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西日本旅客鉄道が運行している特別急行列車 ウィキペディアから
サンダーバードは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が大阪駅 - 敦賀駅間を東海道本線(JR京都線)・湖西線・北陸本線経由で運行する特別急行列車。
サンダーバード | |
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683系による特急「サンダーバード」(2015年12月) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 大阪府・京都府・滋賀県・福井県 |
運行開始 | 1964年12月25日(「雷鳥」として) |
後継 | 新幹線「かがやき」「はくたか」「つるぎ」 |
運営者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
旧運営者 |
日本国有鉄道(国鉄) 東日本旅客鉄道(JR東日本) IRいしかわ鉄道 |
路線 | |
起点 | 大阪駅 |
終点 | 敦賀駅 |
営業距離 | 136.9 km (85.1 mi)(大阪 - 敦賀間) |
運行間隔 | おおむね30分 - 1時間 |
列車番号 | 4000+号数 M |
使用路線 | 東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)・湖西線・北陸本線 |
車内サービス | |
クラス | グリーン車・普通車 |
座席 |
グリーン車指定席 普通車指定席 |
技術 | |
車両 |
681系電車・683系電車 (いずれも吹田総合車両所京都支所所属) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500 V |
最高速度 | 130 km/h (81 mph) |
備考 | |
1997年3月24日に「サンダーバード」の運行開始 2011年3月12日から全列車「サンダーバード」で運行 |
本項では、前身にあたる特急列車「雷鳥」(らいちょう)とともに、その周辺群の臨時列車および京阪神と北陸地方を結ぶ優等列車の沿革についても記述する。
北陸本線の電化拡大に伴い、1964年10月1日に大阪駅 - 富山駅間で「雷鳥」として運転を開始した。それ以来、電化区間の延伸に合わせて富山以東や七尾線も発着地に加えつつ、京阪神と北陸地方を結ぶ特急列車として運行されていた。
1995年4月20日には485系電車に代わって一部の列車に「ニュー雷鳥」こと681系電車を投入して列車名を「スーパー雷鳥(サンダーバード)」とし、1997年3月22日のダイヤ改正ではさらに「サンダーバード」に改称された。以来485系電車は順次、681系電車や改良型である683系電車への置き換えが進められ、2011年3月12日のダイヤ改正では「雷鳥」の定期列車が無くなった[広報 1]。
2021年時点で、新大阪・京都・福井のみに停車する最速達のサンダーバードは、表定速度104 km/hと国内の在来線特急の中では最速であり、唯一100 km/hを越える列車である[1]。
2015年3月14日の北陸新幹線長野駅 - 金沢駅間の延伸開業により、新幹線と並行する金沢駅 - 富山駅・魚津駅間が廃止され[2]、七尾線への乗り入れについても1往復を残して金沢駅 - 和倉温泉駅間のシャトル列車「能登かがり火」で置き換えられた[広報 2]。2024年3月16日には北陸新幹線が敦賀駅まで延伸され、サンダーバードの運転区間は並行区間の廃止によりさらに短縮された。
区間列車の設定はなく、大阪駅 - 敦賀駅間で25往復が運転される。
名付け親は当時のJR西日本社長・井手正敬[3]。JR西日本はアメリカ先住民族のスー族に伝わる神話に登場する雷光と雨を起こす巨大なワシに似た空想上の鳥「サンダーバード」に由来すると説明しているが、「雷」と「鳥」をそれぞれ英語に直訳したとの説もある[4]。なお、「雷鳥」の英語名は「Grouse(グラウス)」[注 1]もしくは「Ptarmigan(ターミガン)」である。
