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『隠密剣士』(おんみつけんし)は1962年10月7日から1965年3月28日までTBS系『タケダアワー』枠(毎週日曜19時からの30分枠)で全10部(計128話)に渡って放映された宣弘社プロダクション製作による大瀬康一主演の連続テレビ時代劇。忍者ブームの火付け役ともなった。1964年に東映京都で劇場用映画として2本映画化された。主演・監督はテレビ版と同じ(監督・船床定男)。
本項では、1965年4月から12月に放映された『新隠密剣士』及び1973年10月から1974年3月に放映のリメイク版『隠密剣士 突っ走れ!』も併せて記載する。
隠密剣士 | |
---|---|
ジャンル | 時代劇 |
企画 | 西村俊一 |
脚本 | 加藤泰、伊上勝、織田清司 |
監督 | 船床定男、田村正蔵、外山徹 |
出演者 |
大瀬康一 牧冬吉 天津敏 勝木敏之 ほか |
オープニング |
『隠密剣士の歌』 ひばり児童合唱団(第一部) キング児童合唱団(第二部以降) |
時代設定 | 1787年から1790年 |
製作 | |
製作総指揮 | 小林利雄 |
制作 | TBS、宣弘社プロダクション |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
第一部 隠密剣士 | |
放送期間 | 1962年10月7日 - 12月30日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送枠 | タケダアワー |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第二部 忍法甲賀衆 | |
放送期間 | 1963年1月6日 - 3月31日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第三部 忍法伊賀十忍 | |
放送期間 | 1963年4月7日 - 6月30日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第四部 忍法闇法師 | |
放送期間 | 1963年7月7日 - 9月29日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第五部 忍法風摩一族 | |
放送期間 | 1963年10月6日 - 12月29日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第六部 続 風摩一族 | |
放送期間 | 1964年1月5日 - 3月29日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第七部 忍法根来衆 | |
放送期間 | 1964年4月5日 - 6月28日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第八部 忍法まぼろし衆 | |
放送期間 | 1964年7月5日 - 10月4日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 14 |
第九部 傀儡忍法帖 | |
放送期間 | 1964年10月11日 - 12月13日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 10 |
第十部 変幻忍法帖 | |
放送期間 | 1965年1月3日 - 3月28日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
特記事項: モノクロ、16mmフィルム、30分作品。全10部(128話) |
天明7年(1787年)から寛政2年(1790年)にかけての日本各地を舞台として、江戸幕府11代将軍・徳川家斉の腹違いの兄である松平信千代(大瀬康一)が秋草新太郎と名乗り、公儀隠密として旅をしながら、世の平和を乱す忍者集団との戦いを繰り広げる作品である。
当初は主な視聴者として子供を想定しており、ひばり児童合唱団による主題歌が用いられたり、東映による漫画映画(アニメ)の集中上映期間内に本作のグッズを来館者に配付するなどの宣伝が行なわれた[注釈 1]。
第1部は蝦夷編で、アイヌ人と和人(日本人)の葛藤が描かれるなど工夫がみられるが、重厚な内容のせいか不人気であった[1][2][3]。第2部から新機軸として忍者との戦いを繰り広げることになる[4][5][6]。これにより人気が上昇した結果、視聴者層は子供だけでなく大人に広がり、最盛期には40%近い視聴率を取った[3]。本作の人気は1960年代の忍者ブームを牽引し、映画化や主演を替えてのシリーズ化などが行なわれた[6]。
内容は正統派の時代劇であり、登場するさまざまな忍者や忍術もリアリティがあるが、これらは脚本家・伊上勝のアイディアによるものが多く、本作で彼が培ったものは後年、脚本を担当した『水戸黄門』『仮面の忍者赤影』『仮面ライダー』などに活かされたとされている[4][7]。また、「忍者の刀の構え方」や「卍型の手裏剣」などは企画担当の西村俊一の考案によるもので、これも後続の忍者物ドラマなどに踏襲された[8]。さらに「水蜘蛛の術[注釈 2]」を初めて映像化した作品とされており、こうした映像によって一般的な忍者のイメージを確立したとも言われる[9][4]。制作進行の野木小四郎は、路線変更にあたって伊賀や甲賀へ赴き、忍術の研究を行ったと証言している[10]。
時代劇でありながら、数人の忍者が乗る「潜水艦」が登場したこともある[4][11]。これは江戸時代に実際に伝えられていた「龍宮舟」と呼ばれる、木造で船首と船尾に竜の頭部をあしらい、水中を進むとされた船[注釈 3]にヒントを得たもので、古文書に依拠している。
『ザ・サムライ』というタイトルで海外でも放送され、ヒットした。小林利雄によると「オーストラリアや東南アジアで絶大な人気を集めました。東南アジアではどこの国でも放映していましたよ」とのことである[13]。制作進行の浅井清は、海外版の吹替に在日米軍横田基地の関係者を集めたと証言している[14]。主人公の名前「新太郎」に基づき、オーストラリアのロックグループ「メン・アット・ワーク」は「Shintaro」という曲を歌い、この曲は1983年のシングル「It's A Mistake」のB面に収録された。
また、2012年4月に日本テレビ系列で放送されたバラエティ番組『世界まる見え!テレビ特捜部』では、当時のオーストラリアでの人気ぶりが紹介された。同国では1964年から放送が開始され、当時の大瀬康一が本作のイベントで訪れたところ、出迎えに約7千人のファンがメルボルン空港へ押しかけ、ビートルズが来た時の人気を上回るほどだったという[15]。同国では忍者の衣裳や手裏剣、プラスチック製の刀など、本作に関するグッズも発売され、その売り上げ額は現在の金額に換算すると10億ドル[15]にのぼり、その後も同国では20年以上に渡って再放送されていたという。
