of Animation)
  • アカデミーが開催するアニメーションの祝典。
さらに見る 開催年, 招待者 / 映像 ...
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関連項目

脚注

外部リンク

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