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日本の滋賀県栗東市にある競馬新聞社 ウィキペディアから
株式会社ケイバブックは滋賀県栗東市手原にある競馬新聞、ならびに競馬関連図書を製作、販売する会社である。『競馬ブック』『研究ニュース』『勝馬』の3つの競馬新聞を発行し、馬事関連を扱う出版社として国内最大の規模を誇る。
競馬ブック | |
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種類 | 日刊紙(原則中央競馬開催日前日) |
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事業者 |
(有限会社十美社→) (株式会社松井総業→) 株式会社ケイバブック |
本社 |
【栗東本社】 (京都府久世郡淀町[注 1]→) (京都府京都市伏見区→) (大阪府大阪市淀川区木川東4-13-8→) 滋賀県栗東市手原2-6-6 【東京支社】 (東京都千代田区外神田6-14-7→) 東京都江東区毛利2-9-10 |
代表者 | 松井淳二(代表取締役社長)[1] |
創刊 | 1946年(昭和21年)10月10日[2] |
言語 | 日本語 |
価格 |
1部 【紙版】550円 (東西全国版、従場版の2種類あり) 【自社ネット新聞】 各場別当日全レース掲載版550円 東西別前半6レースセット360円後半6レースセット420円 レース単位で選択の場合1競走70円(電子マネー(WebMoney・BitCashが利用可能)による電子決済)) 【コンビニプリント版】 各場別当日全レース掲載版550円 東西主場前後半各6レースセット500円 |
ウェブサイト | https://p.keibabook.co.jp/ |
なお本稿では、『競馬ブック(当日版)』『週刊競馬ブック』『競馬四季報』およびその系譜に関わる事象を取り上げる。出自の違う『研究ニュース』『勝馬』の系譜に連なる事象についてはそれぞれの項目を参照されたい。
本社(2017年撮影) | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | 競馬ブック |
本社所在地 |
日本 〒520-3047 滋賀県栗東市手原2丁目6番6号 北緯35度1分26.4秒 東経136度0分2.9秒 |
設立 | 1962年(昭和37年)12月25日 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 9160001013340 |
事業内容 | 競馬専門紙・週刊誌・四季報等出版物の発行、コンピュータによる新聞製作システムに関するコンサルティング |
代表者 | 松井淳二[1](代表取締役社長) |
外部リンク | https://p.keibabook.co.jp/ |
特記事項:松井淳二は編集及び発行印刷責任者も兼務。 |
1945年(昭和20年)9月、終戦とともに日本競馬会(現:日本中央競馬会)は競馬の再開に向けて動き出した。
関西での公認競馬は、戦前には京都競馬場と鳴尾競馬場の2カ所で行われていたが、このうち鳴尾は太平洋戦争中に軍の飛行場にされた上に空襲の被害を受け、戦後になっても占領軍に接収されたままで使えなくなり、移転予定だった逆瀬川(兵庫県良元村=現:宝塚市)でも占領軍の用地接収に遭って完成のメドが立たなくなった。このため競馬会は、まず京都1場だけでの競馬再開を目指すことにした。
1946年(昭和21年)10月17日、京都競馬場で戦後初の馬券発売を伴う公認競馬が行われた。この情報を伝える新聞として、戦前からあった『競馬ニホン』『前夜通信の出馬表』『競馬ニュース』『競馬フアン』が復刊。一方で『中島競馬號』が創業者の疎開によって大阪での発行をやめる[注 2]ことになった。これと前後して当社創業者の松井淳[3](まつい・きよし)が京都府淀町に十美社の名前で印刷所を立ち上げた。そこへ日本競馬会職員の鎌田勝が近づき、松井に競馬専門紙への新規参入を持ちかける[4]。こうして、十美社を発行所とする関西発の新規参入紙として1946年10月10日に創刊したのが、『競馬ブック』である[注 1]。
