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四国旅客鉄道・西日本旅客鉄道が運行している特別急行列車 ウィキペディアから
しおかぜは、四国旅客鉄道(JR四国)および西日本旅客鉄道(JR西日本)が岡山駅 - 伊予西条駅・松山駅を宇野線・本四備讃線・予讃線経由で運行している特別急行列車。
しおかぜ | |
---|---|
8000系による「しおかぜ」 | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 岡山県・香川県・愛媛県 |
前身 | 急行「うわじま」 |
運行開始 | 1972年3月15日(高松発着として) |
後継 | 特急「宇和海」(松山以南) |
運営者 |
四国旅客鉄道(JR四国) 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
路線 | |
起点 | 岡山駅 |
終点 | 伊予西条駅・松山駅 |
営業距離 |
134.3 km (83.5 mi)(岡山 - 伊予西条間) 214.4 km (133.2 mi)(岡山 - 松山間) |
運行間隔 | 15往復 |
列車番号 | 号数+M |
使用路線 |
JR西日本:宇野線・本四備讃線(瀬戸大橋線) JR四国:本四備讃線(瀬戸大橋線)・予讃線 |
車内サービス | |
クラス | グリーン車・普通車 |
座席 |
グリーン車指定席:1号車(半室) 普通車指定席:1 - 3号車 普通車自由席:4・5号車(繁忙期には変わる場合がある) |
娯楽 | 「アンパンマン列車」(一部列車) |
技術 | |
車両 |
8000系電車(JR四国松山運転所) 8600系電車(JR四国松山運転所) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500V |
最高速度 | 最高130 km/h (81 mph) |
備考 | |
一部列車で多度津 - 伊予西条・松山間で特急「いしづち」と併結 |
山陽新幹線に接続して、岡山市と香川県の西讃・愛媛県の各都市を結ぶJR四国の主力列車でもある。
1972年(昭和47年)3月15日、それまで運転されていた急行「いよ」を格上げしたことにより高松駅 - 宇和島駅間で運転を開始した。同時期に運転を開始した「南風」とともに四国初の特急列車であり[1]、1986年(昭和61年)11月1日にはエル特急に指定されている。
1988年(昭和63年)4月10日に本四備讃線(瀬戸大橋線)の開通に伴って岡山駅発着に変更され、引き続き高松駅を発着する列車は「いしづち」として運転されるようになった。
瀬戸内海の「海から吹く塩気を含んだ風」である潮風を平仮名表記にしたものである。「しおかぜ」の名称は、1965年(昭和40年)から1968年(昭和43年)まで新大阪駅 - 広島駅間を運行する特急の名称として使用された(「山陽本線優等列車沿革」を参照)。なお、漢字は異なるが千葉県の房総地区の臨時列車で「汐風」が存在していた。
「しおかぜ」の名称は、JR四国の社内広報誌のタイトルにも採用されている。
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
2024年(令和6年)3月16日現在、岡山駅 - 松山駅間で14往復(下り1 - 27号/上り4 - 30号)、岡山駅 - 伊予西条駅間で1往復(下り29号/上り2号)が運転されている[2]。
運行区間の殆どが単線区間で、列車の増発が困難であることから、伊予西条始発の2号を除き、宇多津駅・多度津駅 - 松山駅間で高松駅発着の「いしづち」を併結している。ただし、多客期(大型連休・お盆・年末年始)は一部列車を除いて宇多津駅または多度津駅での連結・切り離し作業を行わず、全編成が岡山駅発着の「しおかぜ」として運転される。この場合、高松駅 - 宇多津駅・多度津駅間に接続列車として臨時「いしづち」が運転され、宇多津駅 - 多度津駅間の各停車駅で乗り換えとなる。或るいは団体客が乗車する場合も同様で、時刻表に載らない場合が多い。逆に瀬戸大橋が強風で運転を見合わせ、予讃線のみ運行可能な場合は宇多津での切り離しはせず全列車全編成とも高松駅発着となる。
1990年(平成2年)に2000系の量産車が予讃線に投入された頃から岡山駅 - 宇和島駅間を結ぶ直通列車は宇和島発が朝の上り3本、宇和島着が夜の下り2本のみとなり偏った状態だった。予讃線の電化完成当初は、岡山駅 - 宇和島駅間を結ぶ直通列車は宇和島発が朝の上りと宇和島着が夜の下り各1本のみ残されたが、松山駅で2000系同士の乗り換えが1日1回発生し、乗り換え利用時と直通利用時とで特急料金が異なる[注 1]ことが利用客から問題視され、一時的に2往復とされた。2011年(平成23年)3月12日からは、再度宇和島発が朝の上りと宇和島着が夜の下り各1本のみに変更された。
2016年(平成28年)3月26日のダイヤ改正で、8600系の「しおかぜ」への新規投入により使用車両がすべて電車に統一され、特急列車は松山駅で完全に系統分離された。
岡山駅 - 児島駅 - 宇多津駅 - 丸亀駅 - 多度津駅 - (詫間駅)-(高瀬駅)- 観音寺駅 - 川之江駅 - 伊予三島駅 - 新居浜駅 - 伊予西条駅 - 壬生川駅 - 今治駅 -(伊予北条駅)- 松山駅
運行本数 | 号数 | 瀬戸 大橋線[注 2] | 予讃線 | 備考 | |||||||||||||||
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岡山駅 | 児島駅 | 宇多津駅 | 丸亀駅 | 多度津駅 | 詫間駅 | 高瀬駅 | 観音寺駅 | 川之江駅 | 伊予三島駅 | 新居浜駅 | 伊予西条駅 | 壬生川駅 | 今治駅 | 伊予北条駅 | 松山駅 | ||||
