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日本の俳優 ウィキペディアから
村井 國夫(むらい くにお、1944年〈昭和19年〉9月20日[2][3][4] - )は、日本の俳優[5]、声優[6]。旧芸名、村井 国夫。
むらい くにお 村井 國夫 | |||||
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別名義 | 村井 国夫(旧芸名) | ||||
生年月日 | 1944年9月20日(80歳) | ||||
出生地 | 中華民国 河北省天津市 | ||||
出身地 | 日本 佐賀県佐賀市育ち | ||||
身長 | 176 cm | ||||
血液型 | A型 | ||||
職業 | 俳優・声優 | ||||
ジャンル | 映画・テレビドラマ・舞台・吹き替え | ||||
活動期間 | 1966年 - | ||||
配偶者 | 音無美紀子(1975年 - ) | ||||
著名な家族 |
村井麻友美(長女) 村井健太郎(長男) | ||||
事務所 | トム・プロジェクト | ||||
公式サイト | トム・プロジェクトによる公式プロフィール | ||||
主な作品 | |||||
映画 『野菊の墓』 『小説吉田学校』 『渚のシンドバッド』 『東京喰種 トーキョーグール【S】』 『悪と仮面のルール』 テレビドラマ 『真田太平記』 『浅見光彦シリーズ』(TBS版) 演劇 『マイ・フェア・レディ』 『レ・ミゼラブル』 『ハムレット』 『魔都夜曲』 『黄昏-On Golden Pond-』 『LITTLE WOMEN-若草物語-』 アテレコ ハリソン・フォード各種吹き替え[1] | |||||
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中国・天津市生まれ[3]、佐賀県佐賀市出身[2][3]。劇団俳優座養成所第15期生。現在の所属事務所はトム・プロジェクト(それまではキューブに所属していた[2])[7]。身長176cm、血液型はA型[2]。妻は女優の音無美紀子。2012年1月に村井国夫から村井國夫に改名(表記を旧字体に変更)した。
父の仕事の関係で第二次世界大戦中に中国・天津市に生まれる。終戦後、母に背負われて日本に引き揚げ、母の実家がある佐賀県で5人兄弟の末っ子として甘やかされて育つ[8][9]。
佐賀県立佐賀高等学校(現・佐賀県立佐賀西高等学校)卒業[3]。高校では引っ込み思案を案じた女剣劇好きの母の勧めで演劇部に入部して、本格的に役者を目指していた演劇部の1年先輩・辻萬長のもとで演劇の基礎を学び[9]、初舞台の評判がよく褒められたことで芝居漬けの生活を送って、高校卒業後には劇団俳優座養成所に入所した辻を追って上京する[8][10][11]。
1963年に劇団俳優座養成所に第15期生として入所[3]、同期生には地井武男、夏八木勲、前田吟、林隆三、小野武彦、竜崎勝、原田芳雄、高橋長英、栗原小巻、太地喜和子などがおり、後に「花の15期生」と称された[10]。劇作家の田中千禾夫や演出家の栗山昌良らのもとで学び[10]、1966年に卒業する。
劇団俳優座養成所の卒業後の1966年に東映の映画に出演し、俳優としてデビュー[8]。東映から専属契約の話もあったものの「映画より芝居」との思いから本数契約として、串田和美ら劇団俳優座養成所卒業生と1966年夏に劇団「自由劇場」の旗揚げに参加する[12]。
「劇団は食えない」として4年ほどで辞めた後[13]、元気があったテレビに活躍の場を求めて、1970年代から1980年代にかけてはテレビドラマや時代劇に出演し悪役として活躍する[12]。テレビの仕事に単調さを感じ始めた頃、養成所同期の高橋長英と太地喜和子の舞台『藪原検校』を見て「俺はテレビでいったい何をやっているんだ」と衝撃を受け、五月舎制作、木村光一演出の舞台作品へ出演するようになる[13]。
1989年には歌のレッスンとオーディションを経てジョン・ケアード演出のミュージカル『レ・ミゼラブル』にジャベール警部役で出演しバリトンの美声を響かせ、以降2001年まで13年にわたって800回以上出演を続ける[14]。『蜘蛛女のキス』ではゲイの囚人役を演じて1992年の第47回文化庁芸術祭賞を受賞する[8]。
TBSテレビの『浅見光彦シリーズ』では、浅見光彦の兄で警察庁の刑事局長・陽一郎役を第1作目から担当。2009年の第28作・『高千穂伝説殺人事件』で同役を降板[注釈 1]。光彦役が4代目の平岡祐太になった『新・浅見光彦シリーズ』の第1作『漂泊の楽人 越後〜沼津・哀しき殺人者』では、物語の重要人物にして、一連の事件の犯人である矢野隆一郎役で出演[注釈 2]。
2019年12月8日、軽度の心筋梗塞のため主演を務める劇団桟敷童子の公演『獣唄』を降板することを発表[15]。2020年1月16日から上演の『黄昏』も降板[16]。
