リバティメディア
アメリカのマスメディア企業 ウィキペディアから
リバティメディア(英: Liberty Media Corporation)は、アメリカのマスメディア関連企業である。またフォーミュラワン・グループ、ドルナスポーツを傘下に収め、フォーミュラ1、MotoGPと、四輪と二輪の最高峰レースとなる二つのモータースポーツ事業を所有している。
種類 | 公開会社 |
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市場情報 |
リバティ・ライブ・グループ NASDAQ: LLYVA(Series A) OTCQB LLYVB(Series B) NASDAQ: LLYVK(Series C) フォーミュラワン・グループ NASDAQ: FWONA(Series A) OTCQB FWONB(Series B) NASDAQ: FWONK(Series C) リバティ・シリウスXM・グループ NASDAQ: LSXMA(Series A) NASDAQ: LSXMB(Series B) NASDAQ: LSXMK(Series C) ラッセル1000(FWONA、FWONK、LSXMA、LSXMK) ラッセル2000(LLYVA、LLYVK) |
ISIN | US53071M1045 |
業種 | マスメディア |
前身 | テレコミュニケーションズ |
設立 | 1991年 |
創業者 | ジョン・マローン |
本社 | |
事業地域 | 世界 |
主要人物 |
ジョン・マローン(会長) グレッグ・マフェイ(社長兼CEO) |
製品 |
映画製作 テレビ番組 放送 ケーブルテレビ スポーツマネジメント |
売上高 | 86億9,600万米ドル(2021)[2] |
営業利益 | 19億7,700万米ドル(2021)[3] |
利益 | 7億4,400万米ドル(2021)[4] |
総資産 | 443億5,100万米ドル(2021)[5] |
純資産 | 182億6,200万米ドル(2021)[6] |
所有者 | ジョン・マローン |
子会社 |
フォーミュラワン・グループ ドルナスポーツ |
ウェブサイト |
www |
概要
1991年3月、かつて全米最大のケーブルテレビ会社・テレコミュニケーションズ(TCI)のCEOであったジョン・マローンが、TCIから分離し設立した[7]。しかし1994年にTCIと再合併した[8]。
1999年3月、AT&TがTCIを480億ドルで買収し、AT&Tの傘下となるが、2001年、AT&Tからスピンオフにより独立した。
かつてはターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS)に出資していたり、リバティメディアが所有していたスポーツ専門チャンネル・Prime SportsがFOXスポーツネット(FSN)の前身であったこともあって、タイム・ワーナーやニューズ・コーポレーションの大株主であった。またアトランタ・ブレーブスも所有していた。
また近年はフォーミュラワン・グループ[9]、ドルナスポーツなどを買収し[10]、スポーツビジネスにも注力している。
沿革
- 1990年 - TCIのケーブル番組制作配給統括を目的としてリバティメディア設立。
- 1991年 - NASDAQに上場。
- 1994年 - TCIと合併。
- 1995年 - リバティメディア・グループのトラッキング・ストックがNASDAQ上場。リバティメディアが所有していたホーム・ショッピング・ネットワーク(HSN)をバリー・ディラーがオーナーのSilver King社と合併(1997年にUSAネットワークを買収するが、ショッピング関連部門以外をヴィヴェンディ・ユニバーサルに売却、現在はIAC Inc.)。
- 1996年 - タイム・ワーナーのターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS、1987年TCIが出資)合併により、タイム・ワーナー株式7.5%を取得。ニューズ・コーポレーションと折半出資によりFox/Liberty Networks設立。リバティメディアが保有していたPrime Sportsとニューズ・コーポレーションがTBSから買収したSportsSouthにより「FOXスポーツネット(FSN)」発足。1994年に放送開始した「FX」もFox/Libertyが運営。
- 1998年 - ブラック・エンターテインメント・テレビジョン(BET)を創業者のロバート・ジョンソンと共同で買収。スペイン語放送局のテレムンドをソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと共同で買収。
- 1999年 - AT&TによるTCI買収に伴い、技術投資・海外統括事業を行うTCIベンチャー・グループがリバティメディア・グループに統合、トラッキング・ストックがニューヨーク証券取引所に上場。リバティメディアが保有するFox/Liberty Networksの持ち分とニューズ・コーポレーション株式8%を交換。
- 2000年 - リバティメディアが保有するBET株をバイアコム(現・CBSコーポレーション)に株式交換の形で譲渡。また、アセント・エンターテイメント・グループの買収により、デンバー・ナゲッツ(NBA)とコロラド・アバランチ(NHL)、および両チームの本拠地・ペプシ・センターのオーナーとなるが、同年現オーナーのE・スタンリー・クロンクに売却(現在も運営会社「Kroenke Arena Company, LLC」の6.5%を保有)。
- 2001年 - AT&Tからリバティメディアが分離(スピンオフ)。ニューヨーク証券取引所上場(ちなみに、当時のティッカーシンボルは「L」の一文字だった)。ドイツテレコムのケーブルテレビ事業買収がドイツカルテル庁に阻止される。テレムンドの株式をゼネラル・エレクトリック傘下のNBCに売却。
- 2002年 - USAネットワーク株式20%をヴィヴェンディ・ユニバーサルに売却。
- 2003年 - コムキャストからQVCの経営権を79億ドルで買収、完全子会社とする。
- 2004年1月 - UnitedGlobalCom(UGC)の経営権を取得。
- 2004年6月 - 国際部門をリバティメディア・インターナショナル(Liberty Media International, Inc.、LMI)としてスピンオフ。
