Loading AI tools
2022年の日本のアニメーション映画 ウィキペディアから
『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』(えいがドラえもん のびたのリトルスターウォーズにいまるにいいち)は、2022年3月4日に公開された日本のSFアニメーション映画。藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とした、「映画ドラえもん」シリーズ通算第41作目。
小学館創立100周年記念作品。
本作は大長編シリーズの1作『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』(1985年) のリメイク作品。『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(2017年)から『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(2020年)まで全てオリジナル作品であったため、リメイク作品としては『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』(2016年)以来6年ぶりとなった。そのため漫画版は描かれず、代わりに小説版が発売された。
当初は2021年3月5日公開予定だったが、2020年より続いた新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、1年公開が延期された。
また、本作の音響技術はシリーズ初となるドルビーアトモスが採用され、ドルビーアトモス版が全国10都府県11館で同時公開された[3]。
Blu-ray Disc・DVD発売より先行し、2022年8月12日にAmazon Prime Videoで独占配信を開始した[4]。
キャッチコピーは「守ってみせる。友だちも、この星も。」。
夏休みのある日。スネ夫・ジャイアン・出木杉・のび太の四人は、スネ夫の家でジオラマを使い、自主制作映画『宇宙大戦争』の撮影をしていた。ドラえもんも加わり映画制作が進む中、のび太はみんなの足を引っ張ってしまい、スネ夫・ジャイアンから仲間はずれにされてしまう。落ち込みながらの帰り道、スネ夫の家で拾った小さなロケットが本物らしいことに気付いたのび太は急いで家へ帰る。ドラえもんも帰ってきてロケットを調べると、中から現れたのは地球人よりも小さな宇宙人、パピだった。パピのロケットは故障しており、ドラえもんとのび太はロケットの修理をしてあげることに。翌日、パピのためにドールハウスを持ってきたしずかを加え、「スモールライト」で小さくなったドラえもんたちは、パピと一緒に遊んで交流を深める。その中でパピはしずかの顔立ちや仕草に、故郷へ残してきた姉・ピイナの面影を見る。
しずかと入れ替わりでやって来たジャイアン・スネ夫はパピの存在に驚くも、スネ夫のアイディアで「スモールライト」を使い小さくなり、ジオラマの中で『宇宙大戦争』の撮影を始める。そこへクジラ型の戦艦が現れて攻撃を受け、ドラえもんたちはピンチに陥る。なんとか危機を脱したが、訳がわからないドラえもんたちに、パピは自分がピリカ星の大統領であり、反乱軍の攻撃から逃れてきたことを明かす。反乱軍を率いる将軍・ギルモアが、PCIA(ピシア)という組織を作り、その長官・ドラコルルがパピを捕まえに地球へ現れたのだ。事情を知ったドラえもんたちはパピに協力することを決め、顔がまだ知られていないしずかの部屋に「かべ紙秘密基地」を貼り、中でパピを匿まうことに。
しかし数日後。ドラコルルが放った探査球によってパピの居場所がばれてしまい、「スモールライト」で小さくなっていたしずかは捕虜となってしまう。夜の公園でパピはしずかと引き替えに自分の身を差し出そうとするが、そこへパピの愛犬・ロコロコと共にドラえもんたちが改造戦車「アストロタンク」で救出へ現れる。無事2人の救出に成功したものの、ドラコルルによってピイナが捕まっていることを知った一同は、修理が終わったロケットでピリカ星へと向かう。