復帰後のインタビューでは、上述した降板を機に「家族の大事さを病気で分かった」と述べ、唯一の趣味であった葉巻もやめたことも明かし「今は芝居だけが趣味みたいなものになった。これからは出演作一本一本を大事にしていきたい」との考えへと変わっていったという[17][18]。
声優としての実績も豊富で、特にハリソン・フォードの吹き替え声優として知られている[19]。長年にわたり務めていることから、日本における「フォードの分身」と言われることもあり[20]、その功績から第18回(2023年度)声優アワードでは外国映画・ドラマ賞を受賞した[21][22][23][24]。
1985年に日本テレビの『金曜ロードショー』で放映された『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』以降は、日本テレビ制作によるハリソン・フォード出演作の吹き替えを村井が担当。それまでフォードの吹き替え声優は作品ごとに変わる状況が続いていたが、村井の吹き替えは「ダンディだが軽妙さのある声が見事にはまった」と評され、繰り返しテレビ放送されたこともあり多くの視聴者に親しまれてきたことで[1]、1980〜90年代におけるフォードの専属(フィックス)声優として定着した[25][26]。中でもフォードの代表作である『インディ・ジョーンズ シリーズ』のインディアナ・ジョーンズ役は、後にリリースされる本シリーズのビデオソフト版[注釈 3]やパチンコ『CRFインディ・ジョーンズ』、東京ディズニーシーのアトラクション『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー』でも務めるなど「耳馴染みのある村井吹替」といわれるものとなっており[27]、現在も多くのファンから支持を集めている[28]。
『スター・ウォーズ』のハン・ソロ役についても村井による吹替を「決定版」と評するファンが多いものの、権利元の都合により、2023年現在もこのバージョンのソフト収録や再放送は実現には至っていない[29]。
村井は自身の声質について「親から授かった喉を練習で磨き、今の声になった」としており[30]、フォードの吹き替えに関しては「(自分の)骨格がわりと(フォードと)同じような雰囲気でしたから、声にも違和感がなかったんだと思います」と振り返っている。また、声優が得意とする演技(俗に言うアテレコ口調)を良くは思っていなかったため「普通に喋ることを重視していた」と語り、そこがフォードの容姿にハマったのかもしれないと述べた[19]。フォードについて、以前は「凄く素敵な役者ですが、あくまで『スター』であって、『上手い役者』ではありません」「彼が芝居しているヒーローの魅力を壊さないようにしつつ、演じきれていない部分を助ける」という気持ちで吹替えていたと明かしたものの、後に鑑賞した作品におけるフォードの演技を見た際に「凄く上手くなっていた。役者というのは、ちゃんと愚直にやっていけば花が開くんだと思いました」とフォードへの愛着を感じさせるコメントをし、「僕もそうなる時を期待しながらやっています」と話した[19]。また後年には、自身がフォード以外の俳優の吹き替えを殆ど行っていなかったことも村井=フォードのイメージの定着に一役買っていたのではないかと分析している[31]。
2000年代以降を境に長らくフォードを担当する機会は少なくなっていたものの、2015年の『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』では、出演者の吹き替えがフィックス(専属)声優陣でキャスティングされ、村井もフォードの声を約10年ぶりに担当した[32]。なお、共にフォードを持ち役にしている磯部勉(本作では自身の持ち役の一人であるメル・ギブソンの吹き替えを担当)は劇団の後輩にあたり、本作の収録で村井が磯部に「何で俺を呼ぶんだ、お前(磯部)が一人で(メル・ギブソンもハリソン・フォードも)やればいいじゃないか」と冗談を言うほどの仲である[33]。
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』に関しては村井による吹替が長年なく村井も心残りがあったといい、2023年に『金曜ロードショー』での放送用にて村井が吹き替える新録音版が制作されたことにはうれしさを表しており、楽しみながら情熱を持って演じることが出来たという[31][34]。
2023年公開の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では劇場公開版吹き替えで村井が起用され、SNSのトレンドに上がるなど大きな反響があった[35][36]。村井が“劇場公開版”の吹き替えでインディを担当するのは当作が初めてとなる[37]。本作に関して村井は、「絶対にやりたい」との思いから所属事務所を通じて制作会社のディズニーに自らを売り込み、後日オーディションを行ったうえで起用されたことを明かし「今回やることができたんで、すごく喜んでいます」と語っている[31]。同作は村井が再びインディ役を務めたことで吹替え版にはファミリー層まで幅広い層が劇場に詰めかけ、「インディ・ジョーンズ」シリーズを初めて劇場で観たという世代からも絶賛の声が日本では相次いでいる[38]。また、上述の『クリスタル・スカルの王国』の新録と今作への登板により同役の完遂と奪還を果たす形となった[39][40]。