この節の加筆が望まれています。 |
天明7年(1787年)、老中首座と将軍輔佐役の地位についた松平定信(美川洋一郎)は、幕府の財政を建て直すために目を付けた蝦夷地の資源探索を秋草に依頼。公儀隠密が蝦夷に潜入したとの報告が江戸の藩邸から入った松前藩では、幕府に別の地へ国替えをさせられると思い込んで激怒する藩主・松前志摩守道広(立松晃)が、松前藩随一の剣客で甲源一刀流の達人・鬼場陣十郎(勝木敏之)に隠密・秋草の抹殺を命じた。秋草は、無法者や悪徳商人、アイヌの凶悪な酋長などの悪人たちに虐げられている蝦夷地の開拓民や善良なアイヌ民族たちを救いながら執拗に追って来る鬼場陣十郎と戦う。
この第一部は、秋草が馬を乗り回し、剣以外にも拳銃を武器として使用するほか、和人に搾取されるアイヌ民族を「白人に迫害されるインディアン」のように描き、西部劇タッチ[注釈 7]で重厚なストーリーが展開した[6]。しかし、評判が芳しくなかったために第二部からは秋草の武器も剣のみとなり、ストーリーも忍者との対決を中心にした物へと路線変更がなされた。
※太字の俳優は全話出演者
第一部 隠密剣士(全13話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 江戸から来た男 | 1962/10/7 | 加藤泰 | 船床定男 | 美川洋一郎、小林重四郎、立松晃、倉橋広明、山下退助、滝雅男、高峰竜三、仲野宏、長谷川美奈子、岡部秀郎、切詰武久、島一郎、西崎義孝、花沢孝男 |
2 | 決闘キリタップ | 1962/10/14 | 香山美子、中村是好、滝恵一、藤山竜一 | ||
3 | 廣野の剣風 | 1962/10/21 | 天津敏、大森俊介、三影千絵、笹川恵三 | ||
4 | 落日の仇討 | 1962/10/28 | 加藤泰 伊上勝 | 富久井一朗、赤尾関三蔵、川部修詩、牧冬吉、西朱実、立花伸定、佐藤公明、小浜幸夫、岩井錦吾、伊藤智章、清家丹三、林寛一 | |
5 | 鬼菱の砦 | 1962/11/4 | 牧冬吉、西朱実、友田輝、野口元夫、司浩二、村山英治 | ||
6 | 鯨岩の対決 | 1962/11/11 | 友田輝、筑紫あけみ、牧冬吉、泉田洋志、西朱実、滝まり子、梅澤薫、立花伸定、村山英治、友野多介 | ||
7 | 地獄谷の待伏せ | 1962/11/18 | 友田輝、藤山竜一、香山美子、泉田洋志、牧冬吉、西朱実、滝まり子、村山英治、立花伸定、高橋一郎、南知子 | ||
8 | 無頼の兄弟 | 1962/11/25 | 滝恵一 | ||
9 | 盲目の剣客 | 1962/12/2 | 天津敏、笹川恵三、中町真弓、武石昇、山木しげる、明石豊、津川伸一 | ||
10 | 混血の目撃者 | 1962/12/9 | 長谷川待子、松本染升、森幸太郎、岡田剛一、近藤英之助、野沢昌二、水原ユカリ、里見正人、瀬島政夫、安川勝人 | ||
11 | 必殺十文字流 | 1962/12/16 | 船床定男 田村正藏 | 植村謙二郎、清川新吾、松浦浪路、堀口田道、半田幸一、本郷実、林寛一 | |
12 | 帰って来た無法者 | 1962/12/23 | 伊沢一郎、富久井一郎、滝雅男、早川研吉、起田志郎、北島一郎、君島英昭、川口武、島一郎、遅沢克、堀口順一、宗川弘之、前田和子 | ||
13 | 隠密渡り鳥 | 1962/12/30 | 船床定男 | 中村竜三郎、立松晃、岬洋二、奥村公延、岩井錦吾、清家丹三、阪修、津山隆、小林清、安川勝人、西田匠美 |
幕府直轄の天領地である甲州の山の中に存在するとされる武田信玄の残した隠し金山と、それを勝手に採掘している何者かの存在を知った松平定信(美川洋一郎)は、隠密の田辺孫太夫(高松政雄)を調査に向かわせた。調査を終えた田辺が定信の元へ戻る寸前に甲賀忍者・名張左伝(高木二朗)に殺害され、秋草が現場を目撃する。隠し金山の管理者や背後の黒幕の探索を定信より依頼された秋草は、行方不明となった父の言いつけ通りに甲州の山奥から西念寺の呑海和尚を訪ねて江戸へ来た少年・馬場周作(大森俊介)と出会う。尾張徳川家からの指示で甲賀忍者が幕府を転覆させる軍資金を捻出するため、周作の父や甲州の民を拉致し、鉱夫として強制的に隠し金山で密かに採掘作業をさせていた。秋草と周作は甲武信ヶ岳に向かったが、甲州街道では甲賀竜四郎(友田輝)を頭領とする忍者集団・甲賀十三人衆が二人を待ち構えていた。
この第二部では牧冬吉が甲賀を裏切って秋草に味方する甲賀十三人衆の忍者役で3話分に出演。第一部で用心棒や剣客役で出演した天津敏も同じく甲賀十三人衆の忍者役で3話分に出演している。
※太字の俳優は全話出演者
第二部 忍法甲賀衆(全13話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 忍法変幻 | 1963/1/6 | 伊上勝 | 船床定男 | 宇佐見淳也、美川洋一郎、高木二朗、山田周平、高松政雄 |
2 | 忍法隠蓑 | 1963/1/13 | 宮川洋一、加藤精三、赤尾関三蔵、三影千絵、岸昌美、佃鉄太郎、猿渡和歌子、広田久美子 | ||
3 | 忍法千鳥鳴 | 1963/1/20 | 織田清司 | 三浦允子、田中一彦、永谷悟一、森下明、明石豊、川口武夫、近藤光正 | |
4 | 忍法空蝉 | 1963/1/27 | 伊上勝 | 牧冬吉、植村謙二郎、島一郎、佃鉄太郎 | |
5 | 忍法霞渡 | 1963/2/3 | 牧冬吉、友田輝、月岡賢二、森下明 | ||
6 | 忍法刀車 | 1963/2/10 | 牧冬吉、友田輝、小林重四郎 | ||
7 | 忍法くノ一 | 1963/2/17 | 友田輝、天津敏、上月左知子、奥村公延、阪修 | ||
8 | 忍法むささび落し | 1963/2/24 | 織田清司 | 船床定男 田村正蔵 | 天津敏、南左斗子、泉田洋志、起田志郎、近松敏夫、堀口田道、杉山健、島一郎、森下明、田村達也 |
9 | 忍法人蜘蛛 | 1963/3/3 | 伊上勝 | 中村竜三郎、天津敏、冨久井一郎、倉橋公明、野本明男、月岡志郎、司浩治 | |
10 | 忍法山彦 | 1963/3/10 | 船床定男 外山徹 | 中村竜三郎、森幸太郎、香山美子、永谷悟一、山本展靖、岡田剛一、及川力 | |
11 | 忍法夢幻 | 1963/3/17 | 織田清司 | 船床定男 | 友田輝、滝恵一、里木三郎、渡真二、桔梗恵二郎、津山隆、森下明 |
12 | 忍法燕隠れ | 1963/3/24 | 江見俊太郎、北島一男、森良介、山木しげる | ||
13 | 忍法まんじ凧 | 1963/3/31 | 伊上勝 | 友田輝、中野宏、森下明、岩井錦吾、川口武夫、切詰武久、木南清 |
