『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』(えいがドラえもん のびたとそらのユートピア)は、2023年3月3日に公開の日本のSFアニメーション映画。藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とした、「映画ドラえもん」シリーズ通算第42作目(アニメ第2作2期シリーズ第17作目)[1]。
概要 映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア), 監督 ...
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監督は堂山卓見、脚本は古沢良太[2]。
キャッチコピーは「冒険は、空へ。」、「僕らの「らしさ」が世界を救う。」。
作中にはトマス・モアの著書『ユートピア』が登場する。
前作に続き音響技術にドルビーアトモスが採用、全国10都府県11館でドルビーアトモス版が同時公開された[3]。
ある日、のび太は学校で出木杉からユートピアの話を教えられ、自分もそんな理想郷で暮らしたいと思う。昔から各国にユートピアの作り話があり、ユートピアを探してみることにする。家で壊れた道具を整理しているドラえもんを見たのび太は、0点のテストを「四次元ゴミ袋」に投げ入れようとするが、ドラえもんに止められる。裏山でのんびりしているのび太は、青い虫で目が覚め、空に浮く三日月形の島に気付く。そこでドラえもんは「タイムツェッペリン」を購入し、しずか・ジャイアン・スネ夫を加え、天気雨が降って虹が出た時、5人で裏山からユートピアを探す旅に出る。
いろんなところへ探しに行ったが、ユートピアは見つからず、家に帰ろうとしたとき、空にこの前のび太が見た島を見る。その島が黒い雲を放ち、「タイムツェッペリン」に雷を仕掛ける。5人は雷に攻撃され、気を失ってしまう。目を覚ますと、先ほど襲ってきたパーフェクトネコ型ロボットソーニャは、5人に謝り、ここが理想の国「パラダピア」だと教えてくれる。ソーニャにここでパーフェクト小学生になれることができると教えてくれるのび太たちは、パラダピアに住みたいと思う。ここを創り上げた三賢人に会って、パラダピアの一員としての証をもらう。
数日後、しずか・ジャイアン・スネ夫が成長するが、のび太は全く成長しない。のび太とドラえもんの喧嘩を見たソーニャは大笑いする。実は、ソーニャがかつてダメなロボットであり、三賢人によってパーフェクトロボットに改造させられたという。夜、謎の女が三賢人を襲おうとするが、ドラえもんとのび太によって止められ、テントウムシにされる。しかし、パラダピアの学校の生徒であるハンナは、その女は悪い人ではない、パラダピアの住人が三賢人に騙されたのだと告げる。その女の正体は、ハンナの家族がパラダピアの秘密を調べるために雇った未来の賞金稼ぎ、マリンバ。三賢人は、人の心を操る光を研究している。その光をあび続けると、三賢人の言いなりになってしまうのだ。そして、未来の狂気の天才科学者レイ博士と三賢人が同じ研究をしていることから、彼らの間に何らかの関係があるのかもしれないと考える。
翌日、のび太はしずか・ジャイアン・スネ夫に家に帰るように勧めるが、みんなはずっとここで暮らしたいと思う。ドラえもん・のび太・マリンバは、ユートピアを脱出するため、タイムホールに逃げ込む。それを発見するソーニャは追いかけ、ドラえもんから三賢人の真実を告げられるが、三賢人の脅しのもと、ドラえもんたちを攻撃する。
三賢人はネオパラダピアンライトの研究を終え、世界中の人の心を支配しようとして「世界パラダピアン計画」を立ち上げ、まずは現代ののび太たちの町から始めようと言う。三賢人はのび太の心を操り、ドラえもんを虫に変えるよう命じる。心を操られたのび太は銃を構えるものの、心の中の葛藤で引き金を引くことはない。激怒した三賢人の命令で、ソーニャによってドラえもんは虫に変えられ、この瞬間、のび太が意識を取り戻す。
