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日本のロールプレイングゲームシリーズ ウィキペディアから
キングダム ハーツ シリーズ(KINGDOM HEARTS series)は、スクウェア・エニックス(旧スクウェア)が発売しているロールプレイングゲームのシリーズである。公式の略称は"KH"。
キングダム ハーツ シリーズ | |
---|---|
ジャンル | RPG |
開発元 |
スクウェア →スクウェア・エニックス |
発売元 |
スクウェア →スクウェア・エニックス |
主な製作者 |
野村哲也 橋本真司 下村陽子 |
1作目 |
キングダム ハーツ (2002年3月28日) |
最新作 |
キングダム ハーツ メロディ オブ メモリー (2020年11月11日) |
公式サイト | スクウェア・エニックス公式 |
ディズニーとスクウェア・エニックスのコラボレーション作品であり、タイトルロゴの上部には「Disney SQUARE ENIX」(実際には両者の間に鍵マークが入る)と記されている[注 1]。2002年から展開されているため、同社の他作品に比べて比較的歴史の浅いシリーズだが、世界的にも人気は高く、2021年にシリーズの世界累計出荷本数は3500万本以上を達成[1]。2005年にスクウェア・エニックスは本シリーズを『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』と合わせ、「三本の柱」と位置付けている[2]。
ディレクターは野村哲也で、それまで主にキャラクターデザインを担当していた彼にとっては、本シリーズの1作目が初めてのディレクション作品となった。また野村はそれ以外にも企画立案、シナリオ原案、コンセプトデザイン、キャラクターデザイン等を手がけている。
多数の作品が発売されているが全て同一世界観上の物語であり、ストーリーも繋がっている。最初からシリーズ全体を突き詰めていた訳ではないが、一作目の段階から方向性は見えており、常に「次の次の作品くらいまで」をまとめて構想している。開発するうちに辻褄が合わなくなった部分はアドリブで変えている。全体像を把握しているのは野村だけで現場も完璧には理解しておらず、野村に対しての疑問や指摘は敢えて積極的にさせるようにしている[3]。
なお、タイトルとしては『キングダム ハーツ』というように単語の間に半角スペースを挟んだものが正しく、本項および各シリーズ作品の記事はメーカーならびにアルティマニア等の書籍にて用いられている名称に準じている。作品中に出てくるキーワードとしては半角スペースを挟まない「キングダムハーツ」であり、明確に区別されている。
本シリーズの著作権はスクウェア・エニックスではなくディズニーが所有している。
事の発端は『FFVIII』の開発中であった。当時スクウェアはウォルト・ディズニー・ジャパンと同じビル(アルコタワー)に置かれており、橋本真司がエレベーターの中でディズニーの幹部からゲームの共同制作を持ちかけられたことから始まっている[4]。話を受けた橋本が坂口博信とゲームの方向性についての話し合いをしている時、その席にたまたま野村も居合わせていた[5]。
野村がデフォルメキャラでのアクションゲームを考案していた中で舞い込んだ話であり、またディズニーのキャラクターは世界中で有名なのにもかかわらず、ゲームにおけるディズニーオリジナルの作品はまだ誰も開拓できていないという思いが野村にはあった[6]。そこで自分の持つゲームの構想とディズニーを合わせれば今までになかったものができると考え、野村が自ら手を上げたことからプロジェクトが始まった。それから一年間、一人でこつこつと企画やゲームデザインを進めていったという[5]。
野村は当時『スーパーマリオ64』のプレイから受けた衝撃を基に、自社においての新たな3Dアクションゲームの開発を希望していたが、社内では「既に世界的キャラクターとなったマリオに対抗するのは不可能」「ディズニー級のキャラが必要」という意見が出た。この意見を覚えていた野村は、後にスクウェアでディズニーのゲーム制作が決まった際に、ディズニーの知名度と世界観を借りて、本シリーズを立ち上げる事となった[7]。
ゲームの内容については、当初スクウェア側はミッキーマウスを、ディズニー側はドナルドダックを主役としたものなどを提案していた。しかし野村はそのどちらでもない、オリジナルキャラクターを主人公としディズニーの世界を冒険するという、現在の『KH』の原型となる企画書を持ち込んだ[8]。交渉は難航したというが、野村は「初めは難色を示されたが、説得できないことはないだろうと思い込んでやっていた」と回想している[5]。
