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日本のジャズバンド、コントグループ (1956-1993) ウィキペディアから
ハナ肇とクレージーキャッツ(ハナはじめとクレージーキャッツ)はかつて日本に存在したジャズ・バンド・お笑いタレント・歌手グループ。クレイジーキャッツとも表記。略称「クレージー」。渡辺プロダクション所属。
元々「キューバン・キャッツ」の名で活動を開始したが、在日米軍のキャンプ回りをしていた際、演奏中に洗面器で頭を叩くギャグが大受け、“You're crazy!”と言われたことから「クレージーキャッツ」に改名したとされている。
数多くのバラエティ番組に出演、コントを演じるようになってからコントグループと見られるようになった。しかしながら、下記の通り各人は音楽の経験やテクニックという点で卓越した技量を持っており、単なるコントグループ、コミックバンドと全く違う「音楽の質の高さ」を兼ね備えた異色の存在で、音楽+コメディという芸能活動を広めた第一人者。
1960年代に一世を風靡したコミックバンド。バンド結成時、その資金を出したのが渡辺晋であり、そのため、結成当初から渡辺プロダクションに所属。
1955年の結成後、ジャズ喫茶での音楽ギャグで人気を博し、『おとなの漫画』(フジテレビ)、『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ)などのテレビ出演をきっかけに人気が爆発。映画でもクレージーの出演作は東宝のドル箱シリーズとなり(東宝クレージー映画)、挿入歌として発表のシングル『スーダラ節』『ハイそれまでョ』『ドント節』など、軒並み大ヒットを記録。
1961年4月9日からは、NHKのミュージカル風生ドラマ『若い季節』(日曜夜8:00-)、同年6月4日からは、日本テレビのミュージカルバラエティー『シャボン玉ホリデー』(日曜夜6:30-)に出演。同じ曜日に放送された両番組を人気作とする原動力となった[3]。
1965年を過ぎた頃から、植木・ハナ・谷・犬塚ら主要メンバーの個人活動が多くなっていく。1971年1月に石橋エータローが脱退後、4月~9月末に諸事情から『8時だョ!全員集合』のつなぎとして企画された『8時だョ!出発進行』(TBS)へのレギュラー出演を最後に、グループとしての活動機会が減少。1980年代以降は、コメディアンというより各メンバーとも俳優としての存在感が増し、グループとして事実上の解散状態を迎えていた。
その後、1993年9月10日午前7時3分にリーダーのハナ肇、1994年に石橋エータロー、1996年に安田伸が死去。
それでも2000年代中頃の時点ではメンバーの半分以上が健在で、2006年には新曲も発表するものの、翌2007年以降はメンバーの他界が相次ぎ、2012年11月に桜井センリが死去して以降は犬塚弘が最後の存命者となっていた。その後、2023年10月にその犬塚が死去したことによって、過去のメンバーの一部を除き、全てのメンバーが他界した[注釈 2]。
そのため、幾つかの文献で「既に解散したバンド」として扱われているが、グループとしての活動が出来ないだけで、最後のメンバーであった犬塚が死去して自然消滅となるまでは解散していない現役バンドであった。[注釈 3]。
所属事務所、渡辺プロダクションの後輩にはザ・ドリフターズやザ・ピーナッツ(クレージーを含めたこの3グループで「ナベプロ3大タレント」と言われることもある)がいる。ザ・ドリフターズが1964年に再結成した際に、メンバー全員の名付け親となったのがハナ肇。ザ・ピーナッツとは映画や番組で数多く共演。1960年代当時の渡辺プロダクションは、数多くの人気タレントを抱えていることもあり、敵も多かったようだが、事務所の黎明期から在籍し、才人ぞろいのクレージーキャッツとザ・ピーナッツが同プロダクションの看板タレントであったことが、風当たりを弱めることにつながった。
数多くのコミックソングを世に送り出している。グループ名義の楽曲は、大半は植木の独唱であるが、サビの部分のみメンバー全員で合唱する場合もある。デビュー・シングル「こりゃシャクだった」にはメンバーによる寸劇が挿入されている。「五万節」「ホンダラ行進曲」「悲しきわがこころ」「新五万節」は植木を含む全メンバーが1コーラスずつ歌唱。「実年行進曲」は全員の合唱・谷・ハナ・植木の順で1コーラスを4小節ずつ歌い継ぐ構成になっている。
無名時代からクレージーファンで、一時期はクレージーのブレーン役でもあった小林信彦は、「クレージーで一番面白いのは『生』、次が『テレビ』、一番面白くないのが『映画』」と語っている。
「この際カアちゃんと別れよう」というオリジナル曲があるが、実際のメンバーは全員がそれぞれ妻と添い遂げた良き家庭人であり、スキャンダルや人格批判にほとんど無縁のグループでもあった。
著名なファンに「実年行進曲」を作曲した大瀧詠一、植木とドラマで共演した所ジョージ、声優の関智一、漫画家の秋本治、シンガーソングライターの山本正之、サザンオールスターズの桑田佳祐[4]、シンガーソングライター兼俳優の星野源などが挙げられる。
クレージーキャッツ全員レギュラー番組
※太字は主演 クレージーキャッツ主演・出演
※ 太字は7人全員出演
太字は主演舞台
コミックソングがほとんど。CDなどでは、植木等や谷啓名義の場合もある。
発売日 | タイトル | 備考 | |
---|---|---|---|