当初は公認競馬が日曜しか行われなかったこともあり、競馬ブックは週刊[2]だった[注 3]。そこで十美社は1948年(昭和23年)、大阪住之江競輪場での競技開始をきっかけに競輪の専門紙も発行し、初期にはこちらが大きな収入源となった。その後、同社は法人化と前後して「株式会社松井総業」(初代)に社名を変更。競馬ブック(ケイバブック)はあくまでも同社が発行する定期刊行物の名称という形になった。
1971年(昭和46年)には東京の競馬研究社と提携して関東に本格進出。ほぼ同時期にケイシュウNEWS創業者である白井新平の子息白井透が現役馬の血統データを専門に扱う本を立ち上げようとしていたのを聞きつけ、新平や啓衆社などとともに支援し『競馬四季報』として具体化した。その後、競馬研究社が正式に傘下に入った時に「松井総業(2代)」となり、松井総業(初代)は「株式会社ケイバブック」に社名変更した。
2016年(平成28年)6月30日付で印刷部門子会社のMGプリンティングを[6]、2017年12月24日に研究ニュースの発行元であった松井総業(2代)[7]をそれぞれ吸収合併。さらに2020年(令和2年)8月、『勝馬』を発行していた東京の立馬株式会社から事業の譲渡を受けた。2021年(令和3年)2月、『競馬キンキ』を発行している園田印刷から事業の譲渡を受け、『競馬ブック園田・姫路版』を創刊した。
以下は中央競馬・東西全国版を基本としているため、地方競馬版(特に「ばんえい競馬」版)は若干異なる部分がある。
馬連・馬単・3連複・3連単の本誌予想買い目を掲載。馬連・馬単は本紙予想トラックマンよりも多めに買い目を示している。3連複は1頭軸流し、2頭軸流し、ボックスのいずれか、3連単はフォーメーション予想。
ケイバブックは北海道、東京、名古屋、大阪、岡山、小倉の6支社を持ち、当日版のうち東西全国版は全国で取り扱っているが、ローカル版に関しては取扱がない地域もある[16][17][18]。週報は栗東本社で編集し、印刷のみ各支社で行って全国へ出荷される。なお紙版の週報を定期購読または自社ネット通販で購入した読者には、管轄に関係なく大阪支社から発送される。
2018年以降は、発売を終了したり、配送をレース当日へ変更する地域が出始めている。
2020年9月にグループ入りした勝馬については、当分の間、旧:立馬社が築いた体制を変えない方針とされ、引き続き競合の日刊競馬の関連会社三平印刷所で印刷される[23]。
週刊競馬ブック | |
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ジャンル | 競馬雑誌 |
読者対象 | 競馬愛好者 |
刊行頻度 | 週1回(後述) |
発売国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
定価 | 720円 |
出版社 | 株式会社ケイバブック |
発行人 | 松井淳二 |
雑誌名コード | 82962-2 |
刊行期間 | 1968年(昭和43年)4月 - (刊行中) |
ウェブサイト | https://p.keibabook.co.jp/ |
原則として毎週月曜日発売(但し、平日に中央競馬開催がある場合=台風などの天災で代替競馬が開催された場合、またはハッピーマンデー開催などは、その翌日)。2018年10月9日より電子版の発売が開始された[24]。2019年1月をもって、奈良県全域と和歌山県全域における発売を終了した[22]。
電話・インターネット投票の全国全レース発売の本格化に伴う全国統合版になる前は、関東版(表紙題字カラーが青色)と関西版(同赤。現在の全国版もこの色)があった。
以前は「週刊競馬ブック」にも関東版・関西版があり、巻末に新聞縮刷版が掲載されていたが、全国版になったときにファクシミリ新聞サービスが普及したこともあり縮刷版の掲載は廃止された。
競馬四季報全国版 | |
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ジャンル | 競馬雑誌 |
読者対象 | 競馬愛好者・競馬関係者 |
刊行頻度 | 年4回(季刊) |
発売国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
出版社 |
(株式会社サラブレッド血統センター→) 株式会社ケイバブック |
発行人 | 松井淳二 |
