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一週間の日 ウィキペディアから
曜日(ようび)は、七曜(7つの天体)が守護するとされる日を表す語句である。曜日が循環する7日の組を週という。
日本語では各曜日に、日曜日・月曜日・火曜日・水曜日・木曜日・金曜日・土曜日の七曜を冠する。世界各国では曜日に番号、土着の神、イベントなどを充て、七曜の関係がすたれている地域もあり、「各言語の曜日名称」に後述する。
7つの惑星や神々の名称を一定順に並べて規則的に巡回させる「週と曜日」は、古くはシュメール人が導入し、バビロニア人も採用した。古代バビロニアの粘土板に記され、月は月神シン、火星はネルガル神、水星は書記の神ネボ(ナブー)、木星はマルドゥーク神、金星は女神イシュタル、土星はニニブ神(ニヌルタ)、太陽は太陽神シャマシュとされた。古代エジプトのパピルスでも記されているが、七曜の概念はバビロニアで発祥し、さまざまな経路を経て世界に伝播した。ユダヤ教徒は異教の神の名を忌みして安息日以外は1から6までの番号を用い、エジプトやローマやインドなどで古くから知られる7つの惑星や神々の名を用いる七曜と異なる。ローマ経由でゲルマン社会に伝播するとキリスト教徒らも広く用いた。
天動説の太陽系モデルでは、七曜は地球から見た角速度が速いものほど地球に近く、月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星の順に並んでいると考えた。曜日の並びは、土星を初めに逆順に2つ飛ばし、または月を初めに正順に3つ飛ばしと言える。曜日の並び順が現在の形になった経緯が不明で、『ローマ史』を著したカッシウス・ディオは曜日の順番の起源について「テトラコルド説」と「プラネタリーアワー説」の2つを挙げている。
後者の説によると、古代エジプトの七曜は1曜が1日ではなく1時間ごとに地上を守護する「プラネタリーアワー」と考えられた。プラネタリーアワーの順序は、地球から最も遠い土星に始まり、内側へと進む。ちょうど24時間後に当たる翌日の第1時間目の守護星は、3つ前あるいは4つ後の太陽となる。以下、順に土星・太陽・月・火星・水星・木星・金星、そしてまた土星が各日の第1時間目の守護星になる。第1時間目の守護星は、同時に当日一日の守護星ともされ、その日は守護星の名で称するようになる。ここに現在の曜日の順序が定まる。これはローマ時代の推測で、曜日の起源は当時すでに忘れられていたほど古く、実際にこのように順番が定まったか否かは不明である。1日を24時間に分割することは紀元前1400年ごろのエジプトから始まったが、曜日自体はそれ以前から存在していたこと、エジプトは10日を単位とする独自の週が別にあり改めて7日制の週を作り出す必要性に乏しいこと、などからこの説が史実とは考えにくい。現代の通説では月相による朔望月を4分割して7日ごとに休日を置いたバビロニアの暦制が関係しているとして、太陽暦だったエジプトではなく、バビロニア起源と考えられている[1]。
日本へは、入唐留学僧らが持ち帰った「宿曜経」などの密教教典によって、平安時代初頭に伝えられた。宿曜経が伝えられて間もなく、朝廷が発行する具註暦[2]にも曜日が記載され、現在の六曜のような吉凶判断の一助に用いられた。藤原道長の日記『御堂関白記』は毎日の曜日を記している。
具註暦は、日曜日は「日曜」のほかに「密」とも記す。「密」は中央アジアのソグド語で日曜日を意味する言葉 ミール(Myr)の漢字による音写で、ゾロアスター教やマニ教で太陽神とされるミスラ神の名称に由来する。
江戸時代の日付の計算においては、借金の返済や質草の質流れなどで当月が何日あるか(29日または30日)が分かれば良いので、七曜は煩わしくて不必要とされ日常生活では用いられなかった。
『横浜毎日新聞』は明治4年7月(グレゴリオ暦1871年8月〜9月)から[3]、『東京日日新聞』は明治5年2月21日(グレゴリオ暦1872年3月29日)の創刊号から[4]、当時の日本人の日常生活には馴染みのなかった発行日当日の曜日を記載した。