「キングダム」には“ディズニーらしいイメージ”と“自分たちが一から王国を作る気持ち”という意味合いが込められており、この名称での発売が予定されていたが、「キングダム」は既に商標に登録されていたためそのまま使用することはできなかった。そこで作品中でも重要な「心」(ハート)を語呂を良く複数形の「ハーツ」にした上で付け足し、現在の名称に決定した[5]。また、タイトルは最終決定の直前までは「キングダム オブ ハーツ」に決まりかかっていたが、野村の「語呂が良くない」との判断から、文法より語呂を優先し「オブ」をなくしたという経緯がある[9]。
シリーズ作品を以下に記述する。「ファイナル ミックス」と付いたタイトルは北米版をベースに新要素が追加されたもので(『FF』における「インターナショナル」に該当)、「Re:」と付いたタイトルはリメイク作品である。また、「*」印は廉価版「アルティメットヒッツ」が発売していることを示す。
シリーズ作品は全て同一の世界における物語であり、上記をまとめると時系列は以下のようなならびとなる。
♦マークは、『キングダム ハーツ HD 1.5 リミックス』にプレイアブル収録、♣マークは映像作品収録。
♥マークは、『キングダム ハーツ HD 2.5 リミックス』にプレイアブル収録、♠マークは映像作品収録。
主題歌にはシリーズで一貫して宇多田ヒカルが起用されている。この楽曲提供については、野村の「ディズニーという世界最大のキャラクターコンテンツと組めたんだから、曲も最高のアーティストを起用しないとダメだ」[7]という考えから生まれた、「『KH』には宇多田ヒカルしか考えられない」という強い思いからのオファーがあったことが関係している。無理を承知で送ったオファーだったが、宇多田本人がディズニーやゲームを好きであったこともあり、野村の予想に反して交渉はスムーズに進んだという[5]。楽曲は国内版では日本語歌詞のものが、海外版と『ファイナル ミックス』では英語歌詞のものが使用されている。
ゲーム中のBGMの作曲は下村陽子が担当している(『BbS』以降は関戸剛、石元丈晴も補佐的に一部参加)。下村にとっては、一つのシリーズにコンポーザーとして携わり続けるのは本シリーズが初となった。RPGとしては珍しく、フィールドとバトルの曲がワールドごとに用意されており、シリーズならではの多彩な世界を音楽面でも表現している。
また作品の性質上、ディズニー作品やFF作品で使用された楽曲をゲームのBGMに用いているケースもいくつかある。また、ゲーム中のオーケストラアレンジは全て和田薫によるものである。
ディズニー作品は第1作の『KH』、それを追う形となる『COM』では長編アニメ作品の登場が多く、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』だけがストップモーション・アニメだった。しかし、『KHII』からは実写作品である『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『トロン』、モノクロ作品の『蒸気船ウィリー』、キャラクターだけだがCGアニメの『チキン・リトル』など、様々なジャンルの作品が登場するようになった。
『χ』『Uχ』にはKHシリーズに登場したキャラクターがカードやメダルとなって出演しているが、『ズートピア』や『ジャングル・ブック』のように、映画と連動したキャンペーンによってシリーズ未登場のディズニー作品のキャラクターのアイテムが配布されることがある。
『KHIII』にはシリーズで初めてピクサー作品が登場した。野村曰く、『KHII』の制作時からピクサー作品を出すための交渉をしておりキャラクターモデルの試作もしていたがお蔵入りになり、「『KHIII』はピクサー作品を出せなければ作れない」という意気込みで長い時間をかけて交渉してようやく許可が出たという[29]。また、基本的に原作映画の再現やアナザーストーリーが描かれるKHシリーズにおいて、『KHIII』で登場したピクサー作品の『トイ・ストーリー』と『モンスターズ・インク』は映画スタッフの要望により原作映画と同じ世界で起こった出来事として描かれることとなった[29]。
また、ディズニーがピクサーの他にルーカスフィルムとマーベルを子会社化したことで登場ワールドの候補が広がることについて聞かれた際には野村は肯定はしつつも、ゲーム化の契約はそれぞれの会社と結ぶことになり、個別のタイトルごとに他のゲーム会社と既に契約していることも多いので、ディズニーグループに加わったからといってKHシリーズに出すのは簡単ではないと話している[29]。
