QVC(キューヴィーシー)は、24時間テレビショッピングを放送する専門チャンネル。名称の由来は Quality(品質)、Value(価値)、Convenience(便利)の頭文字である。アメリカ合衆国で1986年に開局。2017年現在、アメリカ以外には日本、イギリス、ドイツ、イタリア、中国でも放送している。
QVCは、ジョセフ・シーゲルによって1986年にアメリカ合衆国で創業された。1986年11月24日に放送開始。最初の商品は$11.49のシャワーラジオであった。当初は1日16時間放送で、1987年初頭に24時間放送に拡大した。公開会社として創業後、1年間の売り上げが当時最大(112百万ドル)を記録した。
1989年、当時倍の規模であった競合のCVNを買収。
1993年1月、バリー・ディラー(元パラマウント映画・20世紀フォックスのCEO兼会長)が会長に就任。
1993年にイギリスでBスカイBと提携し、同年10月よりイギリス版(QVC UK)の放送を開始。
1995年にはケーブルテレビ大手・コムキャストとTCI(1999年AT&Tにより買収、メディア部門・リバティメディアは2001年独立)が買収。コムキャストが経営権を握り、QVCの資金力を背景にパラマウント映画やCBSの買収を企てていた(いずれも失敗に終わる)バリー・ディラーが追放される[注 1]。
2003年7月、リバティメディアがコムキャストが保有する株式を79億ドルで買収、完全子会社とする。
概要 QVC(キュー・ヴィー・シー), 見つかるうれしさ 好きになるよろこび ...
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概要 4K QVC, 見つかるうれしさ、新次元 ...
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株式会社QVCジャパン(英: QVC Japan Inc.)は、千葉県千葉市美浜区の幕張新都心に本社を置く、アメリカQVC Inc.と三井物産の合弁による日本法人である。
沿革
- 2011年には放送開始10年目に入り、10周年記念のイベントやセールが行われている。
- 2011年3月より10年間、千葉マリンスタジアム(千葉ロッテマリーンズ本拠地)の命名権を取得。球場名を「QVCマリンフィールド」(現・ZOZOマリンスタジアム)に改称[注 6]。なお2016年11月をもって中途解約している。
- かつては、旧本社があったワールドビジネスガーデン(WBG)マリブアネックスから番組を制作、日本全国に送出していたが、2010年11月にWBG向かいにある、三井アウトレットパーク 幕張のセンター駐車場(2011年1月10日に閉鎖[4])に新社屋を建設する事を発表。2013年1月17日に新社屋「QVCスクエア」が竣工、2013年4月1日から「QVCスクエア」からの放送を開始した[5]。2013年8月には新社屋「QVCスクエア」が第26回日経ニューオフィス賞「ニューオフィス推進賞<経済産業大臣賞>」受賞した。
- 2011年3月11日に発生した東日本大震災では、本社自体は被害を受けなかったものの、幕張エリアは液状化現象が発生するなどの被害があったことから同日から放送休止とし、終日「しばらくお待ちください」の字幕が放送された。その後「震災の影響で放送を休止しております」に字幕が変更され、23日に放送再開。これを境に、字幕で地震速報や津波の情報を伝えるシステムができたほか、ナビゲーターによる災害報道アナウンスを強化。
- 2011年6月5日には、各国のQVCに追い付く形でロゴを一新。“リボンロゴ”と呼ばれる物になった[注 7]。また、常時画面に表示されている“プロダクトボックス”も同時に変更された。そして、新スローガン「ショッピングを超えてゆく。」を掲げている[6]。
- 2011年7月上旬に「予約注文」が「ウェイトリスト」という表記に変わった。同時期に不定期であるが23時30分頃に“ワンモアチャンス”という当日のお買い得商品を振り返るコーナーが出来た。
- 2015年3月31日、スカパー!プレミアムサービスにて、標準画質は14年間で終了した。Ch.525に収約。
- 2015年4月、これまで使用していた“リボンロゴ”をジョイレッドと呼ばれる特色カラーに変更。
- 2016年1月、新タグライン「見つかるうれしさ 好きになるよろこび」に変更。
- 2016年4月1日で開局15周年を迎え、4月1日、2日、3日に特別番組「QVC 15周年バースディ」を放送。
- 2016年4月1日にホームページを全面リニューアル。従来の充実したコンテンツは継続し、シンプルで使いやすいデザインへと変更。TVのみならずウェブサイトやモバイルを通じ快適なショッピング体験を提供してゆく。
- 2016年12月1日、スカパー!プレミアムサービスの衛星一般放送事業者がスカパー・ブロードキャスティングからスカパー・エンターテイメントに変更。