681系が「スーパー雷鳥(サンダーバード)」として営業運転を開始した際には、CMキャラクターとしてイギリスのSF人形劇『サンダーバード』(国際救助隊)を起用しており、乗車ノベルティとして作中メカのピンバッジが配布されるキャンペーンも行われた。CMの内容は北陸エリアと関西エリアとで若干異なっていた[注 2]。
2024年3月16日現在、定期列車は大阪駅 - 敦賀駅間で25往復が運転されている[5]。所要時間はおおよそ1時間20 - 30分である。敦賀駅で直近に接続する北陸新幹線の富山駅・金沢駅 - 敦賀駅間区間運転列車「つるぎ」との間では、金沢・富山方面、大阪方面の双方向とも「接続元の列車の号数(奇数)+1=接続先の列車の号数(偶数)」という法則性がある。
全列車が湖西線経由で大阪駅を発着として運転されるが、強風などで湖西線が運転見合わせになった場合は米原駅経由で迂回運転される。米原駅では原則として運転停車だが、事情により客扱いをすることもある。2000年代に入ってからは比良おろしとよばれる強風による運転規制の強化により迂回運転が増えていたが、防風柵の設置工事により迂回運転は減少するとしている(湖西線#沿線概況を参照)。迂回運転による所要時間の増加は約30分だが、折り返しとなる列車がさらに遅れる場合も多い。風が小康状態となり、かつ運転規制が解除されると湖西線経由に戻される。なお、何らかの理由で湖西線が不通になった事態を想定して、米原駅経由のダイヤもあらかじめ設定されている[6]。
なお北陸新幹線金沢開業以前の2015年3月13日までは、14往復が大阪駅 - 富山駅間、1往復が大阪駅 - 魚津駅間での運行であり、大阪駅 - 富山駅間の平均所要時間は3時間20分であった。富山駅・魚津駅発着系統は増結により12両編成で運転される場合、列車によっては金沢駅で1 - 9号車と10 - 12号車の増解結を行うことがあった。
交通系ICカードについては、全区間がICOCAエリアである。
大阪駅 - 新大阪駅 -(高槻駅)- 京都駅 -(堅田駅) -(近江今津駅)- 敦賀駅
凡例
サンダーバード | ||||||||||||||||||
← 敦賀 大阪 →
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吹田総合車両所京都支所に所属する681系電車及び683系電車9両編成が充当されている。681・683系の使い分けはなく共通運用で、681系及び吹田総合車両所の683系0番台は1 - 6号車が基本編成、7 - 9号車が付属編成。なお多客期は大阪方に681系もしくは683系の3両を増結して12両編成での運転となる。また、吹田総合車両所京都支所に所属する681系1000番台(先行試作車)は2015年3月14日の北陸新幹線の金沢開業から暫くの間は「しらさぎ」運用に就いていたが、同年7月からはその使用車両に余裕が出てきたことが理由として「サンダーバード」運用に復帰している。
かつては1号車(グリーン車)が大阪方の先頭車であったが、北陸新幹線開業に伴うダイヤ改正に伴い編成の方向転換が行われ[7][リンク切れ]、2015年3月14日以降は1号車が金沢方の先頭車となっている[広報 3][8]。
金沢駅 - 富山駅・魚津駅間は、2015年3月の北陸新幹線金沢延伸まで、敦賀駅 - 金沢駅間、金沢駅 - 和倉温泉駅間は2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸まで運行。また高槻駅は2017年3月改正以前は全列車通過、敦賀駅は2024年3月改正以前は一部列車通過。
基本的に毎週月曜日(休日の場合は火曜日)のみの運行で、大阪発金沢行きの1本が運転されている。京阪神から北陸地方への単身赴任者の利用を見込んで2002年度の冬から「サンダーバード」93号として運転を開始し[広報 4]、2003年度の冬に「ビジネスサンダーバード」に列車名が変更されている[広報 5]。
当初基本編成単独の6両編成であったが、2009年3月14日のダイヤ改正から付属編成単独の3両編成となった。途中の停車駅は、新大阪駅・京都駅・敦賀駅・武生駅・福井駅・芦原温泉駅・小松駅である。2020年6月29日を最後に運転されていない。
