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西日本旅客鉄道・四国旅客鉄道が運行している快速列車 ウィキペディアから
マリンライナー(英語: Marine Liner)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)と四国旅客鉄道(JR四国)が岡山駅 - 高松駅間を宇野線・本四備讃線・予讃線(瀬戸大橋線)経由で運行する快速列車。列車名はJR西日本による一般公募によって決定された。
マリンライナー | |
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マリンライナー(2023年1月) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 快速列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 岡山県・香川県 |
前身 | 快速「備讃ライナー」 |
運行開始 | 1988年4月10日 |
運営者 |
西日本旅客鉄道(JR西日本) 四国旅客鉄道(JR四国) |
路線 | |
起点 | 岡山駅 |
終点 | 高松駅 |
営業距離 | 71.8 km (44.6 mi) |
平均所要時間 | 52分 - 63分 |
運行間隔 | 下り38本・上り35本 |
列車番号 | 3100M+号数 |
使用路線 |
JR西日本:宇野線・本四備讃線(瀬戸大橋線) JR四国:本四備讃線(瀬戸大橋線)・予讃線 |
車内サービス | |
クラス | グリーン車・普通車 |
身障者対応 | 1号車 |
座席 | #使用車両・編成を参照 |
展望 | 1号車(5000系使用時) |
技術 | |
車両 |
223系電車(JR西日本下関総合車両所岡山電車支所) 5000系電車(JR四国高松運転所) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500 V |
最高速度 | 130 km/h |
快速「マリンライナー」は、1988年(昭和63年)4月10日に瀬戸大橋の完成に伴い、本四備讃線が開通したことにより運転を開始した。それまで本四間の主要なルートだった宇野線(岡山駅 - 宇野駅)と宇高航路(宇野港 - 高松港、連絡船とホーバークラフトが就航していた)による岡山 - 高松間の輸送の役割を引き継いでいる。
JRグループの快速・普通列車は1990年代から2000年代前半にかけて順次車内全面禁煙化が図られたのに対し、当列車は快速「備讃ライナー」として運行を開始した際から全車禁煙となっており、当時としては思い切った施策であった。なお、普通列車の車内が原則として全面禁煙となったのはJR西日本では1993年(平成5年)(岡山・広島支社管内では1992年(平成4年))、JR四国では1994年(平成6年)である。ただし、JR四国管内の電車や1000形気動車は導入当初から車内全面禁煙である。
2024年(令和6年)3月16日現在、岡山駅 - 高松駅間で下り38本(1 - 75号)・上り35本(2 - 70号)が運行されており、基本的に1時間あたり2本運転されている[1]。岡山駅 - 高松駅間は52分 - 63分で運行している。全列車がこの区間で運転されており、定期列車での他区間への乗り入れや区間列車は設定されていない。前身の「備讃ライナー」時代より列車番号は3120M+号数だったが、増発により3190番台まで達したため、2008年(平成20年)3月15日のダイヤ改正で3100M+号数に変更されている。
かつては岡山発の最終列車は山陽新幹線下り岡山着最終列車に接続しており、発時刻は日付を跨いだ0時12分発であった。この列車は高松到着が1時21分であり、2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正での関東地方・関西地方における終電時刻繰上げに伴い、日本一終電の到着時刻が遅い列車となっていたが、2022年(令和4年)3月12日のダイヤ改正で廃止された[2]。
強風等により瀬戸大橋線が不通になった場合は、児島駅での折り返し運転の措置がとられることがある。宇高航路が民間海運業者によって就航していた当時は、始発・終着駅を宇野駅へ変更の上で(この場合茶屋町駅 - 宇野駅間は通過扱い)宇野港 - 高松港間において船舶による代行輸送を実施することがあったが、2019年(令和元年)12月に全ての航路が休航となったため、現在は行われていない。
岡山駅 -(大元駅)-(備前西市駅)-(妹尾駅)-(早島駅)- 茶屋町駅 -(植松駅)-(木見駅)-(上の町駅)- 児島駅 - 坂出駅 -(鴨川駅)-(国分駅)-(端岡駅)-(鬼無駅)- 高松駅
運行本数 | 号数 | 宇野線 | 本四備讃線 | 予讃線 | ||||||||||||||
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岡山駅 | 大元駅 | 備前西市駅 | 妹尾駅 | 早島駅 | 茶屋町駅 | 植松駅 | 木見駅 | 上の町駅 | 児島駅 | 坂出駅 | 鴨川駅 | 国分駅 | 端岡駅 | 鬼無駅 | 高松駅 | |||