自由同盟の基地で盟主・ゲンブと会い、作戦を考えるドラえもんたち。そんな中、責任を全て負おうと決めていたパピは1人でピリカ星に向かい、ギルモアの戴冠式へ出席を決める。ドラコルルによる報道を受け、地下組織に早く自由同盟の作戦を伝えようと、ドラえもん・のび太・ジャイアン・ロコロコは、ピリカ星に落下する隕石に乗じ「アストロタンク」で乗り込むことに。一方、自由同盟の基地で待機することになったしずか・スネ夫は、ドラえもんたちの無事を祈る。
地下組織の隠れ家へたどり着き、作戦内容を伝えたドラえもんたちは、「スモールライト」がPCIAの基地にあることを知る。そこへPCIAが攻め入り、地下組織のメンバーたちが捕まってしまう。地下組織のリーダーの手助けで脱出したドラえもんたちは、「スモールライト」奪還のため「石ころぼうし」をかぶり、PCIAの基地へ侵入する。だが全てはドラえもんたちをおびき出す罠であり、のび太を残しドラえもんたちまで捕まってしまう。自由同盟も基地の場所をついに知られ、差し向けられたおびただしい数の無人戦闘機が迫ってくる。「アストロタンク」を駆り、自由同盟と共に立ち向かうしずかとスネ夫。
そしてギルモアの戴冠式の日。パピはテレビ中継カメラの前で演説を始める。地球でドラえもんたちと出会い、知ったこと。そして、独裁者であるギルモアへの怒り。パピの演説に心を動かされたピリカの人々はこのままではいけないと、次々声を上げ立ち上がる。路上で一夜明かし満身創痍だったのび太もパピの中継映像と、処刑場へ送られるドラえもんたちを乗せた護送車を見て再び奮起し、処刑場へと向かう。
その頃、無人戦闘機との戦いに勝利したしずかとスネ夫はピリカ星へやってきていた。しかしPCIAの電磁パルスミサイルで「アストロタンク」は制御不能に陥り、海に落下してしまう。一方ビルの屋上にある処刑場へたどり着いたのび太も、パピを助けようとし、共に屋上から転落してしまう。絶体絶命のその時、しずかとスネ夫の体が巨大化を始める。「スモールライト」の効き目が切れて、元の大きさに戻ったのだ。転落したのび太、磔にされていたドラえもんとジャイアンも元の大きさに戻り、離ればなれだった五人は集結し再会を喜ぶ。
助けられたパピたちは地下組織のリーダーたちと共に民衆へ呼びかけるため放送局へ向かい、ドラえもんたちはPCIAの無人戦闘機たちと戦いを繰り広げる。ドラコルルたちが乗ったクジラ型戦艦の攻撃に苦戦するも、力をあわせてこれに反撃。逃げる戦艦に飛び乗ったジャイアンの一撃で戦艦は海へ不時着し、ドラコルルも降伏する。
一方ギルモアは一人で宇宙空港に向かい逃亡を図ろうとしたが、シュプレヒコールを上げるピリカの民衆に取り囲まれてしまう。敗北を悟ったギルモアはその場にへたり込み、独裁に終止符が打たれる。自由を取り戻し喜び合う人々から離れ、久々に姉と弟、家族水入らずの会話をするパピとピイナ。ピイナの言葉でパピはずっと堪えていた涙を流し、それをピイナは受け止めた。そして「スモールライト」を取り戻したドラえもんたちはパピたちと再び会う約束をし、地球へと帰還する。
後日、スネ夫の家では完成した『宇宙大戦争』の試写会が開かれていた。映画を観た出木杉はその仕上がりに驚き、どうやって撮影したのかをドラえもんたちに尋ねる。するとドラえもんたちは身を乗り出し、「聞きたい?」とピリカ星での冒険の思い出を語ろうとするのだった。
原作 | 藤子・F・不二雄[10] |
---|---|
企画 | 赤津一彦(藤子プロ)、梅澤道彦(シンエイ動画) |
監督 絵コンテ |
山口晋 |
脚本 | 佐藤大 |
キャラクターデザイン・総作画監督 | 丸山宏一[10] |
メカニックデザイン | 石垣純哉[10] |
プロップデザイン メカニック作画監督 |
鈴木勤 |
演出 | 加来哲郎、げそいくお、岡野慎吾 |
作画監督 | 大城勝、山川浩臣、清水洋、岸野美智、茂木琢次、浦上貴之、三輪修、山下晃 |
エフェクト作画監督 | 桝田浩史、遠藤正明 |
作画監督補佐 | 佐藤雅弘、松永絵美、宮本佐和子、田中薫、中本和樹、曽々木安恵 |