FF作品は『KH』『COM』では野村がキャラクターデザインを務めた作品のキャラのみの出演だったが、『KHII』には彼がデザインをしていない『FFVI』や『FFIX』のキャラが出演した。それまではファンの間で「権利関係上で野村がデザインしたキャラしか使えないのでは?」という憶測が立っていたが、野村はこれを明確に否定し「自分がデザインをしていないとそのキャラを熟知できていないから出し辛かっただけで、『KHII』では少し冒険してみた」と語った[30]。またFF作品のキャラクターは本来、KHオリジナルキャラクターとディズニーキャラクターとの緩衝材として登場させていたが、XIII機関のようなオリジナルキャラクターが出揃い、彼らとディズニーキャラクターのみで物語を描ける算段が付いた事から、これからの出演は控えめに行っていく旨が語られている[27]。
『3D』に『すばらしきこのせかい』が登場したことによって、初めてFFシリーズ以外からスクウェア・エニックスのキャラクターが登場することとなった。ただし、ゲスト出演は当初からFFキャラクターのみに限定されていたわけではなく、『KH』に登場したエアリスも開発途中までは『パラサイト・イヴ』のアヤがそこへ当て嵌められる予定であった[31]。
以下のならびは基本的に年号順とする。ディズニー作品はワールドとして登場したものにはW、キャラクターのみが登場したものにはC、未登場には×、KHシリーズの当該作品の発売時に映画が未公開だったものには-を付記する。FF等のスクウェア・エニックス作品は全てキャラクターのみの登場のため、登場したものに○、未登場のものに×、KHシリーズの当該作品の発売時にゲームが未発売だったものには-を付記する。
『KH』シリーズには「星の大海」または「異空の海」と呼ばれる、宇宙に相当する広大な空間がある。それぞれの世界は大きな区分として、「光の世界」「闇の世界」「狭間の世界」がある。またそれら以外にも様々な世界が存在し、ソラたちは仲間たちと共にそれらの世界を守るために冒険していく。
上記の通り、各世界は見えない殻のような物で覆われている為に世界を跨いでの交流が起こる事はなく、キーブレード使いや一部の人物(主に各世界の要人)を除いた世界の住民達は異世界の存在を知らない。その為、異世界の存在を知り、なおかつ移動する手段を持つ者が安易に異世界を渡り歩く事は「世界の混乱を招く」として、自主的に避けられる傾向にある。何らかの理由で他の世界を訪れる際は、住民達に異世界から来たことを知られぬように行動や言動に気を付けなければならず、場合[33]によっては訪問者が「秩序の魔法」でその世界の住民に合わせた姿に変化しなければならない[34]。 作中では、ソラ達が異世界からの訪問者である事を現地住民に知られるケースが多々描写されているが、現実世界ほどの高度な情報システムが存在しないワールドが多いためか[35]特に問題にはなっておらず、混乱を招く程の規模で住民達に知られなければ、上記の掟に縛られない様子も窺える[36]。また、『DR』ではその世界に秩序を理解できる存在がいる場合のみ適用される旨も語られる。しかし『KH3』の作中ではドナルドが口を酸っぱくするほどに何度も警告している。
人が心を持つように、全ての生命には心があり、それは世界も例外ではない。世界の心は「扉」と「鍵穴」によって守られており、各世界の扉(鍵穴)は通常閉じられていて、鍵穴自体は普段は目に見えない状態になっている(しかし幼き頃のリクはデスティニーアイランドの鍵穴を見ることができている)。鍵穴が開く(扉が開く)と世界を守る壁が崩壊し、外界からの危機を招き入れる危険性を孕んだ状態となる。『KH』では各世界の鍵穴が開かれた状態となっていた。そして、鍵穴から侵入したハートレスに心が奪われれば、その世界は闇に飲み込まれて消滅してしまう。鍵穴はキーブレードをかざすことによって出現し、鍵をかけることができる。ハートレスから世界の心を守るためにはキーブレードで鍵穴を閉じるしかなく、『KH』ではソラが各世界の鍵穴を閉じて回っていた。この他にも様々な種類の扉と鍵穴が存在し、『KHII』では、回廊のゲートの鍵穴の他にピートが過去につながる扉を呼び出したり、ゼムナスとの決着をつけさせるために世界が扉を用意していた。『BbS』ではエラクゥスが異空の回廊への鍵穴を開いている。『Re:コーデッド』では、データ世界の鍵穴を開きバグを取り除いた。また、『KHIIID』の眠りに閉ざされた世界では「眠りの鍵穴」と呼ばれるものが存在し、解放することで世界が夢から覚め、外部からの干渉が可能になる。