天明8年(1788年)の大火で焼失した京の禁裏(御所)の再建に関する政治工作で朝廷に急接近し、さらに将軍・家斉の実家である一橋徳川家に不利な弱みも握り、家斉に将軍退位を迫って将軍職を奪取しようと目論む徳川御三家のひとつ・尾張徳川家。その不穏な動きを警戒した松平定信(大宮敏)は、尾張藩の陰謀を阻止して家斉の立場を守るため家来を引き連れて京坂巡視の旅へ出たが、尾張藩より定信暗殺の密命を帯びた百々地源九郎(勝木敏之)を頭領とする忍者集団・伊賀十忍が道中で定信の命を狙って待ち構える。秋草は霧の遁兵衛(牧冬吉)ら伊賀同心の中から選りすぐられた9人の忍者と共に定信の警護をしながら東海道を舞台に伊賀十忍と戦う。
※太字の俳優は全話出演者
第三部 忍法伊賀十忍(全13話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 伊賀隠形陣 | 1963/4/7 | 伊上勝 | 船床定男 | 宇佐美淳、木崎豊、大宮敏、笹川恵三、湊俊一、渡真二、野口元夫、早川研吉、桔梗恵二郎、山岡淳一、森下明、司浩二 |
2 | 伊賀天兵陣 | 1963/4/14 | 大宮敏、早川研吉、山岡淳一、山田正章、若山みち子、渡真二、阪修、桔梗恵二郎、伊藤智章 | ||
3 | 伊賀陽炎陣 | 1963/4/21 | 船床定男 | 天津敏、大宮敏、津山幸子、中町真弓、早川研吉、桔梗恵二郎、渡真二、伊藤智章、森下明、岩井錦吾、司浩二、山下退助、阪修、奥村公延 | |
4 | 伊賀方円陣 | 1963/4/28 | 船床定男 外山徹 | 天津敏、早川研吉、阪修、奥村公延、司浩二、渡真二、森下明、岩井錦吾、伊藤智章、桔梗恵二郎、大宮敏 | |
5 | 伊賀車掛陣 | 1963/5/5 | 船床定男 | 沢阿由美、大友純、山田晴生、渡真二、早川研吉、二見忠男、峰恵研、沢りつお、岸昌美、半田幸一、林寛一、岩井錦吾 | |
6 | 伊賀火焔陣 | 1963/5/12 | 天津敏、沢阿由美、奥村公延、森下明、大野紀久雄、高畑丈也、勝俣富美夫 | ||
7 | 伊賀地遁陣 | 1963/5/19 | 天津敏、沢阿由美、海野かつを、北島一男、高田健二、渡真二、桔梗恵二郎、伊藤智章、森下明、岩井錦吾 | ||
8 | 伊賀内縛陣 | 1963/5/26 | 天津敏、三島謙、海野かつを、暁五郎、渡真二、奥村公延、石川怜、松方信、中江真司、井上常雄、桔梗恵二郎、森下明、岩井錦吾、伊藤智章 | ||
9 | 伊賀両翼陣 | 1963/6/2 | 天津敏、金井修、大宮敏、海野かつを、桔梗恵二郎、奥村公延、森下明、中村弥生、峰阿矢、岩井錦吾、伊藤智章、長島光男、吉村寿美子、渡真二 | ||
10 | 伊賀蝙蝠陣 | 1963/6/9 | 天津敏、三島謙、大竹保、石川竜二、灰地順、種村正、梅沢薫、安田隆久 | ||
11 | 伊賀飛猿陣 | 1963/6/16 | 天津敏、三島謙、大竹保、石川竜二、灰地順、種村正、梅沢薫、安田隆久、森正樹、橋田勝 | ||
12 | 伊賀破城陣 | 1963/6/23 | 天津敏、高橋正夫、灰地順、渡真二、森下明、青柳寿恵、矢内茂、橋田勝 | ||
13 | 伊賀八門陣 | 1963/6/30 | 大宮敏、灰地順、渡真二、種村正、森下明、安田隆久、梅沢薫 |
甲賀白雲斉(小林重四郎)を頭領とする甲賀忍者集団・闇法師の忍者・いざないの夢助(加藤精三)が江戸の商家を次々と襲撃。治安を悪化させて幕府の評判を落とし、将軍家斉を失脚させて尾張藩から次の将軍を出そうという尾張徳川家の陰謀だった。2年前に松平定信(大宮敏)の命令で尾張藩に潜入して行方不明になっていた伊賀同心・大月五郎太(江田島隆)が瀕死の重傷を負いながらも箱根から江戸へ帰る途中の秋草に出会って闇法師の存在を知らせる。第三部に登場して秋草に右腕を義手にさせられた『伊賀十忍』の生き残り・水口幻斉(天津敏)も闇法師の助っ人として再登場。闇法師と尾張藩を陰から動かしている黒幕・闇の御隠居は、幕府政策に批判的な全国の譜代大名に呼びかけ、尾張徳川家に賛同する連判状に名を連ねさせて全国の大名が顔を揃える日光東照宮での徳川家康大法要の席上で連判状を盾に家斉の将軍退位を迫る計画を企み、密かに中山道を進む。秋草は闇の御隠居と甲賀白雲斉を追って霧の遁兵衛や周作少年らと共に中山道と尾張を舞台に『闇法師』と戦う。
※太字の俳優は全話出演者
第四部 忍法闇法師(全13話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 死霧の忍者 | 1963/7/7 | 伊上勝 | 船床定男 | 天津敏、岸正子、大宮敏、江田島隆、相原巨介、加藤精三、岡田剛一、井上常雄、若杉幸司、香島洋司 |
2 | おぼろの忍者 | 1963/7/14 | 船床定男 外山徹 | 天津敏、大宮敏、笹川恵三、湊俊一、野口元夫、赤尾関三蔵、伊藤正博、守田比呂也、岡田剛一、井上常雄、秋津啓介、岩城大 | |
3 | 分身の忍者 | 1963/7/21 | 天津敏、岸正子、緒方敏也、須永恒、木南清、阿宗修一、豊野祥、高倉英二、、森下明 | ||
4 | 流れ星の忍者 | 1963/7/28 | 小林重四郎、森下明 | ||
5 | 葉隠れの忍者 | 1963/8/4 | 船床定男 | 小林重四郎、天津敏、岸正子、伊海田弘、井上常雄 | |
6 | 羽衣の忍者 | 1963/8/11 | 船床定男 外山徹 | 小林重四郎、天津敏、浮田左武郎、真弓田一夫、守田比呂也、森槙子、橋田勝 | |
7 | あやつりの忍者 | 1963/8/18 | 小林重四郎、天津敏、本間孫次、森下明、豊野祥、高倉英二 | ||
8 | 霞の忍者 | 1963/8/25 | 船床定男 田村正蔵 | 小林重四郎、天津敏、滝恵一、広田進司、大井潤、山下退助、石川秀和、春日寛子 | |
9 | 飛猿の忍者 | 1963/9/1 | 小林重四郎、大川太郎、青柳美枝子、橋田勝、佃鉄太郎、森下明 | ||
10 | 紅蓮の忍者 | 1963/9/8 | 船床定男 外山徹 | 小林重四郎、天津敏、青柳美枝子、森下明、豊野祥次、高倉英二 | |
11 | 変化の忍者 | 1963/9/15 | 天津敏、青柳美枝子、加茂喜久、鈴木志郎、武石昇、三戸部輝、梅沢薫、金戸秀男 | ||
12 | 閃影の忍者 | 1963/9/22 | 船床定男 田村正蔵 | 小林重四郎、天津敏、青柳美枝子、立川雄三、長谷川晴男、石川秀和、小畑一夫、坂巻ひとみ | |
13 | 十三人目の忍者 | 1963/9/29 | 小林重四郎、天津敏、青沼三郎、高杉哲平、根本好章 |
風摩小太郎(天津敏)を頭領とする小田原の風摩一族の忍者が二日連続で江戸城内に侵入。警備に当たっていた伊賀同心の忍者たちを殺害し、吹上御庭の井戸から『水虎の鏡』を奪い去った。水虎・風雷・火竜の3つの鏡を揃えると北条早雲の残した黄金百万枚の隠し場所がわかるという。風雷の鏡は相州屋の娘・香(岸久美子)の元にあり、火竜の鏡は小田原の尼僧・光信女(三影千絵)の元にあった。風摩一族の再興を目指し、黄金百万枚を手に入れるために残る2つの鏡を狙う風摩小太郎。江戸から小田原を舞台に、三つの鏡と宝の行方を追って秋草と遁兵衛、伊賀同心が風摩一族と戦う。第二部から第四部まで敵忍者の副リーダー格を演じてきた天津敏がこの第五部で頭領役に昇格した。