動画検査 | 神谷由季、堀之内梨絵、八木里沙子 |
動画検査補佐 | 田中陽子 |
色彩設計 | 横井未加 |
色指定・検査 | 倉内美幸、和田舞奈、大塚奈津子 |
美術監督 | 河合伸治 |
美術監督補佐 | 越膳滝美、氣賀澤佐知子 |
美術設定 | 河合伸治、知本祐太 |
ミニチュア制作 | 白組 |
ミニチュアメーカー | 元内義則(GENMODELS)、佐々木利佳(GENMODELS) |
CG制作 | オクティグラフィカ(神林憲和/沖田貢靖、郷原市子) 林太朗 |
モニター・プロップデザイン | 有馬トモユキ(日本デザインセンター)、宮﨑真一朗、和泉俊樹、安藤真生(日本デザインセンター)、田中千春 |
撮影監督 | 末弘孝史 |
撮影特殊効果 | 大矢創太 |
撮影 | アニメフィルム |
監修 | 熊谷正弘 |
特殊効果 | 佐藤香織 |
編集 | 小島俊彦 |
編集スタジオ | 岡安プロモーション |
編集助手 | 藤本理子、山田健太郎 |
ポストプロダクション | 東京現像所 |
録音監督 | 田中章喜 |
音響効果 | 北田雅也 |
音響制作 | AUDIO PLANNING U |
音響効果助手 | 北垣杏里 |
音楽 | 服部隆之[10] |
音楽協力 | テレビ朝日ミュージック |
制作進行 | 阿部悟、山浦聡士、中川雅貴 |
制作デスク | 紙谷泰吏 |
協力制作 | 佐藤大真、増谷大輔、佐藤喬彦 |
チーフプロデューサー | 森文彦、中島進 |
プロデューサー | 小西佑平、谷澤吉紀、八木征志、勝山健晴 |
おまけ映像 | 堂山卓見、小林麻衣子、藤田優奈 杉﨑聡、増泉路子 |
製作 | 「映画ドラえもん」製作委員会 (藤子プロ、小学館、テレビ朝日、ADKエモーションズ、ShoPro、シンエイ動画) |
配給 | 東宝 |
第2期の映画では恒例となっている、エンドロール後のおまけ映像(次作の予告)は、青空と白い雲→プロペラ飛行機が飛び回る→飛行船に「2023年公開決定!」。その後2022年7月6日に『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』が発表された。
『「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021」オリジナル・サウンドトラック』のタイトルで2022年8月31日に発売・配信。全45曲収録。当初は2021年3月3日に全30曲を収録して発売予定だったが、公開延期により発売は延期された。その後、2022年3月2日に発売予定となり、収録曲数も45曲に増えたが、公式サイトの説明もなく再び発売が延期されていた。
監督は前作の今井一暁から交代し、山口晋が就任した。山口は『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』(2011年)に参加して以降『ドラえもん』に作画で携わるようになったが[11]、「死ぬまでに一回は『映画ドラえもん』を作ってみたいな」と思い立ち、実現のための「五カ年計画」を始める。「テレビシリーズの演出をやらせてください」と自ら手を挙げ、テレビスペシャル・映画の演出を手がけていき、周りに「自分はこのスケジュールでこれぐらいのことができますよ」というアピールを図った結果、ついに声がかかったという。しかしスケジュール的にオリジナルは難しかったため、山口は『のび太の宇宙小戦争』を希望し、本作が制作されることとなった。山口によると『のび太の海底鬼岩城』も勧められたという[12]。
ちなみに本作以前にも『のび太の宇宙小戦争』のリメイクは『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(2013年)などを手掛けた監督の寺本幸代により提案されたことがあった[13]。その時は寺本が同時に挙げていた『のび太と鉄人兵団』が選ばれ、山口も原画マンとして当時参加した『新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』(2011年)が制作されている。
