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大長編ドラえもんシリーズ第16作、映画シリーズ第17作 ウィキペディアから
『ドラえもん のび太と銀河超特急』(ドラえもん のびたとぎんがエクスプレス)は、藤子・F・不二雄によって執筆され、月刊コロコロコミック1995年9月号から1996年2月号に掲載された「大長編ドラえもんシリーズ」の作品。および、この作品を元に1996年3月2日に公開されたドラえもん映画作品。大長編ドラえもんシリーズ第16作、映画シリーズ第17作。
ドラえもん のび太と銀河超特急 | |
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Doraemon: Nobita and the Galaxy Super-express | |
監督 | 芝山努 |
脚本 | 藤子・F・不二雄 |
原作 | 藤子・F・不二雄 |
製作総指揮 | 藤子・F・不二雄 |
出演者 |
レギュラー 大山のぶ代 小原乃梨子 野村道子 たてかべ和也 肝付兼太 ゲスト 伊倉一恵 塩沢兼人 真殿光昭 菅原淳一 丹下桜 内海賢二 |
音楽 | 菊池俊輔 |
主題歌 | 私のなかの銀河/海援隊 |
編集 | 岡安肇 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 |
シンエイ動画 テレビ朝日 小学館 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1996年3月2日 |
上映時間 | 97分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 16億円[1] |
前作 | ドラえもん のび太の創世日記 |
次作 | ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記 |
画像外部リンク | |
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ポスター|英語版Wikipedia |
第14回ゴールデングロス賞優秀銀賞受賞作[2]。併映作は『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』。
映画シリーズ45周年を記念して、2025年1月24日から30日まで全国93館の劇場でデジタルリマスター版として一週間限定上映(併映作品の上映はない)[3]。
22世紀の銀河ミステリー列車「銀河超特急」でドラえもん達が、宇宙の外れにあるテーマパーク「ドリーマーズランド」となった小惑星群を訪れ、活躍する物語。
原案は単行本20巻収録、14ページの短編作品「天の川鉄道の夜」(この作品も宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に対するオマージュである)であり、どこでもドアの発明によって寂れた天の川鉄道や銀河の果ての星の存在(原作ではハテノ星雲)や天の川鉄道の車掌の姿もこの作品がモチーフになっている。鉄道、西部劇、中生代の世界など他のドラえもん映画作品と比較して藤子Fの趣味・趣向が多く取り入れられている作品である。
藤子Fは映画原作である大長編を描く際、子供を置き去りにしないよう幼児から小学生まで楽しめるような作品を心がけており、本作はビジュアル主体の賑やかな物語をコンセプトとして制作された[4]。これには、前作の『のび太の創世日記』の物語が「生物進化」「文明進化」といった難しさを妊んでいたことの反省の意味も込められている[5]。その点を踏まえて「満足のいく仕上がりになった」としている[5]。