※太字の俳優は全話出演者
第五部 忍法風摩一族(全13話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 忍秘風摩剣 | 1963/10/6 | 伊上勝 | 船床定男 | 天津敏、大森俊介、赤尾関三蔵、里木三郎、三枝陽子、桔梗恵二郎、種村正、森下明、井上常雄 |
2 | 忍秘瞳術 | 1963/10/13 | 天津敏、大森俊介、岸久美子、赤尾関三蔵、阿宗俊一、大塚孝、森下明、井上常雄、豊野祥次 | ||
3 | 忍秘水龍陣 | 1963/10/20 | 外山徹 | 天津敏、大森俊介、岸久美子、西島悌四郎、赤尾関三蔵、森三平太、阿宗俊一、大塚孝、森下明、豊野祥次 | |
4 | 忍秘双忍構 | 1963/10/27 | 天津敏、赤尾関三蔵、岸久美子、森三平太、阿宗俊一、大塚孝、滝川経王、橋田勝、森下明、豊野祥次 | ||
5 | 忍秘傀儡師 | 1963/11/3 | 船床定男 | 天津敏、佐賀直子、西島悌四郎、森三平太、野本明男、小倉雄三、五十嵐龍二、赤尾関三蔵 | |
6 | 忍秘燕道人 | 1963/11/10 | 天津敏、大森俊介、佐賀直子、森幸太郎、三影千絵、赤尾関三蔵、野本明男、須貝由利枝 | ||
7 | 忍秘呪術者 | 1963/11/24 | 天津敏、大森俊介、佐賀直子、野口元夫、佐藤一郎、関みどり、赤尾関三蔵、島一郎、石川秀和 | ||
8 | 忍秘白老鬼 | 1963/11/24 | 外山徹 | 天津敏、大森俊介、佐賀直子、野口元夫、佐藤一郎、関みどり、赤尾関三蔵、三影千絵 | |
9 | 忍秘忍び狩 | 1963/12/1 | 天津敏、大森俊介、宮川洋一、森幸太郎、朝戸正明、森山周一郎、滝雅男、川上正夫、赤尾関三蔵、高杉哲平 | ||
10 | 忍秘忍び無惨 | 1963/12/8 | 天津敏、大森俊介、宮川洋一、森幸太郎、朝戸正明、森山周一郎、赤尾関三蔵、森三平太、高杉哲平、秋山要之助 | ||
11 | 忍秘陽炎 | 1963/12/15 | 船床定男 | 大森俊介、冬木京三、小藤田正一、森下明、豊野祥次、高倉英二、馬鳥哲広 | |
12 | 忍秘伊賀忍 | 1963/12/22 | 天津敏、大森俊介、佐賀直子、赤尾関三蔵、伊達京史、森三平太、森下明、豊野祥次、高倉英二 | ||
13 | 忍秘袋返し | 1963/12/29 | 天津敏、佐賀直子、伊達京史、赤尾関三蔵、森三平太 |
秋草たちは三つの鏡を揃えて目的地の江の島の洞窟に来たが、そこに宝はなく、隠し場所を示す絵地図を新たに発見する。それを頼りに改めて北条家の黄金百万枚を探す旅に出た秋草たちの前に、全滅したと思われていた風摩一族が立ちはだかった。風摩小太郎(天津敏)は新たに風摩十人衆を呼び寄せ、秋草の持つ宝の絵地図を狙う。絵地図に記された風の砦・水の城・火の櫓と舞台を移し、八王子、甲州路、相州路などを廻りながら黄金百万枚をめぐって秋草と風摩一族の戦いが続く。
※太字の俳優は全話出演者
第六部 続 風摩一族(全13話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 忍者梟甚九郎 | 1964/1/5 | 伊上勝 | 船床定男 | 大森俊介、北島一男、佐賀直子、森下明、豊野健志、高倉英二 |
2 | 忍者白蝋玄鬼 | 1964/1/12 | 大森俊介、大塚孝、堺新太郎、大沢新吾、小倉雄二、森下明、高倉英二、市村堯 | ||
3 | 忍者蝦蟇の太郎佐 | 1964/1/19 | 外山徹 | 大森俊介、大友純、佐賀直子、森下明、豊野祥次、馬鳥哲広、高倉英二 | |
4 | 忍者蝙蝠伝内 | 1964/1/26 | 大森俊介、佐賀直子、中江隆介、上田美由起、穂高稔、森下明、豊野祥次、馬鳥哲広、高倉英二 | ||
5 | 忍者風摩くノ一 | 1964/2/2 | 大森俊介、一ノ木真弓、城健太郎、森下明、豊野祥次、橋田勝、高倉英二 | ||
6 | 忍者変幻黒風斉 | 1964/2/9 | 大森俊介、植村謙二郎、中町真弓、高倉英二、森下明 | ||
7 | 忍者伊賀の才蔵 | 1964/2/16 | 船床定男 | 中村竜三郎、佐賀直子、金沢重勝 | |
8 | 忍者朧と一党 | 1964/2/23 | 中村竜三郎、佐賀直子、高倉英、森下明 | ||
9 | 忍者まぼろし源内 | 1964/3/1 | 大森俊介、赤尾関三蔵、三影千絵、岡田剛一、佐賀直子、森下明、豊野祥次、高倉英二 | ||
10 | 忍者鬼頭坊 | 1964/3/8 | 赤尾関三蔵、佐賀直子、高松政雄、灰地順、三影千絵、新草恵子、小倉雄二 | ||
11 | 忍者眠の黒丸 | 1964/3/15 | 外山徹 | 大森俊介、早川研吉、佐賀直子、高松政雄、薬王子忠、小藤田正一 | |
12 | 忍者疾風弥平次 | 1964/3/22 | 伊達京史、高松政雄、中野清、市村堯、高倉英二、豊野祥次、森下明 | ||
13 | 忍者風摩小太郎 | 1964/3/29 | 大森俊介、三影千絵、佐賀直子、森下明、豊野祥次、高倉英二、小藤田正一 |
徳川御三家のひとつ・紀州徳川家の江戸家老の内藤大学(武藤英司)が、根来忍者の頭領・牙竜道士(吉田義夫)に命じて病に臥せっていた藩主・紀伊中納言を祈祷で呪い殺させた。内藤は紀伊中納言の幼い次男・吉綱を新たな藩主に擁立しようと企み、吉綱の後見人となって紀州藩を我が物にする計画を実行するため、世継ぎの対立候補である長男・紀伊頼方(添田武利)の暗殺を牙竜道士に命じる。その陰謀を察知した紀州藩の国家老・織部飛騨守(青野平義)は、配下の紀州流忍者・紀州組の7人に頼方の護衛を命じた。牙竜道士は内藤を利用して吉綱を藩主にさせた後、家斉を暗殺して吉綱を将軍にし、陰から天下を操ろうと企んでいた。松平定信より密かに依頼を受けた秋草は、霧の遁兵衛と共に紀州家の跡目相続をめぐるお家騒動に乗り出して織部飛騨守と紀州組に味方。遁兵衛の師匠で伊賀の里に住む上忍・名張半太夫(小林重四郎)の力も借りて根来忍者と対決する。全十部の中でこの第七部のみ天津敏が未出演。
※太字の俳優は全話出演者
第七部 忍法根来衆(全13話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 隠形鬼眼法師 | 1964/4/5 | 伊上勝 | 外山徹 | 吉田義夫、高橋正夫、青野平義、武藤英司、陶隆、里木三郎、桔梗恵二郎、灰地順、川俣典子、川副博敏、後藤陽吉、大塚孝、添田武利 |
2 | 無惨也幻妖斉 | 1964/4/12 | 吉田義夫、高橋正夫、武藤英司、陶隆、里木三郎、桔梗恵二郎、灰地順、後藤陽吉、川副博敏、森下明、大塚孝 | ||
3 | 忍法果し状 | 1964/4/19 | 陶隆、灰地順、北見治一、里木三郎、桔梗恵二郎、川副博敏、大塚孝、後藤陽吉、古谷徹、豊野健志、高倉英二、森下明 | ||