脚本の佐藤大は、シンエイ動画作品『怪盗ジョーカー』(2014年 - 2016年)でシリーズ構成・脚本を手がけており、その縁で2017年7月にスタッフ・映像面において一部リニューアルした『ドラえもん』の脚本に参加することとなった。佐藤によるとスタッフ等「『ドラえもん』に関わる意味での何か新しい新鮮な風を入れてくれるような人」に対し映画のオリジナルが募集されており、何回か提出したある日呼ばれ「これやりませんか」と言われたのが『のび太の宇宙小戦争』だったという[14][15]。
キャラクターデザインには丸山宏一がそれぞれテレビシリーズから選出された[16]他、メカデザインにはこれまでの山口晋監督作品においてメカデザインを担ってきた石垣純哉が本作も担当している。
『のび太の宇宙小戦争』を現代にリメイクする意味を念頭に置いたうえで、佐藤は自分なりのプロットを執筆した[6]。その後、監督の山口晋も同様の変更をもとにしたプロットを執筆していたことが判明する[6]。そこで2人は、本作のゲストキャラクターであるパピのキャラクター性を追求することにした[6]。 原作では、物語の前半でパピがPCIAによってのび太たちと引き離されるが、それを踏襲してはパピとのび太たちの交流で生まれてくるものが描けないため、佐藤は山口に相談し、原作の前半部に相当する部分を短縮し、その分をパピとのび太たちの交流に充てたと東洋経済オンラインとのインタビューの中で説明している[6]。同様の理由から、新キャラクターとしてパピの姉・ピイナを登場させた[7][17][18]。また、原作のパピは「地球人よりもはるかに優れた知的生命体」という連載当時における宇宙人のイメージに沿った人物として描かれており、違いを受け入れることを普通とする現代(2021年)の子どもたちの価値観とは合わないため、パピが感情的になる場面も入れられた[17]。 パピ以外のキャラクターについても、人物像の深掘りが行われた[17]。 たとえばスネ夫の場合、「思い切って事を成し遂げたいが、口先だけにとどまってしまう」大多数を代表する存在として描かれていると同時に、同調圧力に屈して自らの意に反することをしてしまうことへの答えとして描かれている[7]。また、スネ夫は原作においても厭戦的な態度を見せる場面はあったが、佐藤は「ほかの星の問題は当事者同士で解決すべきであり、自分たちが介入すべきか」というのは今の自分たちが共感できる感覚であると考え、スネ夫が戦いに消極的になる場面を増やした[17]。ピイナ役の松岡茉優はスネ夫が素直に戦いを恐れる気持ちを吐露したことで逆に励まされたと2022年3月27日の舞台挨拶の中で答えており、もし彼が「みんなが(戦いに行こうと)言うから、(僕も)行く」と答えていたら自分は少し心苦しくなるだろうと述べている[19]。 一方、のび太はヒロイックになりすぎてしまうことがあるため、失敗ばかりしているという部分を意識して演出することで、かっこ悪いのび太としての意義を描く試みが行われた[7]。
また、原作漫画ではピリカ星の国民がギルモアを追い詰める課程があっさりと描かれているうえ、最終ページの1ページ目で初めて国民自身がギルモアを倒す場面が描かれる[20]。 佐藤は他の部分を強化した以上、終盤の描写を踏襲するとバランスを欠くものの、いいアイデアがなかなか浮かばなかった中、原作漫画では言及のみだったギルモアの戴冠式に着目したと振り返っている[20]。ギルモアの戴冠式はパピの死刑とセットであり、パピの演説の内容はのび太たちとの交流を踏まえたものとなっている[20]。 佐藤は「[前略]でも、今の自分にできることは、嘘をつかないで自分の気持ちを伝えることしかないんだと。これは作品全体に通底するテーマです。」と説明しており、ドラえもんの映画すべてに通ずるとしている[20]。また、原作におけるパピの叫びは死刑判決が言い渡される場面だが、国民がその場面を目撃しておらず、負け犬の遠吠えのように見えることから、本作ではギルモアの戴冠式に変更され、国民の蜂起につなげた[20]。