北陸方面からユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)への集客を目的に、富山駅 - ユニバーサルシティ駅間で運転されていた臨時列車。新大阪駅からは大阪駅(高架ホーム)を経由せず梅田貨物線・大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線)経由で運転されていた。USJが開業した年の2001年7月から「サンダーバード」94号として運転を開始し、2002年の春から「ユニバーサルエクスプレス」として1日1往復が運転されるようになった[広報 6]。運転開始当初は通年運転で、のちに夏と冬に限定されていたが、2010年の春以降は運転されていない。
全区間6両編成の全車座席指定席で、途中の停車駅は、新大阪駅・京都駅・敦賀駅・武生駅・福井駅・加賀温泉駅・小松駅・金沢駅・高岡駅であった。
富山県富山市八尾地域で「おわら風の盆」が開催される時期に合わせて、富山駅から高山本線を経由して越中八尾駅まで運転されていた列車である。
京都総合運転所配置のキハ181系気動車の5両編成で、全車座席指定席となっていた。また、同車の間合い運用として富山駅 - 越中八尾駅・猪谷駅に臨時快速列車が設定されていたこともある。キハ181系が2011年度をもって全て廃車となったため、2011年以降は設定されなくなった。
2003年から2010年まで、下りは9月1日 - 9月3日、上りは9月2日 - 9月4日に運転されていた[広報 7][広報 8][広報 9][広報 10][広報 11][広報 12]。2003年から2005年は大阪駅発着が1往復(1・4号)と金沢駅発着が1往復(2・3号)運転されていたが、2006年には金沢駅発着列車を福井駅発着に変更して1往復(2・3号)運転、2008年からは福井駅発着が大阪駅発着に変更されており、2往復(1 - 4号)が運転されていた。上りは越中八尾駅を日付が変わった深夜に出発し、そのうち大阪駅行きの列車(2005年までは4号、2006年は2号)に関しては夜行列車となった。
停車駅は次の通りであった。
2001年3月ダイヤ改正により、かつて大阪駅 - 青森駅間で運転していた「白鳥」1往復と、新潟駅発着の「雷鳥」3往復の金沢駅以東が「北越」に統合されて新潟駅発着の「雷鳥」が廃止された。しかし、大阪駅 - 新潟駅間でお盆・年末年始・ゴールデンウイークなど多客時に運転する臨時列車として、2001年秋に「雷鳥」として設定されていたが、2002年の夏から「ふるさと雷鳥」として2009年ゴールデンウィークまで運転されていた[広報 13][広報 7][広報 8][広報 9][広報 10][広報 14][広報 11]。車両は、当初は京都総合運転所の485系、2005年夏の運転より金沢総合車両所所属の489系ボンネット車が使用された。
途中の停車駅は、新大阪駅・京都駅・敦賀駅・福井駅・小松駅・金沢駅・高岡駅・富山駅・魚津駅・糸魚川駅・直江津駅・柏崎駅・長岡駅・見附駅・東三条駅・加茂駅・新津駅であったが、2003年度から大阪駅 - 金沢駅間は「雷鳥」の基本の停車駅になり、金沢駅 - 新潟駅間の停車駅に泊駅が追加された。
1990年4月1日 - 9月30日の間で開催された、大阪市鶴見区および守口市にある鶴見緑地で行われた国際花と緑の博覧会(花博)へのアクセス向上を図るため、富山駅と京橋駅との間を運転する臨時列車。運転日は1往復が設定されていた。新大阪駅からは大阪駅(高架ホーム)を経由せず梅田貨物線・大阪環状線天王寺駅を経由して京橋駅とを結んでいた。
運転日は、1990年4月1日・7日・8日・14日・15日と22日から7月15日の土曜・休日と、7月21日 - 8月7日と10日 - 20日の毎日、25日 - 9月30日の土曜・休日で、上りは富山駅発6:54・京橋駅着11:33、下りは京橋駅発17:08(日にちにより17:13)・富山駅着22:02のダイヤであった[9]。
停車駅は、京橋駅 - 天王寺駅 - 新大阪駅 - 京都駅 - 敦賀駅 - 武生駅 - 鯖江駅 - 福井駅 - 芦原温泉駅 - 加賀温泉駅 - 小松駅 - 金沢駅 - 石動駅 - 高岡駅 - 小杉駅 - 富山駅[9]。
また、これ以外にも花博開催期間中は直線距離での最寄り駅である茨木駅に一部の「雷鳥」が臨時停車していた。
京阪神地区から立山黒部アルペンルートを結ぶ列車として、富山駅から富山地方鉄道に直通運転していた時期があった。