4 | 闇と云う名の忍者 | 1964/4/26 | 船床定男 | 吉田義夫、武藤英司、若山弦蔵、津田まり子、古谷徹、後藤陽吉、森下明、高倉英二、豊野健志 | |
5 | 影衣蔵人の忍法 | 1964/5/3 | 吉田義夫、若山弦蔵、古谷徹、桔梗恵二郎、里木三郎、川副博敏、後藤陽吉、大塚孝、森下明、高倉英二、豊野健志 | ||
6 | 根来忍法不動縄 | 1964/5/10 | 吉田義夫、武藤英司、北島一男、青野平義、陶隆、古谷徹、里木三郎、後藤陽吉、大塚孝、川副博敏、添田武利 | ||
7 | 忍者死神の挑戦 | 1964/5/17 | 外山徹 | 吉田義夫、江見俊太郎、青野平義、陶隆、里木三郎、川副博敏、後藤陽吉、大塚孝、添田武利、豊野健志、高倉英二、森下明 | |
8 | 忍法生仏 | 1964/5/24 | 江見俊太郎、陶隆、後藤陽吉、大塚孝、里木三郎、森下明、高倉英二、馬鳥哲広、豊野健志 | ||
9 | 般若面の忍者 | 1964/5/31 | 立川雄三、陶隆、小沢ひろ子、森下明、高倉英二、馬鳥哲広、豊野健志 | ||
10 | 鬼眼法師最後 | 1964/6/7 | 名和宏、吉田義夫、陶隆、坂主充子、小沢ひろ子、豊野健志、高倉英二、馬鳥哲広、森下明 | ||
11 | 姿なき根来者 | 1964/6/14 | 船床定男 | 吉田義夫、滝雅男、奥村公延、森三平太、里見たかし、森下明、豊野健志、馬鳥哲広、高倉英二 | |
12 | 根来忍三兄弟 | 1964/6/21 | 小林重四郎、吉田義夫、伊達京史、種村正、渡真二、里見たかし、森下明、滝まり子 | ||
13 | 変幻牙竜道士 | 1964/6/28 | 小林重四郎、吉田義夫、滝まり子、井上常雄、森下明、石見栄、豊野健志、馬鳥哲広、高倉英二 |
松平定信(加賀邦男)の江戸屋敷に甲賀のまぼろし谷から来たまぼろし衆と名乗る7人の甲賀忍者が出現。まぼろし衆は定信に招かれたと言うが定信には心当たりがない。定信の身辺警護をする伊賀忍者たちを腕試しとばかり簡単に倒して定信の屋敷を後にしたまぼろし衆の前に、甲賀五十三家筆頭忍者・甲賀の金剛(天津敏)が現われ、まぼろし衆を江戸に招いたのは暗闇の御大老だと告げる。定信に個人的な恨みを持つ暗闇の御大老は、定信の腹心の奉行たちや幕府御用達の豪商、そして秋草と霧の遁兵衛をも含む総勢21名の暗殺を金剛とまぼろし衆に命じた。狙いは定信を孤立させて失脚に追い込むこと。目付役筆頭がまぼろし衆に暗殺される現場に出くわした秋草は、遁兵衛や伊賀同心三ノ組の忍者たちと協力して暗殺計画を阻止するべく、江戸を舞台に甲賀の金剛やまぼろし衆と対決する。
この第八部では東映京都撮影所が使われた関係で、東映京都の大部屋俳優も多数出演している。物語は第13話で完結し、第14話は秋草と周作を伊賀の里へ案内した霧の遁兵衛が、10年前の忍者としての初仕事を回想シーンを交えて周作に語る番外編エピソードとなっている[21]。
※太字の俳優は全話出演者
第八部 忍法まぼろし衆(全14話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 七人の忍者 | 1964/7/5 | 伊上勝 | 外山徹 | 天津敏、大森俊介、加賀邦男、団徳麿、小林重四郎、中野清、川路誠、霧島八千代、相原昇、鶴岡淳一、菅原俊夫、壬生新太郎、木村浩、川浪公次郎、那須伸太朗 |
2 | 忍び暗殺帳 | 1964/7/12 | 天津敏、大森俊介、団徳麿、小林重四郎、川路誠、霧島八千代、相原昇、鶴岡淳一、川浪公次郎、中野清 | ||
3 | 忍者闇里弾正 | 1964/7/19 | 外山徹 | 大森俊介、霧島八千代、波多野博、川浪公次郎、原京市、森下明、豊野健志、高倉英二、宮城幸生 | |
4 | 破幻坊参上 | 1964/7/26 | 天津敏、小林重四郎、団徳麿、霧島八千代、川路誠、相原昇、鶴岡淳一、唐沢民賢、高並功、関根英二郎 | ||
5 | 忍法遺恨 | 1964/8/2 | 天津敏、大森俊介、小林重四郎、川路誠、霧島八千代、相原昇、鶴岡淳一、森下明 | ||
6 | 不死身の伝斉 | 1964/8/9 | 天津敏、大森俊介、小林重四郎、鶴岡淳一、相原昇、霧島八千代、東竜子、三井由紀子、森下明、豊野健志、高倉英二、宮城幸生 | ||
7 | 茜部一無の死 | 1964/8/16 | 天津敏、大森俊介、相原昇、鶴岡淳一、森孝太郎、森下明、高倉英二、豊野健志 | ||
8 | 忍び名は影陽 | 1964/8/23 | 天津敏、大森俊介、牧冬吉、小林重四郎、早川研吉、西島悌四郎、霧島八千代、岸昌美、南條秋子、橋田勝、島一郎、緒方敏也、森下明、豊野健志、渡辺芳雄、高倉英二 | ||
9 | 甲賀の金剛 | 1964/8/30 | 天津敏、大森俊介、小林重四郎、瑳川哲朗、霧島八千代、小倉雄三、多田幸雄、森田昌宏、若松怜二、石津康彦、森下明、高倉英二、馬鳥哲広、豊野健志 | ||
10 | 或る忍者の掟 | 1964/9/6 | 天津敏、大森俊介、小林重四郎、霧島八千代、沢阿由美、植村謙二郎、豊野健志、高倉英二、渡辺芳雄、森下明 | ||
11 | くの一競い | 1964/9/13 | 天津敏、大森俊介、小林重四郎、沢阿由美、霧島八千代、森下明、豊野健志、高倉英二 | ||
12 | 伝斉かげばしり | 1964/9/20 | 天津敏、小林重四郎、若宮隆二、霧島八千代、平林章三、豊野健志、森下明 | ||
13 | 甲賀五遁陣 | 1964/9/27 | 天津敏、小林重四郎、森孝太郎、若宮隆二、林寛一、菊地竜志、森下明、瀬島政夫、高倉英二、馬鳥哲広、渡辺芳雄、豊野健志 | ||
14 | 忍者ものがたり | 1964/10/4 | 船床定男 | 大森俊介、高松政雄、倉橋宏明、森下明、渡辺芳雄、馬鳥哲広 |
松平定信(加賀邦男)に命じられて抜け荷疑惑のある九州肥前・不知火藩へ潜入した霧の遁兵衛ら伊賀同心三ノ組の忍者3人が消息を絶つ。遁兵衛の身を案じた秋草は九州へ向かうが、不知火藩では忍者集団・傀儡忍者の頭領・黒風堂幻心(大竹タモツ)が、幕府に敵対心を持つ藩主・不知火雅楽頭(森山周一郎)を操って抜け荷で儲けた資金を元手に大量の武器弾薬を手に入れさせ、武力による幕府転覆を企んでいた。不知火藩へ潜入した秋草は、抜け荷の仕事を手伝わされていた隠れ切支丹たちを助け、黒風堂幻心や傀儡四天王と対決。秋草の命を狙う傀儡忍者、秋草を自身の手で倒すべく九州に乗り込んで黒風堂幻心とも敵対する甲賀の金剛(天津敏)、そして秋草と、三つ巴の戦いが繰り広げられる。
※太字の俳優は全話出演者
第九部 傀儡忍法帖(全10話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 謎の傀儡師 | 1964/10/11 | 伊上勝 | 船床定男 | 天津敏、大森俊介、高木新平、小倉雄三、野口元夫、高杉哲平、森下明、荻健司、安田隆久、竹内五郎、加賀邦男 |