ゲスト声優のうち、パピの姉・ピイナ役には松岡茉優が起用された[7]。 山口は、松岡の第一声で「ドラコルル」というセリフを聞き、松岡でよかったと感じたとアニメイトタイムズとのインタビューの中で振り返っており、その理由として、ピイナはパピの精神的な後ろ盾という位置づけである以上、筋の通ったキャラクターであることが求められるが、松岡がしっかりと演じてくれたと説明している[7]。
また、ドラえもんらの協力者である地下組織のリーダーと自由同盟のパイロットは、ミルクボーイが演じた[7]。山口は劇中におけるこの2人がコメディリリーフではなく、国を救うために必死になる若者たちと位置付けており、声優初挑戦だからこその一生懸命さや必死さが役と合っていたとアニメイトタイムズのインタビューの中で話している[7]。
ドラえもんたちと敵対するピリカ星の独裁者・ギルモアは、香川照之が起用された[7]。 山口は、香川に「一番の嫌われ者を演じてください」と手紙で依頼したとアニメイトタイムズとのインタビューの中で明かしており、山口によると、収録の際に香川は身振り手振りを用いて演技をしていたとされている[7]。山口は、香川にギルモアを憎たらしい人物として演じてほしかったが、予想以上に人間臭さが出るといううれしい誤算もあったとアニメイトタイムズとのインタビューの中で振り返っている[7]。
キャラクターデザインは原作寄りにしつつも、古くなりすぎぬよう、注意が払われた[16]。また、前作と同じくドラえもん達の頭に常に光が当たるようにされた。
また、本作においては、20世紀の特撮映画に対するリスペクトということで、一部の場面では実物のミニチュアを背景の一部として使用されており[注釈 1]、これは映画ドラえもんシリーズとしては初めての試みである[7]。これらのミニチュア制作は白組が担当した[9][21]。
2020年11月16日に、本作のビジュアル・ホームページが公開され、2021年3月5日公開であることが発表された。同日に、90秒の予告編が公開され、主要スタッフ・主題歌アーティストが発表された[21]。前作『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の公開延期により、本作のタイトルやホームページの解禁が例年より遅れた。
2021年1月9日より、テレビアニメのエンディングテーマに映画主題歌が使用され、エンディング画面には予告編の画面が使用された。
1月29日に、昨年と同様新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響で、公開日の延期が発表された[22]。テレビアニメにおいては翌日放送分の「リトルな世界」放送後に、ドラえもんにより告知された[23]。 前作よりも早期に延期が発表されたことから、ゲスト声優等の公表は行われず、関連商品も発売延期となった一方、主題歌の『Universe』は予定通り発売された。
7月17日に、テレビアニメ放送分終了後、公開が2022年春に決定した旨が発表された[24]。公開年度は変わるがタイトルの変更をせず「2021」表記のままであった。
11月9日には新公開日(2022年3月4日)並びにゲスト声優(松岡茉優・香川照之)が発表され[25]、ポスターや映画の公式サイトに新しいロゴが登場した。元々は、漢字の「宇宙小戦争」の下にカタカナの「リトルスターウォーズ」とルビを振り、その下に「2021」と書かれたが、新ロゴでは、ルビと「2021」が同じ大きさで、1行に書かれるようになった(ただしその後順次公開された予告映像などでは以前のロゴが使用されている)。
11月18日には新予告映像並びにゲスト声優として朴璐美(パピ)、梶裕貴(ロコロコ)、諏訪部順一(ドラコルル)の参加が発表された[5]。
2022年1月17日には、挿入歌がビリーバンバンの『ココロありがとう』であることが発表された[注釈 2][26]。
1月25日には新たなゲスト声優としてミルクボーイ(内海崇・駒場孝)の参加が発表される[27]。