『KH』では闇の探究者アンセムに統率されたハートレスによっていくつかの世界は壁が崩れた状態だった。そして、グミシップのパーツにその崩れた壁を取り付けていたために自由に世界を行き来することができた。心を失って消滅した世界は、ソラ、リク、王様が闇の扉を閉じることで再生し、別世界に迷い込んだ住人や闇に飲まれて消えていった(眠っている)住人たちも元の世界に戻った。そのため『KHII』では世界を守る壁も修復しており、以前の道を通ることができなくなったが、代わりに世界そのものがハートレスとXIII機関の脅威に対抗するため、ソラたちに新たな道を用意し、キーブレードによって導かれた世界に来航できるようにしてくれたおかげで、再びグミシップで自由に世界を渡り歩くことができるようになった。
伝説に残る、キーブレードの使い手同士が繰り広げた戦争。かつて世界を隔てる壁はなく世界中に光が溢れており、それは目に見えないキングダムハーツの恩恵だと信じられてきた。しかし、大いなる光の心キングダムハーツを手に入れようと複数の勢力同士による光の奪い合いが始まり、人々の心に闇が生まれた。キングダムハーツを奪おうとした者たちは、キングダムハーツと対を成すように存在していたχ(キー)ブレードを模したキーブレードを造り出し、キーブレードを光を守るために使い始めた者たちと対立して戦火は拡大し、戦いに参加していなかった世界も巻き込んでいき、その結果ほとんどのキーブレード使いが命を落とした。さらにχブレードは砕け、キングダムハーツも闇に飲まれたことで全ての世界は闇に覆われてしまった。その後、子供たちの心の光から今の世界が誕生し、その光は「7つの純粋な光の心」となった。その影響で、砕けたχブレードの欠片は「7つの純粋な光の意思と13の純粋な闇の意志」となった。χブレードからわかれた光の数が7つなのは純粋な光の心を守護するためである。キングダムハーツが闇に飲まれたことにより、元々一つであった世界はバラバラになり、二度とこのような争いが起こることのないよう壁によって隔てられた。現在の光の世界の多くに闇の存在がはびこっているのも、キングダムハーツが闇に飲まれていることの影響である。そして、世界に存在する「7つの純粋な光の心」を集めて「人の心のキーブレード」を造り出さなければ、キングダムハーツに近付くことはできなくなった。これがマスター・ゼアノートとイェン・シッドが語ったキーブレード戦争の言い伝えである。
カイリの祖母がカイリに聞かせていたおとぎ話はこれと類似している点が多く、別の形でのキーブレード戦争の伝承とも考えられる。また、マスター・ゼアノートが「キーブレード戦争を再来させれば世界を再編できるのではないか」と語っていたように、この伝承は現在判明している部分の他に様々な仮説が推測されるが、その詳細に関しては明確な記録が少ないため、現時点では不明である点が多い。
キーブレード戦争の戦場となった荒野には、未だにおびただしい数のキーブレードが見渡す限り突き刺さったままとなっている。まるで彼らキーブレード使いの眠りを守るかのような光景から、その地は後に「キーブレード墓場」と呼ばれるようになった。
『3D』にて復活を果たしたマスター・ゼアノートは、さほど遠くない未来において、自身を含めた「13の純粋な闇の意志(または「13人の闇の探求者)」及び「真のXIII機関」)」と、キーブレード使いであるソラ達「7つの純粋な光の意思(または「7人の光の守護者」)」が揃い、「χブレードの誕生」と「キーブレード戦争の再来」が起こるであろうと予言している。
『χ』で明かされた所によると、疑心暗鬼に陥った予知者達のいざこざと、そこに端を発したキーブレード使い達のユニオン間の諍いやルクス回収の激化が戦争勃発の原因であった。この際にキーブレード使いの殆どは命を落としたが、ダンデライオンとして選別されていた一部のキーブレード使いと、それを取りまとめる5人のユニオンリーダーは別の世界に移動しており、戦争を生き延びている。更に『χ』の主人公も戦争に参加したものの救出されている。これ以降、予知者達は姿を消し、伝承の通り世界はバラバラに分離した。但し、これまで語られていたキングダムハーツやχブレードに関しては『χ』作中では詳しく触れられていない。
『Uχ』では、実はこの戦争の原因となった予知者達の不和も、予知書のロストページを利用したマスター・オブ・マスターの計略であり、負の感情を高める事で始祖の闇13体の7体を予知者達に宿らせる為だった。そしてそれもまた、始祖の闇を倒すための布石であった。また、マスター・オブ・マスター曰く、広義で言う「キーブレード戦争」とは彼の少年時代に始まった「光と闇の争い」を指し、その意味ではこの予知者達の不和から始まった戦争も「キーブレード戦争の開戦」ではないとの事。