「村井國夫といえばハリソン・フォードの吹き替え」というイメージが世間に定着したことについては、自身の本業は舞台役者だと思っていたことから全く意識しておらず、『運命のダイヤル』でのインディの吹き替え復帰に歓迎の声が多く寄せられるなど大きな反響を目の当たりにした際には、「あらためて多くの方がインディ・ジョーンズは村井國夫だと思ってくださっていたんだなと。すごく感激しました」と感無量であったと同時に、「かつて自身の吹き替え版で育った人たちが、映画好きになり、今でも覚えていてくださるのは本当にうれしいことです。」と周囲への感謝を述べている[31]。
また、キャラクターとしてのインディアナ・ジョーンズに対しても「若々しく、冒険心をいつまでも持っているので畏敬の念を感じる」と敬意を表しており、「飛行機に乗って落ちたりする面白さ、人間味などは、実際のフォードと共通しているのではないか」と分析している。また、インディの持つ二面性の面白さについても言及した[34]。自身が担当していない作品では、『42 〜世界を変えた男〜』での球団オーナーを演じるフォードの芝居が特に気に入っているといい、「すごく良かった。『へえ、こういう芝居をするんだ。うまくなったな』と感心してね。あれはすてきでしたね。やっぱりいい歳の取り方をしてるんだなと思いましたね」と話した[31]。
『運命のダイヤル』の公開記念舞台あいさつに登壇した際には、「40年近く前からフォードの声を何本やっているかわからないです。長く続けると呼吸がわかるんです」と遠い距離がありながらも一心同体になっていることを明かしながら、「(ハリソン・フォードと)一緒に年を取ってきた。一緒にいろんな道を歩んでこられたのはとても幸せ」と語った。そんな中同イベントでは、ハリソン・フォード本人から村井へのサプライズメッセージが届き、「國夫さん、1作目から参加していただき本当に感謝しています。日本語版インディを演じるあなたの声を聞けてうれしかった。長旅に付き合ってくれてありがとう。いつかお会いしたいです。いまはさらなる活躍をお祈りしています」などと感謝とお墨付きが伝えられた。これに村井は「突然のメッセージに感激しています。40年近いお付き合いで、僕もずっとお会いしたいと思っていたけれど、チャンスがありませんでした。でも本当にあなたと一緒にいろいろな作品ができて嬉しかった。スケールは違いますが、常に参考にしながら、何本も何本も、何回も何回も観て演技の勉強をさせていただきました。本当にありがとうございました」と感涙し、「本当に素晴らしい。もう感激で。いつまでも元気で、『インディ・ジョーンズ』は終わったとしても、また次の作品も僕が吹き替えをやらせていただきたい」と絆の深いフォードに応える形で今後への意欲を見せた[41][42][43][44][40][45][46]。
その後も村井はフォードからメッセージを貰ったことについて喜びを語っており、2024年1月に『おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR, NO LIFE!』に出演した際には「たとえ言わされているのだとしても、嬉しい」と語っている[47]ほか、第18回声優アワードの受賞式においては『インディ・ジョーンズ シリーズ』の吹き替え版で共演した小林修、納谷悟朗、内海賢二に敬意を表すると同時に「本当に感動しました。あの言葉は思い出しても涙が出るくらいに嬉しかったし、声優としても認められたんだなと感じました。僕も普段は肉体を使って舞台をやっていることがほとんどですが、声優の仕事も大好きで色々やってきました。これからも頑張ってやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします」とコメントしている[23]。
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
1度結婚・離婚を経て、現在の妻は地井の紹介で知り合った女優の音無美紀子と1975年に再婚[3]。音無との間には男女1人ずつ子がある[3]。長女の村井麻友美も女優として活動しており[3]、長男の村井健太郎も俳優として活動を始めている[48]。音無と交際を始めたとき、村井は既婚者であり、交際を知った地井武男[注釈 4]は「あれほど彼女には手を出すなと釘を刺したのに」と激怒し、一時絶縁状態に陥った。なお、音無は交際途中まで村井が既婚者であることを知らなかったという[49][50]。
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