高草山などの丘陵部を境に静岡市、西に藤枝市、大井川を挟んで吉田町と島田市に接する、志太平野の駿河湾沿岸沿いの市である[2]。
市内には焼津漁港(焼津港・小川港)と大井川港の2つの港湾があり、全国有数の水産文化都市として機能している。東西の交通アクセスを生かし、江戸時代より焼津漁港ではカツオ漁が盛んであり、現在はカツオ・マグロを主とする遠洋漁業の基地となっており、2020年(令和2年)の漁業水揚げ額は全国一位である[3][4]。
静岡都市圏に属しており[5]、静岡市のベッドタウンである[6]。また、焼津市南部土地区画整理事業(やいづ南部)として166.4ヘクタールに及ぶ南部地区の再開発が行われており[7]、多数の幹線道路や公共交通機関の整備や商業施設の集積が進んでいる[8]。
地名の由来
- 日本神話で、日本武尊(ヤマトタケル)が東征の途中で地元の賊衆に襲われた時、草薙剣で葦を薙ぎ倒し、そこで賊衆を迎えうち、火を放って難を逃れた。その様相が烈火のように見えた、あるいはその火で葦が焼け燃え盛ったという伝承から、「焼津」と命名された。
地形
静岡市との境には「東海の親不知」とも言われる大崩海岸がある。深海湾と呼ばれる駿河湾に面し、最近では新港の建設により、旧小川(こがわ)港を含めた広域漁港、焼津港を形成している。
気候
年間平均気温16.5℃、冬季の降雪もまれな温暖な気候で、面積は70.31k㎡、北部山間部を除き平坦な区域に、約5万5千世帯、約14万人の市民が生活している[2]。
地域
市内はおおまかに7つの地区に区分される。
- ※ この項では大字に当たる住所上の地名を記述する。
- 焼津(やいづ)
- 鰯ケ島(いわしがしま)
- 城之腰(じょうのこし)
- 北浜通(きたはまどおり)
- 焼津(やいづ)
- 焼津(やいづ)(一〜六丁目)
- 本町(ほんまち)(一〜六丁目)
- 新屋(あらや)
- 栄町(さかえまち)(一〜六丁目)
- 塩津(しおつ)
- 駅北(えききた)(一〜五丁目)
- 大栄町(だいえいちょう)(一〜三丁目)
- 中港(なかみなと)(一〜六丁目)
- 大村新田(おおむらしんでん)
- 大村(おおむら)(一〜三丁目)
- 八楠(やぐす)
- 八楠(やぐす)(一〜四丁目)
- 大覚寺(だいかくじ)
- 大覚寺(だいかくじ)(一〜三丁目)
- 越後島(えちごしま)
- 豊田(とよだ)
- 三ケ名(さんがみょう)
- 五ケ掘之内(ごかほりのうち)
- 小屋敷(こやしき)
- 西焼津(にしやいづ)
- 柳新屋(やなぎあらや)
- 小柳津(おやいづ)
- 小土(こひじ)
- 保福島(ほふくじま)
- 小川(こがわ)
- 小川(こがわ)
- 小川新町(こがわしんまち)(一〜五丁目)
- 東小川(ひがしこがわ)(一〜八丁目)
- 西小川(にしこがわ)(一〜八丁目)
- 南小川(みなみこがわ)(一〜二丁目)
- 与惣次(よそうじ)(一〜二丁目)
- 石津(いしづ)
- 石津(一〜四丁目)
- 石津向町(いしづむかいちょう)
- 石津中町(いしづなかちょう)
- 石津港町(いしづみなとちょう)
- 下小田上町(しもおだかみまち)
- 東益津(ひがしましづ)
- 策牛(むちうし)
- 関方(せきがた)
- 方ノ上(かたのかみ)
- 坂本(さかもと)
- 石脇上(いしわきかみ)
- 石脇下(いしわきしも)
- 小浜(おばま)
- 野秋(のあき)
- 花沢(はなざわ)
- 吉津(よしづ)
- 高崎(たかさき)
- 中里(なかざと)
- 岡当目(おかとうめ)
- 浜当目(はまとうめ)
- 浜当目(はまとうめ)(一〜四丁目)
- 大富(おおとみ)
- 本中根(ほんなかね)
- 中根(なかね)
- 中根新田(なかねしんでん)
- 中新田(なかしんでん)
- 大住(おおずみ)
- 三右衛門新田(さんうえもんしんでん)
- 治長請所(じちょううけしょ)
- 祢宜島(ねぎしま)
- 東祢宜島(ひがしねぎしま)
- 道原(どうばら)
- 東道原(ひがしどうばら)
- 黒石(くろいし)(一〜二丁目)
- 三和(みわ)