生き残ったキーブレード使いたちはキーブレード戦争以来、それぞれの光から新たに再生された世界を守るために影ながら世界の秩序を見守り、それらの世界に悪影響を及ぼす様々な脅威から世界と人々を救う役割を担うようになった。このように光の世界を守るためにキーブレードを振るう者は「キーブレードの勇者」と呼ばれる。キーブレード使いたちは「異空の回廊」を開いて鎧を纏い、キーブレードライドによって通行する事で別世界への往来ができる。しかし、前述の理由から無断で別世界へ訪れる事は例えキーブレード使いであっても原則として認められておらず、また往来した時も自身や外界の事情を明かすのは極力控える必要がある。とはいえ、いざという時はその世界の住人と協力して世界の平和を守り、その人々と交流を持つ事もあり、事実、ソラたちやヴェントゥスたちも訪れた世界で出会った仲間たちと共にトラブルを解決し、彼等との絆を深めていき、それを力として世界を救ってきた。
キーブレード使いの素質を持つ者は「キーブレードマスター」によって継承の儀式を受けキーブレードを扱う資格を得る。その後キーブレードマスターの指導の下にキーブレードに選ばれる心技を教わる。キーブレードに選ばれた後は更に修行して技や魔法などを習得して世界の平和を守り、マスターから認められる事で新たなキーブレードマスターとなる。その際、弟子の力量を見極める必要がある場合は承認試験が行われ、その結果で最終判断される。マスターとして承認された者は、世界の監視と後任の指導を任せられるようになる。また、キーブレードマスターは代々1人正統後継者が定められ、旅立ちの地を守護する役割を担っている。また、キーブレードマスターには代々継承されるキーブレードが存在し、その中でもマスター・ゼアノートが手にしたキーブレードは最古の一振りである。このキーブレードは、おとぎ話の時代にマスター・オブ・マスターが弟子のルシュに託したものであり、ルシュは弟子から弟子へキーブレードを継承する使命を与えられている。エラクゥスは旅立ちの地を、マスター・ゼアノートはキーブレードをそれぞれ師から継承している。 ソラとリクの場合はこれら本来のキーブレード使いとは異なり、修行をする前からキーブレードを手に入れ、キングダムハーツやキーブレードなどに纏わる真実について知らなかった事もあり、旅の中でキーブレードの能力を我流で習得していた。特にソラは継承の儀式を受けていないにも関わらずキーブレードに認められるという例外中の例外である。このように、キーブレード使いたちはキーブレードに選ばれる事で世界を守る役割を担うようになるが、『KH』のアンセムレポートやキーブレード戦争の伝説でも語られているように、この能力を悪用する者も存在し、『BbS』から現時点までではマスター・ゼアノートやヴィランズ、XIII機関などが登場している。しかし、そのどれもがソラたちによって防がれ、これらの脅威から守られてきた。
『3D』時点で確認されているキーブレード使いは、ソラたちやマスターの座を引退したイェン・シッド、さらにはヴェントゥスの心の闇が具現化した存在であるヴァニタスや、ソラのノーバディであるロクサスとその能力を共有していたシオンを含めてもわずか数える程しか存在していないが、後にXIII機関に紛れ込んでいるとされる古のキーブレード使い、『KHIII』のシークレットムービーで正体を明かした人物、再びこの世界に現れたロストマスターなど、彼ら以外のキーブレード使いが存在する可能性も示唆されている。また、『BbS』での出来事からテラたちがそれぞれ行方知れずとなった事で、『KH』開始直前までこの役割を果たしていたのは事実上ミッキー(王様)だけだったが、テラたちからキーブレード使いとしての資格を受け継いだソラ、リク、カイリがキーブレードを手に入れた事で物語が動き出し、彼等も世界を脅やかす様々な脅威に立ち向かっていき、また自分たちに課せられた運命とも向き合うために仲間たちと共に様々な世界を冒険する事になった。
物語に関連するキーワードを記載する。
物語の中で重要な役割を果たすアイテム。
「星の大海」や「異空の回廊」に存在する、物語の舞台となる主な(本作オリジナルの)世界。
世界を脅かす危険な存在。
物語の中で特別な能力を持ち、重要な役割を担う存在。
世界を渡り歩くための手段と、そのために必要な乗り物やアイテムなど。
上記以外の系統で物語に深く関わるキーワード。
作中には登場しないが、公式で使用されている用語。
漫画や小説の展開は独自のアレンジが加えられている。旅立つワールドが一部登場しなかったり、『KHII』では漫画はワールドのEP1とEP2の物語が組み合わされていて、小説では主にXIII機関が行動するワールドしか登場しないなど原作ゲームとは差異が見受けられる。また、漫画版は原作ゲームではあまり見られないコミカルな描写が多いのも特徴である。
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