2月4日には映画の関連映像として「TVCM ストーリー篇」、2月9日に『Universe』(Official髭男dism)と『少年期』(武田鉄矢)を使用した「スペシャルPV」[28]。
2月24日には「スペシャルPV ~Universe ver.~」、「TVCM 感動篇」・「TVCM ロコロコ篇」が映画の公開に向け順次配信された。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響で2月20日・2月26日・2月27日に予定されていた小学館連合試写会・ドラえもんチャンネルアプリ特別試写会は中止となったものの、予定通り3月4日には映画が公開。翌日の3月5日にはTOHOシネマズ 六本木ヒルズにおいて9時30分上映回の終了後に公開記念舞台挨拶が行われた。登壇者はドラえもん・のび太・しずか・ジャイアン・スネ夫、松岡茉優、ミルクボーイ、監督の山口晋。公開記念舞台挨拶の模様は公式アプリ「ドラえもんチャンネル」で配信され、レポートが東宝公式サイトのニュース記事として公開された[29]。 また、3月27日にはTOHOシネマズ 六本木ヒルズにおいて、大ヒット御礼「おしえてドラえもん」舞台挨拶が10時上映回の終了後に開催された[19]。登壇者はドラえもん・のび太・松岡茉優[19]。
2022年3月5~6日の土日二日間で動員約32万2000人、興収3億9400万円をあげ初登場1位を獲得、4日(初日)から6日までの3日間の累計では動員35万人、興収4億4000万円を突破した[30]。最終的な興収は26.9億円となり、2011年の『新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』以来、11年ぶりの低水準となった。
動員数 (万人) |
興行収入 (億円) |
備考 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
週末 | 累計 | 週末 | 累計 | |||
1週目の週末 (3月5日・6日) | 1位 | 32.2 | 35.9 | 3.94 | 4.4 | |
2週目の週末 (3月12日・13日) | 22.9 | 66.9 | 2.81 | 8.2 | ||
3週目の週末 (3月19日・20日) | 2位 | 19.3 | 2.36 | 11.9 | 21日まで累計興収13.3億円、動員109.5万人 | |
4週目の週末 (3月26日・27日) | 3位 | 14.5 | 136.0 | 1.79 | 16.4 | |
5週目の週末 (4月2日・3日) | 12.0 | 178.5 | 1.49 | 21.3 | ||
6週目の週末 (4月9日・10日) | 200.2 | 0.74 | 23.8 | |||
7週目の週末 (4月16日・17日) | 4位 | 206.2 | 0.54 | 24.6 | ||
8週目の週末 (4月23日・24日) | 8位 | 209.8 | 0.35 | 25.0 | ||
9週目の週末 (4月30日・5月1日) | 0.35 | 25.6 | 5月1日まで累計動員214万人を突破 | |||
10週目の週末 (5月7日・8日) | 10位 | 220.6 | 0.15 | 26.3 | ||
11週目の週末 (5月14日・15日) | - | |||||
12週目の週末 (5月21日・22日) | - | 26.5 | ||||
公開の1週間前にロシア軍によるウクライナの侵攻が始まり、独裁者とそれに抵抗する大統領という構図が奇しくも本作とリンクしたことで、現実の戦争と本作を結び付けたレビューが相次いで執筆された[31][32][33]。このうち、RealSoundの久保田和馬は、パピが劇中で身に着けているペンダントがウクライナの国旗と同じ色であるという「偶然」を指摘している[33]。