- 大島(おおじま)
- 和田(わだ)
- 惣右衛門(そううえもん)
- 一色(いっしき)
- 田尻(たじり)
- 田尻北(たじりきた)
- 下小田(しもおだ)
- 下小田中町(しもおだなかまち)
- 北新田(きたしんでん)
- すみれ台(すみれだい)(一〜二丁目)
- 大井川(おおいがわ)
- 中島(なかじま)
- 飯淵(はぶち)
- 利右衛門(りえもん)
- 吉永(よしなが)
- 高新田(たかしんでん)
- 宗高(むなだか)
- 上小杉(かみこすぎ)
- 藤守(ふじもり)
- 下小杉(しもこすぎ)
- 相川(あいかわ)
- 西島(にしじま)
- 上泉(かみいずみ)
- 下江留(しもえどめ)
- 上新田(かみしんでん)
人口
|
焼津市と全国の年齢別人口分布(2005年)
| 焼津市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 焼津市 ■緑色 ― 日本全国
| ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 |
焼津市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
| 99,549人
|
|
1975年(昭和50年)
| 111,684人
|
|
1980年(昭和55年)
| 124,071人
|
|
1985年(昭和60年)
| 130,106人
|
|
1990年(平成2年)
| 134,208人
|
|
1995年(平成7年)
| 139,083人
|
|
2000年(平成12年)
| 141,452人
|
|
2005年(平成17年)
| 143,101人
|
|
2010年(平成22年)
| 143,249人
|
|
2015年(平成27年)
| 139,462人
|
|
2020年(令和2年)
| 136,845人
| |
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総務省統計局 国勢調査より |
近代
- 明治
- 大正
- 1924年(大正13年):焼津港初の鋼船が進水。
- 1925年(大正14年):焼津漁業組合に民間初の漁業無線局が認可される。
近現代
- 昭和(戦前)
- 1926年(昭和元年)[元号要検証]:焼津港のカツオ船が急増したため、定数を決め、以後5年間は増加を中止する措置をとる。
- 1930年(昭和5年)5月30日: 昭和天皇が静岡県内を行幸。焼津町内は鰯ケ島海岸や鰹節製造工場を視察[10]。
- 1937年(昭和12年)7月:焼津船籍の漁船の徴用が始まる。
- 1941年(昭和16年)8月:漁船の徴用で焼津港の遠洋漁船のほとんどが消滅。焼津港の徴用船はわかっているだけでも 113隻。うち、1940年以後の徴用船で無事帰還できたのは 10隻あまり。乗組員 401人の戦死が確認されている。
- 昭和(戦後)
災害史
- 主な自然災害(20世紀以降)
- 1923年9月1日 - 関東大震災
- 1930年2月13日 - 伊東群発地震
- 1930年11月26日 - 北伊豆地震(三島市で最大震度6,死者272人)
- 1944年12月7日 - 昭和東南海地震(静岡県御前崎市で最大震度6)
- (死者・行方不明者1223人、伊豆から紀伊に津波)
- 1974年5月9日 - 伊豆半島沖地震(静岡県南伊豆町で最大震度5、死者30人)
- 1978年1月14日 - 伊豆大島近海の地震(伊豆大島と横浜市で最大震度5、死者25人)
- 1980年6月25日 - 伊豆半島東方沖で群発地震(伊豆大島と熱海市で最大震度5)
- 1989年6月30日 - 伊豆半島東方沖で群発地震(熱海市で最大震度4)
- 1989年7月13日 - 【手石海丘】海底火山噴火(伊豆東部火山群)
- 1998年4月20日 - 伊豆半島東方沖で群発地震(伊豆大島と熱海市・伊東市で最大震度4)
- 2009年8月9日 - 東海道南方沖で地震(最大震度4)