大阪や京都などの主要駅で立山や宇奈月温泉といった地名が放送される効果が絶大だったこともあり、特に宇奈月温泉の旅館業者から復活要求が強く出されていた。JR西日本も国鉄時代の実績があったことから復活に前向きとなり、1990年7月21日、キハ65形エーデル車を用いた「リゾート立山」が大阪駅 - 富山地方鉄道立山線立山駅間で運行を開始[広報 15]、翌年には「リゾート宇奈月」が大阪駅 - 富山地方鉄道本線宇奈月温泉駅間で運行を開始した。
これらの列車は、富山駅までは雷鳥と併結して走り、地鉄線内のみを単独走行するという異色なものであった。1991年9月にはリゾート立山・宇奈月に代わって485系のスーパー雷鳥が地鉄乗り入れを開始。それぞれ「スーパー雷鳥立山」「スーパー雷鳥宇奈月」の愛称が付けられた。翌年7月からは、この485系を使用した夜行急行「リゾート立山」も運転された。前年まで運転されていた特急と同じ愛称が付けられたこの列車もまた、立山駅到着後に富山駅まで回送されスーパー雷鳥の運用に戻る、冬季は列車名を「シュプール立山」に変えて運転される、といった異色な存在であった。
1995年4月には地鉄乗り入れ車両を485系から681系に変更、愛称も「スーパー雷鳥立山(サンダーバード)」「スーパー雷鳥宇奈月(サンダーバード)」となった。そして1997年3月22日のダイヤ改正から1999年12月4日のダイヤ改正までは、「サンダーバード立山」「サンダーバード宇奈月」として運転されていた[広報 16][広報 17]。
廃止理由は利用率が35%以下と低迷していたことや681系への置き換え後は電圧降下に悩まされていたこと、JRでは車両特性が山岳線に合わず付属編成に故障が多発していたこと、ワンマン化の影響などによる[10]。
信州方面へのスキー客輸送のため、2004年度・2005年度は黒姫駅 → 大阪駅間で「シュプール雷鳥信越」が運転されていた[広報 18][広報 19]。途中の停車駅は、新大阪駅・京都駅・糸魚川駅・直江津駅・新井駅・妙高高原駅で、列車の運転時刻に合わせて主要駅からスキー場までのスキーバスに接続していた。
信州方面への登山やトレッキングへのアクセスとして、1989年以降、神戸駅発着の「スーパー雷鳥」が信越本線経由で長野駅まで延長運転されていた列車があり、この列車は「スーパー雷鳥・信越」として運転され、その後681系が登場してからは「スーパー雷鳥信越サンダーバード」として運転された[11]。また、2002年のお盆を除く夏休み期間中の日曜日に信州方面から京阪神地区へ「信州号」が、妙高高原発大阪行として1本運転されていた(往路は急行「信州トレッキング号」として運転)[広報 20]。2003年は「トレッキングエクスプレス」に改められ、大阪駅 - 糸魚川駅間で運転を行い、土曜日に大阪発糸魚川行きが、日曜日に糸魚川発大阪行きがそれぞれ485系6両編成(全車指定席)により運転されており、糸魚川駅では白馬方面からのバスに接続するなど、信州地区の観光地とのアクセスも強化していた[広報 21]。
京阪神 - 北陸間の流動は用務客や観光客などが多く、2018年度の湖西線特急(京都 - 敦賀間)の1日下り片道平均乗車数は9,213人で、バブル崩壊後の1995年度から観光利用を中心に減少傾向にあるが、JR西日本の特急列車運行区間としては瀬戸大橋線(岡山 - 児島間)[注 5]に次いで2番目に利用が多い[12]。
朝の上り、夜の下りを中心に湖西線内の堅田駅・近江今津駅に停車する列車があり、湖西線から大阪方面の通勤利用に対応している。湖西線内では定期券・回数券との組み合わせ限定の「湖西通勤回数特急券」(特急回数券)[広報 22] も発売されている。
2015年3月の北陸新幹線金沢開業に際して当列車の金沢以東(七尾線直通を除く)の運行が廃止され、関西方面と富山の間の鉄道利用は新幹線の乗り継ぎを前提とする形に変更されたが、これに関連して富山からの上り始発列車での大阪到着が遅くなること、実質的な料金上昇となることなど、利便性が低下する点が指摘されている[13]。
北陸3県と新潟地方の間には一定の流動があり、系統分離後も北陸地区で特急同士の乗り継ぎも可能な「新潟往復きっぷ」が発売されていた[14] が、北陸新幹線金沢開業に伴い廃止され、新幹線利用を前提とした「新潟自由席往復きっぷ」(JR西日本)[15]・「しらゆき・北陸往復きっぷ」(JR東日本)[16] [注 6]に変更されている。