2 | 復讐鬼金剛 | 1964/10/18 | 天津敏、高木新平、長まどか、三影千絵、森下明、渡辺芳雄、馬鳥哲広 | ||
3 | 忍師黒風堂幻心 | 1964/10/25 | 天津敏、大竹タモツ、笹川恵三、高木新平、川路誠、森山周一郎、高杉哲平、森下明、渡辺芳雄、馬鳥哲広 | ||
4 | 闇蔵変化 | 1964/11/1 | 天津敏、山岡徹也、高杉哲平、川路誠、高木新平、倉橋宏明、森下明、桐山明子 | ||
5 | 忍法合戦 | 1964/11/8 | 天津敏、大竹タモツ、山岡徹也、高杉哲平、川路誠、高木新平、倉橋宏明、森下明、桐山明子 | ||
6 | 傀儡忍四天王 | 1964/11/15 | 外山徹 | 山岡徹也、北原しげみ、川路誠、高木新平、倉橋宏明、森下明、桐山明子 | |
7 | 幻心万華鏡 | 1964/11/22 | 大竹タモツ、笹川恵三、北原しげみ、森山周一郎、森下明、渡辺芳雄、馬鳥哲広 | ||
8 | 道伯虚影 | 1964/11/29 | 天津敏、大竹タモツ、高木新平、笹川恵三、山岡徹也、川路誠、北原しげみ、森山周一郎 | ||
9 | 十六夜忍法 | 1964/12/6 | 天津敏、山岡徹也、川路誠、倉橋宏明、桐山明子 | ||
10 | 傀儡まんじ | 1964/12/13 | 天津敏、大竹タモツ、川路誠、北原しげみ、笹川恵三、森山周一郎、倉橋宏明、桐山明子 |
寛政2年(1790年)、江戸城の一部や市中で付け火による火災が頻発。遁兵衛の住む伊賀組屋敷も火災に遭い、忍び入った忍者に遁兵衛の同僚の左平内(川副博敏)が自害に見せかけて殺害された。忍び七十三流のひとつである白山流の忍者・錣甚五佐(牧田正嗣)の仕業だった。その後も甲州流・戸隠流など、秋草の命を狙う『忍び七十三流の末裔』である各流派の忍者たちが次から次へと現れて秋草に勝負を挑んで来る。これらの忍者たちを裏で操る甲賀の金剛(天津敏)は、七十三流の忍者たちを競わせてその実力を幕府に不満を持つ諸大名に誇示し、それぞれを召し抱えさせて世の中を再び忍者たちが存分に能力を発揮できる戦乱の時代にしようとしていた。秋草と遁兵衛は七十三流の忍者たちと対決するため、中山道から甲州街道へと旅を続ける。終盤では、秋草の命の他に忍者の頂点に立つ金剛の命と地位も狙う幻流忍者・瞳太郎坊(外山高士)が暗躍し、秋草・金剛・太郎坊の三つ巴の戦いが展開される。
※太字の俳優は全話出演者
第十部 変幻忍法帖(全13話) | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 白山流錣其五佐 | 1965/1/3 | 伊上勝 | 外山徹 | 大森俊介、牧田正嗣、平野元、川副博敏、大宮敏、友野多介、溝上昇、市村堯、宝達晃一 |
2 | 甲州流隠岐仙蔵 | 1965/1/10 | 大森俊介、幸田宗丸、大宮敏、宝達晃一 | ||
3 | 戸隠流黒髪玄達 | 1965/1/17 | 天津敏、保科三良 | ||
4 | 白雲流鳴子一伝 | 1965/1/24 | 天津敏、森孝太郎、金子勝美、森下明、渡辺芳雄、馬鳥哲広 | ||
5 | 能登流一色道順 | 1965/1/31 | 植村謙二郎、小倉雄三、種村正、森三平太、森下明、渡辺芳雄、馬鳥哲広 | ||
6 | 幻夢流朧霧丸 | 1965/2/7 | 天津敏、鹿島信哉、高畑文也、森下明、渡辺芳雄、馬鳥哲広 | ||
7 | 忍甲流かげろう党 | 1965/2/14 | 天津敏、磯野千鳥、鹿島信哉、森下明、渡辺芳雄、馬鳥哲広 | ||
8 | 伊賀流霧の遁兵衛 | 1965/2/21 | 天津敏、磯野千鳥、鹿島信哉、北見治一、野間一江、渡辺芳雄、馬鳥哲廣、森下明 | ||
9 | 黒墨流鬼面道人 | 1965/2/28 | 天津敏、江見俊太郎、山本昌平、森下明、小島和男、馬鳥哲廣 | ||
10 | 幻流瞳太郎坊 | 1965/3/7 | 江見俊太郎、外山高士、山本昌平、石見栄、馬鳥哲廣、森下明 | ||
11 | 無影流占部左 | 1965/3/14 | 天津敏、外山高士、左右田一平、林寛一、浅田安彦、森下明、安川勝人 | ||
12 | 夕霞流卍黒尉 | 1965/3/21 | 天津敏、外山高士、北島一男、森下明、小島和男、馬鳥哲廣 | ||
13 | 甲賀流金剛 | 1965/3/28 | 天津敏、外山高士、大森俊介、佐賀直子、三影千絵 |
1964年に東映京都の制作により大瀬康一の主演で2作品が制作された。1作目『隠密剣士』はテレビ版の第6部放映中に、2作目『続隠密剣士』は第8部放映中にそれぞれ公開され、2作目のストーリーはテレビ版の第5部「忍法風摩一族」をベースにしている。
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新隠密剣士 | |
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ジャンル | 時代劇 |
企画 | 西村俊一 |
脚本 | 伊上勝 |
監督 | 船床定男、外山徹 |
出演者 |
林真一郎 牧冬吉 白鳥みづえ 二宮秀樹 高塔正康 原健策 天津敏 加賀邦男 ほか |
オープニング | 『秘影』 春日八郎 |
製作 | |
製作総指揮 | 小林利雄 |
制作 | TBS、宣弘社プロダクション |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
第一部 忍秘影一族 | |
放送期間 | 1965年4月4日 - 6月26日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送枠 | タケダアワー |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第二部 忍法薩摩秘帖 | |
放送期間 | 1965年7月4日 - 9月26日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
第三部 黒潮忍法帖 | |
放送期間 | 1965年10月3日 - 12月26日 |
放送時間 | 日曜19:00 - 19:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 13 |
特記事項: モノクロ、16mmフィルム、30分作品。全3部(全39回) |
大瀬康一版が終了した翌週から林真一郎を主演に据えて新たにスタートした新作。1965年4月4日から12月26日までTBS系『タケダアワー』枠(毎週日曜19時からの30分枠)で全3部(計39話)に渡って放送された。
薩摩藩の公儀隠密で薩摩の影一族の若き頭領でもある影信之介が、様々な悪の忍者集団と戦う。本作品では主人公も忍者という設定となり[22]、忍者アクションの見せ場もさらに強化された。主人公は交代したが、牧冬吉演じる霧の遁兵衛は引き続き登場する[22][23]。