曜日が日本人の生活の中に普及したのは明治初頭のグレゴリオ暦導入以降で、具体的には官庁職員の勤務に週休制を導入し日曜日を休日とした明治9年(1876年)からである[5][6]。
週がどの曜日から始まるかは、国・文化・宗教などにより、様々であるが、「月曜日始まり」と「日曜日始まり」が多い。欧州では月曜日始まりが、アメリカ、ヘブライ語、ポルトガル語、アラビア語、ペルシア語、ベトナム語、朝鮮語圏などでは日曜日始まりが多く見られる。イスラム圏では金曜日が公休日であり、週は土曜日から始まる。日本では諸法令や民間において月曜日始まりと日曜日始まりが混在している。
$ locale day
の出力)が日曜日から始まる[20]など日曜日を週初めと扱い、cal
ユーティリティの出力は日曜日始まりの実装[21][22]が多見される。いくつかの言語では、曜日の名称が明示的もしくは暗黙で順序を示す。
日付から曜日を特定するためには、ある1日の曜日を定めておく必要がある。古代から標準的に暗黙で広く使われてきたが、ISO 8601(JIS X 0301)で「2000年1月1日を土曜日とする」と定義した[24]。
ISO 8601とJIS X 0301は次のように定めている[26]。これらの規定は、週の最初の日が月曜日であることが前提となっている。
グレゴリオ暦は、400年間の日数146097日が7日で割り切れるため、曜日も含めて400年周期の暦である。
イタリア語、スペイン語など多くのロマンス諸語は、キリスト教やローマ神話に由来する名称を用いる。ポルトガル語は例外で「#曜日の名称から」を参照。
スペイン語は
をそれぞれ起源としている。
ロマンス諸語には含まれないものの、タガログ語などフィリピンの諸言語がスペイン語の曜日名を借用している。タガログ語は日曜日のみ週を表すLinggoと称するが、スペイン語の"domingo"がなまったものとされる。
にちなみ、ローマ神話の神々に相当する北欧神話の神々の名も用いる。
英語は、
を起源とする。
アイスランド語は日曜日 (sunnudagur) と月曜日 (mánudagur) が太陽と月に由来する部分で他のゲルマン系の言語と共通するが、残りの曜日は北欧神話の神々の名がすべて排除された名称を用いる。
ユダヤ教では、異教となる多神教の神々の名称を忌諱して番号を用い、イスラム教国のアラブやイラン、キリスト教国のポルトガルも同様である。共産主義国家の中国とベトナムでは唯物論の観点から同様に数字で称する。特定曜日の金、土、日を除き、中国語は月曜日、ほかの言語は日曜日を第一日とする番号で表す。
惑星に基づいた七曜ではないが、東アジア圏の干支も見方によっては曜年として扱われることが考えられる。
Unicode における符号位置である。
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
㈪ | U+322A | - | ㈪ ㈪ | ㈪ |
㈫ | U+322B | - | ㈫ ㈫ | ㈫ |
㈬ | U+322C | - | ㈬ ㈬ | ㈬ |
㈭ | U+322D | - | ㈭ ㈭ | ㈭ |
㈮ | U+322E | - | ㈮ ㈮ | ㈮ |
㈯ | U+322F | - | ㈯ ㈯ | ㈯ |
㈰ | U+3230 | - | ㈰ ㈰ | ㈰ |
㊊ | U+328A | - | ㊊ ㊊ | ㊊ |
㊋ | U+328B | - | ㊋ ㊋ | ㊋ |
㊌ | U+328C | - | ㊌ ㊌ | ㊌ |
㊍ | U+328D | - | ㊍ ㊍ | ㊍ |
㊎ | U+328E | - | ㊎ ㊎ | ㊎ |
㊏ | U+328F | - | ㊏ ㊏ | ㊏ |
㊐ | U+3290 | - | ㊐ ㊐ | ㊐ |
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