大阪駅 - 金沢駅間で週末に運転される臨時列車として運転を開始した準急列車である。急行「北陸」の混雑緩和と京阪神から北陸方面への温泉観光輸送の目的として設定されたが、時間帯の良さと料金の安さが好評で年間の乗車率は高く、1954年に週末運転から隔日運転に変更され、さらに1955年には定期列車化された。1956年から名古屋方面に直通する車両の連結が行われ、これは北陸地方と中京圏を結ぶ優等列車の誕生につながった。1963年に急行列車化とともに、471系の電車運転に変わったのち、1965年に「加賀」に統合されて一旦廃止された。
1968年に「ゆのくに」は大阪駅 - 金沢駅・輪島駅間を結ぶ急行列車として列車名が再度使用されることになる。大阪 - 金沢間の列車には471系電車が引き続き使用されたが、七尾線に直通する列車についてはキハ58系気動車が使用された。1970年からは気動車列車にもグリーン車の連結を開始、1972年から一部の区間で普通列車化されたものの宇出津駅まで乗り入れを開始した。1975年3月のダイヤ改正で京阪神と北陸を結ぶ優等列車の大半が湖西線経由になった後も、米原駅経由で運転された。「雷鳥」の増発が進められ、1978年に気動車列車が廃止された後、1982年にすべて廃止された。
上野駅 - 長岡駅 - 大阪駅間で運転されていた急行「北陸」が1956年11月のダイヤ改正によって上野駅 - 福井駅間に短縮されたため、大阪方面への代替として運転を開始した列車。1965年に電車化された。湖西線開通後の1975年3月のダイヤ改正で、「雷鳥」とともに湖西線経由となった。しかし、その後の「雷鳥」の増発に伴って本数では大きく差を付けらる。1982年11月のダイヤ改正で「雷鳥」に編入される形で定期運行がなくなり、583系電車による夜行の臨時列車1往復のみとなったが、それも1985年3月に廃止された。定期運行の末期は富山駅以東で快速列車として運転する列車もあり、糸魚川駅や富山地方鉄道にも乗り入れていた。
国鉄時代における富山地方鉄道乗り入れの廃止理由は、急行の特急格上げと当時は短編成で走れる特急形が存在しなかったためでもある。
「ゆのくに」の混雑緩和を図る目的で1961年に大阪駅 - 金沢駅間で運転を開始した。金沢行きは土曜日・日曜日に、大阪行きは土曜日・日曜日・月曜日に運転され、EF58形・ED70形・DF50形などの機関車に牽引された43系客車で、全車指定席の9両編成で運転されていた。北陸トンネルの開通を機に金沢行きの列車は金曜日にも運転されるようになり、北陸本線が金沢駅まで電化されると「ゆのくに」と同時に急行列車化されたが、1968年に「ゆのくに」に統合されて廃止された。
その後1970年以降、繁忙期における大阪-金沢間の臨時客車急行列車として1991年まで運転していた。
1962年に北陸トンネルの開業にあわせたダイヤ改正により、大阪駅 - 金沢駅間の急行列車として運転を開始し、当時は気動車で1往復運転されていた。この列車の運転に際しては、福井県・石川県の鉄道債券に依存したため、金沢駅発着とし、列車名は福井県の旧国名が採用された。なお、福井駅からの着席サービスのため、金沢駅 → 福井駅間のうち2両は回送扱いで運転されていた。
1963年に大阪駅 - 金沢駅間の急行「越前」は「加賀」に統合されたが、「越前」は敦賀駅 - 金沢駅間の準急列車で使用されることになった。敦賀第二機関区の入出区を兼ねた列車であったが、わずか6カ月で廃止され「くずりゅう」に統合され、再び大阪駅 - 金沢駅間の急行列車として使用されることになった。しかし、同区間の急行列車の名称も1965年に「加賀」に統一された。
「越前」から改称された「くずりゅう」も、上野駅 - 福井駅間の運転区間に変更された「白山」と運転時刻が似通っていたため、1965年10月に廃止された。
北陸本線の金沢駅 - 富山駅間の電化により1964年に運転を開始したが、同区間を客車で運転されていた「立山」が電車で運転されるのにあわせて1965年に統合され、わずか1年で廃止された。
雷鳥 | ||||||||||||
← 大阪 金沢 →
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特急「雷鳥」は北陸本線の金沢駅 - 富山駅間の電化にあわせて、1964年10月1日のダイヤ改正において大阪駅 - 富山駅間でダイヤが設定されたが、向日町運転所(のち京都総合運転所、現在の吹田総合車両所京都支所)所属の481系の完成が遅れ、同年12月25日から11両編成(グリーン車2両、食堂車1両を含む)で運転を開始した[17]。