- 2009年8月11日 - 駿河湾地震(静岡県御前崎市・牧之原市・焼津市・伊豆市で最大震度6弱)
- (東海地震観測情報を発表、最大40cmの津波)
- 2024年8月29日 - 台風10号接近に伴う集中豪雨。市内各所で道路が冠水し、自動車が50台以上水没するなどの被害[16]。
市長
- 市長:中野弘道(2012年12月24日就任、3期目)
市章
市章は、市民から公募し、1952年(昭和27年)11月に制定。カタカナの「ヤイヅ」 を図案化したもので、市民の協力と伸びゆく市勢を象徴している。
市民憲章
- 焼津市民憲章
私たちは、秀麗な富士と駿河湾をのぞみ、豊かな志太平野の自然の中で育った焼津市民であることに誇りをもち、先人によって築かれてきた貴重な歴史をふりかえりつつ、希望に満ちた、魅力あるまちを創るために、この憲章を定めます。
- 豊かな自然を愛し、平和で住みよいまちをつくります。
- 地域の資源を活かし、潤いと活力のあるまちをつくります。
- 子どもたちが健やかに育つ、明るいまちをつくります。
- スポーツと文化に親しみ、心やすらぐまちをつくります。
- 互いに支え合い、安心・安全なまちをつくります。
財政
- 2011年度決算(一般会計)[17]
- 歳入:474億442万円
- 歳出:455億4,893万円
- 2012年度当初予算[18]
- 予算総額は874億8,911万円(対前年2.5%増)
- うち一般会計は440億8,800万円(対前年0.4%増)
市議会
さらに見る 会派, 人数 ...
定数:21(欠員:3)
会派 |
人数 |
凌雲の会 |
10 |
市民派議員団 |
3 |
公明党議員団 |
2 |
日本共産党市議会議員団 |
2 |
無所属 |
1 |
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県議会
- 選挙区:焼津市選挙区
- 定数:2人
- 投票日:2023年4月9日
- 当日有権者数:111,620人
- 投票率:39.68%
さらに見る 候補者名, 当落 ...
候補者名 | 当落 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 |
良知淳行 | 当 | 58 | 自由民主党 | 現 | 14,059票 |
塚本大 | 当 | 48 | 無所属 | 元 | 14,059票 |
諸田洋之 | 落 | 56 | 無所属 | 現 | 7,976票 |
松島和久 | 落 | 63 | 自由民主党 | 新 | 6,846票 |
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警察
- 本部
- 交番
- 八楠交番(焼津市八楠)
- 小川交番(焼津市石津)
- 西焼津駅前交番(焼津市西焼津)
- 焼津駅北交番(焼津市駅北)
- 中央交番(焼津市焼津)
- 港交番(焼津市中港)
- 大富交番(焼津市中新田)
- 和田交番(焼津市田尻)
- 駐在所
消防
- 本部
- 消防署
- 分署
- 東分署(焼津市焼津6-5-18)
- 大井川分署(焼津市宗高909-1)
福祉
- 焼津市福祉老人センター
- 焼津市立養護老人ホーム「慈恵園」
図書館
- 焼津市立図書館(組織名)
- 焼津市立焼津図書館
- 1916年(大正5年)5月には焼津町立尋常小学校の物置を改修し、小学校附属図書館として創立した。1922年(大正11年)4月には焼津町に移管され、町立焼津図書館に改称した。同年6月には公共図書館として静岡県知事の認可を受けている。1950年には焼津市立図書館条例を制定した。1967年(昭和42年)1月4日には焼津市産業会館の3階に移転開館した。1985年(昭和60年)6月には焼津市文化センターに現行館が開館した。2007年(平成19年)6月には焼津小泉八雲記念館が開館している。2008年(平成20年)11月には焼津市と大井川町が合併し、焼津市立焼津図書館に改称した。[20]
- 焼津市立大井川図書館