三賢人の命令でのび太を虫にしようとするしずか・ジャイアン・スネ夫は、みんなが元のらしさを取り戻したいというのび太の願いに感化され、三賢人の支配から脱する。怒ったレイ博士は、ネオパラダピアンライトを地上に降り注ぐ、人々の心を失わせようとするが、ソーニャに阻止される。ソーニャも自分の心を取り戻す。レイ博士はパラダピアをのび太たちの町に落下させるつもりだった。のび太がパラダピアの住民の避難を助け、ソーニャがパラダピアの落下を止める。裏山のみんながなすすべもないとき、天気雨が降ってきて、虹がかかる。のび太は空に現れたタイムホールと、そこに飛び込むタイムツェッペリンを見て、さっきの青い虫がドラえもんだと気づく。マリンバの力を借りて、ドラえもんが元の姿に戻る。そこで空へ飛び、ソーニャと一緒にパラダピアの落下を止めるため、「ビッグライト」を使って「四次元ゴミ袋」を大きくし、パラダピアを吸い込む。しかし、冷却水がなくなり、ゴミ袋が爆発しそうになる。ソーニャはみんなの「タケコプター」を撃ってみんなを逃がし、自分は爆発で姿を消す。
数日後、マリンバはレイ博士が逮捕されたことをみんなに告げる。ドラえもんは裏山でソーニャのメインメモリーを見つけ、ソーニャが新しい体で復元できると喜ぶ。
レギュラーキャラクター
- ドラえもん
- 声 - 水田わさび
- 子守りネコ型ロボット。野比のび太を一人前の大人にするため、22世紀の未来からやってきた。どら焼きが大好き、ネズミが嫌い。
- 本作では、毎日ソーニャと共にパラダピアを巡回しながら友達になり、四次元ゴミ袋が爆発する時にソーニャと共に犠牲になってみんなを救おうと望む。
- 野比 のび太(のび のびた)
- 声 - 大原めぐみ
- ドラえもんに面倒を見てもらっている小学生。勉強も運動も苦手、何をやらせてもドジばかりの少年。特技は睡眠、射撃、あやとり。
- 本作では、パラダピアでパーフェクト小学生になりたいと願ったが、体質が他の人よりもパラダピアンライトの影響を受けにくいため、成長しないがそのおかげで三賢人の洗脳されにくく、三賢人にとって「ネオパラダピアンライト」を完成させるための最後のピースと見なされる。
- 源 静香(みなもと しずか)
- 声 - かかずゆみ
- 本作のヒロイン。のび太が憧れるクラスメイトの少女。愛称は「しずかちゃん」。お風呂が大好き。趣味はバイオリンだが、とても下手。
- 本作では、少し気が強く強情な性格を変えることを勧められ、パラダピアに暮らすが徐々に別人になってしまう。
- 剛田 武(ごうだ たけし)
- 声 - 木村昴
- のび太のクラスメイトの友達。乱暴なガキ大将。通称は「ジャイアン」。趣味は歌うことだが、信じられないような悪声だ。
- 本作では、乱暴な性格を変えるよう、勧められ、パラダピアに暮らすが徐々に別人になってしまう。
- 骨川 スネ夫(ほねかわ スネお)
- 声 - 関智一
- のび太のクラスメイトの友達。家庭が裕福であり、自慢話が好きな少年。
- 本作では、ずる賢くイジワルな性格を変えるよう、勧められ、パラダピアに暮らすが徐々に別人になってしまう。
- 野比 玉子(のび たまこ)
- 声 - 三石琴乃
- のび太の母。本作でも息子ののび太に厳しい為、のび太がパラダピアに永住を望む原因になってしまう。
- 野比 のび助(のび のびすけ)
- 声 - 松本保典
- のび太の父。
- 出木杉 英才(できすぎ ひでとし)
- 声 - 萩野志保子
- のび太のクラスメイトの少年。学業優秀でスポーツ万能、非凡な知識を持つ優等生。
- 本作では、ユートピアと世界中の理想郷伝説について非常に詳しい。
- 先生
- 声 - 高木渉
- のび太たちの学級の担任教師。
ゲストキャラクター
- ソーニャ[4]
- 声 - 永瀬廉(King & Prince)[4]
- 本作のキーパーソン。空に浮かぶ楽園「パラダピア」で人々の安全を守っているパーフェクトネコ型ロボット[4]。
- 元は失敗ばかりするロボットで、役立たずと捨てられていたところを三賢人によって改造された。その過去から三賢人の存在は絶対であり、ポーリーの「またガラクタに戻すぞ」という言葉にはひどく怯え、命令に従ってしまうなど言いなりとなっていた。
- しかしドラえもんやのび太たちの間にある深い絆を見たことで、自分の中にも心があることを徐々に思い出していく。三賢人の正体であるレイ博士と決別し、墜落を始めるパラダピアをドラえもんたちと共に「四次元ゴミ袋」を使って止めようとするが、みんなを危険に巻き込まないため、ゴミ袋を一人で持ち出し爆発に巻き込まれてしまう。
- 事件の後にドラえもんがソーニャのメインメモリーを見つけたことにより、22世紀の工場で新しい体で復元されることになった。エンディングでは復元されて幼い子供二人の子守をしている姿が描かれる。