- 2018年9月26日、スカパー!にてスロットは12に低下するものの、ハイビジョン放送開始。
- 2018年12月1日、新4K8K衛星放送ならびにスカパー!プレミアムサービスで「4K QVC」が放送開始。
- 2019年、24時間生放送を休止し、午前2時 - 6時には同日0時の収録が再放送された。なお、生放送時は右上に「LIVE」のテロップが表示されるようになった。同時に朝時間帯での時刻表示と天気ループが廃止された。
- 2020年3月31日、「4K QVC」のスカパー!プレミアムサービスでの放送が終了。BS4Kでの放送は継続。
- 2020年4月1日、QVCのコーポレートロゴとブランドをリニューアルした[7]。
- 2021年12月13日、QVCジャパン初の地上波テレビCMを関東を中心とした全国主要都市で放送[8]。
- 2022年12月15日、AIによるリアルタイム字幕放送を一部時間帯で開始。2023年6月1日には12時間[9]、同年12月1日には24時間に拡大した。
- 2023年11月24日、番組供給事業者であるQVCサテライトは総務省から右旋帯域における衛星基幹放送(BS4K放送)業務の認定を受けたことを発表[10]。物理チャンネルはBS-11chを予定[11]。2025年春頃までの放送開始を目指している[12]。
主な番組
以下が主なカテゴリーである。商品のジャンル毎に大抵1時間の放送枠で括られるが、殆どが定曜日定時間帯編成とはなっていない。ただし、BS日テレに再送信ネットを行う一部時間帯は定時番組という形になっている(下記の定時番組の項を参照)。
とくに注釈のない限り、時間は日本時間での表記。
宝飾品
- ジュエリーボックス(Jewelry Box)
- アクセサリー・ア・ラ・モード(Accessories A la mode)
- ブランドアクセサリー(Brand Accessories)
美容・健康
- ビューティー&コスメ(Beauty & Cosmetics)
食文化
- グルメタイム (Gourmet Time)
- Let'sクッキング (Let's Cook)
服飾
- ファッションワードローブ (Fashion Wardrobe) FとGに区分されている。Fはファッション、Gはグッズの略。
- Style by k.nakaura(QVC社員でファッションコーディネーターの仲浦好一が、独自のルートで仕入れてコーディネートした商品を販売する。仲浦は毎回出演し、モデルに直接コーディネートする時もある。)
- 澤崎隆人のドラマティックファッション(澤崎隆人が毎回出演。毎週水曜1時)
- 岡田可愛、南野陽子、ピーターなどの芸能人デザイナーによるブランド。
その他
- レジャー&ホビー (Leisure & Hobby)
- 快適生活/快適家電 (Make Life Easier)
- ホームリビング (Home Living)
- ヘルシーライフ (Healthy Life)
- ブランドアニバーサリー (Brand Anniversary) 毎週木曜15時
- マーフィーセレクト快適グッズ
定時番組
一部時間帯は定時番組の扱いとなっており、それぞれ独自のオープニングタイトルが存在している。
- お昼はチェッQ!ワクワク14 (毎日 14:00 - 15:00)
- 毎日がサプライズ!ドキドキ20 (毎日 20:00 - 21:00)
- ANOTHER ONE(アナザーワン) (月曜 - 土曜 1:00 - 2:00)
- さとう晴美のビューティーライフ (毎週火曜 13:00 - 14:00)
- 朝倉美穂の三ツ星キッチン (毎週水曜 10:00 - 11:00)
- 健康習慣モーニングQ (毎週金曜 9:00 - 10:00)
特売品枠
- TSV (Today's Special Value) - その日1日1品の紹介。価格が通常のQVC価格よりもさらに値引きされる。放送時間は基本的に0:00、8:00、11:00、17:00[注 8]、22:00であるが、TSVで当日2品以上紹介する場合は、それ以外の時間帯に放送される場合もある(特別編成やその日の早い時間に売り切れた際は除く)。なお、TSVについてはアメリカなど海外でも同様に存在する。2019年以降は午前2時 - 6時の時間帯は、0時の収録が再放送される。なお、在庫表示はリアルタイムになっている。
- 一日中放送される全ての商品がTSV価格になる日を定期的に設けている。
- Today's Plus(トゥディーズプラス) - 2016年2月14日より、HOTPick!の後継枠として放送開始。「出会った時が、お買いどき」というキャッチフレーズで、本日価格の商品を紹介する。
イベント