下り1本 上り1本 | 1号 8号 |
● | ● | ● | ● | ● | ● | ─ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
下り1本 | 3号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | → | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | → | ● | ||
下り4本 上り6本 | 5 - 11号 14 - 24号 |
● | ● | ● | ● | ● | ─ | ─ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ─ | ● | 下り9号/上り22号は アンパンマン列車 | |
下り5本 上り4本 | 13 - 21号 10・12・26・28号 |
● | ● | ● | ● | ● | ─ | ─ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 下り21号/上り10号は アンパンマン列車 | |
下り3本 上り3本 | 23・25・27号 4・6・30号 |
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
下り1本 上り1本 | 29号 2号 |
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 2号は 「いしづち」併結なし | |||||
停車本数 | 下り | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 6 | 4 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 14 | 14 | 9 | 14 | ||
上り | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 5 | 4 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 14 | 14 | 8 | 14 |
凡例
しおかぜ | ||||||||||||
← 松山・伊予西条 岡山 →
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| ||||||||||||
| ||||||||||||
| ||||||||||||
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全列車が松山運転所所属の車両で運転されている。なお、宇野線・本四備讃線では振り子を含む車体傾斜機構は使用しない。
運用上の特徴として、「いしづち」編成が岡山駅・高松駅側に、「しおかぜ」編成が松山駅側に連結される。このため、松山方面行きでは「しおかぜ」が先に宇多津駅・多度津駅に入り、「いしづち」が駅手前で信号待ちを行う。1998年(平成10年)3月14日 - 2014年(平成26年)3月14日の間は、「しおかぜ」の所要時間短縮のため8000系の向きが編成ごと方向転換されていたが、2014年3月15日のダイヤ改正から元の向きに戻されている。これにより、グリーン車の位置が編成の1号車に統一された。
JR四国もシェア確保のため積極的な営業戦略を行っている。具体的には、西日本旅客鉄道(JR西日本)と協力しながら、新幹線との接続改善、特別企画乗車券である阪神往復フリーきっぷの発売、パークアンドライドサービスの実施、四国・瀬戸内海エリアでテレビコマーシャルの放送などが挙げられる。大阪府と愛媛県との間の交通機関別の輸送シェアを2000年(平成12年)と2005年(平成17年)とで比較した調査においては、鉄道のシェアはほぼ横ばいであった[6]。
施設面では2006年(平成18年)11月に、岡山駅の橋上駅舎化による乗換利便性の向上が図られたほか、宇野線の部分複線化工事が2009年(平成21年)に完成し、同年3月14日のダイヤ改正で1 - 2分所要時間が短縮された。
沿線一部自治体が、「しおかぜ」のフリーゲージトレイン化による新大阪駅直通列車運行を要望しており、実際にフリーゲージトレイン試作車による試験運転が行われている。すでに電化されているため、「南風」よりも実現性が高いものの、沿線自治体の姿勢が一貫していない上に、どの自治体も財政が厳しく、強く推進されていないのが現状である。
JR四国は2006年(平成18年)に国土交通省交通政策審議会・交通体系分科会の地域公共交通部会に提出した資料の中で、長期的に望まれる投資として瀬戸大橋線を介したフリーゲージトレインによる新幹線直通列車を挙げている[7]。これとあわせて予讃線の伊予市 - 宇和島間の電化や伊予西条 - 松山間の短絡線(高縄半島の付け根を結ぶ)も挙げられており、フリーゲージトレインが具体化した場合にはこれらの投資の必要性を考えているとみられる。JR四国の松田清宏社長(当時)も2008年(平成20年)の雑誌の対談記事でそうした主旨の発言をおこなっている[注 6]。
2010年(平成22年)には、松田会長(同年6月に社長から異動)や泉雅文社長が、高縄半島の付け根の短絡線による予讃線の時間短縮について相次いで言及した[9][10]。泉社長はこれを含めた高速化(土讃線・高徳線を含む)の費用を1,500億円と述べ、国の支援を求めているとしている。
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