- マリンバ[5]
- 声 - 井上麻里奈[5]
- パラダピアに侵入し、三賢人を捕まえようと暗躍する謎の女性。ドラえもんのことを「タヌキ型」と呼ぶ。
- 三賢人を守ろうとするソーニャとの戦闘中、ドラえもんの「へんしんビーム」と同じ仕組みを持った光線銃を落としてしまい、拾ったのび太によってテントウムシへ変えられてしまう。ハンナがドラえもんから「へんしんビーム」を借りて元に戻そうとするが、旧型だったためか元の姿とテントウムシが混ざり、等身の低い中途半端な姿となってしまった。
- その正体は時空を超えて悪者を捕まえる賞金稼ぎ。本人曰く「未来の世界じゃ有名」(ただしドラえもんやのび太は知らなかった)。ハンナの家族に雇われ、彼女を救出するためにパラダピアに潜入。三賢人を追跡しているタイムパトロールとも連絡を取っていた。
- 墜落するパラダピアからのび太やハンナたちと協力し住民を救出したあと、元の姿を取り戻してタイムパトロールに通報。事件の後は三賢人の正体であるレイ博士が逮捕されたこと、ハンナやパラダピアの住民がそれぞれ元の世界に帰って行ったことをドラえもんたちに伝え、再び悪者を捕まえに旅立っていった。
- ハンナ[5]
- 声 - 水瀬いのり[5]
- パラダピアの学園に通う生徒で学級委員の少女。のび太たちに学園の案内をする。
- 元々は22世紀で家族と暮らしていた未来人。ある日、三賢人と出会い「楽園に行こう」「理想の自分になれる」と誘われるがままパラダピアに連れてこられ、パラダピアンライトによって三賢人の言いなりになってしまう。救出に来たマリンバの助けを借りて自分の心を取り戻し、真相をドラえもんとのび太に伝えた。パラダピアが墜落する際はのび太たちと協力し住民を避難させる。事件の後は無事に家族の元へ帰ることができ、マリンバを通してドラえもんたちに礼を伝えた。
- 未来の配達ロボット[6]
- 声 - 山里亮太
- 未来デパートの配達員ロボット。ドラえもんの元へ「タイムツェッペリン」を届けにやってくる。
- 軽薄な言動が多く、本人曰く「在庫が売れると嬉しくて、つい余計なことを言ってしまうのが唯一の欠点」。タイムツェッペリンを指し「マニアックな中古品」「狭い」「売れ残り」など余計な一言でドラえもんをムッとさせるが、帰り際にローンの支払いについて凄むなど、コミカルな性格とは正反対な黒い一面を見せる。
- パラダピアの先生[6]
- 声 - 藤本美貴
- パラダピアにある学園の教師で、ハンナやのび太たちのクラスを受け持つ。いつも穏やかに微笑み、優しく生徒たちを指導する。
- 墜落するパラダピアからの避難を促したハンナに対し、三賢人様に言われていないと答えており、彼女もまた他の住民と同じくパラダピアンライトで三賢人の言いなりになっていた。
- 三賢人
- 平和な楽園を実現するためにパラダピアを作った三人の天才。
- その正体はレイ博士が会話のために介する人形だった。レイ博士本人が姿を現してからは微動だにせず、パラダピアが機能停止すると傾いた研究所から落下するという最期を迎える。
- サイ
- 声 - 園崎未恵
- 三賢人の一人。科学を担当する。
- ポーリー
- 声 - 石井康嗣
- 三賢人の一人。政治を担当する。
- カルチ
- 声 - 村瀬歩
- 三賢人の一人。文化芸術を担当する。
- レイ博士
- 声 - 中尾隆聖
- かつて22世紀で「人の心を操る光」の研究をしていた博士。マリンバ曰く「狂気の天才科学者」。
- 指名手配され行方不明となっていたが、パラダピアで三賢人の姿を隠れ蓑に裏から暗躍していた。
- 科学の才能はあったものの子供の頃はのび太のように周りから劣っていたらしく、自身を馬鹿にする人間や戦争などで過ちを繰り返す人類に対して恨みを募らせ、全人類の心を奪い、支配しようと世界パラダピアン計画を企む。
- 計画が阻止されるとパラダピアの全機能を停止し逃亡したが、マリンバの通報によって駆けつけたタイムパトロールに逮捕された。
- 牧場スタッフ
- 声 - 松丸幸太郎、深田愛衣
- パラダピアにある牧場で牛を育てる男女。
- タイムパトロール
- 声 - 不明
- 三賢人を捕まえるためパラダピアを追跡しており、マリンバとも連絡を取っていた。物語の終盤で三賢人の正体であるレイ博士を逮捕する。
- パラダピア