その一方で、観光開発による地域経済活性化といった社会問題に踏み込んだ側面も持つ。この話ではメズラシウムという鉱石採掘により活況を呈していたハテノハテ星群が、資源の涸渇により都市の廃墟、過疎化に喘いでいたところに国を挙げてドリーマーズランドというテーマパークによって再興を図るというのが話の核心にあるが、この作品が作られた当時は、全国の至る地方自治体でブームに便乗してテーマパーク建設による地域活性化を図っていた時代背景があった。また、ハテノハテ星群には華やかなテーマパークだけでなく、無人化した集落や往事の廃坑、使用されなくなった貨物用のSL、そして鉱山採掘の副産物などが登場し、生々しい情景を醸し出している。
また、1997年3月上映の次作『のび太のねじ巻き都市冒険記』(以下、次作)の執筆途中の1996年9月23日に藤子Fが死去したため、シリーズ中で本作は彼が「結末まで手がけた」かつ「存命中に上映を見届けた」最後の作品となった。10年以上に亘ってドラえもん映画の主題歌を担当していた武田鉄矢も、この作品を最後に主題歌の提供を取り止めたが、2010年3月上映の『のび太の人魚大海戦』で14年ぶりに挿入歌を担当した。
映画は録音監督を担当した浦上靖夫のアイディアにより、メンデルスゾーンの『夏の夜の夢』の序曲(列車到着の場面など)、『スケルツォ』(ドリーマーズランド到着前の戦闘アトラクションの場面)、『妖精の行進』(ヤドリにドリーマーズランドが乗っ取られ、アトラクションが暴れだす場面)、『結婚行進曲』(メルヘンの星「白雪姫コース」のクライマックス場面)がBGMに使われていた。
今作では『のび太の宇宙小戦争』(1985年)以来11年ぶりにオープニングアニメーションでのび太、しずか、ジャイアン、スネ夫が登場した。
2004年には同作を4週にわたりNG集を含めた「完全版」(番組内では「特別版」)をテレビスペシャルとして放送した。ただし一部の本編やエンドロールがカットされているため、一般的に「完全版」と呼べるものとは異なる。
NG集はブリッジアニメとして放送。ドラえもんたちがNGを出しているものであり(ドラえもんが列車に乗る直前に切符でなく切手を出す、宇宙の場面では宇宙忍者でなくのび太のママが登場してしまう、など)、NGのために新規の作画が描き下ろされた。その後柳沢慎吾などとドラえもんがアニメで共演している。
今作の敵は人間に寄生して操る生物種であり、スネ夫やのび太も(一時的に)操られる。例によってドラえもんの四次元ポケットが封じられてピンチに陥るものの、のび太の射撃の腕前、しずかの風呂好きなどというレギュラーキャラクターの設定が、敵との戦いにおいて重要な役割を果たす。
大長編、映画になると、いつもダメなのび太が大活躍するのは定番だが、本作では危機的状況に瀕して俄然勇気を出すのび太にスネ夫が「のび太は映画(大長編)になるとかっこいいことをいう」というメタフィクション的な台詞がある。また、天才ガンマンであるのび太の実力を再認識させられる作品でもある。漫画と映画では若干の描写差異があるものの、のび太は射撃で離れ業を披露しており、西部の星で大活躍するほか、最後の戦いでもヤドリ大帝を倒すという見せ場を作っている。
映画ラストでは、のび太たち現代人とアストンたち未来人の和解の場面が描かれており、漫画にはこのシーンが無い。未来人が傲慢さと無知を反省する場面であり、過去作『のび太の恐竜』や『のび太の日本誕生』で頻出のネタ[注 1]も用いられている。
今作のドラえもんは車掌の格好をしているが、予告編を除いて本編では披露しなかった。
スネ夫が、人気のミステリートレインの切符を3枚手に入れたと自慢する。行き先は明かさないまま列車は出発し、着いた先では楽しいイベントが待っているという。ジャイアンとしずかは、ぜひ連れて行ってほしいとスネ夫に頼み込む。そこへのび太が駆け込むと、お約束通りスネ夫が「のび太の分はない」と嫌味を告げようとするも、のび太はどうでもいいと一蹴する。のび太は、何も言わずに3日間家を留守にしているドラえもんの行方を捜していたのだ。