下り14本 上り13本 | 下記以外 | ● | ─ | ─ | ● | ─ | ● | ─ | ─ | ─ | ● | ● | ─ | ─ | ─ | ─ | ● | |
下り1本 | 1号 | ● | ● | → | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | → | → | → | → | ● | |
上り1本 | 2号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
上り1本 | 4号 | ● | ● | ← | ● | ← | ● | ← | ← | ← | ● | ● | ← | ← | ← | ← | ● | |
下り13本 上り4本 | 5・9・11・43・47・51・55・57・59・63・67・69・71号 12・14・16・68号 |
● | ─ | ─ | ● | ● | ● | ─ | ─ | ─ | ● | ● | ─ | ─ | ─ | ─ | ● | |
下り1本 上り1本 | 7号 6号 |
● | ● | ─ | ● | ● | ● | ─ | ─ | ─ | ● | ● | ─ | ─ | ─ | ─ | ● | |
上り1本 | 8号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ← | ← | ← | ● | ● | ← | ← | ← | ← | ● | |
上り1本 | 10号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ← | ← | ← | ← | ● | |
下り7本 上り12本 | 15・19・23・27・31・35・39号 20・24・28・32・36・40・44・48・52・56・60・64号 |
● | ─ | ─ | ─ | ● | ● | ─ | ─ | ─ | ● | ● | ─ | ─ | ─ | ─ | ● | |
下り1本 | 73号 | ● | ● | → | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
下り1本 上り1本 | 75号 70号 |
● | ● | ─ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ─ | ● | ─ | ● | |
停車本数 | 下り | 38 | 4 | 0 | 31 | 24 | 38 | 3 | 3 | 3 | 38 | 38 | 2 | 1 | 2 | 1 | 38 | |
上り | 35 | 6 | 3 | 23 | 21 | 35 | 3 | 3 | 3 | 35 | 35 | 2 | 1 | 2 | 1 | 35 |
凡例
マリンライナー | ||||||||||||||||||||||
← 高松 岡山 →
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2003年(平成15年)10月1日から、高松運転所(JR四国)に所属する5000系電車(3両編成)と、下関総合車両所岡山電車支所(2022年(令和3年)9月30日までは岡山電車区、JR西日本)に所属する223系電車(5000番台、2両編成)が使用されている。これらの車両が、中国地方のJR在来線で民営化後に製造された初めての電車車両であった。
基本的に両車を併結した5両編成で運転されているが、早朝・深夜には5000系(下り69号)または223系(下り1・3・71・73号・上り2号)のみで運転される列車も存在する。上り8・10号は223系をさらに2両増結した7両編成で運転されている。
2007年(平成19年)6月下旬からの一時、混雑対策として網干総合車両所から223系2000番台を借り受けて、サハ223形を223系5000番台編成の中間に組み込んで3両編成とした。これにより早朝・深夜が5000系または223系のみの3両編成、日中が6両編成、ラッシュ時の一部が9両編成となり、年末年始・大型連休・お盆などの多客期の一部の列車は終日9両編成で運用されることがあった。
その後、2010年(平成22年)1月19日から1月23日にかけて223系は2両編成に戻され、網干総合車両所に返却された。これにより1月24日以降は9両編成が7両編成に、6両編成が5両編成に、3両編成の一部が2両編成での運転に変更された[5][6]。
高松側の先頭車両は2階建て車両であり、2階および前頭部側の平屋席はグリーン車指定席、1階および後部側の平屋席は普通車指定席である。高松方のデッキはグリーン車のデッキとして扱われ、ここでの立席乗車はグリーン料金が発生する。
なお、223系のみで運転される列車は例外なく全車自由席となる。