- のび太が理想郷と信じて探していた空中都市。ソーニャ曰く「人類の楽園」。様々な時代や場所に時空移動しており、ドラえもんとのび太はパラダピアが世界中の理想郷伝説の元になったのではと推察している。人口は400人ほどで住民は朝5時に起床し夜8時に就寝するという、規則正しい生活を送っている。大人はよく働き子どもはよく学び、心も穏やかで争いや犯罪も起こらない。普段は「桃源郷モード」という大小様々なユニット(浮島)が浮かんだ姿だが、夜になると各ユニットを収容した「三日月モード」に切り替わる。7世紀後半日本近海の海底に時空移動した際はハマグリのような貝の形(竜宮城モード)に変形した。
- その正体は三賢人の姿を隠れ蓑としたレイ博士が、人を操る光の研究をするための巨大な実験場であり、住民も様々な時代や場所から連れてこられたサンプルだった。
- 大聖堂
- 三賢人と謁見することができる場所。パラダピアの中央にあり、取り込んだ宇宙線をパラダピアが浮かぶエネルギーへ変換している。
- バリアリング
- パラダピアを囲っている巨大なリング。水の膜のようなステルス機能を持ったバリアを発生させ、パラダピアを悪者から隠す役割を持つ。パラダピア内の保温や太陽の紫外線カットも担う。悪者の侵入を防ぐため、触れると一時的に凍り付く。
- クリオネラ
- クリオネのような姿のロボット。パラダピアで暮らす人々の生活をサポートする。
- ユニット
- パラダピアで暮らす人々はクリオネラ飛行機に乗って浮島に移動しながら生活している。作中では作物を育てる農場、家畜を育てる牧場、陶磁器を制作する工房、住民全員が暮らす住居、食事をする食堂、多くの教室や校庭のユニットで構成された学園などが登場している。夜になるとパラダピアの中心へと集まり、ドームに覆われ収容される。
- パラダピアンライト
- パラダピアのシンボルである人工太陽。
- 日焼けや日射病を防ぐため、本物の太陽光をバリアでコントロールしながら、一日中浴びても良い健康的な光を放っている。
- しかし実際は三賢人が研究する人の心を操る光を放っており、この光を浴び続けると三賢人の言いなりになってしまうという恐ろしい物だった。通常は段階的に言いなりとなっていくが、改良版であるネオパラダピアンライトは、浴びると一瞬で服従する強力な光を放つ。
- バッジ
- パラダピアに住む者の証。三日月と太陽があしらわれており、心が綺麗になるにつれ段階的に点灯していき、三日月が満ちて太陽になる。
- その正体は住民がどのぐらいパラダピアンライトで三賢人の言いなりになっているかを計るためのバロメーターだった。改良版のネオパラダピアンライトを浴びると真っ赤に全点灯する。
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原作 |
藤子・F・不二雄 |
企画・監修 |
藤子プロ |
監督 絵コンテ |
堂山卓見 |
脚本 |
古沢良太 |
キャラクターデザイン・総作画監督 |
小林麻衣子 |
メカニックデザイン |
鈴木勤 |
プロップデザイン |
山下晃 |
演出 |
益山亮司、藤倉拓也、八木郁乃 |
演出補佐 |
HAN SEUNGAH |
作画監督 |
小澤早依子、三輪修、岸野美智、やぐちひろこ、神戸佑太、山下晃、曽々木安恵、HAN SEUNGAH |
メカニック作画監督 |
鈴木勤、桝田浩史 |
エフェクト作画監督 |
遠藤正明、桝田浩史 |
作画監督補佐 |
藤原巧和、加来由加里 |
動画検査 |
神谷由季、堀之内梨絵、八木里沙子 |
色彩設計 |
木幡美雪 |
色指定・検査 |
倉内美幸、和田舞奈、林由稀 |
美術監督 |
竹田悠介、益城貴昌 |
美術設定 |
美峰(青木薫、天田俊貴、野村正信) |
3DCG |
サンジゲン |
モニター・プロップデザイン |
有馬トモユキ(日本デザインセンター)、宮﨑真一朗、Nivirus(日本デザインセンター)、田中千春 |
回想シーン・モーションデザイン |
宮﨑真一朗 |
撮影監督 |
末弘孝史 |
撮影特殊効果 |
大矢創太 |
撮影 |
アニメフィルム |
特殊効果 |
佐藤香織 |
編集 |
小島俊彦 |
編集スタジオ |
岡安プロモーション |
編集助手 |
藤本理子、山田健太郎 |
ポストプロダクション |
東京現像所 |
録音監督 |
田中章喜 |
音響効果 |
北田雅也 |
音響制作 |
AUDIO PLANNING U |
音響効果助手 |
北垣杏里、佐藤杜美 |