ライターの井中カエルは、Realsoundに寄せた記事の中で、パピの逃走劇からのび太たちの映画撮影へと至る冒頭の展開を評価しつつも、そのくだりが省略化されている点については映画のスピードが公開当時と比べて加速しているのではないかと推測している[34]。加えて、パピと出会ったのび太たちがスモールライトで小さくなって非日常を楽しむ場面についても、日常の場面とこれから起こる戦争のつなぎとしてうまかったと井中は評価している[34]。 また、井中は近年のドラえもん映画において子どもでもわかるよう感情表現を大げさにしつつも、ギャグになりすぎないよう作画が丁寧である傾向を指摘しており、特に本作においては、スネ夫が本物の戦争を目の当たりにして恐怖に震える様子を通じて、子どもでも戦争の恐怖を感じさせることに成功したと述べている[34]。
ライターの杉本穂高は、アニメ専門のニュースサイト「アニメ!アニメ!」に寄せた記事の中で、登場人物のドラコルルがより魅力的な悪役としてギルモアはより哀れな独裁者として描かれており、この2人の対比を通じて独裁の哀れさがよくわかると述べている[8]。また、杉本は原作漫画並びに1985年版よりも、民衆の勇敢さが強調されていると指摘したうえで、「圧政を打倒するのは外部の軍事力ではなく、その国に生きる人々であるべきだというメッセージが込められているのかもしれない。」と推測している[8]。
入場者全員プレゼントは、漫画とクイズを収録した小冊子『ロコロココミック』が配布された[10][注釈 3]。前作と同じく漫画冊子となったがクイズや付録などが追加されている。
前売特典として『くるっとパカっとドラルーペ』が配布された[10]。
2020年12月31日放送『大みそかだよ!ドラえもん1時間スペシャル』内にて、『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』にちなみ「超大作特撮映画「宇宙大魔神」」を放送[35]。2021年1月16日放送(2022年1月15日に再放送)「テレビとりもち」にて、映画主題歌『Universe』を手がけるOfficial髭男dismの4人が本人役で出演[36]。放送後、出演シーンの動画を『ドラえもん』公式Twitterアカウントが特別公開した[37]。2022年3月19日放送分ではオープニング開始前に映画本編映像(映画本編のオープニングが終わった直後からドラえもん・のび太がパピと出会う場面まで)が流された。公式アプリ「ドラえもんチャンネル」では、この映像に松岡茉優の特別コメント映像を追加したスペシャルバージョンが配信された。
2021年1月9日 - 2022年3月12日放送分はエンディングテーマが映画主題歌『Universe』に切り替わり、映像も映画予告編を使用した物となる。映像は2022年1月8日放送分より内容が変更された。エンディング制作は壽崎誠・嵐悠太。2022年3月19日放送分ではピイナ役の松岡茉優が藤子・F・不二雄ミュージアムでの映画にちなむ特別展示・音声ガイドの案内、『リトルな世界』に挑戦する映像が放映された。
2021年1月16日 - 3月6日、2022年1月15日 - 1月29日で挿入されたミニコーナー[38]。ナレーションはドラえもん(水田わさび)。ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也が制作するドラえもんにちなんだ作品が公開された。一般視聴者による写真作品も募集し、2022年3月5日放送分より応募作品の発表が行われた。
2021年1月9日 - 1月23日、2022年1月8日 - は、映画に登場するパピの格好(宇宙服姿)をしたドラえもんがじゃんけんを担当[39]。じゃんけんの結果発表もドラえもんの頭にパピ本人が座っている。1月30日放送分以降の2021年内放送分は映画の公開延期の影響で通常の物に戻された。
2022年2月26日に放送された『映画ドラえもん のび太の新恐竜』内で行われたプレゼント応募企画。赤のコスチュームを着たスペシャルバージョンのパピが、番組放送中の登場回数は何回だったかを回答し、正解者に抽選で映画グッズのセットがプレゼントされた。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.