1 | 1961年8月20日 | スーダラ節/こりゃシャクだった | 売上50万枚以上の大ヒット。「スーダラ節」は第4回日本レコード大賞企画賞受賞。「こりゃシャクだった」は『おとなの漫画』のヒットフレーズ。当初はこちらがA面であった。 |
2 | 1961年12月 | ドント節/五万節 | 「五万節」のオリジナルヴァージョンは植木のソロパート(3番と6番)の歌詞が問題視され放送禁止・発売中止になった。1962年1月20日に問題の部分の歌詞が変えられ発売。1995年にオリジナルヴァージョンもCD化され発売された。 |
3 | 1962年7月20日 | 無責任一代男/ハイそれまでョ | |
4 | 1962年12月20日 | これが男の生きる道/ショボクレ人生 | |
5 | 1963年4月20日 | いろいろ節/ホンダラ行進曲 | |
6 | 1963年7月20日 | どうしてこんなにもてるんだろう/ギターは恋人 | |
7 | 1963年8月20日 | 図々しい奴/愛してタムレ | 谷啓のメインボーカル。「愛してタムレ」では最後に谷のギャグ「ガチョン」が入っている。 |
8 | 1963年12月20日 | 学生節/めんどうみたョ | |
9 | 1964年6月20日 | 馬鹿は死んでも直らない/ホラ吹き節 | 「ホラ吹き節」では前奏、間奏、後奏に疑似ステレオ処理が施してある。 |
10 | 1964年8月20日 | あんた誰?/天下の若者 | 谷啓のメインボーカル。B面「天下の若者」は同名ドラマの主題歌。 |
11 | 1964年11月15日 | だまって俺について来い/無責任数え唄 | 「だまって俺について来い」は2001年に天童よしみによってカバーされたものが、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のテーマソングとして使われた。 |
12 | 1965年4月5日 | ゴマスリ行進曲/悲しきわがこころ | 渡辺プロダクション後輩の松野大介が1987年4月21日発売のシングルで「ゴマスリ行進曲」をカバーした。 |
13 | 1965年10月1日 | ヘンチョコリンなヘンテコリンな娘/小指ちゃん | |
14 | 1965年11月15日 | 遺憾に存じます/大冒険マーチ | 「遺憾に存じます」の前奏は「抱きしめたい」風、演奏は寺内タケシとブルージーンズが担当し、紅白歌合戦でも一緒に出場している。 |
15 | 1966年3月15日 | 何が何だかわからないのよ/シビレ節 | 「シビレ節」の3番の歌詞の一部に問題があり放送禁止(局によっては要注意曲)になった。長らくベスト盤等には問題箇所を編集したものを収録されてきたが、現在発売されているベスト盤ではオリジナル音源が収録されている。 |
16 | 1966年6月15日 | プンプン野郎/虹を渡ってきた男 | |
17 | 1966年12月5日 | それはないでショ/笑えピエロ | 「笑えピエロ」は植木得意のバラードで、1990年にリバイバル。 |
18 | 1967年6月15日 | 花は花でも何の花/余裕がありゃこそ | |
19 | 1967年10月5日 | 万葉集/たそがれ忠治 | |
20 | 1969年7月10日 | あんた/ウンジャラゲ | 「ウンジャラゲ」は1988年に志村けんによってリメイクされたのも有名。 |
21 | 1969年12月20日 | アッと驚く為五郎/酒のめば | 『巨泉・前武のゲバゲバ90分!!』においてハナ肇がはなったギャグのヒットを受けて作られた。また、未採用の「萩原哲晶ヴァージョン」も存在する。 |
22 | 1970年7月5日 | 全国縦断追っかけのブルース/おとこ節 | |
23 | 1971年8月5日 | この際カアちゃんと別れよう/こんな女に俺がした | |
24 | 1972年1月7日 | 男の憲法/かあちゃん | |
25 | 1973年7月5日 | 僕はしゃべれるんだ/ゲップゲップの歌 | アニメミュージカル『シャーロットのおくりもの』より。 |
26 | 1979年4月20日 | これで日本も安心だ!/スーダラ節'79 | 「スーダラ節'79」は結成25周年記念ヴァージョン。結成25周年記念アルバム『ハナ肇とクレージーキャッツ』では「スイスイスーダララッタ〜」の部分をクレージー全員で歌っている別テイクが収録されている。 |
27 | 1983年11月21日 | 毎度毎度のおさそいに | 大正製薬「大正漢方胃腸薬」CMソング。 |
28 | 1985年8月5日 | オムライスチョンボNo.5/ピーマンキッス | フジテレビ『ひらけ!ポンキッキ』より。 |
29 | 1986年4月23日 | 実年行進曲/新五万節 | クレージー結成30周年記念曲。作曲・編曲は大瀧詠一。「新五万節」は「五万節」のニューバージョン。 |
30 | 2006年4月12日 | Still Crazy For You | 渡辺プロ50周年記念曲。松任谷由実とのコラボレーション曲。亡きメンバーのパートは各々のサンプル音源を使用。フジテレビ系『ウチくる!?』エンディング・テーマ。 |
タイトル | 備考 | |
---|---|---|
1 | そうだそうですその通り/なせばなる | 日本一の男の中の男の主題歌。
発売予定が中止となった。 |
2 | 笑って笑って幸せに/俺は売り出し中 | クレージーのぶちゃむくれ大発見の主題歌。
発売予定でレコーディングされたが中止となった。 |
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