フォーリー |
東宝スタジオ、東宝ポストプロダクションセンター |
音楽 |
服部隆之 |
音楽協力 |
テレビ朝日ミュージック |
学術考証 |
川村康文(東京理科大学教授/スペースLABO館長)、天沼春樹(ドイツ文学者/飛行船博士) |
制作事務 |
平山友紀 |
制作進行 |
吉田拓斗、立花優奈 |
制作デスク |
落合竜太郎 |
協力制作 |
関口勇聖、原口航詩、小笠原卓也 |
チーフプロデューサー |
吉田健司、中島進、八木征志 |
プロデューサー |
小西佑平、勝山健晴、佐藤大真 |
おまけ映像 |
今井一暁、河毛雅妃、山森英司、松井啓一郎、森江康太、藤野真里、杉崎聡、増泉路子 |
製作 |
「映画ドラえもん」製作委員会 (藤子プロ、小学館、テレビ朝日、ADK、ShoPro、シンエイ動画) |
配給 |
東宝 |
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第2期の映画の恒例通り、エンドロール後におまけ映像(次作の予告)がある。今回の映像は以下の通り:ドラえもんが飛行機に乗って空中を飛び、その後、オペラカーテンが閉められる。カーテンが開くと、シーンはコンサートの舞台に変わり、おもちゃや楽器が舞台に散らばっている。その後、指揮者の格好をしたドラえもんは登場し、おもちゃに「ロボッター」を使用する。おもちゃたちは楽器を演奏し始めるが、犬はまだ眠っている。ドラえもんは犬を起こし、犬はリコーダーを吹く。ドラえもんが指揮を振り始め、美しい音楽が鳴り響く。「2024年春 公演決定」と表示され、その後、「演」の文字が「開」に変化する。のび太・しずか・ジャイアン・スネ夫が登場し、「お楽しみに」と言う。
今回のおまけ映像は約1分間で、これまでで最も長いものである。
2023年7月6日に『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』が発表された。
サウンドトラック
『「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」オリジナル・サウンドトラック』のタイトルで2023年3月1日に発売。全38曲収録。
さらに見る #, タイトル ...
トラックリスト |
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全作曲: 服部隆之。 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲・編曲 |
---|
1. | 「闇の中で」 | | 服部隆之 |
2. | 「伝説の理想郷」 | | 服部隆之 |
3. | 「僕はのび太」 | | 服部隆之 |
4. | 「いつもの僕ら」 | | 服部隆之 |
5. | 「理想郷は空にあり」 | | 服部隆之 |
6. | 「空の旅はいかが?」 | | 服部隆之 |
7. | 「タイムツェッペリン登場!」 | | 服部隆之 |
8. | 「発進!大空の大冒険へ」 | | 服部隆之 |
9. | 「自由な空を翔けて」 | | 服部隆之 |
10. | 「現れるもう一つの月」 | | 服部隆之 |
11. | 「光り輝く空中都市」 | | 服部隆之 |
12. | 「理想の暮らし」 | | 服部隆之 |
13. | 「素晴らしき三賢人」 | | 服部隆之 |
14. | 「パーフェクト学園生活」 | | 服部隆之 |
15. | 「バリアの外に日は落ちて」 | | 服部隆之 |
16. | 「影、夜空に舞う」 | | 服部隆之 |
17. | 「パーフェクトにはまだ早い」 | | 服部隆之 |
18. | 「置いてけぼりの地の底で」 | | 服部隆之 |
19. | 「花咲く笑顔」 | | 服部隆之 |
20. | 「月下の戦い」 | | 服部隆之 |
21. | 「はるかな時空を越えて」 | | 服部隆之 |
22. | 「悪者は誰?」 | | 服部隆之 |
23. | 「パラダピアの真実」 | | 服部隆之 |
24. | 「偽りの理想」 | | 服部隆之 |
25. | 「ゆらめく陰謀」 | | 服部隆之 |
26. | 「海底から脱出せよ!」 | | 服部隆之 |
27. | 「追う者、追われる者」 | | 服部隆之 |
28. | 「心」 | | 服部隆之 |
29. | 「恐ろしき野望」 | | 服部隆之 |