1971年からは、向日町運転所に先行配置された489系11両編成(グリーン車2両、食堂車1両を含む)も485系と共通で使用され、1972年3月15日ダイヤ改正からは12両編成化の上で485系と運用が分離され、特急「白山」と共通で組まれたが、1973年10月1日改正で489系の車両配置が金沢運転所(現在の金沢総合車両所)に移管された[18]。なお、向日町所属編成も1976年7月までに12両編成化がなされている[19]他、金沢運転所持ちの運用には「しらさぎ」と共通の485系(向日町所属編成と同一組成)も使用されるようになった。
1978年10月2日には、「白山」の食堂車が廃止となり別編成となった関係で489系との共通運用が不可能となったため、「しらさぎ」から移管される形で向日町所属の581・583系12両編成(グリーン車1両、食堂車1両含む)が4往復で運用を開始したが[20]、485系と比較して座席などの設備が不評であったことから、1982年11月15日以降2往復に縮小された[21]。なお、定期運用からは1985年3月13日限りで運用が終了したが、以後も代走や多客期の臨時列車として充当される場合があった[22]。
1982年11月15日ダイヤ改正では、食堂車が復活した「白山」との金沢運転所の489系の共通運用が再開されたが、こちらはグリーン車は1両のみの連結となった。
1985年3月14日以降、食堂車が廃止のうえ全列車が向日町所属の485系10両編成(グリーン車1両含む)で運用されるようになった[22]。一部では普通車に代えて、食堂車を改造した4人用座敷風グリーン個室「和風車だんらん」を連結するものもあった[23]。この「和風車だんらん」は1989年3月10日で運用を終了したが、「ラウンジカー」(半室グリーン車)に再改造され[24]、「雷鳥」にパノラマ型グリーン車と「ラウンジカー」を連結した「スーパー雷鳥」として翌3月11日に運転を開始した。
「スーパー雷鳥」運転開始と同時に、485系は「ゆぅトピア和倉」・「リゾート立山」等のキハ65系気動車を併結した列車を除いて湖西線及び北陸トンネル上り線内の最高速度が130 km/hに引き上げられ[25]、「スーパー雷鳥」は大阪駅 - 金沢駅間は最速2時間39分で運転された。この130 km/h運転は485系では600メートル条項をクリアできなかったため、ブレーキ距離750 m以内に停止することを条件に、600メートル条項を除外する特認を受けたものである[26]。当初7両編成で運転を開始したが、乗車率の高さからのちに9両編成に、七尾線電化後は基本7両編成+付属3両編成の10両編成に増強されている。
1986年11月1日以降、東日本旅客鉄道(JR東日本)の上沼垂運転区(現在の新潟車両センター)所属の485系1000番台・1500番台9両編成(グリーン車1両含む)が「雷鳥」の運用に加わった[27]。
「雷鳥」の晩年は京都総合運転所所属の485・489系電車の6両編成(489系は先頭車のみ)、多客時には9両編成で運転されていた。「スーパー雷鳥」から転用したパノラマ型グリーン車をはじめ、リニューアル車を組み込んだ編成が多かった。「雷鳥」に運用される485系電車の行先表示器字幕は日本国有鉄道(国鉄)時代からのものをそのまま用いており、JR西日本オリジナルの黒地字幕には交換されていなかった。また、指定席の2・3号車間にはトイレ・洗面所の設備がなかった。
「スーパー雷鳥」は2001年3月3日の683系投入により廃止、「雷鳥」は2011年3月12日に使用車両が681系・683系に統一されたことにより「サンダーバード」に統合されて廃止された。
「雷鳥」の列車名は、富山県の立山連峰の高山地帯に生息し、富山県の県鳥でもある特別天然記念物の「ライチョウ」に由来する。
雷鳥 | ||||||||||||||||||||||
← 大阪 富山 →
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雷鳥 | ||||||||||||||||||||||||
← 大阪 金沢・富山 →
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