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エドモン・ロスタンの戯曲 (1897) ウィキペディアから
『シラノ・ド・ベルジュラック』(Cyrano de Bergerac)は、エドモン・ロスタン作の五幕の韻文戯曲。題名通り、17世紀フランスに実在した剣豪作家、シラノ・ド・ベルジュラックを主人公にしている。サラ・ベルナールを介して知った俳優、コンスタン・コクラン(Coquelin aîné)の依頼で書いた。
初演は、シラノ没後242年の1897年。ポルト・サン=マルタン座(Théâtre de la Porte Saint-Martin)の12月28日の初日から500日間、400回を打ちつづけ、パリ中を興奮させたといわれ、以降今日に至るまで、フランスばかりでなく世界各国で繰り返し上演されている。
額田六福が、新国劇の沢田正二郎のために『シラノ・デ・ベルジュラック』を翻案した『白野弁十郎』は、1926年(大正15年)1月に邦楽座で初演され、大成功を収めた。翻訳は楠山正雄。この翻案では、舞台が幕末から明治の日本に移されている。その後、沢田の弟子だった島田正吾がこの作品をひとり芝居の形にし、島田は2004年に98歳で亡くなるまで、この作品を演じた。島田の死後、弟子の緒形拳(新国劇出身)がこの作品の上演を行った[1]。
舞台は、幕末の京都。武士の白野弁十郎は朱雀隊の隊士で、いとこの千種に恋心を抱き続けていた。ところが、若い隊士の来栖から千種への思いを打ち明けられ、彼の代理で恋の歌を詠むことになる。2人は戦場に赴き、白野は恋の便りを送り続けたが、来栖は戦死。10数年後、白野は落ちぶれて、仏に仕える千種と再会する…。
1973年にはブロードウェイで『Cyrano』としてミュージカル化。
1993年にはオランダで(『シラノ・ザ・ミュージカル』、原題はCyrano - The Musical)としてミュージカル化。日本版を2001年12月に上演。
2009年4月、スペインで世界初演が予定されていたミュージカル『シラノ』は、マドリードで予定されていた世界初演が延期になったため、鹿賀丈史の主演、ヒロインのロクサーヌ役朝海ひかるにより日生劇場にて2009年5月5日に世界初演が行われた[2][3]。2013年1月に再演されている。
映像化も幾度となく行われている。最も有名なのは、1950年のホセ・フェラー主演作で、この作品でフェラーはアカデミー賞の主演男優賞を受賞した。1990年には、ジャン=ポール・ラプノー監督によりフランスで製作され、こちらも主演のジェラール・ドパルデューがアカデミー賞の主演男優賞候補になった。1987年には、舞台を現代に置き換えたスティーヴ・マーティン主演の『愛しのロクサーヌ』がある。1959年には、時代劇映画として翻案された稲垣浩監督・三船敏郎主演による『或る剣豪の生涯』がある(前述の『白野弁十郎』の映像化ではない)。また、2012年には、本作の舞台を現代に置き換えたディズニー・チャンネルのオリジナルムービー『レット・イット・シャイン』が制作された。
また『白野弁十郎』は、3回にわたってスペシャルドラマ化された。
この戯曲は各国で頻繁に上演されているが、ここでは日本における主な上演記録を列記する。
上演に使われた台本のほとんどは、次の2本である。
「白野」は、おもに、新国劇により、その解散後は元劇団員により、上演されている。
他にミュージカル作品がある。
なお、以下で、主演は、シラノ役、ロクサーヌ役、クリスチャン役の順である。
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