毎月数回(主に土日・祝日)に、1日24時間を通して1つのジャンルに特化した「イベントデー」を設け、当日はそのジャンルの商品のみを紹介する。時にはスタジオを飛び出し、公開放送を行うこともある(会場はラフォーレ六本木や東京ビッグサイトが多い)。
この日には原則として「Q SELECTION」は休止となり、稀にではあるがTSVの放送時間が不規則になる場合もある。
放送メディア
BS4K放送とCSデジタル放送では24時間無料放送を行っている。同放送での局名表記は、2010年11月30日まではQVCであったが、翌12月1日以降はキュー・ヴィー・シーとなっていた。
インターネットでも放送中の番組を「QVC LIVE」として、ホームページやYouTubeなどで配信している[20]。
特に注釈のない限り、時間は日本時間での表記。
東経110度CSデジタル放送
- スカパー! - Ch.CS161(ハイビジョン放送、衛星基幹放送事業者:CS-TBS〈TBSテレビ系、旧C-TBS〉)
- 2012年4月2日1:00までは4:3SD放送だったが、同日4:00から16:9フルサイズのSD放送に切り替えた。
- 2012年3月31日までは「C-TBSウエルカムチャンネル」(Ch.CS160)でも同時放送を行っていた。
- 2018年9月26日、ハイビジョン化。
- C-TBSウエルカムチャンネルは2012年3月31日限りで放送終了となったため、それ以後は同チャンネルに代わり、Ch.CS161がスカパー!加入に際しての受信テスト用チャンネルとなる。これは無料放送の中では最も周波数が高い物理チャンネルのND22を使用しており、衛星放送が始まった1980年代当時に設置したBS専用アンテナでは受信できない可能性があるため。
- ノンスクランブル放送のため、視聴にB-CASカードは必要ない。
BS・地上波放送におけるCS再送信ネット
- BS12トゥエルビ
- 放送時間:(月 - 水)8:00 - 16:00、(木 - 金)8:00 - 15:00、(土)7:00 - 13:00、(日)6:00 - 13:00、毎日 22:00 - 翌2:00(何れもハイビジョン放送。宣伝や「お知らせ」も含む。)
- 2007年12月1日22時から、「QVC」の番組名でサイマル放送を実施。
- 以前の番組内のテロップ類は、CSデジタル放送・CATV向け放送に使用されるのと同じデザインの物を、トゥエルビ向けにそのまま16:9の位置に合うように横方向へと拡大しただけであった[注 10]。
- 番組内での宣伝や「お知らせ」の一部は、トゥエルビの送出(CMなど)に差し替えている。
- 2010年4月1日から未明・早朝帯の一部放送を中止した。
- BS日テレ
- 放送時間:(月 - 金)6:00 - 8:00(何れもハイビジョン放送。BS日テレ4Kでは4K画質放送。)
- 番組名は「ショッピングQ」。
- 2010年5月10日より、月曜 - 金曜の17時台にて放送を開始。ラテ欄では「お買物・生放送!」と記載されるが、枠名は「QVC17」、2011年春頃から「Q17」。内容は最初の数カ月冒頭にQVCを紹介するVTRを流した後は通常のTSVと変わりない。2023年9月をもって終了し、代わって翌月より月曜 - 金曜の6時台での放送が開始された。
- 未明帯(毎日 0:00 - 1:00)は「Qスタイル」と題し、2011年4月2日に放送開始したが、2012年10月1日をもって終了。代わって同日より月曜 - 金曜の朝帯(7時台)での放送が開始された。
- 未明帯に関してはプロ野球中継・巨人戦のクッション番組の意味合いも兼ねており、放送時間短縮・放送休止を行う事があった。
- 2015年5月4日より、「Q18」として月曜 - 金曜の18時台にサブチャンネルの142ch(16:9標準画質放送)での放送を開始。ただし、巨人戦ナイター放送時は21時前までマルチチャンネルを実施しないため、休止となる。2020年3月終了。
- なお、当チャンネルでは、土曜 - 月曜にショップチャンネルも放送されている。
- BS松竹東急
- 放送時間:毎日 2:00 - 3:00
- 2023年10月1日放送開始。「QVCショッピング」の番組名でサイマル放送を実施。
- 毎月第3週火曜日から第4週月曜日は休止。
- 民放のBS4K放送事業者
過去に放送されたCS再送信ネット局
- TOKYO MX
- 放送時間:(月 - 金)8:00 - 8:59
- 2013年7月1日放送開始。「QVC 世界最大級のテレビショッピング」の番組名でサイマル放送を実施していた。
- マルチ放送のメインチャンネル(091ch)での16:9標準画質放送となっていた。これは、サブチャンネル(092ch)にて『東京マーケットワイド』を放送する時間帯であるため。
- 平日朝7時台に放送していた『TOKYO MX NEWS』の朝刊版に代わる番組として2014年4月1日より開始した『モーニングCROSS』の放送が8:25までの放送となるため、2014年3月31日をもって放送を終了した。