小学校
- 市立
- 焼津市立焼津東小学校
- 焼津市立焼津西小学校
- 焼津市立焼津南小学校
- 焼津市立豊田小学校
- 焼津市立小川小学校
- 焼津市立東益津小学校
- 焼津市立大富小学校
- 焼津市立和田小学校
- 焼津市立港小学校
- 焼津市立黒石小学校
- 焼津市立大井川東小学校
- 焼津市立大井川西小学校
- 焼津市立大井川南小学校
幼稚園
- 焼津市立大富幼稚園
- 焼津市立和田幼稚園
- 焼津市立さつき幼稚園
- 焼津市立大井川南幼稚園
- 焼津市立静浜幼稚園
- 焼津市立静浜幼稚園下藤分園
- 焼津市立大井川西幼稚園
- 焼津幼稚園
- 新屋幼稚園
- 西町幼稚園
- 小川幼稚園
- みなと幼稚園
- 弘香幼稚園
- 暁幼稚園
- 焼津豊田幼稚園
- みやじま幼稚園
- 焼津中央幼稚園
- まどか幼稚園
- 三和幼稚園
- すみれ台幼稚園
保育所
- 市立
- 焼津市立小川保育園
- 焼津市立旭町保育園
- 焼津市立石津保育園
- 焼津市立大井川保育園
- 焼津南保育園
- 私立
- さくら保育園
- なかよし保育園
- たかくさ保育園
- ふたば保育園
- ゆりかご保育所
- 第三ゆりかご保育所
- 明星保育園
- なかよし大富保育園
航路
港湾
- 焼津漁港:遠洋漁業(マグロ、カツオ)の拠点。旧焼津漁港、旧小川漁港及び両港の中間に埋立て開発された旧焼津新港によって構成されている。
- 焼津地区 - 旧焼津魚港に相当する地区。遠洋漁業主体
- 新港地区 - 旧焼津新港に相当する地区。商業区画が多く、アクアスやいづなどもこの地区に建設されている。
- 小川地区 - 旧小川漁港に相当する地区。近海漁業主体でサバの水揚げが多い。
- 大井川漁港:桜エビ、シラス漁。また、油槽所があり、石油が陸揚げされている。
名所・旧跡
- 主な城郭
- 主な寺院
- 主な神社
- 主な史跡
- 主な遺跡
観光スポット
- 公園
- 笛吹段公園
- 栃山川自然生態観察公園
- 大井川野鳥園
- 静岡県立水産試験場
- 静岡県立焼津青少年の家
祭事・催事
- 虚空蔵尊ダルマ市と香集寺(2月23日)
- 山の手さくらまつり(2月下旬)
- 長徳寺の本開帳と例祭(2月末日)
- ビキニ・デー(3月1日)
- 藤守の田遊び(3月17日)
- 地引網(和田浜 3月中旬~10月下旬頃)
- 水天宮祭り(4月5日)
- 焼津みなとまつり・焼津みなとマラソン(4月第2日曜日)
- 大井川港朝市(4月29日)
- 静浜基地航空祭(5月下旬)
- 踊夏祭(おどらっかさい)(7月下旬)
- 焼津神社荒まつり(8月12,13日)
- 海上花火大会(8月14日)
- 子安神社の祭典(8月下旬土日)
- 吉永八幡宮の大祭(9月中旬(3年に1度))
- 上小杉八幡宮の神相撲と流鏑馬(10月10日)
- 小川港さば祭り(10月下旬~11月)
- えびす講市(栄町 西宮神社 11月19日)
名産・特産
- 八丁櫓
- 浜言葉(浜通り、独特の方言)[28]
- 弓道用具
- 焼津おでん
- 藤守の田遊び
文学
- 焼津にて(『霊の日本』の最終章)・乙吉のだるま(小泉八雲)
増田喜久撮影『和田浜海岸からの富士山』2021年2月18日。
“焼津市の財政事情”. 広報やいづ 2012年10月15号. 焼津市. 2023年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月15日閲覧。
“当初予算について”. 焼津市 (2012年4月11日). 2012年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月15日閲覧。
焼津市立焼津図書館『図書館要覧 平成20年度版』焼津市立焼津図書館、2008年
長谷川佐撮影『ビオトープ園』2020年7月21日。
原崎高行撮影『石津浜からの初日の出』2021年1月1日。
原崎高行撮影『石津浜からの初日の出』2021年1月1日。
増田貴文撮影『瀬戸川の鯉のぼり』2021年5月3日。