放映前日に番組チェックを行っていた宣弘社の渡辺邦彦は、背景にバスが映り、数コマをアップに差し替えたことがあったと証言している[24][19]。
当初は1966年3月まで放送される予定であったが、人気低迷により3クールで打ち切られ、放送枠が決まっていなかった『ウルトラQ』がタケダアワーで放送されることとなった[25][26]。本作品の終了を報じた東京新聞1965年10月7日号では、「前シリーズからのマンネリ」「忍者ブームの下火」「主演俳優の交替」を人気が低迷した原因に挙げている[26]。
※太字の俳優は全話出演者
新隠密剣士 第一部 忍秘影一族 | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 影の剣士 | 1965/4/4 | 伊上勝 | 船床定男 | 里木三郎、田中一、起田志郎、島一郎、根本好章、伊藤達、北村勝造、寺坂繁治、馬鳥哲廣 |
2 | 阿蘇八天狗 | 1965/4/11 | 高塔正康、岩城力也、起田志郎、小松原薫、北村勝造、寺坂繁治、馬鳥哲廣 | ||
3 | 影銅斉の最期 | 1965/4/18 | 高塔正康、明石潮、渡真二、灰地順、種村正、北村勝造、寺坂繁治、馬鳥哲廣 | ||
4 | 影流虚影身 | 1965/4/25 | 白鳥みずえ、高塔正康、二宮秀樹、灰地順、渡真二、森幹太、北村勝造、寺坂繁治 | ||
5 | 五郎坊火焔陣 | 1965/5/2 | 白鳥みずえ、原健策、灰地順、渡真二、二宮秀樹、北村勝造、寺坂繁治 | ||
6 | 変化術法 | 1965/5/9 | 高塔正康、原健策、白鳥みずえ、渡辺高光、二宮秀樹、田中一、北村勝造、筈見純 | ||
7 | 丹波幻術 | 1965/5/16 | 高塔正康、白鳥みずえ、瑳川哲朗、佐藤一郎、二宮秀樹、田中一、北村勝造、筈見純 | ||
8 | 次郎坊分身術 | 1965/5/23 | 高塔正康、白鳥みずえ、灰地順、瑳川哲朗、二宮秀樹、田中一、北村勝造、筈見純 | ||
9 | 鬼念坊蜘蛛絡み | 1965/5/30 | 高塔正康、田中一、野口元夫、小倉雄三、寺坂繁治、中津間淳史 | ||
10 | 双忍術法 | 1965/6/6 | 小林重四郎、小倉雄三、嵯川哲朗、桐山明子、田中一、寺坂繁治、中津間淳史、馬鳥哲廣 | ||
11 | 忍び屋敷 | 1965/6/13 | 高塔正康、白鳥みずえ、二宮秀樹、嵯川哲朗、筈見純、寺坂繁治、北村勝造 | ||
12 | 阿蘇忍法自縛円 | 1965/6/20 | 高塔正康、白鳥みずえ、北村勝造、瑳川哲朗、寺坂繁治、中津間淳史、馬鳥哲廣 | ||
13 | 地獄の使者 | 1965/6/27 | 高塔正康、白鳥みづえ、瑳川哲朗、北村勝造、二宮秀樹、寺坂繁治、中津間淳史、馬鳥哲廣 |
※太字の俳優は全話出演者
新隠密剣士 第二部 忍法薩摩秘帖 | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 黒い集団 | 1965/7/4 | 伊上勝 | 外山徹 | 白鳥みづえ、原健策、鷹塔正泰、二宮秀樹、森幸太郎、工藤堅太郎、湊俊一、宮匡男、寺坂繁治、北村勝造 |
2 | 二人遁兵衛 | 1965/7/11 | 鷹塔正泰、白鳥みづえ、工藤堅太郎、二宮秀樹、立川雄三、北村勝造、寺坂繁治、中津間淳史 | ||
3 | 蓑虫破術 | 1965/7/18 | 鷹塔正泰、工藤堅太郎、浅香春彦、北村勝造、中津間淳史、寺坂繁治 | ||
4 | 韋駄天術法 | 1965/7/25 | 船床定男 | 鷹塔正泰、原健策、浅香春彦、滝雅男、桐山明子、滝まり子、森良介、寺坂繁治、中津間淳史、北村勝造 | |
5 | 忍びくの一 | 1965/8/1 | 鷹塔正泰、原健策、浅香春彦、滝雅男、桐山明子、滝まり子、森良介、寺坂繁治、中津間淳史、北村勝造 | ||
6 | 霧の姉妹 | 1965/8/8 | 白鳥みづえ、原健策、鷹塔正泰、二宮秀樹、森良介、滝雅男、桐山明子、滝まり子、寺坂繁治、北村勝造 | ||
7 | 忍法血潮文字 | 1965/8/15 | 外山徹 | 鷹塔正泰、中原伸、浅香春彦、北村勝造、宇津美弘、植田清、寺坂繁治 | |
8 | 忍者小猿 | 1965/8/22 | 二宮秀樹、白鳥みづえ、大東良、滝まり子、桐山明子、北村勝造、中津間淳史、寺坂繁治 | ||
9 | 忍者汀兵衛佐 | 1965/8/29 | 外山高士、巽秀太郎、桜井二郎、志摩栄、北村勝造、中津間淳史、寺坂繁治 | ||
10 | 裏切り忍者 | 1965/9/5 | 船床定男 | 鷹塔正泰、外山高士、佐藤一郎、巽秀太郎、北村勝造、中津間淳史、寺坂繁治 | |
11 | 伊賀七の組 | 1965/9/12 | 二宮秀樹、白鳥みづえ、鷹塔正泰、大塚周夫、大木勝、佐藤一郎、種村正、林寛一、馬鳥哲広、中岡慎太郎 | ||
12 | 忍者鳴神天堂 | 1965/9/19 | 二宮秀樹、白鳥みづえ、鷹塔正泰、渡辺高光、大木勝、玉村駿太郎、種村正、林寛一、馬鳥哲広、中岡慎太郎 | ||
13 | 忍法一騎打ち | 1965/9/26 | 白鳥みづえ、加賀邦男、鷹塔正泰、二宮秀樹、渡辺高光、玉村駿太郎、大木勝、中岡慎太郎、林寛一、種村正 |
※太字の俳優は全話出演者
新隠密剣士 第三部 黒潮忍法帖 | |||||
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話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 出演者(全話出演者は除く) |
1 | 海の忍者 | 1965/10/3 | 伊上勝 | 外山徹 | 加賀邦男、永井柳太郎、岸昌美、宮川洋一、幸田宗丸、野本明男、石山克己、橋口忠夫、福沢弘 |
2 | 黒潮党十人組 | 1965/10/10 | 白鳥みづえ、二宮秀樹、内藤綱男、中岡慎太郎、寺坂繁治、石山克己、橋口忠夫 | ||
3 | 変幻海坊主 | 1965/10/17 | 滝恵一、白鳥みづえ、二宮秀樹、岸昌美、平野元、石山克己、橋口忠夫、寺坂繁治、石川喜八 | ||
4 | 影法師参上 | 1965/10/24 | 滝恵一、白鳥みづえ、二宮秀樹、西島一、石橋友和、安藤敏男 | ||
5 | 幻鬼暗躍 | 1965/10/31 | 滝恵一、黒丸良、田中淑隆、福沢弘 | ||
6 | 甚五佐風渡り | 1965/11/7 | 江幡高志、黒丸良、木山ますみ、渡真二、寺坂繁治、福沢弘、石川喜八 | ||
7 | 忍法勝負 | 1965/11/14 | 木崎豊、木山ますみ、内海賢二、高林渡、中津間淳史 | ||
8 | 伊賀者銀四郎 | 1965/11/21 | 白鳥みづえ、二宮秀樹、高木二朗、内海賢二、木山ますみ、北村淳 | ||
9 | 忍者漣鉄叟 | 1965/11/28 | 牧田正嗣、木山ますみ、浅沼創一、岩城和男、北村勝造、渡辺知子 | ||
