羽田空港 (大田区)
東京都大田区の町名。東京国際空港(羽田空港)の所在地。 ウィキペディアから
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東京都大田区の町名。東京国際空港(羽田空港)の所在地。 ウィキペディアから
羽田空港(はねだくうこう)は、東京都大田区の町名。現行行政地名は羽田空港一丁目から羽田空港三丁目。郵便番号は144-0041[3]。
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現在は東京国際空港(通称:羽田空港)及び関連施設の敷地が多くを占めるが、かつては穴守稲荷神社や羽田穴守海水浴場、羽田競馬場などを中心とした首都近郊の一大観光地として知られた。
大田区の沿岸部に所在し、多摩川を挟んで神奈川県川崎市川崎区浮島町・殿町、海老取川を挟んで羽田・羽田旭町・東糀谷・大森南、京浜運河や東京湾を挟んで昭和島・京浜島・城南島・令和島などと接する。
今の羽田空港一丁目・二丁目付近にあたる地域は「羽田浦」などと呼ばれ、元禄・天明の頃には葦が一面に密生した干潟であった[5]。
武蔵国荏原郡羽田猟師町で代々名主をしていた鈴木彌五右衛門という人物がいた。この彌五右衛門は羽田浦の東方にある干潟に目をつけ、その数町歩にわたる干潟を埋め立てて、新しい田畑を開発することにした[6]。そこで彌五右衛門はこの干潟を羽田村の名主石井四郎右衛門より譲り受けて、この干潟に堤防を作って開墾を始めた。この際、彌五右衛門は猟師町の名主職を嗣子に譲り、 自ら移り住んで開拓に取り組んだという[7]。この開墾事業は無事に成功したが、東京湾や多摩川に面する埋立地という環境のため、常に高潮、洪水などの水害の危険を孕んでいた土地であった。そのため彌五右衛門は、作物を植えるところは高く土を盛り、また堤防を強くするために数千本の松の木を植えることにした。この松の防潮林は、その後成長すると、沖から眺めると非常に美しい景観となった。それでこの地は、その地形から「扇ヶ浦」とか、元々一つの小さな島があったことから「要島」と人々から呼ばれるようになる。
1829年(文政12年)、この開墾地は羽田猟師町から分かれて「鈴木新田」と名付けられた。その後、羽田村・羽田猟師町・鈴木新田の三集落を合わせて「羽田三ヶ村」といわれるようになった[6]。
1889年5月1日、町村制の施行により、荏原郡麹谷村・萩中村・羽田猟師町・羽田村と合併し、東京府荏原郡羽田村大字鈴木新田となる。
1907年10月4日、羽田村が町制施行して、東京府荏原郡羽田町大字鈴木新田となる。
本町は都の隅に在り、多摩川口の左岸に位し、東は東京灣に面してゐる。 穴守稻荷の存在に依つて古くから知られた漁村であるが最近東洋一の飛行場の設置に依つて共の名は世界的となつた。小田原北條氏の時代には羽田浦又は扇ケ浦と稱し家人行方彈正の所領となり、德川氏入國後は其の直領として代官を置かれた。元祿六年羽田村から羽田獵師町を分ち、同年更に羽田村から萩中村が分村し、文化十二年羽田獵師町から鈴木新田を分つた。天保十四年に幕府は海外の事情(阿片戰爭)に鑑み此地に奉行を置き老中眞田幸貫をして羽田奉行に任じ砲臺を築かしめた。明治元年品川縣に屬し、同年東京府の管下に入り明治二十二年に羽田、羽田獵師町、鈴木新田、糀谷、下袋、濱竹、萩中を合併して羽田村を編成したが同四十年十月町となった。漁業を以て生業としてゐる。本町は蒲田より分岐して居る京濱電車と京濱バスを唯一の交通機関として居る。 敎育施設としては本町は面積廣き爲め、尋常高等小學校二、尋常小學校二を有する。逐年兒童が増加する結果全校二部敎授を施工するの止むなき狀態である。 其他實業補習學校二、靑年訓練所二、尋常夜學校一がある。尚東京府立工藝學校の實習所が設置されてゐる。 町内の社會事業としては方面委員制度の外見るべきものなく、町營以外では府立勞働紹介所出張所が町役場内に設置されてゐる外私設の羽田保育會託兒所がある。
町内の神社佛閣を通じて著名なものは穴守神社だけである。 — 昭和7年刊『市域拡張記念 大東京概観 第六節 蒲田區 羽田町』より
