企画ネット番組(きかくネットばんぐみ)とは、主にテレビ・ラジオ番組で用いられる用語で、番組スポンサーや基本構成・タイトルのみ統一させ、その他の内容を各局が独自の内容で制作・放送している番組のことである。
ネットワークセールス枠の一種であり特にAMラジオ番組で多くみられるが、テレビ番組ではごくわずかにとどまっている。同一のネットワーク系列内で行われることが多いが、複数のネットワークをまたぐ場合もある。
このような番組の目的としては、主に以下の理由がある。
- ネットワークに加盟局の連帯感を深めるため。
- キー局がナショナルスポンサーを開拓して、各局へのネットワークセールスを主体にする。
ラジオ
NHK
- FMリクエストアワー
- 土曜日夕方の3時間ワイド番組で、「(コールサイン)+リクエストアワー」、「(地域名)+リクエストアワー」としていたのが多かった。
- 夕べのひととき(九州・沖縄ブロックのローカル番組化)
NRN系列
ニッポン放送
| |
MegaNet系列
- TOYOTA WORLD SPORTS(1999年頃~2008年3月)
テレビ
TBS系
- JNNフラッシュニュース
- JNN協定の発動対象番組であるため、全加盟局で同一タイトルにて同時に放送されるニュース番組である。原則同一の番組内容ではあるが、それに関しての制限を設けていないこともあり、ミニ番組としての機動性のしやすさを活かして放送局によっては自然災害や地方統一選挙の開票時などは自社制作の関連情報に内容を独自に差し替えているため、その時に限って企画ネットに近い扱いを受けている。
- 笑ケース100
- TBS製作の「east」バージョンと、MBS製作の「west」バージョンの2種類がそれぞれ富山・静岡以東と愛知・石川以西で放送された。
- ナニキル?天気予報(TBS)/どれ☆きよ天気予報(MBS)
- 後者は前者より1年遅れてスタートしたため、事実上の企画ネットとなった。一社提供スポンサーであるしまむらのアパレルを使ったコーディネートと、翌日の天気予報を伝えるというものだった。
- 健康天気予報
- 2004年4月から2年間、TBSをはじめJNN主要系列局で放送。2006年4月よりCBC制作全国ネット番組『週刊!健康カレンダー カラダのキモチ』の一コーナーとなったため、企画ネットとしての放送形態は終了。
- BLUEでカンパイ!
- 2018年4月から宮崎放送で始まり、2019年4月よりRKB毎日放送、2019年10月より熊本放送で放送(現在のところ、e-JNN加盟局の一部で放送)。雲海酒造の一社提供。ナビゲーター・レポーター(前者はMRT、後者はRKB・RKK)及び取材店舗は各局で異なるが、タイトルコールおよびスポンサーの提供読みは各局共通で、雲海酒造イメージキャラクターの吉田羊が行っている。また、放送各局の番組ホームページ上で、番組の配信を行っている。
テレビ朝日系
- 大正テレビ寄席→まっ昼間!笑っちゃおう→大正週間漫画 ゲラゲラ45→やすきよ笑って日曜日(以上NETテレビ→テレビ朝日)/サモンお笑い劇場(MBS)→日曜笑劇場(ABC)(通算で1963年10月 - 1983年ごろ)
- NETテレビ時代、関西地区の準キーであるMBSが日曜日に「サモンお笑い劇場」という上方演芸の番組を編成、また一方で水曜日にNETテレビ制作で江戸演芸を取り上げた「大正テレビ寄席」をそれぞれに放送していたが、それぞれ他地域ではあまりそれらがなじめなかった影響から1963年6月に毎日放送が「テレビ寄席」を、10月度の改編をもってNETテレビが「お笑い劇場」を打ち切り、それぞれの番組の互いのネット受けをやめると共に、放送時間を日曜正午台、かつ提供スポンサーを大正製薬でそろえる形で、事実上企画ネット化した。ただし、10月改編当初は「テレビ寄席」が日本製麺提供で完全な企画ネットという形になっていなかったため、大正製薬提供で揃えられた時期は不明。
- ただしMBSでは、1965年4月から8月までサンヨー食品の提供で「タンメンお笑い寄席」に改題して「テレビ寄席」を放送するなど、遅れネットで放送を再開していた期間がある。
- 関西地区の準キーがABCに変更後も、「日曜正午台・大正製薬提供」のまま、関西地区では上記の番組放送期間中は「日曜笑劇場・あっちこっち丁稚」の放送を行った。なおテレ朝が「-ゲラゲラ45」の後期以後は複数スポンサーの協賛となったさい、ABCもそれに合わせる形を継続した後、ローカルセールスのオールスポットに変更された。
- 朝日新聞テレビ夕刊(NET→テレビ朝日)/毎日新聞夕刊ニュース→毎日新聞テレビ夕刊(MBS)
- ネット腸捻転時代の1965年のほぼ同時期に放送を開始したネットワークニュースの番組であるが、新聞社の資本関係の都合、特に大阪の場合は古くから新聞社と放送局の関係が密接であることから[10]、MBSと岡山放送・瀬戸内海放送(後者の2局はいずれも1969年4月開局。当時はまだ「準広域圏」ではなく、両局とも毎日新聞・MBSと資本面でも関係があった)については全国ニュースもNETからネットではなく、MBSが独自に製作したもので放送し、事実上協賛新聞社が異なる企画ネットであった。
- なお朝日新聞社の総本部(会社登記上)がある大阪府のABCはJNN協定に基づく共通ネット番組「JNNニュースコープ」を放送しており、腸捻転時代はNET版を放送することはできなかったが、1975年3月30日のネット腸捻転解消(NET=ABC、TBS=MBS)してから、このような変則企画ネットは解消され、「朝日新聞-」はABCに同時ネット、「毎日新聞-」はMBSのローカルニュースとして放送されるようになった(これに伴いOHKとKSBの「毎日新聞-」ネットは終了となり、ABCと同時に「朝日新聞-」の同時ネットに切り替える。OHKは並行で「サンケイ→FNNテレビ日曜夕刊」のネットも行い、1979年4月の香川県への中継局乗り入れによりFNNに統一された)。
(〜2020年9月25日)→ 同年10月2日以降は金曜ボイスログにコーナーが引き継がれる。
東海ラジオ放送の番組変更のお知らせ、「WBCワールドベースボールクラシック2023日本代表戦実況中継」より
番組開始当時の東京ローカル時を経て、FM AICHI・FM大阪でもネットされていたが、2015年12月をもってFM大阪版が放送終了。FM AICHI版も2020年9月に終了し、以降東京ローカルに戻っている。
2016年9月までは独立局のFM PORTでも放送。FM大阪は『なんMEGA!』内コーナーとしての独自内容版と、FM三重版ネットの単独番組形態の内容変更を繰り返し、2020年3月をもって放送終了。
放送対象地域の沖縄県は日本テレビ系列局が存在しない地域で、その琉球放送が日本テレビ系列番組のネット対象局となっているため、当番組は日本テレビ系列番組に該当する。
東京の場合、日本テレビと、TBS(当時ABCはTBS系)が朝日・毎日と読売新聞から共同出資を受けていた。後発のNETは開局当時日本経済新聞社が出資を受けていたが、当初より朝日新聞との明確な資本関係がある