10 | くの一非情 | 1965/12/5 | 牧田正嗣、木山ますみ、中原伸、中津間淳史、石川喜八、馬鳥哲広 | ||
11 | 顔のない忍者 | 1965/12/12 | 牧田正嗣、千早健、渡辺高光、中原伸、種村正、寺坂繁治、筈見純 | ||
12 | 危し霧の遁兵衛 | 1965/12/19 | 白鳥みづえ、二宮秀樹、北島一男、小島和夫、石川喜八 | ||
13 | 戸隠幻鬼 | 1965/12/26 | 白鳥みづえ、二宮秀樹、北島一男、小島和夫、石川喜八 |
『新隠密剣士』から8年後に荻島真一を主演に製作されたリメイク版。1973年10月7日から12月23日まで、大瀬康一版や林真一郎版と同じくTBS系『タケダアワー』枠(毎週日曜19時からの30分枠)で放送された。全12話を放送した翌週から『隠密剣士突っ走れ!』と改題され、継続放送された。
松平信太郎が伊賀の抜け忍・賀夜猿(かやざる)と勇作少年らと諸国を周遊しながら、本多上野介配下の伊賀忍者・赤目の幻幽斉(天津敏)率いる十人衆と戦う。主人公の松平信太郎が徳川家康の長男・信康の落胤であるなど、設定や時代背景も一新された[28]。役は変わったが、牧冬吉と天津敏は引き続き出演している[28]。
実制作は当初東映京都撮影所で行われたが、特撮を絡めた時代劇は京都の作風には合わず、次シリーズである『隠密剣士 突っ走れ!』は東京の国際放映で実制作が行われた[29][注釈 8]。旧作でもプロデューサーを勤めていた西村俊一は、その後『水戸黄門』などの時代劇を手掛けており、脚本に同作品を手掛ける脚本家集団葉村彰子を起用した[30]。企画段階では、宣弘社社長の小林利雄の要望により旧作を手がけた脚本家の伊上勝も参加する予定であったが、西村と折り合いがつかず降板した[30][注釈 9]。
TBSプロデューサーの橋本洋二は、旧作と同じではなく特撮を組み込むなどしないとブレイクは難しいと考えていたが、『水戸黄門』などを成功させていた自負のある西村はこれに反対しており、折り合いがつかなかったという[30]。本作品について橋本は結果的に時代に向かなかったと評している[30]。宣弘社に在籍していた渡辺邦彦は、本作の記者会見をホテルニューオータニで開催したところ、マスコミの出入りが悪かったことから不安視していたところ、不安が的中していたことで『隠密剣士』の時代でないことを痛感したと証言している[31]。
隠密剣士 | ||
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話数 | サブタイトル | 放送日 |
1 | 隠密剣士誕生 | 1973/10/7 |
2 | 赤目忍法 こだま | 1973/10/14 |
3 | 赤目忍法 十方攻め | 1973/10/21 |
4 | 赤目忍法 面うつし | 1973/10/28 |
5 | 赤目忍法 双忍くずし | 1973/11/4 |
6 | 赤目忍法 むささび | 1973/11/11 |
7 | 赤目忍法 蜘蛛しばり | 1973/11/18 |
8 | 赤目忍法 必殺どりゅう陣 | 1973/11/25 |
9 | 赤目忍法 餓狼の鉄爪 | 1973/12/2 |
10 | 死迫る賀夜猿 | 1973/12/9 |
11 | 大要塞をぶっ飛ばせ | 1973/12/16 |
12 | 天守閣の決闘 | 1973/12/23 |
前作からタイトルを変更して同時間帯で新たに再スタートした荻島真一版の第2作目。全14話。前作で赤目一党を倒した松平信太郎が江戸の全滅を企む新たなる敵・暗闇一党と戦う。ただし、第13話のみ赤目一族の生き残りと戦っている。(また、13話のみ前作の勇作少年が登場する他、オープニング曲が前作のインストゥルメンタルになっている、ナレーターが違うなど、前作の未放映回を放送しているかのようである。)
怪奇アクション色を強めて近代兵器も登場させ、新機軸の活劇時代劇に変更された[32][33][注釈 10]。第1話の予告では「特撮時代劇」と銘打っていた[32]。当時のアイドルが多数ゲスト出演した[34][注釈 11]。
路線変更を報じた当時の記事では、正統派時代劇であった前シリーズに対して、1話完結の怪奇サスペンス調にして、痛快さをアップする目的であると報じている。また、それに伴い、主人公の松平信太郎と賀夜猿のキャラクター設定も前シリーズより明朗な面が強調されるようになった[29]。
実制作は東映から宣弘社に戻り[34]、脚本も前作の企画段階で降板した伊上勝が起用された[30]。TBSプロデューサーの橋本洋二は前作で当初思い描いていたものがやれると感じたが、伊上の脚本は橋本が思い描いていた内容とはなかなか噛み合わなかったという[30]。橋本は当時の記事の中で「京都から東京に制作拠点が移動するに伴い、地理的条件も良くなるので、斬新な特撮も取り入れて、『007』の時代劇版のようなイメージを出したい」と述べている[29]。
この作品がタケダ一社提供のシリーズ枠「タケダアワー」の最終作となり、およそ16年の歴史に幕を降ろした。
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隠密剣士 突っ走れ! | ||
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話数 | サブタイトル | 放送日 |
1 | 炎を破る信太郎 | 1973/12/30 |
2 | 空飛ぶ信太郎 | 1974/1/6 |
3 | 魔神を斬る信太郎 | 1974/1/13 |
4 | 怪竜を追う信太郎 | 1974/1/20 |
5 | 怪鳥を狙う信太郎 | 1974/1/27 |
6 | まぼろしを斬る信太郎 | 1974/2/3 |
7 | 鉄仮面を断つ信太郎 | 1974/2/10 |
8 | 爆弾人間を倒す信太郎 | 1974/2/17 |
9 | 竜巻を斬る信太郎 | 1974/2/24 |
10 | 忍者を助ける信太郎 | 1974/3/3 |
11 | 火焔天狗を裂く信太郎 | 1974/3/10 |
12 | 空魔を撃つ信太郎 | 1974/3/17 |
13 | 悪だくみを斬る信太郎 | 1974/3/24 |
14 | 暗闇首領を斬る信太郎 | 1974/3/31 |
この節の加筆が望まれています。 |
2011年5月から2012年12月にかけて大瀬康一版のDVD-BOXがベストフィールドから発売された。荻島真一版は2005年4月にDVD-BOXがジェネオンエンタテインメントから発売され、2013年1月から2月にビクターエンタテインメントから全6巻のロープライス版が発売。
1979年6月12日にフジテレビ系列の『火曜ワイドスペシャル』枠で放送された、人気作品をリメイクする番組『TVスーパーヒーロー傑作選』で、本作が野口五郎主演でリメイク、全作に出演した天津敏も共演した[44]。
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