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具注暦(ぐちゅうれき)とは、日本の朝廷の陰陽寮が作成し頒布していた暦である。
吉凶判断のための様々な暦注が記載されていたことから、注が具(つぶさ)に記入されているということで、このように呼ばれる。巻暦の体裁で、漢字のみで記される。基本的には上段に日付・干支・納音・十二直などの基本的な項目・暦注が記載され、中段には二十四節気・七十二候などが、下段にはその他の暦注が記載され、半年分で1巻とされた[注 1]。
現存する最古の具注暦のうち、紙に書かれたものは正倉院文書の天平18年(746年)暦である。
奈良時代から具注暦に日記を書く習慣が生まれ、平安時代には余白部分が拡大されるようになる。藤原道長の日記が書き込まれた具注暦は『御堂関白記』と呼ばれ、国宝となっている[注 2]。
鎌倉時代後期を過ぎると仮名暦の登場によって衰退するが、それでも公式の暦として重んじられた。江戸時代には、実用よりも公家や大名の「ステータスシンボル」として作られることが多くなった。
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