結局その日も当てはなく、すっかり落胆して帰るのび太だったが、家に帰ると何事もなかったかのようにドラえもんがいた。彼の話によると、22世紀で大人気の銀河ミステリートレインの切符を3日間並んでやっと手に入れたらしい。基本は現代のミステリートレインと同じながら、その舞台は何と言っても宇宙である。大喜びするのび太だが、スネ夫は「宇宙なんて危険だ」と主張し、自分達のツアーが絶対安全だと勝ち誇る。しかしドラえもんはそれを笑い飛ばし、2人は裏山に迎えに来た銀河超特急に乗り込む。それは列車というより宇宙船で、さながら銀河鉄道の夜の世界であった。列車の豪華なサービスや、地球では到底見ることのできない宇宙の絶景にすっかり感銘を受けたのび太だったが、窓から覗く忍者や鏡に映る吸血鬼と言った怪現象にも見舞われる。しかし何はともあれ銀河のミステリーツアー初日を堪能したのび太はお返しとばかりにスネ夫たちを集めて盛んに自慢し、スネ夫は悔しがる。
元より皆を誘うつもりだったドラえもんは切符を5人分買っており、ジャイアンとしずかはスネ夫のツアーを断って銀河超特急への参加を頼み込む。しかしそれよりも先にスネ夫の方がちゃっかり旅の準備をしてのび太の家に来ていた。こうしていつものメンバーが揃った所で、銀河超特急の扉が開いた。のび太は皆に展望車の絶景を見せようとするも、スネ夫もジャイアンも列車のサービスの方に夢中で仕方なくしずかと二人で展望車に向かう。展望車では丁度バーチャル映像の上映中であり、演出に驚いたのび太は床に頭を打って気絶してしまったが、コスモタイムズの記者ボームに助けられる。バーチャル映像の内容が難しくて暇を持て余したのび太は一人客車に戻るが、ジャイアンとスネ夫は恐竜や海賊を見たと騒いでいた。のび太も自分が体験した怪現象を話し、三人はドラえもんに報告するべく探しに行く。やがてドラえもんが車掌と共に深刻な顔で現れた。実はこの宙域はダーク・ブラック・シャドー団という宇宙盗賊団が暴れまわっており、この列車も狙われているという。ドラえもん一行はどこでもドアで一旦地球に帰ろうとするも、超空間が封鎖されていてそれも出来ない。一時は絶望的なムードに包まれるが、のび太が「大長編らしく」奮起し、一行はシャドー団と戦うことを決意。車掌、ボームも加えて列車の屋根から信号弾で応戦する。しかし何機かは撃ち落としたものの多勢に無勢であり、列車は攻撃を受けて近くの惑星へと墜落する。
そこは宇宙の外れハテノハテ星群にある巨大遊園地ドリーマーズランドであり、実は銀河超特急の行き先はこの星だった。先ほどの列車強盗も全てアトラクションのショーだったのだ。ドリーマーズランドは「宇宙最大・最新・最高の夢の楽園」というキャッチコピーを掲げ、この中央惑星の周辺にある数々の小惑星で様々なアトラクションが楽しめるという大規模テーマパークであった。のび太とドラえもんは西部の星へ、ジャイアンとスネ夫は忍者の星へ、しずかはメルヘンの星へそれぞれ遊びに行く。西部の星では、ドリーマーズランド入場時に知り合った未来の子ども三人組アストン、ドン、ジェーンとかち合う。彼らは20世紀から来たのび太を「昔者」と馬鹿にするが、のび太は得意の射撃センスを遺憾無く発揮。脱落した三人組とは対照的に強盗団を倒して見事にアトラクションをクリアした。
一方、忍者の星ではジャイアンとスネ夫が厳しい修行に音を上げていた。そこで先生から「壁抜けの術」「バッタの術」「ネズミ変身の術」が使える巻物・仮免許皆伝を授けられ、本免許を目指して実地試験に臨むも最後の最後で失敗して捕らえられてしまう。メルヘンの星ではしずかは白雪姫のショーに参加するも、多過ぎる志願者を対処するための「7人の白雪姫と1人の王子で同時進行する」という杜撰な対応で楽しめずにいた。丁度メルヘンの星に来ていたアストン一行はその様子を見て他の星に向かうが、そこに謎のUFOが近付き、アストンに光線を当てる。するとアストンは豹変し、ドンとジェーンを小惑星に振り落として去ってしまった。彼は謎の生命体ヤドリに寄生され、自我を乗っ取られたのだった。これを始まりとし、無数のヤドリが銀河超特急の乗客600人の体を狙って行動を開始する。そんなことなど知る由もないドリーマーズランドでは、ボームが園長に取材を行っていた。元々ハテノハテ星群は「メズラシウム」という鉱石の採掘で栄えていたが、鉱脈が枯渇すると人口流出に悩まされ、それを打開するための一大事業がドリーマーズランドだったのだ。