30. | 「僕の大事な…」 | | 服部隆之 |
31. | 「理想郷なんて要らない!」 | | 服部隆之 |
32. | 「博士の孤独」 | | 服部隆之 |
33. | 「落ちゆくパラダピア」 | | 服部隆之 |
34. | 「再会」 | | 服部隆之 |
35. | 「僕らの街を救え!」 | | 服部隆之 |
36. | 「ソーニャ」 | | 服部隆之 |
37. | 「帰ってきた僕ら」 | | 服部隆之 |
38. | 「やっぱり、僕はのび太!」 | | 服部隆之 |
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企画・スタッフィング
監督はテレビアニメ『ドラえもん』で絵コンテ・演出を務める堂山卓見が就任した。脚本は本作が『ドラえもん』初参加となる古沢良太が手掛ける。キャラクターデザインはテレビアニメ・映画『ドラえもん』に原画などで参加し、『僕はロボットごしの君に恋をする』アニメPVでアニメーションキャラクターデザイン・作画監督を務めた小林麻衣子が抜擢された。音楽は前作『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』(2022年)に引き続き服部隆之が本作も手掛ける。ポスターなどキービジュアル制作はイラストレーターのよー清水が担当した[8]。
古沢には本作の何年か前にも脚本のオファーがされていたが、その時点では古沢は断っており、今作での参加は何か新しいことに挑戦したいと思っていたタイミングだったこともありチャレンジすることにしたという[9]。チーフプロデューサーであるシンエイ動画の中島進は2020年初頭に古沢と初対面した[10]。
監督の堂山は当時テレビシリーズ『ドラえもん』のチーフディレクターだった大杉宜弘と縁があり、「ハツメイカーで大発明」[注釈 1]に絵コンテとして参加[11]。その後2019年の誕生日スペシャル『未来の迷宮(ラビリンス)おかし城(キャッスル)』を手掛けたことが映画監督オファーのきっかけとなった[12]。堂山にオファーがされた時点ですでに古沢は最初のプロットを立てており、第一稿が上がってくるくらいのタイミングだったという[13]。
シナリオ・セッティング
古沢は当初冒険先に悩み、のび太たちが暮らす町も冒険の舞台になると考え[9]、「のび太の近所だけで完結する(中略)この町が素晴らしいんだというお話」[14]を作った。中島は「いつもと違う道を通ったらそこに幽霊城がある的な、日常を少し変えることで新しい発見があるという、住む街から離れない案」があったと語っており、そこに古沢から出た「完璧なネコ型ロボット」や「時間旅行」といったアイデアから今の物語に変更された[10]。古沢によるとスタッフからやはりどこかに冒険に行ってほしいといわれ、提案された「空」に決めたという[14]。
堂山は「子どもたちが遊びに出られないという状況を古沢さんが強く意識されて、そういうときでも子どもたちに楽しんでもらうにはどうしたらいいのかというところが企画のスタート」[13]と語っており、「コロナ禍で自由に出掛けられないというところからスタートしているので、映画の舞台は自由度が高いところ、開放感のあるところにしたい。そうなると宇宙や空になりますが、前作が『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021』でしたから、「今回は空を飛行船で駆けていくような話がいいのでは」となった」[13]としている。
また、古沢は脚本の執筆中にキャラクターやイメージボードのスケッチを描いており[14]、ソーニャのスケッチは観客動員200万人突破を記念しTwitter上で公開された[15]。ソーニャとマリンバはこのスケッチをベースにし、キャラクターが仕上げられている[10]。
全国380スクリーンで公開され、2023年3月3 - 5日の金土日3日間で動員約54万2000人、興収6億6300万円をあげ初登場1位を獲得、これは2020年新型コロナウイルス感染症の流行以来の最高成績、興収26.9億円を記録した前作『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』の興収比は150.7%[29][30]。
さらに見る 動員数 (万人), 興行収入 (億円) ...