雑誌名コード | 82962-2 |
刊行期間 | 1972年(昭和47年)3月 - (刊行中) |
ウェブサイト | https://p.keibabook.co.jp/ |
特記事項 | 上記は「競馬四季報(関東版)」の創刊年度。関西版「関西競馬四季報」は1980年(昭和55年)創刊。2001年(平成13年)に東西統合の全国版となる。 |
競馬四季報はケイシュウNEWS創業者白井新平の三男・白井透が中心となって、1972年(昭和47年)、関東版から創刊。8年後の1980年(昭和55年)に『関西競馬四季報』の基となる『別冊競馬四季報・関西版』がスタートした。どちらも白井が東京都新宿区に設立した「サラブレッド血統センター」を版元として発行を始めた。
関西版は創刊号の編集後記に「当分は年1回発行の予定です」と記載されていた。その後春・秋の年2回発行される事実上「二季報」になり、名実ともに四季報となった1984年(昭和59年)から版元がケイバブック本体に変更された。
関東版は美浦所属馬中心、関西四季報は栗東所属馬中心にそれぞれの登録全競走馬の血統・競走成績を大挙収録するとともに、競馬に関する様々な写真グラフィックによる特集も収録されていた。毎年夏号にはペーパーオーナーゲームの参加者が募集される。春号には馬主向けの情報誌「スタリオンレヴュー」(非売)[31]の最新年度版を希望読者(オンライン注文の場合は全員)に贈呈するキャンペーンもある。
1989年(平成元年)に現在のケイバブック東京支社社屋が完成した際、サラブレッド血統センターの事務所は近隣のマンションの一室に移転した。その後白井はサラブレッド血統センターをケイバブックに売却し、1995年(平成7年)冬号から関東版も「発行・サラブレッド血統センター、発売・ケイバブック」に統一されたが、引き続き関東・関西の2分冊の形式(題名は「競馬四季報・関東版or関西版」)であった。21世紀になって全国の中央競馬全レースの馬券が購入できるようになったことや、地方競馬との交流レースが増えたことなどから2001年冬号以後「全国版」として1冊にまとめられている。
2022年に、前身となる関東版創刊から数えて50周年を迎え、グリーンチャンネルに於いて同年1月19日の「水曜馬スペ!」で記念特別番組『想い〜競馬四季報が刻んだ日本競馬の50年』[32](司会:宮川一朗太、出演:井崎脩五郎、三遊亭五九楽、武豊など)が放送される。
この節の加筆が望まれています。 |
調教・厩舎・編集の配属については、週報「トラックマンが推す今週の狙い馬」掲載文に準拠した。
特記のない全トラックマンが競馬キンキから移籍。本紙担当者はブック移行直後はクラス毎に異なる担当者を置いていた[34]が、その後の入れ替わりにより各TMの印を総合的に判断した物に変更され、2022年現在ではどのTMの印とも完全に一致しないレースが多い。なお、編集担当TM2名の印は競馬キンキ(園田ニュース)時代から引き続き園田・姫路競馬場公式サイトにて提供される「競馬ブックサービス版 」のみに掲載され、新聞紙面や電子版での表記はない。
この節の加筆が望まれています。 |
近年ではインターネットによる有料情報配信にも力を入れている。いずれも会員登録が必要。
レース前日の専門紙がまだ西日本のみの発売だった1960年代から、競馬ブックはテレビ・ラジオの競馬中継番組に積極的に出稿し、解説者を派遣してきた。特にKBS京都では、1969年(昭和44年)のテレビ開局以来取引を続けている(『競馬中継』→『KEIBAワンダーランド』→『うまDOKI』)。カンテレ(『競馬中継』→『エキサイティング競馬』→『DREAM競馬』)でも同年のリニューアルを機に解説者の派遣を始め、40年近く継続した。ラジオでは毎日放送(MBSラジオ)がレギュラー放送を再開した1971年(昭和46年)から長く出稿と解説者派遣を継続する。1970年代以後は東日本のレースを取り扱う番組にも出稿を行っている。
関西を拠点としていることもあり、かつては、KBS京都以外でも関西以西のテレビ・ラジオ競馬中継において、競馬ブックの影響力は絶大であり、解説者は競馬ブックトラックマンでほぼ占められていたが、2000年代に入ってこの状況が変化していった。2010年前後の一時期は地上波テレビ・ラジオ中継では競馬ブックトラックマンの解説者起用が減少傾向にあったが、2010年代前半以降、徐々に復活しつつある。