1932年10月1日、荏原郡羽田町が東京市へ編入され、新設された蒲田区の一部となる[注 1]。あわせて、鈴木新田も「羽田穴守町・羽田鈴木町・羽田江戸見町・羽田御台場・鈴木御台場」に改称・分割される。
1943年(昭和18年)7月1日、東京都制により東京府と統合されて東京市は廃止。東京都蒲田区羽田穴守町・羽田江戸見町・羽田鈴木町・羽田御台場・鈴木御台場となる。
1947年(昭和22年)3月15日、蒲田区が大森区と合併し、東京都大田区羽田穴守町・羽田江戸見町・羽田鈴木町・羽田御台場・鈴木御台場となる。
1967年(昭和42年)5月1日、住居表示が実施され、東京都大田区羽田穴守町・羽田江戸見町・羽田鈴木町・鈴木御台場・羽田御台場及び猟師町御台場が、現行の地名である東京都大田区羽田空港一丁目および二丁目になる。
1993年(平成5年)7月1日には住居表示を実施され、羽田空港三丁目が設置される。
実施後 | 実施年月日 | 実施前(いずれも羽田町) |
---|---|---|
羽田鈴木町 | 1932年10月1日 | 大字鈴木新田字宮ノ下・字鈴納耕地・字巽ノ方・字明神崎・字辰巳之方・字堤外東南 |
羽田穴守町 | 大字鈴木新田字東崎・字堤外東北・字堤外乾績 | |
羽田江戶見町 | 大字鈴木新田字江戶見崎・字江戶見崎北ノ方 | |
羽田御臺場 | 大字羽田字御臺場 | |
鈴木御臺場 | 大字鈴木新田字辰巳島・字御臺場・字御臺場耕地績中堤防ノ内・字御臺場耕地績中堤防外北ノ方・字御臺場耕地 | |
獵師町御臺場 | 大字羽田獵師町字御臺場 |
実施後 | 実施年月日 | 実施前 |
---|---|---|
羽田空港一丁目 | 1967年5月1日 | 羽田江戸見町の一部、羽田鈴木町の一部、羽田穴守町の一部 |
羽田空港二丁目 | 羽田御台場、猟師町御台場、鈴木御台場、羽田江戸見町の一部、羽田鈴木町の一部、羽田穴守町の一部 | |
羽田空港三丁目 | 1993年7月1日 | 京浜八区B区、京浜九区A区、京浜九区B区第一工区、京浜九区B区第二工区、羽田沖埋立地第一工区、羽田沖埋立地第二工区A区、羽田沖埋立地第二工区B区、羽田沖埋立地第三工区A区イ区、羽田沖埋立地第三工区A区ロ区、羽田沖埋立地第三工区B区イ区、羽田沖埋立地第三工区B区ロ区、羽田沖埋立地第三工区C区、羽田沖埋立地第三工区D区イ区、羽田沖埋立地第三工区E区、羽田沖埋立地第四工区A区イ区、羽田沖埋立地第四工区A区ロ区、羽田沖埋立地第四工区B区イ区、羽田沖埋立地第四工区B区ロ区、羽田沖埋立地第四工区B区ハ区、羽田沖埋立地第四工区B区ニ区、羽田空港二丁目南東側地先公有水面、羽田空港二丁目地先国有水没地、羽田空港三丁目地先公有水面羽田沖埋立地第四工区B区ホ区、羽田沖その三埋立地第一工区、羽田空港二丁目東側地先公有水面羽田沖その三埋立地第二工区 |
戦前は1200世帯3000人の住民がいたが、戦後の連合国軍による強制接収以降は、0人となった。その後、羽田空港一丁目に全寮制の航空保安大学校が創設され、寮生160人前後の住民がいた。しかし、2008年(平成20年)3月に同校が大阪府泉佐野市に移転したため、人口は再び0人となった。それから現在に至るまで、羽田空港の人口は常に0人である[38]。
区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2023年3月時点)[39][40]。ただし、住民不在のため、実際には通学する児童・生徒はいない。
2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[41]。
丁目 | 事業所数 | 従業員数 |
---|---|---|
羽田空港一丁目 | 118事業所 | 4,536人 |
羽田空港二丁目 | 159事業所 | 4,728人 |
羽田空港三丁目 | 403事業所 | 44,306人 |
計 | 680事業所 | 53,570人 |
経済センサスによる事業所数の推移。
経済センサスによる従業員数の推移。
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