『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』動員数・興行収入の推移
|
動員数 (万人) |
興行収入 (億円) |
出典・備考 |
週末 |
累計 |
週末 |
累計 |
1週目の週末 (2023年3月3日・4日・5日) |
1位 |
54.2 |
54.2 |
6.6 |
6.6 |
[31][32] |
2週目の週末 (3月10日・11日・12日) |
38.4 |
102.5 |
4.7 |
12.5 |
[33][34] |
3週目の週末 (3月17日・18日・19日) |
3位 |
33.9 |
146.6 |
4.1 |
17.8 |
[35][36] |
4週目の週末 (3月24日・25日・26日) |
1位 |
32.2 |
211.1 |
3.9 |
25.5 |
[37][38] |
5週目の週末 (3月31日・4月1日・2日) |
28.6 |
277.6 |
3.3 |
33.0 |
[39][40] |
6週目の週末 (4月7日・8日・9日) |
16.6 |
324.1 |
2.0 |
38.3 |
[41][42] |
7週目の週末 (4月14日・15日・16日) |
2位 |
10.2 |
337.9 |
1.3 |
40.0 |
[43][44] |
8週目の週末 (4月21日・22日・23日) |
4位 |
|
344.2 |
0.7 |
40.8 |
[45][46] |
9週目の週末 (4月28日・29日・30日) |
6位 |
|
349.* |
0.5 |
41.5 |
[47][48] |
10週目の週末 (5月5日・6日・7日) |
8位 |
|
358.8 |
0.6 |
42.6 |
|
11週目の週末 (5月12日・13日・14日) |
圏外 |
|
360.5 |
|
42.8 |
|
12週目の週末 (5月19日・20日・21日) |
|
361.4 |
|
42.9 |
|
13週目の週末 (5月26日・27日・28日) |
|
361.9 |
|
43.0 |
|
最終 |
|
43.4 |
[49] |
閉じる
入場者プレゼント
- 漫画とクイズを収録した小冊子『映画ドラえもん のび太と空の理想郷 パーフェクトまんがBOOK』を配布。内容に一部誤りがあり、映画公式サイトにてお詫びと訂正が発表された。
前売り特典
- 2022年12月23日に発売を開始した映画前売券の特典として10万名にラバーキーホルダー『大冒険!!パイロットドラ』を配布。
テレビシリーズ
- 数えて!タイムツェッペリン!!
- 2022年12月31日放送「大みそかだよ!ドラえもん1時間スペシャル!!」内にて行われたクイズ企画。番組ブリッジで流された3問の映像に登場するタイムツェッペリンの合計した数を2択の中から選び、指定された専用の電話番号で応募する。抽選で30名にドラえもんグッズを詰め合わせた「ドラえもんお年玉BOX」がプレゼントされた。クイズの案内役としてNiziUが出演。制作はふわころもち合同会社が担当した。
- カウントダウン
- 2023年2月4日より開始。本作のゲスト声優である永瀬廉・山里亮太・藤本美貴らが出演し、「映画公開まであと○週!」とカウントダウンを行う。
- 空であそぼう!
- 2023年1月21日から1月28日、2月11日、3月11日放送のミニコーナー。気象学者の荒木健太郎が取材協力のほか出演をしている[50]。
- スタッフ
- ディレクター - 昼間達樹(1月28日放送分より)
- プロップデザイン - ふわころもち合同会社
- 協力 - 『すごすぎる天気の図鑑』(荒木健太郎/KADOKAWA)、酒井清大、川村にゃ子(2月11日・3月11日放送分)
- エンディング
- 2023年1月7日から5月6日放送分は、エンディングテーマが映画主題歌『Paradaise』に変更され、予告編映像を使用したものになっている。エンディング制作は壽崎誠・嵐悠太(バカ・ザ・バッカ)。
- ドラガオじゃんけん
- 2023年1月7日から3月25日放送分は、映画の衣装を着たドラえもんがじゃんけんを担当[51]。
その他関連商品
- 小説 映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ISBN 9784092314467)
- 2023年2月3日に小学館ジュニア文庫より新書判・電子書籍が発売。著者は前作『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』(2022年)の小説版を手掛けた福島直浩。
- 2024年9月3日からはオーディオブックが配信されている。ナレーターは慶長佑香、國分和人[52]。