翌日、入浴を楽しんでいたしずかは、入ってきたヤドリのUFOに咄嗟に手元のスプレーを浴びせる。するとUFOは動かなくなった。UFOの正体に気付かないままドラえもん一行は全員で恐竜の星へ遊びに行き、それぞれ恐竜ロボットと交流して楽しんでいたが、突如として恐竜ロボットは機能を停止する。ロボットは全て中央惑星で管理されていたのだがその中央惑星と連絡が取れなくなっていた。直後、ロボットが暴れ出し、ドラえもん一行は暴走する恐竜ロボットを振り切って中央惑星に戻る。中央惑星では遊園地のロボットが暴走したり、通信センターやコントロールセンターが破壊されるなど異常事態に見舞われていた。やがてスネ夫がヤドリに寄生され、一行を客車に閉じ込めてしまう。一行はボームと車掌によって助けられるも、既にドリーマーズランドの職員は皆ヤドリ人間と化していた。辺境警備隊に助けを求めようにも、超空間も封鎖されて四次元ポケットも使えない。そこで車掌の提案した、大量の発煙筒の煙に紛れて脱出する作戦が成功し、銀河超特急は中央惑星から飛び立つ。しかし実は逃走を先読みしたヤドリによって機関車から燃料が抜かれており、近くの小惑星に墜落してしまう。
そこはメズラシウムを掘り尽くし、穴だらけの無人惑星となった禁断の星だった。機関車も壊れて航行不能になったものの、幸い食料庫には水と食料が潤沢に残されており、一行は落ち着いて今後の対策を練る事にする。しずかの体験談からヤドリは客車の浴室に備え付けてある銃型石鹸スプレー「真空ソープ」で倒せることが明らかになり、スネ夫もヤドリが倒されて正気に戻る。しかしその少し前、坑道の奥に銀河超特急と同規格の機関車型宇宙船があったという情報を得たジャイアンが独断で廃坑に入り込み、落盤により迷子になっていた。廃坑にはヤドリ戦艦に跳ね飛ばされて偶然この星に来ていたドンとジェーンがおり、彼らの案内で機関車を発見したものの脱出手段が無く、途方に暮れる。しかしポケットに入っていた仮免許皆伝で壁抜けの術を使い、脱出に成功。機関車を取り替えた銀河超特急は辺境警備隊へ向かうが、ヤドリの攻撃を受けてまたしても別の禁断の星へと落ちてしまう。
しかし既にヤドリの弱点が分かっている一行は待ち伏せし、迫ってきたヤドリ人間を奇襲。真空ソープで次々とヤドリを倒していき、寄生された人間を解放する。アストンもドンとジェーンによって助けられた。追い詰められたヤドリ天帝は遊園地から奪った巨大ロボットに寄生して応戦する。ロボット相手では真空ソープも届かず一行は退却を余儀なくされる。天帝は岩陰に佇むのび太を発見し、彼に寄生しようと姿を見せた。その瞬間を見逃さず、のび太は天帝を撃つ。天帝の死により、ヤドリは戦艦ごと尻尾を巻いて逃走していった。
正気に戻ったドリーマーズランドの人々は騒動を謝罪し、一日も早い再建を誓う。アストンも責任を感じ、大富豪である父に掛け合ってドリーマーズランドへの援助を約束した。銀河超特急はハテノハテ星群を後にし、帰り道でドラえもん一行は三人組とも和解。やがて銀河超特急は裏山へと到着するのだった。
ドリーマーズランドの中心となる星。アトラクションの運営を行う他、駅や遊園地も存在する。
星全体が19世紀のアメリカを模している。射撃、乗馬など、西部劇風のアトラクションが楽しめる。のび太たちは保安官の助手となり、銀行強盗を捕まえるというイベントに参加した。最初に射撃大会の形式でテストが行われ、台に並べられた6つの空き缶に2発以上命中させれば合格となり、保安官助手の資格が与えられる。その後悪役ロボットが起こす騒ぎを取り締まるなど、助手として最も活躍することで、一日保安官(途中で正保安官に変わっている)に任命される。
恐竜型ロボットが多数生息する星。映画では「中生代の星」とも呼ばれている。擬似的に恐竜と交流(ただし肉食恐竜に食べられてしまう可能性もある)することができ、仲良くなれたら恐竜レースに参加することができる。一等賞品は恐竜ロボット1体。なお、タケコプターの使用は許可されている。