1988年(昭和63年)4月10日の運行開始時から、1987年(昭和62年)以降「備讃ライナー」で先行使用されていたステンレス製軽量車体の213系を引き続き使用したが、高松側の先頭車両は瀬戸大橋の眺望を望めるように新製された普通鋼製のグリーン車(クロ212形)を連結していた。同年7月には一部の列車に普通車指定席も設けられている。折からの瀬戸大橋架橋記念博覧会などの影響による盛況に呼応して、一部列車は3両のグリーン車(スーパーサルーンゆめじ)を組み込んだ11両編成で運転された。これらは全車両がJR西日本所有車であった。
2003年(平成15年)9月30日をもって運用を終了し、転用できないクロ212形とサハ213形の一部が廃車になった他は岡山支社エリア各線の普通列車運用に転用されている。
2007年(平成19年)2月に早島駅付近で踏切事故の被害を受けた223系5000番台が使用不能となった際、修理中の代走として、全車普通車自由席の下り77号・上り2号において同年3月末まで213系の運用が復活した[7]。
通勤・通学需要は岡山駅 - 坂出駅間で多く、終日混雑している[8]。
運行開始当初は1時間あたり1本の設定であり、当時の瀬戸大橋ブームも相俟って、指定席がグリーン車のみで即日完売となるなど人気が集中したことから、瀬戸大橋線開業当日には「マリンライナー」2号の続行で2本の臨時列車(1本はキハ181系で茶屋町駅まで)が運行されたほか、翌4月11日からもJR西日本所属の115系・JR四国所属の111系などを使用した臨時快速が岡山駅 - 宇多津駅・坂出駅・高松駅間(一部は岡山駅 - 茶屋町駅・児島駅間の普通を延長運転)に運行された。当初、これらの列車は市販の全国版時刻表には掲載されておらず、沿線で配布された修正時刻表にのみ記載される列車であった。その後も折からのバブル景気もあり、瀬戸大橋線の利用が好調であったことからスーパーサルーン「ゆめじ」編成のクモロ211形+モロ210形電動車ユニットも繁忙期を中心に増結に入るようになり、同年7月からは普通車にも指定席を設定するとともに、大型連休・お盆などの多客期の一部の列車は終日12両編成や11両編成で運用された。さらにJR西日本所属の117系100番台(指定席あり)や115系3000番台などを使用した臨時「マリンライナー」や、167系や115系を使用した臨時快速が岡山駅 - 高松駅間に設定され、213系の増備落成にともなう増発が実施される1989年(平成元年)3月までの間、毎日運転の臨時列車として運行された。臨時「マリンライナー」はその後も繁忙期に運行された時期があり、JR西日本所属の221系が使用されたこともあった。[要出典]また、2010年代に入ってからは、2010年(平成22年)より隔年で開催されている瀬戸内国際芸術祭の効果で、利用者数はわずかに増えている[9]。
2003年(平成15年)10月11日から13日までの3日間、快速「マリンライナー京阪神ホリデー号」が運転された。高松駅 - 京都駅間を全車指定席で1往復運転された。途中の客扱い停車駅は、坂出駅・三ノ宮駅・大阪駅のみで、5000系と223系5000番台が使用された。2024年時点で、京阪神地区での運用はこのとき限りとなっている[10]。
なお、5000系と223系5000番台にはATS-Pが準備工事のみのため、上郡駅以東でATS-Pが整備されている2021年現在は、本設工事を行わない限りこのような区間での営業運転が不可能となっている。
瀬戸大橋開通20周年を迎えた2008年(平成20年)4月10日に「懐かしの213系マリンライナー号」(リバイバルトレイン)が運転された[11]。運転区間は高松駅→岡山駅間の上り1本のみで、6両編成の全車指定席であった。グリーン車はスーパーサルーン「ゆめじ」編成のうちの1両でかつて「マリンライナー」でも使用されたクロ212-1001が使用された。
2022年(令和4年)9月25日に、「おか鉄フェス2022[12]」の一環として、213系C05編成(3両編成)を使用し、団体臨時列車として岡山駅 - 高松駅間で1往復が運行された[13]。なお本列車は旅行商品として日本旅行から発売された[14]。
もともと、宇高連絡船との連絡の関係で宇野線には東京駅・大阪駅発着のものを中心に、多くの列車が運行されていた。
1972年(昭和47年)3月15日の山陽新幹線岡山駅乗り入れにより、従来の東京駅や大阪駅からの昼行の連絡列車を廃止し、代わりに岡山駅 - 宇野駅間の快速列車を設定して新幹線などから宇高連絡船への連絡とした。当初は153系など廃止された急行列車用の車両が充当されたが、普通車の混雑緩和を目的として宮原電車区(現:網干総合車両所宮原支所)の113系に置き換えられ、さらに京阪神地区での車両の所要増から1980年(昭和55年)に岡山電車区に新製配置された115系1000番台に置き換えられ、この際にグリーン車が廃止された(なお、グリーン車は横須賀線・総武快速線直通運転開始に伴う所要増のため関東地区に転用された)。さらに1987年(昭和62年)3月より「備讃ライナー」の名称が与えられて213系が使用されるようになった。「備讃ライナー」は「マリンライナー」に投入する車両の先行使用の性格が強い列車であった。
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