関連イベント
- 理想のネコ型ロボットイラストコンテスト
- 映画公開を記念し、オリジナルのネコ型ロボットを募集したイラストコンテスト。最優秀賞は応募先共通で映画パンフレットに応募作品と名前が掲載されるほか、映画パンフレットと『大長編ドラえもん』1巻から24巻のセットが、優秀賞は応募先によって別々の商品がプレゼントされる。テレビシリーズ3月18日放送分のエンディングで、テレビ朝日部門イラストコンテスト優秀賞作品が発表された。
- 応募先別優秀賞
- テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION
- 2022年7月23日から8月28日の開催期間中、本作の世界観を体験できるアトラクション「ドラえもん理想郷ザ・フライト〜JUMP!JUMP!アトラクション〜」「ドラ・ラ・ラビリンス」を開設。また、ドラえもんのバルーンも登場する[53]。
- ドラえもんXRライド〜のび太と空の理想郷〜
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで2023年2月23日から9月3日の期間限定で今作の映画ドラえもんとのコラボアトラクション「ドラえもんXRライド〜のび太と空の理想郷〜」が開催される。XRライドとはパークが独自開発した新感覚技術により、VRゴーグル(ゴーグルにはドラえもん・のび太・ソーニャ・マリンバと理想郷を旅する映像が流れる)を付けた状態でジェットコースターを楽しむアトラクションである。映画ドラえもんシリーズとユニバーサル・スタジオ・ジャパンがコラボするのは2020年開催の「『映画ドラえもん のび太の新恐竜』ミーツ ジュラシック・ワールド」「『STAND BY ME ドラえもん 2』XRライド」以来、3年ぶり2回目となる。2月22日にオープニングセレモニーが開催され、スペシャルゲストとしてNiziUが登壇した[54]。
- 杉並アニメーションミュージアム
- 2022年12月17日から2023年4月2日にわたり、杉並アニメーションミュージアムで「映画ドラえもん展」を開催[55]。
- 空飛ぶドラえもんプロジェクト
- 全長17メートルの映画ラッピング飛行船企画。飛行船の名称は「飛行船ドラそら号」[56]。「飛行船ネーミングひみつ会議!」と称した、飛行船の名前のアイディア募集や飛行船との記念撮影やフライトイベントが行われた。Twitterでは飛行船の制作過程を撮影した動画が1月31日[57]・2月9日[58]・2月17日[59]・2月24日[60]に公開された。
- 藤子・F・不二雄ミュージアム
- 2023年2月9日より、「ミュージアムカフェ」メニューに「のび太と空の理想郷フロート」を追加した[61]。
- 映画ドラえもん特別試写会
- 2023年2月12日に東宝株式会社試写室でCM用撮影を兼ねた特別試写会を開催。「初めての映画館デビューをドラえもんが応援!」というキャッチフレーズのもと、3歳から8歳の児童を含む親子を対象とした[62]。
- 六本木ヒルズ
- 2023年2月21日から3月5日にわたり、六本木ヒルズのメトロハットなどで本作の巨大広告ビジュアルを掲示[63]。
- リトルプラネット
- 2023年3月1日から5月7日にわたり、本作をイメージしたデジタルアトラクション「『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』スケッチ エア レーシング」を展開[64][65]。
注釈
4つのTVCMは「ストーリー篇」、「ソーニャ篇」、「コミカル篇」、「NiziU篇」。7つの6秒CMは「ひみつ道具篇」、「NiziU篇」、「永瀬廉&ドラえもん①ソーニャのスカーフ篇」、「永瀬廉&ドラえもん②春といえば?篇」、「永瀬廉&ドラえもん③飛行服篇」、「永瀬廉&ドラえもん④飛行機ごっこ篇」、「永瀬廉&ドラえもん⑤ドラえもんの好きなところ篇」
出典
『ドラえもん まんがセレクション『のび太と空の理想郷』公開記念スペシャル!』P.208を参照。
『ドラえもん まんがセレクション『のび太と空の理想郷』公開記念スペシャル!』P.176 - 177を参照。
さらに見る 大長編作品(アニメ第1期), # ...
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- 漫 - 原作漫画、大長編漫画等の執筆者の頭の1文字または略記号。藤=藤子不二雄。F=藤子・F・不二雄。1987年の独立前のみ「藤」と記載した(ただし『ドラえもん』は連載開始時から藤本単独作)。FP=藤子プロ。それ以外は作画者を記載。括弧付きは藤本以外が執筆した外伝、短編など。詳細は大長編ドラえもん#作品一覧(併映作品は各作品のページ)を参照。