- 2005年1月 - LMIとUGCが合併、新会社リバティ・グローバル(Liberty Global, Inc.、LGI)設立。
- 2005年3月 - ディスカバリー・ホールディング(Discovery Holding Company)をスピンオフ。リバティメディアが保有していたディスカバリー・コミュニケーションズ(ディスカバリー・チャンネルなどを運営)株式を新会社に移転。
- 2006年5月 - タイム・ワーナーと共同で設立したCourt TVの株式(50%)をタイム・ワーナーに7億3500万ドルで売却。「リバティ・キャピタル・グループ」と「リバティ・インタラクティブ・グループ」の2部門のトラッキング・ストックがNASDAQ上場。
- 2006年12月 - リバティメディアが保有していたニューズ・コーポレーションの株式16.1%と、ニューズ・コーポレーションが保有していた、ディレクTVグループの株式38.5%および、FOXスポーツネット加盟局3局などを交換することに合意した。(2008年2月交換完了)。
- 2007年2月 - リバティメディアが保有していたタイム・ワーナーの株式と、タイム・ワーナーが保有していたMLBのアトランタ・ブレーブスを交換することで交渉が成立。同年5月16日に、オーナー会議でチーム譲渡が満場一致で承認された。評価額は4億5000万ドル(約545億円)だった。また、リバティメディアが保有していたCBSコーポレーション株式と、グリーンベイに所有していたCBS直営局(WFRV-TV)を交換。CBSネットワークの加盟局とする。
- 2008年3月 - リバティ・キャピタルを分割、新トラッキング・ストック「リバティ・エンターテイメント・グループ」を新設。IAC/InteractiveCorpのスピンオフに反対する訴訟に敗訴。
- 2008年9月 - リバティ・エンターテイメント・グループのスピンオフを発表。
- 2009年2月 - 衛星ラジオのシリウスXMに5億3000万ドル出資。
- 2009年5月 - ディレクTVは、ディレクTVグループ株式の54%を保有するリバティ・エンターテイメント・グループ(リバティメディアのトラッキング・ストック)との合併を発表(2009年11月完了)。スターズ、Wild Blueなどはリバティメディアに残り、新トラッキング・ストック、リバティ・スターズ(Liberty Starz)を発行。
- 2016年9月 - F1の興行権を持つフォーミュラワン・グループを44億ドルで買収することで、CVC キャピタル・パートナーズと合意した[11][9]。
- 2023年7月 - 傘下のアトランタ・ブレーブスが会社分割され、新たに独立した公開会社である持株会社アトランタ・ブレーブス・ホールディングス傘下の、ブレーブス・ホールディングスの一部となった[12][13]。
- 2024年4月 - ロードレース世界選手権(MotoGP)並びにスーパーバイク世界選手権(SBK)を運営する、ドルナスポーツの買収を発表[14]。42億ユーロで2024年末に買収を完了。これで四輪と二輪の最高峰レースとなるF1とMotoGPのオーナーが2025年から同一となることになった。
リバティメディアが株式を保有している主な企業
→詳細は「en:Liberty Media § Divisions」を参照
リバティメディア自体は証券市場には上場していないが、3つの部門それぞれが、トラッキング・ストックを発行しており、各トラッキング・ストックは3つの個別のシリーズ(A、B、C)に分かれており、個別の議決権を持っているため、同社の普通株は9つの個別の銘柄コードで取引されている。9つのうち7つはNASDAQに上場されており、2つは店頭取引されている。
リバティ・ライブ・グループ
リバティ・シリウスXM・グループ
フォーミュラワン・グループ
- フォーミュラワン・グループ(100%)[17]
- ドルナスポーツ(86%)
- アソシエイテッド・パートナーズ・LP(33%)
- リバティメディアアクイジションコーポレーション(20%)
- リバティテクノロジーベンチャーキャピタルLLC(80%)
- メイヤー・シャンク・レーシング(30%)
かつて保有していた企業
- アトランタ・ブレーブス - 会社分割され新たに独立した公開会社である、持株会社アトランタ・ブレーブス・ホールディングス傘下の、ブレーブス・ホールディングスの一部となった[12][13]。
- リバティ・グローバル(Liberty Global, Inc.(LGI))NASDAQ: LBTYA
- ディスカバリー・ホールディング(Discovery Holding Company(DHC))
- 2008年9月、ディスカバリー・コミュニケーションズ(Discovery Communications, Inc.(DCI))と合併。
- リバティ・エンターテイメント(Liberty Entertainment, Inc.(LEI))※旧リバティ・エンターテイメント・グループ
- 2009年11月、リバティ・エンターテイメントが54%を保有していたディレクTVグループ, Inc.(ディレクTVの運営)と合併。
- ディレクTV スポーツネットワーク(旧Liberty Sports Holdings, LLC。FSN加盟局3局(シアトル、デンバー、ピッツバーグ)を運営)100%
- FUN Technologies Inc.(カジュアルゲームやファンタジースポーツの運営)100%
- 2009年11月、リバティ・エンターテイメントが54%を保有していたディレクTVグループ, Inc.(ディレクTVの運営)と合併。
- QVC - 持株会社クラーテ・リテール・グループの傘下企業として分離[18]。
日本での展開
日本では、住友商事とパートナーを組み、1995年にはケーブルテレビのMSOであるジュピターテレコム(J:COM)、1996年には番組供給事業を統括するジュピター・プログラミング・ネットワーク(JPC、現・JCOM メディア事業部門)を設立している。また、2004年には、単独でメディアッティ・コミュニケーションズにも出資している(2008年ジュピターテレコムに合併)。国際部門の分離により、これらの株式はリバティ・グローバルが住商/エルジーアイ・スーパー・メディア(現・KDDIグローバル・メディア)などを通じて保有していたが、2010年KDDIにすべて譲渡、日本市場から撤退した。
脚注
外部リンク
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