- BS11
- 放送時間:(月 - 金)18:00 - 19:00(ハイビジョン放送)
- 2015年10月1日放送開始。ラテ欄では「買物」など、EPGでは「QVC 世界最大級のテレビショッピング」と表示されていた。枠名は「Q18」。日によって事前収録分が放送される事もある。生放送の時はBS日テレの142chと全く同じものが放送される。なお、BS日テレ同様、当チャンネルではショップチャンネルも放送されている。かつては、土曜・日曜も放送されていたが、2023年3月31日をもって放送を終了した。
提供番組
- 街頭Qバラエティー! スマホ見せてください(BS松竹東急 2023年7月16日 - 2023年10月1日)
QVCジャパンに関する事件・諸問題
- 2007年6月29日、公正取引委員会は景品表示法違反(優良誤認)でQVCジャパンに排除命令を出した。排除命令を受けたのは、同社が販売をしていた「びっくり湯桶」という浴室用製品。浴室に置くだけで、銀イオンの効果で浴室内のカビの発生が防げると偽って宣伝をしていた[28]。
- QVCジャパンは2008年1月18日・2009年1月31日・2月5日・8月20日・9月11日の5日間、ウール100%の商品を「上層ウール100% 下層ウール100%」ではなく、「上層ウール100% 下層カシミヤ80% ウール20%」とカシミヤも使用されているかのように表示・販売していた。住金物産が、QVCを通じて2009年11月5日に消費者庁に報告を行った。QVCジャパンは本件について、2009年12月14日4時の番組の冒頭で経緯を説明し、謝罪した。消費者庁は2010年3月31日、景品表示法違反(優良誤認)でQVCジャパンに措置命令を出した[29]。
- 2009年1月14日、公正取引委員会は景品表示法違反(優良誤認)でQVCジャパンに排除命令を出した。同社は、プラスチック製のスプーンとフォークのセットを「木製」「漆塗り」などと偽って販売していた[30]。
- 2012年9月12日、ナビゲーターに関することでQVCジャパンを脅迫していた男が逮捕された[31]。因果関係は不明だが、同年7月中旬頃から事件解決日まで、プロフィールや出演予定など、ナビゲーターに関することが公式ウェブサイトから削除または閲覧不可となっていた。
アメリカQVC
本社のあるペンシルベニア州ウェストチェスターのスタジオ・パークを本拠地として放送、運営を行っている。小売店も全米にある。年間364日は生放送(クリスマスのみ録画)。約9,000万世帯に向け放送している。ちなみに、本社ビルはかつてのコモドール(1994年倒産)の本社である。
ドイツQVC
1996年12月放送開始。ドイツではデュッセルドルフに本部があり、24時間生放送(クリスマスを除く)で3380万世帯向けに放送。
イタリアQVC
地上波デジタル放送にて放送を計画するものの、2008年には認可が下りなかったが、2010年10月1日に開局。QVCジャパンでも記念イベントを行った。
注釈
ディラーはその後、TCIからライバル企業であるホームショッピングネットワーク(HSN、現IAC/InteractiveCorp)の経営権を取得している。
トゥエルビ開局から2010年3月末までは、1日最大20時間も放送されていた。そのため、後に放送開始される新しいBSデジタル放送への参入に、総務省が累計広告放送時間や放送比率の条件をより厳しくした。
但し、命名権取得後も千葉市の条例上の球場名は、「千葉マリンスタジアム」のままである。
なお、QVCマリンフィールドなどでは2011年6月5日以前から新ロゴを先行して掲示していた。
旧「QVC17」枠。2023年4月より「TSV」となった。
当初は2018年12月31日に放送開始予定だったが[21]、他の事業者と同様に同年12月1日に放送開始した。
一部テロップは拡大せずに位置変更した物も存在する。ワイドテレビの場合、CSデジタル放送・CATV向けの放送(SD画質放送前提)をテレビ側で画面モードをワイドやフルに変えると再現できる。(CSデジタル放送・CATV向け放送のL字型テロップは、画面サイズ4:3に対応した位置に表示していた。)
出典
BS2Kリモコン選局番号の再割当に関するタスクフォース事務局 (2023年12月21日). “BSデジタル放送の選局機能の一部変更に向けた取組み”. デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会. 総務省. p. 10. 2024年6月26日閲覧。
“道田真一”. img.qvc.jp. QVC. 2023年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月20日閲覧。
“モデル紹介”. QVCジャパン. 2024年10月20日閲覧。