ラジオ関西(AM KOBE→CRK)・MBSラジオの競馬中継(『毎日放送土曜競馬』→『サタデー競馬』→『パーフェクト競馬』→『GOGO競馬サタデー!』と、『日曜競馬』→『みんなの競馬』→『GOGO競馬サンデー!』)にも長年協賛、解説者を派遣してきたが、看板評論家だった山田一雄の勇退や中西勉の死去が重なった2005年(平成17年)以降、後継者がなかなか育たなかった事情もあり関係が縮小。ラジオ関西については2009年度(2010年3月27日)の放送を最後に撤退し、解説者の派遣も中止された。このためCRKは親会社の神戸新聞社が発行する『デイリースポーツ』『デイリー馬三郎』から解説者を受け入れ、引き続きMBSに制作を委託して継続する道を選んだ。
同じ西日本地区では中京広域圏を放送対象とするCBCラジオでも土曜日のメインレース中継を単独で提供していたが、2012年3月31日限りでスポンサーを降板。こちらはJRAに引き継がれず放送を終了した。
また、ラジオNIKKEIの『中央競馬実況中継』は、東京支社が担当する第1放送が同じケイバブックグループの『競馬研究』(現:『研究ニュース』関東版)共々2009年度(2010年3月28日)の放送を最後に一度は出稿取りやめ、本社担当の第2放送は大坪元雄の勇退もあり解説者派遣中止となった。第一放送日曜午後担当の松本憲二は引き続き出演したが、若手や中堅クラスは『中央競馬ワイド中継』やグリーンチャンネルなど他局・他番組に転出していった。しかし2013年(平成25年)から第一放送に限ってCM出稿が再開され、2019年(平成31年)からは松本の引退に伴い東京支社の中堅トラックマンが開催ごとに交代で出演。さらに2021年(令和3年)からは競合の日刊競馬が解説者派遣を縮小したため、東京支社のトラックマン6名が交替で後継を引き受けており、2010年以前と比べむしろ強化されたといえる。
日曜日の各場メインレースを放送するフジテレビ系列の競馬中継でも、大坪を長年メイン解説者に起用していたカンテレおよびテレビ西日本制作の放送において、近年は解説者が同じフジサンケイグループの産経新聞社が発行する競馬エイト所属のトラックマンに切り替えられるようになった。現在、フジテレビ系列の競馬中継において、競馬ブックトラックマンが出演するのは、北海道文化放送制作の『ドラマチック競馬』→『KEIBAプレミア』に橋本篤史(2012年より)が出演するのみに留まっている。そのため、現在地上波テレビ全国中継に登場する競馬ブックトラックマンは橋本ただ一人となった[注 14]。
一方、放送系メディアでは最大の取引先であるKBS京都も2010年で長時間放送を取りやめ、日曜日の中継からは撤退した。この際に土曜日深夜の『競馬展望』は提供を降板、解説者の派遣も中止している。JRAは関東の『ワイド中継』『中央競馬ハイライト』も含めた東西独立U局の競馬関連番組をBSデジタル放送による全国一斉放送に移行させるため、BS11と組んで『BSイレブン競馬中継』『うまナビ!イレブン』を立ち上げさせ、ここにケイバブック本社と東京支社から計3名がパドックやレース展望などの解説者として参加することとなった。
KBS京都の放送は、テレビ東京・BSテレ東『ウイニング競馬』との兼ね合いにより土曜日15時台のみ放送の『うまDOKI』に移行することになり、ケイバブック本社のトラックマンが引き続き出演する。一方、『ハイライト』(土曜)、『競馬展望』の後継として2012年から開始した『競馬展望プラス』において、関西版には本社のトラックマン4名が週替わり、関東版には東京支社の若手トラックマン3名が出演していたが、こちらは2019年4月改編で『うまナビ!イレブン』に事実上統合する形で終了。これにより『ワイド中継』『ハイライト』以来35年間続いてきた関東独立U局制作番組への解説者派遣が中止となった[注 15]。
2020年9月13日の中山開催から、勝馬のグループ入りに伴いラジオ日本(『日曜競馬実況中継』)への解説者派遣が前経営陣の時代以来14年ぶりに再開された。ケイバブックグループとしては、『ワイド中継』立ち上げ以来、35年ぶりにラジオ日本との関係が復活した。
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