忍者の師匠にマキビシ、水蜘蛛、目潰しなどの忍術を習う星。ただし、訓練が厳しいため人気がないらしい。修行後に行われる実地試験に合格すれば、あらゆる種類の忍術が入った念波入力のコンピューターが内蔵された巻き物が授与される。この星ではジャイアンは「服部ジャイ蔵」、スネ夫は「霧隠スネ蔵」という設定になっていた。
自分が童話の主人公になって童話を演じる事が出来る星。オーロラ、大きな虹、ペガサスの群れなど童話の世界そのものの光景が展開されている。演じる事が出来る童話の数は1001種類で、1日につき最大12回開演される。ただし、白雪姫など希望者が多過ぎる話に関しては3〜5回待ちや7人同時開演などの措置もとられているが、複数人同時開演でも王子役が1人しかいないなどの不都合があり、そのようないい加減な運営に利用者からは評判が悪い。係員としてキューピッド、妖精などのロボットがいる(キューピッドは人を眠らせる効力を持った弓矢を装備しており、ヤドリが招いた暴走の際にドラえもんたちを眠らせている)。ぶんぶく茶釜は人気がないらしく、順番待ちは無かった。
吸血鬼ドラキュラ、狼男、人食い鬼、幽霊、海坊主、魔女、死神などの妖怪や怪物のロボットが多数いる星。システムなどの詳細は不明。システムの暴走でそれらが中央惑星に飛来していた。
「メズラシウム」という鉱石を採掘していた鉱山惑星。鉱脈が枯渇したため、現在は無人。地表は採掘時に排出された大量の灰に覆われ、危険な廃坑も存在するためテーマパークにはできず、立ち入り禁止となっている。なお、禁断の星でボームが見つけた地底坑道図のレベル3の図にはM1911A1、Type 64、H&K PSG-1、P226、M92F、AK47やM16など色々な銃の名が記されている。
蒸気機関車型の宇宙船。先頭の機関車両が動力を担い、客車両を牽引する。機関車は動輪2軸(0-4-0)のタンク式。客車は全長12メートル前後で、片面1つのドアと2軸ボギー台車を持つ。連結器は柴田式。外見は客車8両(原作では9両)だが、空間を圧縮しており実編成は120両。58号車は全面ガラス張りの展望車で、ワープ状態で景色が見られない間はバーチャル映像が上映される。
銀河超特急を運行している天の川鉄道の定期列車は2111年9月3日[注 5] をもって廃線となった。理由は「どこでもドアに太刀打ちできなかった」から(原作『天の川鉄道の夜』より)。そのため、その後は時々銀河超特急のような観光用列車のみが運行されている。速達性を売りにした交通機関ではないため、速度はさほど速くはない(知らずに目撃したヤドリの見張りには「高速移動中」との言及はされたが、直後に「古臭い交通機関」呼ばわりされていた)。屋根に信号弾を発射できる大砲を備えるが、あくまでイベント用で武装は皆無。
塗装は、機関車が赤一色に星型のヘッドマーク、客車が上オレンジ(黄かん色)、下緑(緑2号)の湘南色で、客車にはレトロ風に木目調のプリントが施されている。また、客車の屋根には角型の通風機が並び、8号車には後方監視窓と尾灯が設置されている。
内部は個室が主体となる。のび太たちが乗車した7号車は1人用が5室あり、各部屋にはベッドやテレビのほか、洗面所とトイレなども完備。食事はルームサービス。また、個室とは別にミーティングルームと浴室もある。長旅でも退屈しないよう、机の引き出しには立体ゲームが設置されている。壁を透明にすると宇宙の景色も楽しめる。浴室は全面バーチャル映像によって「宇宙空間の露天風呂」を演出することが可能。客車はハテノハテ星雲到着後に切り離され、個別にロッジとして使われる。
他にサプライズとして窓に各アトラクションに登場する忍者や恐竜などが映ったり、西部のガンマンが現れたりする。長旅故にどこでもドアで一時的に自分の星に戻る人も多いが、イベント時には予告無しに超空間が閉鎖され使用不能になるため、初参加者を困惑させることもしばしば。
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